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Ho, H. Q.; 石塚 悦男
Physical Sciences and Technology, 5(2), p.53 - 56, 2019/00
試験研究炉の運転に伴って1次冷却材中のトリチウム濃度増加が報告されている。JMTRとJRR-3Mの運転中に1次冷却材に放出されるトリチウム放出源を明らかにするために、ドラーバー燃料から放出されるトリチウム量をMCNP6とPHITSコードで計算した。計算の結果、JMTRとJRR-3Mのドラーバー燃料からの放出されるトリチウム量は、1サイクル運転あたり10及び10Bqであること、この値は測定データより約4桁低いことが明らかとなった。この結果は、両炉のドラーバー燃料から放出されるトリチウム量は無視できるレベルであることを示している。
石塚 悦男; Kenzhina, I. E.*
Physical Sciences and Technology, 4(1), p.27 - 33, 2018/06
試験研究炉の運転に伴って1次冷却材中のトリチウム濃度増加が報告されている。トリチウム放出源を明らかにするために、JMTRとJRR-3Mについて1次冷却材中のトリチウム放出率曲線を評価した。トリチウム放出量は、新しいベリリウム要素に交換すると小さくなること、交換後は運転に伴って増加することが明らかとなった。この結果は、ベリリウム要素が1次冷却材中のトリチウム放出に大きな影響を与えていることを示している。1次冷却材中のトリチウム放出率曲線を評価した結果、Beの(n,)で生成するLiがトリチウム放出に影響すること、JMTR及びJRR-3Mの1次冷却材中のトリチウム放出源はベリリウム要素が主因であることが明らかとなった。更に、照射時間に伴うトリチウム放出率データがばらつくこと、バラツキはJRR-3MよりJMTRの方が早期に見られることも明らかになった。
石塚 悦男; Kenzhina, I. E.*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*
JAEA-Technology 2016-022, 35 Pages, 2016/10
試験研究炉の一次冷却水中へのトリチウム放出機構解明の一環として、ベリリウム炉心構成材からの反跳トリチウム放出率を評価するためPHITSコードを用いた場合の計算方法について検討した。この結果、線源に中性子またはトリトンを用いた場合、両者とも反跳トリチウム放出率は同程となったが、トリトン線源の計算速度が2桁程度速いことが明らかとなった。また、トリトン線源を用いて反跳トリチウム放出率を有効数字2桁の精度で求めるためには、単位体積あたりのヒストリー数が210 (cm)程度になるまで計算すれば良いことが明らかとなった。更に、トリトン線源を用いてベリリウム炉心構成材の形状と反跳トリチウム放出率の関係を調べたところ、反跳トリチウム放出率はベリリウムの体積当たりの表面積に対して線形となったが、従来の式を使って求めた値の約半分となった。
安藤 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 祐輔*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.427 - 431, 2002/05
環境中に放出されたトリチウムは、植物体中で有機化することにより食物連鎖に組み込まれることになるため、トリチウム水(HTO)から有機結合型トリチウム(OBT)への転換速度を求めることが、被ばく線量評価のために必要である。1994年にカナダで行われたHTガス放出実験の結果より、食用植物に関して、植物体中でのHTOからOBTへの転換速度を求めた。HTガスは、小松菜,二十日大根,ミニトマトが栽培されている11m11mの実験場に、濃度ができるだけ均一になるように調整しながら12日間放出された。植物の葉に関するHTOからOBTへの転換速度は約0.2 (% h)であったが、若い葉においてはより速くなる傾向が見られた。二十日大根の根、及びミニトマトの実については葉よりも遅く、それぞれ、0.07,0.05 (% h)の値が得られた。
奥野 健二; 工藤 博司
Journal of Nuclear Materials, 138, p.210 - 214, 1986/00
被引用回数:35 パーセンタイル:93.52(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射した-LiAlO中に生成したトリチウムの加熱放出挙動、特にトリチウム放出速度を中心に研究を行った。真空中で、1170Kまで加熱することによって、-LiAlO中に生成したトリチウムは、すべて放出されることが明らかとなった。その化学形は、大部分(約95%)HTOであった。HTO(g)放出過程では、トリチウム(T)の-LiAlO結晶中での拡散が律速であることが判明した。630から925Kの温度範囲におけるトリチウムの拡散係数は、D=2.110exp[-90.3(kJmol)/RTcms,であった。-LiAlOに対するトリチウムの拡散係数は、同温度範囲において、LiOのそれと比較して、約2桁小さいことが判明した。
工藤 博司; 櫛田 浩平; 奥野 健二
Journal of Nuclear Materials, 116, p.78 - 81, 1983/00
被引用回数:8 パーセンタイル:68.15(Materials Science, Multidisciplinary)リチウム化合物中に生成するトリチウムの化学挙動研究の一環として、窒化リチウム(LiN)からのトリチウム放出挙動を調べた。中性子照射したLiNを真空中で加熱した時、生成したトリチウムの大部分(95%)はHTの化学形で気相に遊離した。その放出速度は一次反応で解析され、870から1020Kの温度範囲で測定した速度定数はk=6.610exp(-15810/RT)sで表わされる。前指数係数の対数誤差ならびに活性化エネルギーの誤差はそれぞれ1.0sおよび8.4kJmolである。この実験結果は、LiN中に生成するトリチウムを効率よく回収するためには、その融点(1086K)近くまで加熱する必要のあることを示している。トリチウム放出過程におけるTとNの相互作用およびLiNの熱分解反応の寄与についても考察する。
加藤 清; 内藤 和夫
Radioisotopes, 29(10), p.484 - 489, 1980/00
日本原子力研究所東海研究所における放射性廃棄物の焼却処理装置は、1966年に設置され、所内外から発生する可燃性固体廃棄物を焼却処理してきた。この焼却炉の排ガス系は、スプレースクラバ、電気集じん器、布フィルタおよびHEPAフィルタの除じん装置からなる。 この装置を用いてトリチウム水で汚染させた可燃性廃棄物の焼却試験を行い、除じん系におけるトリチウム水の挙動を調べた。 この試験結果によると、焼却した廃棄物中のトリチウム水は、主にスプレースクラバで85%が捕集され、その他の除じん装置では凝縮水として6%が捕集された。さらに残りの9%のトリチウム水はスタックから放出されることがわかった。