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論文

Fukushima $$^{137}$$Cs releases dispersion modelling over the Pacific Ocean; Comparisons of models with water, sediment and biota data

Peri$'a$$~n$ez, R.*; Bezhenar, R.*; Brovchenko, I.*; Jung, K. T.*; 上平 雄基; Kim, K. O.*; 小林 卓也; Liptak, L.*; Maderich, V.*; Min, B. I.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 198, p.50 - 63, 2019/03

北西太平洋海域における福島第一原子力発電所事故起源の$$^{137}$$Cs放出に対して、複数の海洋拡散モデルを適用し、モデル対モデル及びモデル対観測の比較を実施した。シミュレーション期間は2年間とし、施設から海洋への直接放出と大気から海洋表層への沈着過程を考慮した。海洋拡散モデルには生物モデルが導入されている。シミュレーション結果は海水中,堆積物中,海産生物中の$$^{137}$$Cs濃度で比較した。その結果、モデル対モデル及びモデル対観測の比較において、妥当な結果が得られた。

報告書

アクチノイドの潜在的放射性毒性の比較; 最適アクチノイド回収率導出のためのデータ

森田 泰治; 西原 健司; 津幡 靖宏

JAEA-Data/Code 2018-017, 32 Pages, 2019/02

JAEA-Data-Code-2018-017.pdf:2.35MB

分離変換技術の適用対象であるアクチノイド元素の回収率目標値を設定するためのデータを整備することを目的とし、経口摂取した場合の被ばく線量として与えられる潜在的放射性毒性を元素ごとに評価し、経時変化及び各元素の毒性全体に対する割合から、潜在的放射性毒性の観点から見たアクチノイド元素の重要度の比較を行った。検討した4種の使用済燃料いずれにおいても、Amが最も重要で、例えば加圧水型軽水炉の使用済燃料から発生する高レベル放射性廃棄物において、核分裂生成物の潜在的放射性毒性が減衰した10$$^{3}$$年後におけるAm潜在的放射性毒性はアクチノイド全体の93%を占める。また、再処理で99.5%回収した後の残留Puも無視できない寄与を示すことがわかった。軽水炉燃料で燃焼度が高くなった場合は燃焼度に比例するような形で潜在的放射性毒性が上昇するが、MOX燃料となった場合、及びマイナーアクチノイドリサイクル型の高速炉では、それ以上に潜在的放射性毒性が大きくなった。燃料が異なる場合のアクチノイド元素回収率の目標値設定には十分な考慮が必要であり、今後の課題である。

論文

Determination of $$^{107}$$Pd in Pd purified by selective precipitation from spent nuclear fuel by laser ablation ICP-MS

浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02

使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうち$$^{107}$$Pdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、$$^{107}$$Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、$$^{107}$$Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する$$^{102}$$Pdを内標準として、$$^{102}$$Pdの添加量と$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pd実測値から$$^{107}$$Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pdが得られ、従来の溶液測定における$$^{107}$$Pd定量結果と一致した。

論文

Implementation of a gyrokinetic collision operator with an implicit time integration scheme and its computational performance

前山 伸也*; 渡邉 智彦*; 井戸村 泰宏; 仲田 資季*; 沼波 政倫*

Computer Physics Communications, 235, p.9 - 15, 2019/02

陰的時間積分スキームを用いてSugama衝突演算子をジャイロ運動論的ブラゾフコードGKVに実装した。新手法はオペレータスプリッティング、陰的時間積分、クリロフ部分空間反復法ソルバを用いており、線形化衝突演算子の詳細に依存しない汎用的な手法となっている。数値計算テストでは衝突項が制限する時間ステップ幅を超えて安定な計算が実証できた。データ転置を用いることで、反復計算中に通信が発生しない分散メモリシステムにおける効率的実装を実現した。これにより、本手法は計算効率向上と計算コスト削減を同時に達成し、アプリケーションの全体性能を大きく加速する。

報告書

Nuclear data processing code FRENDY version 1

多田 健一; 国枝 賢; 長家 康展

JAEA-Data/Code 2018-014, 106 Pages, 2019/01

JAEA-Data-Code-2018-014.pdf:1.76MB
JAEA-Data-Code-2018-014-appendix(DVD-ROM).zip:6.99MB

評価済み核データライブラリーJENDLを適切に処理するため、日本原子力研究開発機構において、国産核データ処理システムFRENDYを開発した。FRENDYの開発は、JENDLや日本原子力研究開発機構が提供する粒子輸送計算コードの普及に役立つ。FRENDYは保守性, 簡潔性, 移植性, 拡張性などを考慮して開発した。FRENDYは評価済み核データを処理するだけでなく、他の計算コードにFRENDYの機能を実装することも考慮して開発した。利用者はFRENDYの読み書きや各処理機能について、他のコードに容易に取り込むことができる。FRENDYの核データ処理手法は米国ロスアラモス国立研究所が開発したNJOYと同様である。現バージョンのFRENDYはENDF-6形式の評価済み核データから連続エネルギーモンテカルロ輸送計算コードPHITSやMCNPが利用する断面積ライブラリ形式であるACEファイルを生成することができる。本報告書ではFRENDYで用いられている核データ処理手法とFRENDYの入力について説明する。

論文

Count-loss effect in determination of prompt neutron decay constant by neutron correlation methods that employ two sets of neutron counting systems

北村 康則*; 福島 昌宏; 北村 康則*

Annals of Nuclear Energy, 125, p.328 - 341, 2019/01

単一の中性子計数システムを使用する中性子相関法では、計数ロスの影響が深刻な問題を生じることがある。一方、2組の中性子計数システムを使用する中性子相関法は、即発中性子減衰定数を決定する際に、計数ロス効果に対してロバストであると考えられている。本研究では、後者の方法における長所を、計数ロスの過程を扱うことができる厳密な理論的なアプローチに基づいて調査した。これにより、非常に高い計数率のケースを除いては、計数ロス効果に対してロバストであることを明らかにした。また、このような極端なケースに対しても、計数ロス効果を明示的に補正することが可能な新しい評価式を提案した。

論文

First-principles calculation of multiple hydrogen segregation along aluminum grain boundaries

山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋; 都留 智仁; 松田 健二*; 戸田 裕之*

Computational Materials Science, 156, p.368 - 375, 2019/01

金属の応力腐食割れメカニズム解明を目的として、アルミニウム結晶粒界に対する水素偏析の影響を第一原理計算により調べた。水素の溶解度が高い場合には、高エネルギー粒界には水素の偏析が可能であることが分かった。またアルミニウム粒界には水素が大量に偏析可能であり、それとともに粒界が膨張することで電子密度が低下していき、その結果粒界の凝集エネルギーが大きく低下することが分かった。

論文

Development of a stochastic biokinetic method and its application to internal dose estimation for insoluble cesium-bearing particles

真辺 健太郎; 松本 雅紀*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(1), p.78 - 86, 2019/01

不溶性放射性セシウム粒子が体内に取り込まれると、粒子として体内を移行すると予想される。この場合、溶解性粒子のように無数の放射性核種の挙動を平均的に表現して核種の壊変数を評価する手法を適用することができない。そこで、粒子が体内を確率論的に移行する挙動を模擬する手法を開発し、不溶性粒子の特性を考慮した体内動態モデルを構築した。これにより、セシウム粒子1個の確率論的な体内挙動を考慮して、各組織・臓器における壊変数を評価し、それに基づき内部被ばく線量を評価することが可能となった。この手順を多数回繰り返し、不溶性放射性セシウム粒子の吸入摂取に対する預託等価線量及び預託実効線量の確率密度関数を評価し、その99パーセンタイル値、平均値等を通常のセシウムモデルに基づく評価値と比較した。その結果、摂取粒子数が1個で線量値がごく低い場合は、預託実効線量の99パーセンタイル値は従来モデルによる評価値の約70倍程度となったが、粒子の不溶性に起因する線量の不確かさは預託実効線量が1mSv程度の被ばくレベルでは無視できる程度に小さいことが分かった。

論文

Unified description of the fission probability for highly excited nuclei

岩元 大樹; 明午 伸一郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(2), p.160 - 171, 2019/01

放射線挙動解析コードPHITSは、加速器駆動核変換システムや核破砕中性子源施設等における放射能・被曝線量評価及び施設の遮蔽設計に重要な役割を演じるが、PHITSの核破砕反応を記述するモデルINCL4.6/GEMは核分裂生成物の収量を大幅に過小評価することが知られており、モデルの高度化が求められている。本研究では、核分裂生成物の収量予測に重要なパラメータとなる「核分裂確率」を現象論的に記述するモデルを提案し、このモデルを粒子輸送計算コードPHITSに組み込まれている脱励起過程計算コードGEMの高エネルギー核分裂モデルに適用した。実験値との比較の結果、広範囲 のサブアクチノイド核種に対する陽子入射,中性子入射及び重陽子入射反応に対して、核分裂断面積を統一的に予測でき、その予測精度は従来モデルよりも大幅に改善することを示した。さらに、本モデルを用いた解析により、核分裂生成物の同位体分布を精度よく求めるためには、核内カスケード過程計算コードINCL4.6における高励起残留核の記述の修正が必要であることを明らかにした。

論文

In Situ Time-Resolved XAFS Studies on Laser-induced Particle Formation of Palladium Metal in an Aqueous/EtOH solution

佐伯 盛久*; 松村 大樹; 蓬田 匠; 田口 富嗣*; 辻 卓也; 齋藤 寛之*; 大場 弘則*

Journal of Physical Chemistry C, 123(1), p.817 - 824, 2019/01

PdCl$$_{4}$$$$^{2-}$$水溶液にパルスレーザーを照射した際の、パラジウム(Pd)微粒子の形成反応メカニズムを透過型電子顕微鏡(TEM)、およびエネルギー分散型X線吸収分光法(DXAFS)を用いて調べた。266 nmの波長のナノ秒レーザー照射により形成されたPd微粒子をTEMにより観測した結果、微粒子径が照射レーザーのフルエンスに依存し、高フルエンスのレーザー照射が微粒子形成を促進することを明らかにした。DXAFSの結果よりPd$$^{2+}$$の濃度を算出し、Finke-Watzkyの二段階反応に基づいた解析を行った。その結果、照射するレーザーのフォトンは、1光子過程のPdCl$$_{4}$$$$^{2-}$$の還元と、多光子過程のPd微粒子の自己触媒的な成長に寄与することを見出した。

論文

AMPX MG library of JENDL-4.0

今野 力

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.117 - 121, 2019/01

SCALE6.2.1は2016年に公開され、世界中で使われている。SCALE6.2.1にはENDF/B-VII.0とENDF/B-VII.1の新しいAMPXフォーマットファイル(AMPX MGライブラリ)とAMPX MGライブラリを作るためのAMPX-6コードが入っている。そこで、JENDL-4.0の普及を目指し、JENDL-4.0のAMPX MGライブラリを作成した。また、JENDL-4.0のAMPX MGライブラリの検証のため、中心に20MeVの中性子源のある半径1mの鉄あるいは他の物質の球内の中性子、$$gamma$$線スペクトルをANISNコードで計算した。その結果、JENDL-4.0のAMPX MGライブラリ作成には問題がないことが確認された。ただし、遮蔽計算においてAMPX MGライブラリを用いた自己遮蔽補正は依然不適切であることに注意する必要がある。

論文

A New Standard DNA Damage (SDD) data format

Schuemann, J.*; McNamara, A. L.*; Warmenhoven, J. W.*; Henthorn, N. T.*; Kirkby, K.*; Merchant, M. J.*; Ingram, S.*; Paganetti, H.*; Held, K. D.*; Ramos-Mendez, J.*; et al.

Radiation Research, 191(1), p.76 - 93, 2019/01

DNA損傷には様々なタイプがあり、異なった生物学的効果を引き起こす。過去数10年間、放射線照射によるDNA損傷の生成やそれらが引き起こす生物効果のシミュレーションが行われてきたが、各研究者が独自のデータフォーマットを用いて解析していたため、相互比較を行うことができなかった。そこで、本論文では、新しい標準DNA損傷データフォーマットを提案し、モデル間の相互比較を可能とする。これにより、放射線照射によるDNA損傷のメカニズム解明や放射線影響シミュレーション研究の活性化を図る。

報告書

沿岸域におけるサブメソスケール渦混合に伴う物質輸送に関する研究(学位論文)

上平 雄基

JAEA-Review 2018-021, 79 Pages, 2018/12

JAEA-Review-2018-021.pdf:6.33MB

広大な海洋環境を有する日本にとって、周辺の陸棚域、沿岸域の海洋流動構造を把握する海洋アセスメントは、水産資源, 海底資源, 国防, 防災, 気象など、様々な観点から重要となる。そこで、本研究では海洋アセスメントシステムへの高解像度モデルの適用性を検討することを目的とし、サンゴ礁の保全、放射性物質による海洋汚染状況の把握の観点から海洋アセスメントの必要性に迫られていた琉球諸島周辺海域及び東北地方太平洋沿岸海域を対象にし、領域海洋モデル(ROMS)を用いた2段階のネスティングにより水平解像度1kmまで細密化したサブメソスケール渦解像海洋モデリングシステムを開発した。また、現業海洋アセスメントシステムへのサブメソスケール渦解像海洋モデルの適用先として日本原子力研究開発機構が開発した緊急時海洋環境放射能評価システム(STEAMER)へのROMSダウンスケーリングシステムへの導入を検討した。その結果、本研究で開発したサブメソスケール渦解像海洋モデリングシステムは、いずれも精緻に海況場を再現していた。また、eddy heat flux解析や渦運動エネルギー収支解析結果から、熱や放射性物質のサブメソスケール渦に伴う3次元的な物質混合の発達メカニズムには傾圧不安定、シア不安定が強く影響していることを示した。これらの結果より、精緻な海洋アセスメントシステム構築にはダウンスケーリングによる高解像度化が重要な役割を果たすことが示された。

論文

Benchmark study of DFT with Eu and Np M$"o$ssbauer isomer shifts using second-order Douglas-Kroll-Hess Hamiltonian

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

Hyperfine Interactions, 239(1), p.20_1 - 20_10, 2018/12

fブロック化合物に対する密度汎関数計算の精度向上を目指し、$$^{151}$$Eu, $$^{237}$$Npメスバウアー異性体シフトを指標として、二次Douglas-Kroll-Hess(DKH2)ハミルトニアンを用いて相対論密度汎関数法のベンチマーク研究を行った。純粋な密度汎関数法による電子交換相互作用とHartree-Fockによる厳密な電子交換相互作用の混合パラメータを変えて、メスバウアー異性体シフトの実験値に対する平均二乗誤差を比較した。その結果、$$^{151}$$Eu, $$^{237}$$Npメスバウアー異性体シフトに対して、厳密な交換相互作用の割合が、それぞれ30, 60%のときに、平均二乗誤差が最小になることが明らかになった。

論文

Theoretical elucidation of Am(III)/Cm(III) separation mechanism with diamide-type ligands using relativistic density functional theory calculation

金子 政志; 鈴木 英哉; 松村 達郎

Inorganic Chemistry, 57(23), p.14513 - 14523, 2018/12

マイナーアクチノイドの分離変換技術開発の一環として、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)の分離が課題となっている。本研究では、AmとCmの分離メカニズム解明を目的として、異なる二つのジアミド型配位子であるジグリコールアミド(DGA)とアルキルジアミドアミン(ADAAM)によるAm/Cm選択性の違いを、密度汎関数計算を用いて解析した。モデル錯体として[M(DGA)$$_{3}$$]$$^{3+}$$と[M(ADAAM)(NO$$_{3}$$)$$_{3}$$(H$$_{2}$$O)]の分子構造探索、錯生成反応ギブズエネルギー計算を行った結果、DGA配位子のCm選択性とADAAM配位子のAm選択性を再現することに成功した。さらに、Am/CmとDGA/ADAAM配位子の化学結合解析を行った結果、結合解離エネルギーの差がAm/Cm選択性の違いに影響を及ぼしており、f軌道電子の共有結合性の違いがAmとCmの分離メカニズムの一因であることが示唆された。

論文

BNCTの治療効果を細胞レベルの線量分布から予測する

佐藤 達彦

Isotope News, (760), p.2 - 5, 2018/12

ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)の治療効果は薬剤の種類や濃度に依存することが知られていたが、その詳細な依存性やメカニズムは未だ解明されていなかった。そこで原子力機構では、他の研究機関と協力してBNCTの治療効果を細胞レベルでの線量解析結果から推定する新たな数理モデルを構築した。また、そのモデルを用いて、(1)薬剤治療効果比を高めるためには、より細胞核近傍に集積性を持ち細胞間に均一に分布するホウ素薬剤の開発が鍵となること、(2)治療計画を高度化するためには、薬剤治療効果比の吸収線量依存性を考慮することが重要であることを定量的に明らかにした。本稿では、開発した数理モデルの概要と特徴を解説する。

論文

メソポーラス加工を応用した新規アルミナ吸着剤の開発

福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦

Isotope News, (760), p.15 - 18, 2018/12

核医学検査薬として最も多く使用されている$$^{99m}$$Tcの原料となる$$^{99}$$Moは我が国ではすべて輸入に頼っており、安定供給のため$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tcの国産化が望まれている。天然Moを中性子照射して$$^{99}$$Moを生成することは技術的には可能であるが、比放射能が低いことから、現在$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$TcジェネレータのMo吸着剤として用いられているアルミナの吸着性能向上が期待される。そこで、本研究ではメソポーラス技術を適用して表面積を増加させた新規アルミナの開発を進めている。アルミナは2通りの方法で合成し、一方はアルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法、一方がエタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法である。本解説は、これらのメソポーラス加工を応用した新規アルミナの研究成果についてまとめたものである。

論文

Progress of neutron-capture cross-section measurements promoted by ImPACT project at ANNRI in MLF of J-PARC

中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*

JAEA-Conf 2018-001, p.199 - 203, 2018/12

ImPACTプロジェクトにおいて、長寿命核分裂生成物の中の$$^{135}$$Csについて、その中性子捕獲断面積測定をJ-PARCのMLF施設内に設置されているANNRI装置を用いて進めている。将来の測定のために$$^{79}$$Seサンプルの整備可能性の検討と並行して、安定Se同位体核種について、それらの中性子捕獲断面積測定も進めている。本発表では、放射性$$^{135}$$Cs試料の整備とそれを用いた照射試験、安定Se同位体の断面積測定などについて報告する。

論文

Analysis of $$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Cs isotopic ratio for samples used for neutron capture cross section measurement project by thermal ionization mass spectrometry

芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 中村 詔司; 木村 敦; Hales, B. P.; 岩本 修

JAEA-Conf 2018-001, p.205 - 210, 2018/12

ImPACT事業の中性子捕獲断面積研究において、$$^{135}$$Cs中性子捕獲断面積測定に使用する試料として$$^{137}$$Cs標準溶液中に含まれる$$^{135}$$Csの利用を考えた。$$^{135}$$Cs試料を定量するためには、$$^{135}$$Csと$$^{137}$$Csの同位体比を高精度で分析する必要がある。そこで、熱イオン化質量分析器(TIMS)を用いて、最初のサンプルとして$$^{137}$$Cs標準溶液の質量分析試験を行なった。分析試験の結果、わずか10Bq(pgオーダー)の$$^{137}$$Cs標準溶液でも$$^{135}$$Csと$$^{137}$$Csの同位体比を0.5%の高精度で導出することができた。

論文

Distribution and fate of $$^{129}$$I in the seabed sediment off Fukushima

乙坂 重嘉; 佐藤 雄飛*; 鈴木 崇史; 桑原 潤; 中西 貴宏

Journal of Environmental Radioactivity, 192, p.208 - 218, 2018/12

2011年8月から2013年10月にかけて、福島第一原子力発電所から160km圏内の26観測点において、海底堆積物および沈降粒子中の$$^{129}$$I濃度を観測した。2011年における海底堆積物中の$$^{129}$$I濃度は0.02$$sim$$0.45mBq/kgであった。同海域の海底への主な$$^{129}$$Iの沈着は事故後の半年以内に起こったと推測され、その初期沈着量は約0.36$$pm$$0.13GBqと見積もられた。ヨウ素は生物による利用性の高い元素であるが、事故由来の放射性ヨウ素を海産生物を介して摂取することによる被ばく量は、極めて低いと推定された。福島周辺の陸棚縁辺域(海底水深200$$sim$$400m)では、2013年10月にかけて表層堆積物中の$$^{129}$$I濃度がわずかに増加した。この$$^{129}$$I濃度の増加をもたらす主要因として、福島第一原子力発電所近傍の海底から脱離した$$^{129}$$Iの陸棚縁辺域への再堆積と、河川を通じた陸上からの$$^{129}$$Iの供給の2つのプロセスが支配的であると考えられた。

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