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論文

Nuclear quantum effects of light and heavy water studied by all-electron first principles path integral simulations

町田 昌彦; 加藤 孝一郎*; 志賀 基之

Journal of Chemical Physics, 148(10), p.102324_1 - 102324_11, 2018/03

 被引用回数:1

水,重水,トリチウム水の液体状態における構造を第一原理経路積分分子動力学法を用いて研究した。用いた計算手法は、電子と原子核のすべてを量子力学的に取り扱うものであり、現時点で最も正確な計算手法の一つである。シミュレーションした結果は、実験とおおよそ一致しており、核量子効果により、同位体間の構造上の違いが明らかにされた。特に特筆すべき結果は、水分子内のOH共有結合中のHが隣接水分子との水素結合上の中点まで移動できる一方、重水素,トリチウムの順に中点まで行ける確率が減少するという傾向を得たことである。しかしながら、実験との完全な一致は未だ得られておらず、密度汎関数法の改良が必須であることが示唆された。また、最近の研究成果である密度汎関数に対するvan der Waals補正は液体状態における同位体効果を研究する上で必須であることが分かった。

報告書

平成28年度大型計算機システム利用による研究成果報告集

情報システム管理室

JAEA-Review 2017-023, 157 Pages, 2018/02

JAEA-Review-2017-023.pdf:22.68MB

日本原子力研究開発機構では、原子力の総合的研究開発機関として原子力に係わるさまざまな分野の研究開発を行っており、これらの研究開発の多くにおいて計算科学技術が活用されている。計算科学技術活用の高まりは著しく、日本原子力研究開発機構における計算科学技術を活用した研究開発の成果は、全体の約2割を占めている。大型計算機システムはこの計算科学技術を支える重要なインフラとなっている。大型計算機システムは、優先課題として位置付けられた福島復興(環境の回復・原子炉施設の廃止措置)に向けた研究開発や、高速炉サイクル技術に関する研究開発、原子力の安全性向上のための研究、原子力基礎基盤研究等といった主要事業に利用された。本報告は、平成28年度における大型計算機システムを利用した研究開発の成果を中心に、それを支える利用支援、利用実績、システムの概要等をまとめたものである。

論文

材料挙動と計算機シミュレーションの接点,3; 粒界破壊における破壊力学試験と第一原理計算

山口 正剛

日本原子力学会誌, 60(1), p.30 - 34, 2018/01

原子炉圧力容器鋼における照射誘起リン偏析による粒界脆化、炉内構造物の(照射誘起)応力腐食割れ、高速炉及び核融合炉材料におけるヘリウム脆化など、原子力材料では粒界破壊がしばしば問題となる。粒界破壊の原因を探るための電子論計算が多数行われ、粒界における原子間結合(凝集)エネルギーの低下はその有力な原因の一つであるが、マクロな破壊現象へとつながる原子論的メカニズムについては、未知の部分が多い。本稿では粒界の原子間結合とマクロな粒界破壊との関係を、第一原理計算結果と破壊試験データを交えながら考察する。

論文

Electron heat diffusivity in radially-bounded ergodic region of toroidal plasma

菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*

Nuclear Fusion, 58(1), p.016033_1 - 016033_7, 2018/01

 パーセンタイル:100(Physics, Fluids & Plasmas)

摂動磁場による磁気面の破壊を伴う乱れた磁場構造をもつトーラスプラズマ中の電子熱輸送について研究を行った。本論文では、摂動磁場に沿った粒子の平行方向軌道に起因する熱輸送が、捕捉粒子軌道の効果によって低減されることを明らかにした。

論文

Mechanism of fast lattice diffusion of hydrogen in palladium; Interplay of quantum fluctuations and lattice strain

君塚 肇*; 尾方 成信*; 志賀 基之

Physical Review B, 97(1), p.014102_1 - 014102_11, 2018/01

 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)

パラジウム(Pd)中の水素(H)の高い拡散性のメカニズムを理解するため、有限歪み下における電子と核の両方の量子性を考慮した第一原理シミュレーションに基づいて、面心立方晶PdにおけるHの格子間拡散プロセスを研究した。その結果、八面体サイトの核量子効果のために、温度の低下とともに水素移動の活性化障壁が大幅に増加することが明らかになった。しかしながら、拡大した格子歪みのもとでは、四面体サイトがより安定化し、核量子効果はあまり顕著にならなかった。これは、歪みが増加するにつれて、拡散機構が量子的拡散から古典的拡散へ徐々に変化することを意味する。

報告書

平成28年度計算科学技術研究実績評価報告

システム計算科学センター

JAEA-Evaluation 2017-002, 37 Pages, 2017/12

JAEA-Evaluation-2017-002.pdf:1.19MB

システム計算科学センターにおいては、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標を達成するための計画(中長期計画)」に基づき、原子力分野における計算科学技術研究に関する研究開発を実施してきた。この研究開発は原子力基礎基盤研究のうちの1分野として位置づけられていることから、原子力基礎工学研究・評価委員会による助言と評価がなされるが、計算科学技術研究については、それを支援するために原子力基礎工学研究・評価委員会の下に計算科学技術研究専門部会が設置され、課題の詳細な内容等を評価することとなった。本報告は、平成28年度にシステム計算科学センターにおいて実施された計算科学技術研究の実績と、それに対する計算科学技術研究専門部会による評価をとりまとめたものである。

論文

材料挙動と計算機シミュレーションの接点,2; 原子力材料の分子シミュレーション; 現状と展望

沖田 泰良*; 板倉 充洋

日本原子力学会誌, 59(12), p.712 - 716, 2017/12

原子力材料の照射下特性変化を原子スケールの現象に基づいてモデル化する分子シミュレーションは、極短時間・極微小スケールの現象を定量化・解明・再現するため、幅広く用いられるようになってきた。本稿では、(1)分子動力学法を用いた高速中性子との弾性衝突に伴う結晶欠陥形成過程の定量化、(2)分子動力学法を用いた結晶欠陥集合体-転位接触による転位チャネリング形成過程の解明、(3)分子動力学-キネッティックモンテカルロ融合法を用いた結晶欠陥集合体の3次元的運動・転位へ吸収される過程の再現、に関して近年の研究進展を紹介する。

論文

Application of a communication-avoiding generalized minimal residual method to a gyrokinetic five dimensional Eulerian code on many core platforms

井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 松本 和也*; 朝比 祐一*; 今村 俊幸*

Proceedings of 8th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2017), p.7_1 - 7_8, 2017/11

ジャイロ運動論的5次元オイラーコードGT5Dに省通信一般化最小残差(CA-GMRES)法を適用し、一般化共役残差(GCR)法を用いたオリジナルコードとの性能比較をJAEA ICEX(Haswell)、Plasma Simulator(FX100)、Oakforest-PACS(KNL)において実施した。CA-GMRES法はGCR法に比べて約3.8倍の演算密度となることから、メモリとネットワークの帯域が制限された将来のエクサスケールアーキテクチャに適合する。性能評価の結果、GCR法に比べて計算カーネルは1.47$$sim$$2.39倍加速され、1,280ノード処理におけるデータ縮約通信は全体コストの5$$sim$$13%から約1%に削減された。

論文

Localization of cesium on montmorillonite surface investigated by frequency modulation atomic force microscopy

荒木 優希*; 佐藤 久夫*; 奥村 雅彦; 大西 洋*

Surface Science, 665, p.32 - 36, 2017/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:39.58(Chemistry, Physical)

粘土鉱物表面におけるイオン交換反応は、通常その交換量だけに着目し、ミクロスコピックな研究はまだあまりなされていない。本研究では、反応が多く起こると考えられている粘土鉱物表面に着目し、周波数変調方式原子間力顕微鏡を用いてイオン分布を調べた。粘土鉱物はモンモリロナイト、イオンはセシウムイオンを対象として、研究を行った。その結果、セシウムが線状に分布し、その構造がしばらく保たれるという現象を発見した。第一原理シミュレーションにより、粘土鉱物内部の構造を評価したが、内部の電荷が直線構造を取る可能性は低いことが示された。これらの結果は、この直線構造の起源は粘土鉱物表面-イオン-水の三者による未解明吸着プロセスが存在することが示唆していると考えられる。

論文

焼もどしマルテンサイト鋼の水素昇温脱離プロファイルの二種類のトラップサイトを仮定した数値シミュレーション

土田 豊*; 海老原 健一

鉄と鋼, 103(11), p.653 - 659, 2017/11

 パーセンタイル:100(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

低温昇温脱離解析によって得られた焼戻しマルテンサイト鋼の非常に薄い平板試料の水素熱脱離曲線に見られる単一ピークを2つのガウス分布の重ねあわせにより適切に再現した。さらに、ChooとLeeの方法を用い、それぞれのガウス分布から同定したピーク温度から、それぞれのピークに対応する水素トラップサイトのデトラップ速度定数に関するパラメータを算出した。水素拡散を無視した熱解離律則条件に基づくKissingerモデルに算出されたパラメータを組み入れ、水素熱脱離を計算したところ、それぞれのガウス分布のピーク形状を再現できることが分かった。また、同様に、算出されたパラメータを熱脱離解析に関する反応拡散方程式に組み入れ、またトラップサイト濃度を適切に設定して計算したところ、実験熱脱離曲線を再現することができた。これらの結果から、ガウス分布の当てはめで得たパラメータが妥当であることが確認され、また、2つのガウス分布に対応するトラップサイトが転位と粒界であると推定できる。

論文

FCC metal-like deformation behaviour of Ir$$_3$$Nb with the L1$$_2$$ structure

岡本 範彦*; 竹本 昌平*; Chen, Z. M. T.*; 山口 正剛; 乾 晴行*

International Journal of Plasticity, 97, p.145 - 158, 2017/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:28.7(Engineering, Mechanical)

The deformation behaviour of Ir$$_3$$Nb with stoichiometric and off-stoichiometric compositions has been investigated as functions of crystal orientation and deformation temperature. The critical resolved shear stress (CRSS) for (111)[$$overline{1}$$01] slip in stoichiometric Ir$$_3$$Nb exhibits a marginal temperature dependence at all temperatures with neither strong negative temperature dependence at low temperatures nor positive (anomalous) temperature dependence at high temperatures. The CRSS for (111)[$$overline{1}$$01] slip exhibits orientation dependence, neither. The [$$overline{1}$$01] dislocation dissociates into the anti-phase boundary (APB)-type scheme and is observed to be smoothly curved on the (111) slip plane at all temperatures, indicating the planar core structure. This is exactly what is known for the perfect dislocation in many pure FCC metals and is the reason for the observed FCC metal-like deformation behaviour of Ir$$_3$$Nb. The absence of yield stress anomaly in Ir$$_3$$Nb is discussed in terms of anisotropy in planar fault energies and elastic constants calculated by first principles calculations and experimentally determined in the present study.

論文

Transmutation effects on long-term Cs retention in phyllosilicate minerals from first principles

Sassi, M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; Rosso, K. M.*

Physical Chemistry Chemical Physics, 19(39), p.27007 - 27014, 2017/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)

福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性セシウムなどの環境中の放射性セシウムは、粘土鉱物に吸着されて長期間保持されると考えられているが、これまで、放射性セシウムが崩壊した際の効果は評価されてこなかった。本研究は、金雲母(粘土鉱物の一種)に吸着された放射性セシウムが崩壊してバリウムへの核変換が起こると、1価のから2価のイオンへ変化することに着目し、第一原理計算によってその効果を調べた。その結果、金雲母を電荷中性に保つためにセシウムやカリウムを放出する可能性があることがわかった。

論文

Self-learning Monte Carlo method; Continuous-time algorithm

永井 佑紀; Shen, H.*; Qi, Y.*; Liu, J.*; Fu, L.*

Physical Review B, 96(16), p.161102_1 - 161102_6, 2017/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:21.38(Physics, Condensed Matter)

モンテカルロ法は原子力分野以外にも様々な分野で利用される極めて汎用的な手法である。近年、機械学習の手法を取り込むことで、高速なモンテカルロ法が開発されている。本論文では、銅酸化物高温超伝導体をはじめとする様々な物質のシミュレーションにおいて汎用的に用いられている連続時間量子モンテカルロ法に対して機械学習の手法を適用した結果を報告する。なお、上記課題の解決にあたり、モンテカルロ法でネックの一つとなる次の配置をどう決めるか、という問題に対して、機械学習によって自動的に決めるという手法を提案した。この手法の開発により、より高精度な超伝導体シミュレーションや、ウランなどの重い元素を含む第一原理計算の高速化が期待できる。これらの結果は、広く原子力分野のためのシミュレーション技術開発に資する成果である。

論文

Benchmarking of flux-driven full-F gyrokinetic simulations

朝比 祐一*; Grandgirard, V.*; 井戸村 泰宏; Garbet, X.*; Latu, G.*; Sarazin, Y.*; Dif-Pradalier, G.*; Donnel, P.*; Ehrlacher, C.*

Physics of Plasmas, 24(10), p.102515_1 - 102515_17, 2017/10

 パーセンタイル:100(Physics, Fluids & Plasmas)

トカマクプラズマにおける熱流駆動型のイオン温度勾配乱流を計算するために2つの大域的full-Fジャイロ運動論コードのベンチマークを行う。この目的のために、full-Fジャイロ運動論方程式を現実的な熱流束固定条件で計算するセミ・ラグランジアンコードGYSELA、および、オイラーコードGT5Dを採用する。時空間特性に注目して雪崩的な輸送現象を評価した。自己組織化臨界現象(SOC)的な振舞いを議論するために統計解析を実施し、両方のコードで高周波側で$$1/f$$スペクトルから$$1/f^3$$スペクトルへの遷移を確認した。このベンチマークに基づき、SOC的な振舞いは数値計算法に依存しないロバーストな特徴であることを検証した。

論文

Global kinetic simulations of neoclassical toroidal viscosity in low-collisional perturbed tokamak plasmas

松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*

Physics of Plasmas, 24(10), p.102522_1 - 102522_9, 2017/10

 パーセンタイル:100(Physics, Fluids & Plasmas)

軸対称磁場閉じ込め装置であるトカマク型プラズマにおいて、誤差磁場等に起因する3次元的な非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、3次元摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて詳細な解析を行い、上記の差異が生じる物理機構について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)粒子軌道の効果によって粒子軌道の共鳴構造が失われ、粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)粒子軌道に沿った位相混合により速度空間構造内に微細構造が生成され輸送量の減衰が起きること、の二つが原因であることを明らかにした。

論文

Continuous energy adjoint transport for photons in PHITS

Malins, A.; 町田 昌彦; 仁井田 浩二*

EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.06001_1 - 06001_9, 2017/09

Adjoint Monte Carlo can be an efficient algorithm for solving photon transport problems where the size of the tally is relatively small compared to the source. Such problems are typical in environmental radioactivity calculations, where natural or fallout radionuclides spread over a large area contribute to the air dose rate at a particular location. Moreover photon transport with continuous energy representation is vital for accurately calculating radiation protection quantities. Here we describe the incorporation of an adjoint Monte Carlo capability for continuous energy photon transport into the Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS). An adjoint cross section library for photon interactions was developed based on the JENDL-4.0 library, by adding cross sections for adjoint incoherent scattering and pair production. PHITS reads in the library and implements the adjoint transport algorithm by Hoogenboom. Adjoint pseudo-photons are spawned within the forward tally volume and transported through space. Currently pseudo-photons can undergo coherent and incoherent scattering within the PHITS adjoint function. Photoelectric absorption is treated implicitly. The calculation result is recovered from the pseudo-photon flux calculated over the true source volume. A new adjoint tally function facilitates this conversion. This paper gives an overview of the new function and discusses potential future developments.

論文

第一原理計算によるマグネシウム合金のすべり変形挙動評価

山口 正剛

まてりあ, 56(8), p.480 - 483, 2017/08

従来の金属材料の中でマグネシウム合金は最も軽いが、室温以下での成形性が悪いという問題がある。それを合金元素の添加によって改善する試みとして、第一原理計算と実験との協調により、適切な元素を探した。六方晶金属の非底面すべりの一つである柱面すべりを促進する元素を第一原理計算によって探索し、適切な元素を選び出したが、その結果は実験とも一致した。本稿は、既に論文発表されたこの研究の計算部分に関するレビュー記事である。

論文

アブダクションによるデータ解析; 計算予測結果を読み解く力

中島 憲宏

日本原子力学会誌, 59(8), p.34 - 38, 2017/08

シミュレーションを設計過程において活用するためには、それを使いこなす技術の他に、シミュレーションが紡ぎ出す膨大なデータの読解力が必要である。設計案に対するシミュレーション解の分析や評価過程に、人工物工学が提唱する「どの視点も取り入れた仮説・法則や行為を導出するためのアブダクション基盤」を取り入れ、想定外や見落としなどを最小化できるように人工知能などを活用したデータ解析技術の取り組みなどを概観する。

論文

Summary of 21st joint EU-US Transport Task Force Workshop (Leysin, September 5-8, 2016)

Mantica, P.*; Bourdelle, C.*; Camenen, Y.*; Dejarnac, R.*; Evans, T. E.*; G$"o$rler, T.*; Hillecheim, J.*; 井戸村 泰宏; Jakubowski, M.*; Ricci, P.*; et al.

Nuclear Fusion, 57(8), p.087001_1 - 087001_19, 2017/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:32.79(Physics, Fluids & Plasmas)

本会議報告は2016年9月5日$$sim$$8日にスイス、レザンにて開催されたthe 21st Joint EU-US Transport Task Force Workshopにおける報告と議論をまとめたものである。ワークショップは以下の8つのトピックから構成された: full-F運動論的乱流シミュレーションの進展; 高Z、低Z不純物の輸送、制御、および、プラズマ閉じ込めへの影響; 炉心、周辺輸送への3次元効果(MHD、外部磁場、ステラレータを含む); 予測性の高いプラズマ設計; 電子熱輸送とマルチスケール統合; Scrape-Off Layer(SOL)におけるパワー減衰長の理解; L-H遷移におけるSOLの役割; 乱流計測に対する乱流基礎特性の実証研究。

論文

Time-reversal symmetry breaking and gapped surface states due to spontaneous emergence of new order in $$d$$-wave nanoislands

永井 佑紀; 太田 幸宏*; 田中 佳織*

Physical Review B, 96(6), p.060503_1 - 060503_5, 2017/08

 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)

銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、近年、ナノ構造作製技術が向上し、詳細なコントロールによって超伝導体の物性をコントロールすることが可能になってきた。本論文では、銅酸化物高温超伝導体のモデルとしてよく用いられる$$d$$波超伝導体のナノ構造体を対象とし、ひし形形状ナノ超伝導体の高精度シミュレーションの結果を報告する。なお、上記課題の解決にあたり、自己無撞着場計算において高パフォーマンスを示す縮約シフト共役勾配法による超伝導体向け超並列シミュレーションコードの開発を行った。そして、この$$d$$波ナノ超伝導体では、低温で時間反転対称性を破った新しい超伝導相が現れることがわかった。この相を利用することで、銅酸化物高温超伝導体の臨界電流を上昇させることが可能であると考えられる。これらの結果は、実用上重要な高臨界電流超伝導デバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野のためのシミュレーション技術開発にも資する成果である。

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