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深谷 裕司
Annals of Nuclear Energy, 81, p.301 - 305, 2015/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Nuclear Science & Technology)多重燃料装荷炉心におけるトリウム転換に対する炉外冷却効果を考慮するための簡易手法と炉外冷却効果の特性の研究を行った。溶融塩増殖炉やぺブルベット高温ガス炉のような多重燃料装荷炉心では、燃料は炉内を移動し炉外へ排出される。炉外滞在時には核種の減衰が起こるため、その特性が顕著な場合は考慮される必要がある。本研究ではトリウム転換を正確に評価するためPaの炉外冷却を考慮する。本研究では、この効果を考慮するために、炉外冷却の模擬を行わなくても炉外冷却時と同等のPaの平衡濃度を実現できる実効崩壊定数を提案する。この実効崩壊定数により、炉外冷却の効果がセル燃焼計算により生成されるマクロ断面積を用いるコードシステムでも、システムの変更を一切行うことなく考慮することができる。また、トリウム転換に対する炉外冷却効果の特性を溶融塩増殖炉とぺブルベット高温ガス炉について検討した。その結果、炉内の燃料塩流速の早い溶融塩増殖炉の転換性能の向上には適している一方で、炉内滞在期間が100日程度であり、Paの半減期の27日よりも長いぺブルベット高温ガス炉ではその効果は顕著ではなく、転換比の劇的な改善につながらないことがわかった。