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相原 純; 植田 祥平; 本田 真樹*; 笠原 清司; 岡本 孝司*
JAEA-Research 2024-012, 98 Pages, 2025/02
Pu燃焼高温ガス炉とは、再処理Puの量を安全に減らすための高温ガス炉である。Pu燃焼高温ガス炉では、PuO-イットリア安定化ジルコニア(PuO
-YSZ)の微小球にZrC層を被覆し、更にSiC-TRISO被覆を施した核拡散抵抗性の高い被覆燃料粒子(CFP)を用いる計画である。ZrC層の役割は酸素ゲッターである。平成26-29年に行われたPu燃焼高温ガス炉研究プロジェクトでは、Puの模擬物質としてCeを用いて模擬CFPが製造され、更に、この模擬CFPがHTTR燃料と同様に黒鉛母材で焼き固められ模擬燃料コンパクトが製造された。本報告では、模擬燃料コンパクト製造までの各段階におけるCeO
-YSZ核及びZrC層の微細構造観察の結果を報告する。
松村 太伊知; 奥村 啓介; 坂本 雅洋; 寺島 顕一; Riyana E. S.; 近藤 千博*
Nuclear Engineering and Design, 432, p.113791_1 - 113791_9, 2025/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Retrieving objects with a small amount of fuel debris, such as a few grams, will begin soon at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) at the start of decommissioning. Objects retrieved from the primary containment vessel are not necessarily fuel debris; fuel debris is an object from which neutrons are emitted because it contains nuclear-fuel material. However, the characteristics of the neutrons emitted by fuel debris are unknown. Fuel debris was categorized into five types according to the elapsed time from the accident, burnup, and fuel type (UO or mixed oxide). The number and energy spectra of (
,
) and spontaneous fission neutrons emitted from 1 g of each fuel debris type were estimated using the SOURCES 4C code to obtain the neutron characteristics. The results showed that the average neutron energy is approximately 2.1 MeV, regardless of the type of fuel debris. However, the intensities of neutrons emitted from the fuel debris in 1F Units 2 and 3 varied by four orders of magnitude according to the fuel debris type.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-021, 126 Pages, 2024/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、PCV底部の止水及び補修を目的として、改良したジオポリマーや超重泥水によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を提案する。また、堆積状況など未解明な状況にある現場施工の選択肢を増やすため、止水・補修材の対象部位周辺への局所的施工のみならず、ペデスタル外の広範囲にわたる施工についても検討し、最新の熱流動シミュレーション法により、工法実現性を評価する。広範囲に施工する場合には、ペデスタル外に流出した燃料デブリや堆積物は止水・補修材で被覆されて廃棄体となる。このため、燃料デブリの成層化状態等性状を実験及び解析により把握した上で、廃棄体を安定化する方策を検討するとともに、核種浸出性を含めた廃棄体の長期寿命を評価する。
Batsaikhan, M.; 大場 弘則; 狩野 貴宏; 赤岡 克昭; 若井田 育夫
Optics Express (Internet), 32(24), p.42626 - 42638, 2024/11
被引用回数:0A fiber-coupled, acoustic-wave-assisted microchip laser-induced breakdown spectroscopy system (AW-mLIBS) was developed to analyze the elemental composition and surface imaging. In this study, we measured the dependence of sample temperature and laser ablation angle on the laser-induced plasma-optical emission and LIP-acoustic signal. The intensity of the laser-induced plasma-optical emission and ablated mass at three different temperatures and eight different laser ablation angles were estimated using a zirconium sample. Simultaneously, we investigated the laser-induced plasma-acoustic signal amplitude, propagation speed, and shape by synchronizing the AW-mLIBS system with a high-speed camera. The results revealed that the laser-induced plasma-optical emission increases with increasing temperature and is unaffected by laser ablation angle up to 40 degree because the amount of the ablated mass was similar and the plasma. Additionally, no considerable variation in plasma temperature obtained using the Boltzmann method over the sample temperature. However, the propagation speed of the laser-induced plasma-acoustic signal differs with temperature but has marginal angular dependence because the laser-induced plasma-acoustic signal propagates as semispherical. Furthermore, small and no considerable changes observed in the laser-induced plasma-acoustic signal amplitude up to 100 degree Celsius, and the laser ablation angle showed a similar tendency to that of the laser-induced plasma-optical emission.
結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*
Proceedings of 31st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE31) (Internet), 4 Pages, 2024/11
福島第一原子力発電所の燃料デブリは浸漬状態で冷却されている。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は不明である。本論文では、基礎研究として、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した後の液滴蒸発特性を評価した。実験では、液滴のライフタイム曲線を得るために、孔径1, 40, 100umのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた。実験結果から、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度上昇と共に毛細管現象が観察され、これは微細な構造を持つ酸化膜が生成されたためであった。一方、ステンレス多孔体では低い濡れ性のため、毛細管現象は起こらず、液滴が小孔に吸い込まれて広がることはなかった。このことから、燃料デブリがステンレス多孔体と同じ特性を持つ場合には、毛細管現象による急冷を期待できないことが示された。
宮澤 健; 上羽 智之; 矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 鬼澤 高志; 安藤 勝訓; 皆藤 威二
JAEA-Technology 2024-009, 140 Pages, 2024/10
SUS316相当鋼を用いた高速炉燃料設計の高信頼性化に向けて、SUS316相当鋼被覆管及びラッパ管の高温強度及び照射データを材料学的及び統計学的な観点で評価・解析することで、高温強度及び高照射量までの照射特性に係る設計用強度式を導出した。異常な過渡変化の上限温度を超える900CまでのSUS316相当鋼被覆管及びラッパ管(非照射材)の高温引張試験データ及び高温クリープ試験データを拡充し、0.2%耐力、引張強さ、クリープ破断強度の最適近似式と下限式並びに熱クリープひずみの最適近似式と上下限式を導出した。また、高速実験炉「常陽」、仏国・高速原型炉Phenix及び米国・FFTFで高照射量まで中性子照射したSUS316相当鋼被覆管及びラッパ管の照射後引張試験データ及びSUS316相当鋼被覆管の炉内クリープ破断試験データを解析することで、炉内Na中照射による引張強度及びクリープ強度の低下を表す強度補正係数を導出した。導出した式を実測値と比較することで、その妥当性を確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-026, 80 Pages, 2024/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という。)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和元年度に採択された研究課題のうち、「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和元年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、富岡町の国際共同研究棟等にJAEAが有する先端分析機器を駆使してデブリの性状の変化、元素の溶出挙動を分析し、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明することを目的とした。令和4年度には、放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明のため、線照射下における微生物の模擬燃料デブリ劣化試験、Feと錯形成能を有するシデロフォアであるdesferrioxamine (DFO)あるいは代替物とFe、Uの錯形成能、模擬燃料デブリやマイクロ粒子を計測できるマイクロ流路を用いた溶解試験、Fe酸化物への収着へのシデロフォアなどの影響、モデル微生物や1F付近で採取した菌種による模擬燃料デブリの劣化に関する知見を実験により得た。更に、模擬デブリの劣化を時間の関数として表すモデルを作成し、計算を行った。
Rochman, D.*; 湊 太志; 渡邉 友章; 他52名*
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 10, p.9_1 - 9_83, 2024/10
This paper summarized the efforts performed to understand decay heat estimation from existing spent nuclear fuel (SNF), under the auspices of the Working Party on Nuclear Criticality Safety (WPNCS) of the OECD Nuclear Energy Agency. Needs for precise estimations are related to safety, cost, and optimization of SNF handling, storage, and repository. The physical origins of decay heat (a more correct denomination would be decay power) are then introduced, to identify its main contributors (fission products and actinides) and time-dependent evolution. Due to limited absolute prediction capabilities, experimental information is crucial; measurement facilities and methods are then presented, highlighting both their relevance and our need for maintaining the unique current full-scale facility and developing new ones. The third part of this report is dedicated to the computational aspect of the decay heat estimation: calculation methods, codes, and validation. Different approaches and implementations currently exist for these three aspects, directly impacting our capabilities to predict decay heat and to inform decision-makers. Finally, recommendations from the expert community are proposed, potentially guiding future experimental and computational developments.
Vauchy, R.; 廣岡 瞬; 堀井 雄太; 小笠原 誠洋*; 砂押 剛雄*; 山田 忠久*; 田村 哲也*; 村上 龍敏
Journal of Nuclear Materials, 599, p.155233_1 - 155233_11, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)UPu
O
(y=0.30および0.45)およびPuO
における蛍石の溶出/再結合は、示差走査熱量測定を使用して調査された。結果は、プルトニアを除いて、文献データと比較的よく一致している。我々の値は、Pu-Oの混和ギャップの臨界温度が以前に報告されたものより30
50K低いことを示している。最後に、体系的な実験手順により、低化学量論的U
0Pu
O
、U
Pu
O
、およびPuO
二酸化物に存在するソルバスの軌跡を精密化することができた。
Bachmann, A. M.*; Richards, S.*; Feng, B.*; 西原 健司; 阿部 拓海
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
この研究は、燃料サイクルシミュレーションを活用するための初期段階として、コード検証を行ったものである。CyclusとNMBは、核燃料サイクルオプションの解析を提供するオープンソースの燃料サイクルシミュレータであり、アルゴンヌ国立研究所と日本原子力研究開発機構(JAEA)によって、燃料サイクルベンチマークに関する複数年の共同研究のためにそれぞれ選ばれた。両者とも比較的新しく、厳密なコード間比較を行った後に改良することが可能である。これらのシミュレータの初期検証は、ワンススルー及びマルチリサイクル燃料サイクルの一連の仮想シナリオを用いて実施した。その結果、2つのシミュレータのシナリオ定義とモデル化手法の違いが、物質インベントリ、マスフロー、及び燃料サイクル評価における他の重要な測定基準における結果の違いにどのようにつながるかが明らかになった。
中島 慎介*; Moro, A.*; 小松 廉*; Faragasso, A.*; 松日楽 信人*; Woo, H.*; 川端 邦明; 山下 淳*; 淺間 一*
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima-Daiichi Decommissioning Research 2024 (FDR2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
Fuel debris retrieval at the bottom of the primary containment vessel (PCV) is one of the significant tasks for the decommissioning of the nuclear power plant and in particular for 1F. It is challenging for conventional manipulators to perform the retrieval process due to the presence of radiation, water leakage, and poor lighting conditions. We tackle those problems with the design and fabrication of a novel mechanical manipulator and its control and navigation algorithm. Continuous Variable Transmission (CVT)-based actuation improves the robot's shock resistance. AI-based navigation algorithm enables semiautonomous navigation and grasping in the cluttered environment inside the PCV.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-022, 59 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「マイクロ・ナノテクノロジーを利用したアルファ微粒子の溶解・凝集分散に及ぼすナノ界面現象の探求」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。安全で合理的な燃料デブリ取出しを進めるためには、デブリ加工時に発生するアルファ微粒子の溶解や変性挙動の把握は不可欠であることに鑑み、本研究は、金属酸化物ナノ粒子の凝集、溶解、変性挙動を熱力学的・速度論的に解明し得るマイクロ・ナノデバイスを創出すると共に、数理科学と組み合わせることで、アルファ微粒子の溶解・凝集・変性プロセスのメカニズム解明と反応モデル化を実現することを目的としている。具体的には、(1)ナノ粒子溶解特性評価、(2)溶解ダイナミクス分析、(3)凝集ダイナミクス分析、(4)表面微構造解析、(5)数理科学的モデリングの5項目を日本側・英国側で分担し、互いに有機的に連携しながら推し進める。令和4年度には、マイクロ限外ろ過分離法を用いて金属酸化物ナノ粒子(TiO、CeO
、ZrO
、ZnO)の溶解特性を調べ、これら金属酸化物ナノ粒子と反応溶媒(純水、硝酸、H
O
)との組み合わせによって、個々のナノ粒子の変性挙動は異なっており、特に、H
O
処理がナノ粒子の変性と溶解の促進を引き起こすことを見出した。また、金属酸化物ナノ粒子と反応溶媒との衝突反応を観測できるマイクロデバイスを創出し、観察画像の輝度変化からナノ粒子の凝集速度を求めることに成功した。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。
Journeau, C.*; Molina, D.*; Brackx, E.*; Berlemont, R.*; 坪田 陽一
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(9), p.1239 - 1247, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)CEAは、劣化ウランを使用したUOまたはHfO
を(核燃料としての)UO
の 代替物として用いて、福島第一原子力発電所の模擬燃料デブリを製造した。溶融燃料-コンクリート相互作用によって生じたEx-vessel模擬燃料デブリでは、酸化物相の密度が金属相の密度より軽くなる。それゆえ重い金属質の相が底に偏析する。これら金属相のうち3つの試料を、CEAカダラッシュ研究所でのハンドソー切断、及び同研究所のFUJISAN施設でコアボーリング装置により機械的に切断された。これらの金属ブロックのうち、2つは非常に硬く(1つはUO
試料、もう1つはHfO
試料)、最後の1つ容易に切断可能であった。これらの3つの金属ブロックの金相分析(SEM-EDSとXRD)の類似点と相違点に関して議論する。この経験は、福島第一原子力発電所の燃料デブリの切断・回収を視野に入れた場合、有益な学びとなる。
燃料材料開発部 許認可申請等対応グループ
JAEA-Testing 2024-002, 20 Pages, 2024/08
平成29年6月6日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(現在は大洗研究所という。)燃料研究棟において、核燃料物質を収納した貯蔵容器を開封し、内容物の性状を確認する作業中、内容器を二重に梱包していた樹脂製の袋が破裂し内容物が飛散したことにより、作業室内が汚染するとともに、室内にいた作業員が被ばくする事故が発生した。樹脂製の袋が破裂した原因は、封入されていたエポキシ樹脂が線により分解され、発生した水素ガス等により内圧が上昇したことによるものと特定された。燃料研究棟で保有していたプルトニウムを封入した貯蔵容器54個は、同様に内圧上昇の可能性があることから、ホットセルにおいて貯蔵容器の内容物を確認するための開封点検を行い、ガスが発生するおそれのある貯蔵容器については内容物の安定化処理を行った。また、燃料研究棟の所有する核燃料物質は、施設の廃止に向けて集約施設への搬出を計画しており、酸化物原料粉Pu+
U:220gを超えて封入している9個の貯蔵容器については、移動用キャスクの制限量の220g以下とするため、貯蔵容器内の一部の金属容器を取り出し、別の貯蔵容器に詰め替える作業を行った。本報告書ではそれぞれの作業の詳細について述べるとともに、許認可申請等、事前対応について述べる。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-010, 112 Pages, 2024/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行っている。令和4年度は、3号機RPVの炉心損傷進展においてMoやIを含んだCs系化学種が気相安定条件、3号機PCVではCsとコンクリート成分の相互反応で形成する可能性のあるCs-Si-Al-O系化合物の生成条件などを整理した。Cs含有物質や金属デブリ模擬物質やコンクリートを用いた水蒸気雰囲気における熱分析試験を実施し、金属表面ではCrやFe系化合物が、酸化物表面ではSiやAlなどの成分を含む化合物が化学吸着する傾向があることが分かった。Csを含有するエアロゾルに関して、CsO-Fe
O
系融体の粘度測定を行い、生成浮遊機構解明を進めた。
柴田 裕樹; 齋藤 裕明; 林 博和; 高野 公秀
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 23(3), p.74 - 80, 2024/08
放射性廃棄物の減容化・有害度低減を目指し、使用済核燃料から長寿命放射性核種であるマイナーアクチノイドを分離し、加速器駆動システム(ADS)で核変換する技術の開発が進められている。窒化物燃料はADSによるマイナーアクチノイド含有核変換用燃料の主要な候補燃料形態である。燃料の設計や開発において照射中の窒化物燃料のふるまいを把握することが必要であり、FEMAXI-7を基にした窒化物燃料ふるまい解析モジュールを開発した。PCMIなどの機械的特性に着目し、窒化物燃料ふるまい解析したところ、2年間の照射条件では被覆管破損は起きないことが明らかとなった。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-013, 48 Pages, 2024/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法により燃料デブリの臨界安全上の特性を評価する測定システムの開発と、燃料デブリ取出し作業員の安全確保方策の確立に資する基盤技術として多領域積分型動特性解析コードの開発により燃料デブリ臨界解析技術を高度化することを目的としており、令和3年度から令和5年度の3年計画の2年目として東京工業大学、産業技術総合研究所、長岡技術科学大学が連携して実施した。検出器設計最適化のために新たに基礎実験を行って取得したデータを用いて、中性子輸送計算コードの妥当性及び不確かさを評価することで解析精度の向上を図った。この基礎データを基にした輸送計算コードを用いたパラメトリックサーベイにより、検出器の配置やHeガス圧、減速材、遮蔽材、中性子源配置の最適化を実施することにより検出器を設計した。遅発中性子による核分裂も考慮可能な多領域積分型動特性解析コードMIK2.0-MVPを開発し、予備検証としてGODIVA炉超臨界実験の再現解析を実施した。この結果より、MIK2.0-MVPコードでは、MIK1.0コードが有する計算機能に加えて、遅発中性子による核分裂の効果を考慮することができるようになり、MIK2.0-MVPコードと粒子法コードの弱連成解析の土台となる新たな機能を確立することができた。以上の活動により本研究の令和4年度の目的を達成することができた。
中道 晋哉; 砂押 剛雄*; 廣岡 瞬; Vauchy, R.; 村上 龍敏
Journal of Nuclear Materials, 595, p.155072_1 - 155072_11, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:72.25(Materials Science, Multidisciplinary)Using dry recycled powders for uranium and plutonium mixed oxide (MOX) fuel production can reduce unnecessary storage and accountability of nuclear material in facilities. The shrinkage behavior of green compacts of dry recycled powders differs from that of conventional raw powders because the dry recycled MOX powder is obtained from the fabrication scrap of sintered pellets. The shrinkage behavior of dry recycled MOX powder has been investigated by dilatometry. Based on the shrinkage curves, sintering apparent activation energies were evaluated using the master sintering curve (MSC) and the constant rate of heating methods. The obtained values were higher than the energy evaluated for raw powder experiments. The sigmoid sintering prediction equation using the MSC function was constructed. The accumulation of data on the activation energy for various sintering conditions will lead to the wide application of this prediction formula in the future.
小野 綾子; 坂下 弘人*; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(4), p.24-00188_1 - 24-00188_12, 2024/07
原子力機構では、VOF法に基づく詳細二相流解析手法による炉内二相流評価手法の開発を行っており、燃料集合体を対象とした大規模二相流解析に適合する簡易沸騰モデルを開発着手した。簡易沸騰モデルでは、気泡の径や離脱までの時間を知るために、シミュレーションのグリッドサイズ以下となる気泡成長および運動の方程式を解く。一方で、JUPITERは、マイクロメートルオーダー以上の気泡挙動を計算する。本研究では、垂直面での強制対流沸騰が開発した簡易沸騰モデルを用いて解析される。実験データとの比較により、蒸気泡通過時間の流速依存性や熱流束依存性について実験データの傾向をよく説明できる結果となった。