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川本 靖子*; 中屋 裕行*; 松浦 秀明*; 片山 一成*; 後藤 実; 中川 繁昭
Fusion Science and Technology, 68(2), p.397 - 401, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Nuclear Science & Technology)核融合炉を起動するためには、外部装置からの十分な量のトリチウムの供給が必要である。ここでは核融合炉へのトリチウムの供給方法について検討する。トリチウム製造装置として高温ガス炉の適用を提案してきた。これまでは、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉を対象として解析評価を実施してきた。ぺブルベッド型の高温ガス炉では、燃料交換に伴う時間のロスがない運転が可能であることから、両者を対象としてトリチウム製造量を比較した。トリチウム製造量を計算するにあたっては、連続エネルギーモンテカルロ燃焼計算コードMVP-BURNを使用した。計算の結果、連続運転が可能なぺブルベッド型の高温ガス炉によるトリチウム製造量は、燃料を定期的に交換するブロック型の高温ガス炉によるトリチウム製造量とほとんど同じであることを示した。また、トリチウム製造装置としてのぺブルベッド型の高温ガス炉の課題について議論する。
深谷 裕司
Annals of Nuclear Energy, 81, p.301 - 305, 2015/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Nuclear Science & Technology)多重燃料装荷炉心におけるトリウム転換に対する炉外冷却効果を考慮するための簡易手法と炉外冷却効果の特性の研究を行った。溶融塩増殖炉やぺブルベット高温ガス炉のような多重燃料装荷炉心では、燃料は炉内を移動し炉外へ排出される。炉外滞在時には核種の減衰が起こるため、その特性が顕著な場合は考慮される必要がある。本研究ではトリウム転換を正確に評価するためPaの炉外冷却を考慮する。本研究では、この効果を考慮するために、炉外冷却の模擬を行わなくても炉外冷却時と同等のPaの平衡濃度を実現できる実効崩壊定数を提案する。この実効崩壊定数により、炉外冷却の効果がセル燃焼計算により生成されるマクロ断面積を用いるコードシステムでも、システムの変更を一切行うことなく考慮することができる。また、トリウム転換に対する炉外冷却効果の特性を溶融塩増殖炉とぺブルベット高温ガス炉について検討した。その結果、炉内の燃料塩流速の早い溶融塩増殖炉の転換性能の向上には適している一方で、炉内滞在期間が100日程度であり、Paの半減期の27日よりも長いぺブルベット高温ガス炉ではその効果は顕著ではなく、転換比の劇的な改善につながらないことがわかった。
西尾 敏
プラズマ・核融合学会誌, 80(1), p.14 - 17, 2004/01
将来の核融合炉の構造材料にとってSiC/SiC複合材料は極めて有力な候補材料である。有力であることの内容は、高温運転が可能であることによる高熱効率,低放射化材料であることによる廃棄物処理負荷の軽減及び電磁力が作用しないことによる構造設計の容易さ、である。ここでは、これらSiC/SiC複合材料の利点を活かしたトカマク型動力炉の設計例について紹介する。
高津 英幸; 河村 弘; 田中 知*
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.645 - 650, 1998/09
被引用回数:17 パーセンタイル:77.51(Nuclear Science & Technology)日本における固体増殖ブランケットの開発の現状に関するレビュー報告を招待論文として報告する。内容は、(1)原形炉用ブランケットの設計,(2)原形炉用ブランケットの開発計画,(3)材料開発の現状,(4)工学R&Dの現状,(5)大学における基礎研究の現状である。
徳原 一実*; 山下 清信; 新藤 隆一; 藤本 望
JAERI-Tech 96-025, 50 Pages, 1996/06
ペブルベッド型高温ガス炉に兵器級Puを装荷した場合、温度係数が正になるという問題があった。そこで、温度係数を負にする方法を、兵器級Puを劣化U等の親物質と混合せずに、全炉心に兵器級Puの燃料のみを装荷する炉心を対象として検討した。検討の結果、熱領域に共鳴捕獲反応を持つ核種(Er)を炉心に添加すれば、温度係数が負になることを確認した。また、この場合には燃料球の燃焼度が低下するが、Erを添加せずとも、Puの装荷量を増大して熱中性子束のピークを小さくすれば、燃焼度の低下なしに温度係数を負にできることを明らかにした。燃焼度の増大とともに熱中性子束のピークが再び大きくなる可能性があるが、ペブルベッド型炉では燃料球の最大燃焼度の1/2程度で原子炉が平衡状態になるため、初期の装荷量が多い限り熱中性子束のピークが再び大きくなることはない。
藤本 望; 山下 清信; 徳原 一実*
日本原子力学会誌, 38(4), p.304 - 306, 1996/00
HTGRは被覆燃料粒子を用いており高燃焼度を達成可能であるので、MA消滅炉として考えた場合、高い消滅率を達成できる可能性があると考え、HTGR型MA消滅炉の消滅特性を検討した。MAは中性子吸収体であるので、燃料濃縮度を上げる必要がある。また、新たなMAの生成をおさえるためには高濃縮燃料が有利である。そこで、再処理から得られるPuを燃料として用いることとした。炉型は、高燃焼度が可能なペブルベッド型とした。その結果500GWd/Tで約40%のMA消滅率を達成できた。さらに、燃料の装荷法を工夫することにより70%の消滅率を達成できた。これは、MA専焼炉よりも高い消滅率であり、発電炉を用いる方法より多量のMAを消滅できる。よって、この方法は今後充分検討に価する方法である。
山下 清信; 村田 勲; 新藤 隆一; 徳原 一実*; H.Werner*
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(5), p.470 - 478, 1994/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)反射体制御棒の反応度価値の解析方法を検証するため、AVR動力プラントの高温および低温状態の制御棒価値の解析を行った。解析では、黒鉛突起部に挿入した制御棒の実効群定数を得るため、群定数を中性子束で重みずけする方法を使用した。制御棒価値は、高温工学試験研究炉(HTTR)用の核特性解析コードを用いて計算した。高温および低温状態の制御棒価値の実験値は、それぞれ6.81および6.47%であった。高温および低温状態の実験値と解析値の差は、それぞれ10及び2%であった。本結果より、ここで用いた解析方法によりAVRの制御棒価値を十分正確に予測でき、更に小型高温ガス炉の反射体制御棒の核設計に使用できることが明かとなった。
山下 清信; 神坐 圭介*
JAERI-M 90-153, 48 Pages, 1990/09
本報は、炉心中央部に燃料を含まない黒鉛柱を設けたアニュラー炉心のペブルベッド型高温ガス炉の概念検討を行なった結果をまとめたものである。本検討より、アニュラー炉心のペブルベッド型高温ガス炉では、減圧事故時にも、燃料温度が燃料からの放射性物質の放出を十分に抑制しえる温度(1600C)を上回らないという固有の安全性を損なうことなく、炉心熱出力を500MWまで高くすることが可能であることが明らかとなった。この出力は、これまで西独で設計された固有の安全性を有する小型のペブルベッド型高温ガス炉の熱出力の約2倍に相当し、本原子炉では炉心出力に対するプラントコストの比を低減することができ経済性の向上が見込まれる。
山下 清信; 新藤 隆一
JAERI-M 87-015, 31 Pages, 1987/03
現在、日本原子力研究所が開発を進めている高温工学試験研究炉の試験計画の一つとして球状燃料を六角黒鉛ブロック内に装荷したペブル・イン・ブロック燃料の照射試験を予定している。そこで、高温ガス冷却・格子燃焼計算コ-ドDERIGHT-6(Revised)及び熱中性子炉体系標準解析コ-ドシステムSRACを用いて高温ガス炉用球状燃料の核特性解析を行うと共に、その解析精度の把握を目的として両コ-ドの解析結果の比較検討を行なった。主な特性解析項目を以下に示す。(1)格子無限増倍率 (2)燃焼特性 (3)燃料及び減速材の温度効果 これらの特性解析を通じて、両コ-ドで得られた核特性解析結果には良好な一致が見られたことから 両コ-ドにおける球状燃料に対する計算精度はほぼ同程度である事が明かとなった。
山下 清信; 新藤 隆一
JAERI-M 85-163, 78 Pages, 1985/10
DELIGHT-6は、被覆燃料粒子を用いることにより生じる二重非均質性をもった高温ガス炉用燃料の格子中性子スペクトルの計算を行い、炉心特性解析に必要な群定数を作成する格子燃焼計算コードである。本DELIGHT-6(Revised)コードは従来のDELIGHT-6コードに次の3点について変更または追加を行なったものである。(1)ペブルベッド型高温ガス炉に使用される球状燃料の格子燃焼計算を可能にした。(2)核分裂生成物の生成率及び崩壊定数などの燃焼計算に関する核データの一部を改訂した。(3)補助計算機能の追加(燃料領域の原子数密度計算の自動化、局所中性子束歪の算出、詳細メッシュ炉心計算用群定数の作成)