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松野 崇*; 藤田 大樹*; 松田 知子*; 柴山 由樹; 北條 智彦*; 渡邊 育夢*
Journal of Materials Processing Technology, 322, p.118174_1 - 118174_16, 2023/12
被引用回数:13 パーセンタイル:66.83(Engineering, Industrial)変態誘起塑性(TRIP)鋼の加工硬化における高応力三軸度の影響は、特にオーステナイト体積率の測定結果から幅広く知られている。プレス成形プロセスにおける材料の破壊予測のためには、このTRIP挙動を明らかにすることが重要である。しかし、高応力三軸度条件における流動応力の形成メカニズムは未解明である。本研究では、TRIP鋼の応力三軸度誘起による加工硬化挙動を調査するため、微小ノッチ付き丸棒を用いた新たな引張試験手法を開発した。測微法を用いて試験片をモデル化し、有限要素解析によって引張試験中の流動応力の同定に成功した。また、開発した引張試験手法と放射光X線回折を組み合わせ、応力形成挙動をその場測定した。TRIP型ベイニティックフェライト鋼では、流動応力と応力三軸性が不安定に増加し、加工硬化指数が低下して、より高い応力三軸性が誘起されることを明らかにした。一方、TRIP型マルテンサイト鋼は、鋭いノッチの場合、加工硬化指数の急激な減少によって特徴づけられる弱化挙動を示した。X線回折の結果から、鋼材内部の微視組織の不均一性がオーステナイト相に非常に高い静水圧応力をもたらすことで、これらの対照的な挙動が説明できると結論づけた。本研究結果は、応力三軸度を考慮したTRIP鋼のプレス成形プロセスに関する枠組みについて、新たに応力三軸度を考慮した枠組みが必要であることが示唆される。