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福田 航大
Proceedings of 4th Reactor Physics Asia Conference (RPHA2023) (Internet), 4 Pages, 2023/10
水減速燃料粒子分散体系(例:燃料デブリ体系)における熱膨張フィードバックが即発超臨界時の出力ピーク値や放出エネルギーに与える影響を定量的に明らかにすることを目的とした解析を行った。熱膨張を考慮する場合/しない場合の燃料温度反応度係数を仮想的な体系に対して計算し、Nordeheim-Fuchモデルを用いた評価を行った。その結果、熱膨張の影響を無視することで出力ピーク値や放出エネルギーに数十パーセントの誤差が生じうることが明らかとなった。この誤差は臨界事故解析の多くの場面では問題となる大きさではないものの、解析の目的によっては(例えば、事故後の被ばく量やRI放出量の検証のため精度よく結果を得たい場合)熱膨張反応度フィードバックの影響を考慮すべきであることが示された。
鈴木 誠矢; 荒井 陽一; 岡村 信生; 渡部 雅之
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(7), p.839 - 848, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリは、溶融した核燃料物質と原子炉の構造材等で構成された酸化物が多くを占めているため、環境温度の変化により岩石のように劣化する可能性が高い。燃料デブリは10年以上水冷されているが、季節や昼夜の温度変化の影響を少なからず受けていることから、燃料デブリの経年変化挙動を評価するためには環境温度の変化を考慮することが不可欠である。仮に燃料デブリの劣化が進んでいる場合、微粉化した放射性物質が冷却水中に溶出して取出し作業に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、環境温度の繰り返し変化がクラックの発生に与える影響に着目して、燃料デブリの模擬体を用いた加速試験を実施した。その結果、クラックは温度変化を重ねることで増加することを確認し、燃料デブリの簿擬態は熱膨張と収縮による応力により脆化することが判明した。燃料デブリの物理学的な劣化挙動は岩石や鉱物に類似していることが確認され、模擬燃料デブリと環境のモデルでクラックの増加挙動を予測することが可能となった。
Journeau, C.*; Delacroix, J.*; Guvar, C.*; Testud, V.*; Brackx, E.*; Porcheron, E.*; Bouland, A.*; Berlemont, R.*; 池田 篤史
Science Talks (Internet), 6, p.100215_1 - 100215_9, 2023/05
One of the important challenges for the decommissioning of the damaged reactors of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) is the fuel debris retrieval. The URASOL (URAnium and aeroSOL) project has been undertaken by the French consortium laboratories consisting of ONET, CEA, and IRSN for JAEA. It aims at acquiring basic data on the generation and characteristics of radioactive aerosols from the thermal or mechanical processing of fuel debris simulant. Prototypic fuel debris samples were fabricated based on the average of the lower head compositions computed in the OECD/BSAF benchmark. Samples were heated in an induction furnace to simulate thermal cutting and released aerosols were collected during three temperature ramps using impactors. The collected aerosols were chemically analyzed by ICP-AES and ICP-MS. Iron and tin are the major elements found in these aerosols, followed by chromium and silicon. Significant releases of tellurium, barium and cerium were observed.
北垣 徹; Krasnov, V.*; 池田 篤史
Journal of Nuclear Materials, 576, p.154224_1 - 154224_14, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.61(Materials Science, Multidisciplinary)Nuclear fuel debris is a complex material containing a wide range of elements, compounds, and radiation. This complexity renders all the stages of the treatment of nuclear fuel debris extremely difficult and troublesome in the technical context. The whole treatment of nuclear fuel debris is also an extremely long-term process for tens of thousands of years, during which the aging of nuclear fuel debris is an unavoidable but critical issue. This applies to the decommissioning of the damaged reactors of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F). This review article aims at collecting and summarizing the knowledge and information about the aging of materials containing nuclear fuels (fuel-containing materials) formed as a result of the accident at ChNPP-4 in the light of the decommissioning of 1F and assessing the potential effects of aging on the nuclear fuel debris remaining in the damaged 1F reactors.
長谷 竹晃; 相樂 洋*; 小菅 義広*; 能見 貴佳; 奥村 啓介
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.460 - 472, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)This paper provides an overview of the applicability of the Differential Die-Away Self-Interrogation (DDSI) technique for quantification of spontaneous fissile nuclides in fuel debris at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plants. In this research, massive fuel debris stored in a canister was evaluated, and the void space of the canister was assumed to be filled with water for wet storage and air for dry storage. The composition of fuel debris was estimated based on elements such as the inventory in the reactor core and operation history. The simulation results show that for wet storage, the DDSI technique can properly evaluate the neutron leakage multiplication and quantify spontaneous fissile nuclides with a total measurement uncertainty (TMU) of approximately 8%. For dry storage, the known-alpha technique, which was previously established, can be applied to quantify spontaneous fissile nuclides with a TMU of approximately 4%. In both cases, the largest uncertainty factor is the variation in water content in the canister. In the case of wet storage, the uncertainty could be significantly increased in cases where the fuel debris is extremely unevenly distributed in the canister.
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)UO・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO
相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O
固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはU
O
と(Fe,Cr)UO
相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)O
が形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2022-070, 70 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-066, 91 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、富岡町の国際共同研究棟等にJAEAが有する先端分析機器を駆使してデブリの性状の変化、元素の溶出挙動を分析し、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明することを目的とした。令和3年度には、放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明のため、線照射下における微生物の模擬燃料デブリ劣化試験、6価ウランの錯形成能、模擬燃料デブリやマイクロ粒子を計測できるマイクロ流路の構築、Fe酸化物への収着挙動、モデル微生物や1F付近で採取した菌種による模擬燃料デブリの劣化に関する知見を実験により得た。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-062, 121 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、PCV底部の止水及び補修を目的として、改良したジオポリマーや超重泥水によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を提案する。また、堆積状況など未解明な状況にある現場施工の選択肢を増やすため、止水・補修材の対象部位周辺への局所的施工のみならず、ペデスタル外の広範囲にわたる施工についても検討し、最新の熱流動シミュレーション法により、工法実現性を評価する。広範囲に施工する場合には、ペデスタル外に流出した燃料デブリや堆積物は止水・補修材で被覆されて廃棄体となる。このため、燃料デブリの成層化状態等性状を実験及び解析により把握した上で、廃棄体を安定化する方策を検討するとともに、核種浸出性を含めた廃棄体の長期寿命を評価する。
廃炉環境国際共同研究センター; 日立GEニュークリア・エナジー*
JAEA-Review 2022-058, 191 Pages, 2023/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「燃料デブリ取出しに伴い発生する廃棄物のフッ化技術を用いた分別方法の研究開発」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、1Fの燃料デブリ取出しに伴い発生する廃棄物の合理的な分別に資するため、廃棄物から核燃料物質をフッ化により分離する方法を開発することを目的とした。廃棄物として溶融炉心-コンクリート相互作用(MCCI)生成物を想定し、様々なMCCI生成物の成分に対してフッ化挙動を網羅的に評価するため、酸化還元条件を変えて複数の模擬廃棄物を調製し、フッ化試験によりフッ化挙動を評価した。また、実デブリのフッ化挙動を評価するため、MCCI生成物の成分を含むチェルノブイリ実デブリのフッ化試験も実施した。模擬廃棄物とチェルノブイリ実デブリはフッ素と良く反応して固体内部までフッ化され、UとPuの90%以上がフッ化揮発し、また、コンクリートの主要元素のSiもフッ化揮発することが示された。核燃料物質をフッ化揮発させて分離可能であることが示されたため、デブリ取出しに伴い発生する廃棄物のフッ化による分別方法が成立する見通しを得た。
外川 織彦; 大倉 毅史; 木村 仁宣
JAEA-Review 2022-049, 76 Pages, 2023/01
原子力施設の建設前及び操業開始後には、平常運転時及び事故時に対する環境影響評価が行われる。これらは、周辺住民の安全の確認と安心の醸成を図ることを主たる目的としている。環境影響評価には、施設周辺の環境モニタリング等による観測・測定と計算モデルによるモデル推定が用いられ、状況や必要性などに応じてそれらのどちらか、あるいは両方を併用して実施される。本報告書では、原子力施設の環境影響評価において利用される観測・測定とモデル推定について、青森県六ヶ所村再処理施設を主たる例として、まず各々の方法、役割と長短、相互の関係性を調査する。次に、観測・測定データとモデル推定結果の代表的な用途例を示し、使用に際しての留意点などを検討する。最後に、観測・測定とモデル推定の高度化や両者の融合という今後の方向性を記述する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-043, 52 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法を用いた燃料デブリ臨界特性測定システムと多領域積分型動特性解析コードの開発による燃料デブリ臨界解析技術の高度化を目的とし、令和3年度から令和6年度の4年計画の1年目として日本側は東京工業大学(東工大)、産業技術総合研究所(産総研)が連携して実施し、ロシア側はロシア国立原子力研究大学(MEPhI)が実施した。日本側とロシア側でそれぞれが開発する臨界特性測定システムについて、計算精度向上のために、これまでの実験データの整理と予備解析を実施した。多領域積分型動特性解析コードの開発については、開発環境として開発専用メニーコアマルチノード並列計算・データサーバーを構築した。ロシア側が令和5年度に実施予定のコード検証に用いる代表的な解析条件を決定した。また、東工大とMEPhI間でオンラインによるワークショップを開催し、研究の今後の進め方に関する意見交換を行った。日本側の3機関は緊密に連携して研究を実施した。以上の活動により本研究の令和3年度の目的を達成することができた。
廃炉環境国際共同研究センター; アイラボ*
JAEA-Review 2022-042, 67 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「マイクロ波重畳LIBSによるデブリ組成計測の高度化と同位体の直接計測への挑戦」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、MW(マイクロ波)重畳によりLIBS(レーザーブレークダウン分光)の発光強度を上げ、ウラン同位体計測に適用することを目的としている。令和3年度では、半導体MW発振装置を小型化し単体評価でノイズ漏洩を含めて仕様上問題ないことを確認した上で、LIBS実験に適用してウラン同位体計測の可能性を検討した。また、MWアンテナの最適化設計を実施した。それらを適用し、実性能を確認すると共に各種条件下でのSN比向上、測定精度改善を行った。光ファイバーLIBS光学系を中心に全体システムの最適化を実施し、Zr、ステンレス、白金、等各種試料において増倍率100500が得られた。さらにJAEAで開発したMCL(マイクロチップレーザー)にMW重畳してLIBS測定を実施した結果、高い発光強度増倍率とSN比が得られること、MWの重畳でスペクトル波長幅は大きく影響を受けないことが明らかとなり、MCLへのMW重畳の有効性が確認された。
廃炉環境国際共同研究センター; 日本分析センター*
JAEA-Review 2022-037, 118 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「、
、X線同時解析による迅速・高感度放射性核種分析法の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリ・廃棄物中放射性核種の迅速分析の実現を目指し、多重
線検出法などの最新計測システムを整備し、スペクトル定量法(Spectral Determination Method: 以下、「SDM法」という)を開発する。令和3年度の研究においては、令和2年度に引き続き、
線測定装置を整備し、Ge検出器、CeBr
検出器、NaI検出器からなる各計測システムを完成させた。また、高速データ収集システムを整備し、1次元及び同時計数データ取得を可能にした。SDM法開発においては、標準線源を測定およびシミュレーション計算を活用し、
線シングルス、多重
線測定、
線スペクトルの標準スペクトルを生成し、全40核種のスペクトルデータベースを整備した。また、
(+X)線、
線、多重
線スペクトルを統合解析するSDM法(SDM-BG法及びSDM-BGG法)を開発した。SDM法の高精度化のため、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて、複数核種(Co-60、Cs-134、Cs-137、Eu-152等7核種)の核種識別が可能な機械学習モデルを構築した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-036, 115 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「燃料デブリにおける特性の経年変化と環境劣化割れの調査」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリの環境劣化に依存したひび割れを研究対象とし、酸化や水素吸収による劣化モデルを構築し、材料学視点から燃料デブリにおける環境劣化因子の変化に伴う構成物の特性変化を評価、さらに、環境加速割れに関する系統的な調査を通し、特性変化と割れとの相関を明らかにすることを目的とする。本研究は、1F燃料デブリの取出し、長期の保管・処理、経年劣化などのプロジェクトに貢献することを目指すものである。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-034, 135 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、燃料デブリの取り扱い、臨界管理、保管管理等に必要な性状把握において、キーとなるアクチノイド核種の化学分析を中心に、最適な試料前処理・分離・分析プロセスを開発し、将来計画されている燃料デブリ分析の効率化・合理化を図るとともに、一連の研究業務における人材育成を通し、1F廃炉推進に資することを目的とする。特に、近年分析化学分野、放射化学分野で成果を上げつつある誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS/MS)を原子力分野に応用することにより、測定核種を単離するための前処理をせずに高精度で分析できる手法を開発し、分離前処理を省力化し、迅速な分析工程を確立する。
福田 航大; 山根 祐一
Journal of Nuclear Science and Technology, 12 Pages, 2023/00
粒子状の固体燃料デブリが水中に分散した場合のデブリ粒子径に着目し、粒子径が核分裂数や出力推移といった臨界挙動に与える影響を明らかにすることを目的とした動特性解析を行った。その結果、燃料から水への熱伝達量が大きい条件下で、燃料粒子径を1桁小さくすると核分裂の回数が10倍になること等が明らかとなった。この結果より、燃料粒子径を適切に設定しなければ、核分裂数が過大又は過少評価される可能性が示唆された。
佐藤 拓未; 永江 勇二; 倉田 正輝; Quaini, A.*; Guneau, C.*
CALPHAD; Computer Coupling of Phase Diagrams and Thermochemistry, 79, p.102481_1 - 102481_11, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Thermodynamics)Investigation of the primary containment vessel inside the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station showed that a significant amount of the molten corium reached the bottom of the pedestal region. The molten corium and concrete likely caused a complex interaction called Molten Corium Concrete Interaction. The solidification hysteresis of these ex-vessel debris significantly influences its properties. We performed a thermodynamic analysis using the TAF-ID database to infer the solidification path of U-Zr-Al-Ca-Si-O molten corium, which was chosen for a prototypic system of ex-vessel debris. The solidification path for the CaO-rich sim-corium showed that (i) melting as a single liquid phase above 2430 K, (ii) selective solidification of the oxide-rich corium mainly consisted of fuel materials, and (iii) solidification of the remaining materials as a silicate matrix. In contrast, the solidification path for the SiO-rich corium indicated that (i) formation of liquid miscibility gap above 2200 K between U-rich and Zr-rich oxidic melts, (ii) individual precipitation of solid phases in each liquid phase.
山根 祐一
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1331 - 1344, 2022/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)反応度または外部中性子源強度の瞬時変化の後で生じる準定常状態における中性子計数率もしくはそのシミュレーションデータの経時変化に基づいて体系の反応度を評価した。その評価は準定常状態における出力の方程式に基づいて行った。研究の目的は中性子計数率の複雑な経時変化から適時に反応度を評価する方法を開発することである。開発した手法を中性子計数率のシミュレーションデータに適用した。そのデータは一点炉動特性コードAGNESによる計算とポワソン分布を持つ乱数によって作成したものである。さらにTRACYを用いて取得された未臨界実験データにも適用した。その結果、反応度の評価値と基準値の差は-10$以上の条件でのシミュレーションデータに対しては5%程度以下の差であり、-1.4$と-3.1$での実験データに対しては、7%程度以下であった。条件変化の数十秒後に反応度を評価できる可能性がこれにより示された。
山下 健仁; 横山 文*; 高貝 慶隆*; 牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔
JAEA-Technology 2022-020, 106 Pages, 2022/10
福島第一原子力発電所事故に伴い発生した放射性固体廃棄物は、津波や海水の放水によって塩分を多く含んでいる可能性があるとともに、今後の廃止措置に係る作業や放射性廃棄物を処理する際の閉じ込めにはポリ塩化ビニル(PVC)製品を使用することも想定される。固体廃棄物の処理方法のうち、廃棄物の減容・安定化の効果が優れている焼却法は、検討を進めるべき手法の一つではあるが、塩素成分を含む超ウラン元素(TRU)固体廃棄物の処理には、放射性核種及び塩素成分の廃ガス処理系への移行挙動や塩素成分による機器の腐食の程度等を把握した上で、設置する処理施設の構造、使用材料などを決めていく高度な技術が求められる。そこで、国内で唯一、塩素成分を含むTRU固体廃棄物を焼却可能な設備である、核燃料サイクル工学研究所プルトニウム廃棄物処理開発施設(PWTF)の第2難燃物焼却設備を用い、廃棄物中塩素成分の廃ガス処理系移行挙動試験、焼却設備の金属材料選定に資する腐食試験及び廃棄物中プルトニウムの廃ガス処理系への分布調査を実施することとし、処理設備の設計検討に必要な種々のデータを蓄積することとした。本報告書は第2難燃物焼却設備を用いたこれらの試験により得られた焼却設備廃ガス処理系への塩素成分の移行挙動、適した耐食材料選定のための金属材料の評価、プルトニウムの分布調査の結果をまとめたものである。