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PNC TJ1559 98-001, 195 Pages, 1998/03
本研究は、岩盤物性と地殻応力に関する研究の一貫として、結晶質岩系の花崗岩についての岩盤工学の基礎的研究、すなわち岩盤応力、岩盤の長期安定性および岩盤割れ目の透水性や止水性の変化、岩盤内単一不連続面の基礎的特性に関する原位置(釜石原位置試験場)や、室内での試験に基づく基礎的・理論的な研究を行うものである。「岩盤内割れ目の地下水の流動と止水性に関する研究」については、岩盤内に存在する割れ目を流れる地下水の、一定範囲に限定した止水を目的に、グラウト材および関連事項の試験を実施し、その主要課題として材料に関するものと透水性の改善を図った。「荷重履歴を受けた花崗岩の強度・変形特性と内部き裂の観察に関する研究」については、動的および静的荷重下における岩石の変形・破壊特性を把握するとともに、その破壊機構を解明することを目的に、荻野凝灰岩、来待砂岩、秋吉大理石および栗橋花崗閃緑岩のクリープ特性と疲労特性を把握し、比較・検討するために、クリープ試験および疲労試験を数年間にわたり、計画的に行った。「坑道周辺岩盤の力学的状況の精密調査」については、孔壁変形法による下向き地圧計測と坑壁のクリープひずみ速度の簡易計測の原位置計測が実施できるように必要な技術開発を進めた。また、計測法の実用性を検証するために、釜石鉱山・250mレベル坑道から分岐した試験坑道を原位置サイトに選定し、試験を実施した。「単一不連続面のShear-flow coupling特性」については、単一不連続面を用いてShear-flow coupling室内試験を行い、その力学的特性、透水特性、および幾何学的特性等に関するデータを収集した。「き裂の形状と透水性に関する研究」については、原位置ボーリングコアなどから得られるき裂面の形状と地圧の情報を基に地下深部に位置するき裂の透水性を予測することを最終目標として、水圧破砕き裂のフラクタル性に及ぼす岩石組織の影響に関する研究および水圧破砕き裂の表面形状測定データに基づくき裂の透水性に及ぼすせん断変位・垂直変位の影響に関するシミュレーションを実施した。
椹木 義一*
PNC TJ1559 97-001, 190 Pages, 1997/03
花崗岩における岩盤工学に関する調査試験研究は、岩盤物性と地殻応力に関する研究の一環として、結晶質岩系の花崗岩についての岩盤工学の基礎的研究、すなわち岩盤応力、岩盤の長期安定性および岩盤割れ目の透水性や止水性の変化、岩盤内単一不連続面の基本的特性に関する原位置(釜石原位置試験場)や、室内での試験に基ず基礎的・理論的な研究を行うものである。「岩盤内割れ目の止水性とグラウト材料の流動に関する研究」は、グラウト範囲を自由にコントロール可能な工法を目標に、これまで釜石鉱山550mLの坑道を利用した原位置試験により、グラウト注入試験を繰り返し、実技上の知見取得を試みてきた。本年度も、CGSを注入材料として原位置においてグラウトを実施し(1)CGSに拠るグラウトの再現性の確認、(2)ルジオンテストに拠る効果の判定、(3)流入観測に基ずく割れ目の連絡の判定などを行い、さらに室内実験を中心に、(4)注入材料の物性測定、(5)長期安定性の確認について実験を行い取り纏めて報告する。「花崗岩の動的および静的荷重による強度・変形特性への影響と内部亀裂の観察に関する研究」については、釜石鉱山から採取した花崗閃緑岩のクリープ特性と疲労特性を把握し、比較・検討するために、サーボコントロール剛性試験機(MTS社製)を用いてクリープ試験及び疲労試験を行った。さらに、一軸圧縮試験における変形・破壊挙動とクリープおよび疲労過程における変形・破壊挙動との関係を調べるため、クリープ試験および疲労試験の途中から一軸圧縮試験に移行する試験を行った。「坑道周辺岩盤の力学的状況の精密調査」については、坑道周辺岩盤の力学的状況を精密に調査する手法として、地圧測定、高精度クリープ試験、孔内点載荷試験を取り上げた。そして、これらの計測技術の開発を進め、計画釜石鉱山の250mレベル坑道を利用して原位置計測を実施し、現場での適用化試験を進めるとともに、測定データの取得と解析を行った。