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論文

ヒト顆粒球コロニー刺激因子受容体の活性化機構

玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 黒木 良太

日本結晶学会誌, 48(6), p.429 - 435, 2006/12

ヒト顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)とそのヒト受容体(GCSF-R)中のリガンド結合領域との複合体の活性構造を2.8${AA}$分解能で決定した。GCSF/GCSF-R複合体の組成比は2:2で、GCSF-R中Ig様ドメインとGCSFがたすき掛けすることにより二量体化していた。この結合様式はヒトGCSFとマウスGCSF-R(CRH)ドメイン複合体中の様式とは全く異なっていた。このIg様ドメインを介したGCSF-Rの二量体化はこれまでに報告されている熱力学的及び変異体解析の結果と相関性がある。

論文

Homodimeric cross-over structure of the human granulocyte colony-stimulating factor (GCSF) receptor signaling complex

玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 前田 宜丈*; 岡本 智之*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 103(9), p.3135 - 3140, 2006/02

 被引用回数:90 パーセンタイル:84.38(Multidisciplinary Sciences)

ヒト顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)とそのヒト受容体(GCSF-R)中のリガンド結合領域との複合体の活性構造を2.8${AA}$分解能で決定した。GCSF:GCSF-R複合体の組成比は2:2で、GCSF-R中のIg-likeドメインとGCSFがたすき掛けすることにより二量体化していた。この結合様式はヒトGCSFとマウスGCSF(CRHドメイン)複合体中の様式とは全く異なっており、インターロイキン6とその受容体であるgp130との活性複合体中で確認された様式と類似していた。このIg-likeドメインを介したGCSF-Rの二量体化はこれまでに報告されている熱力学的及び変異体解析の結果と相関性がある。

論文

Advances of mutagenesis in flowers and their industrialization

岡村 正愛*; 田中 淳; 百瀬 眞幸*; 梅本 直行*; Silva, J.*; 戸栗 敏博*

Floriculture, Ornamental and Plant Biotechnology; Advances and Topical Issues, Vol.1, p.619 - 628, 2006/00

初のバイオ・材料専用施設であるイオン照射研究施設(TIARA)が原子力機構(旧日本原子力研究所)に設置されたのに伴い、世界に先駆けて植物へのイオンビーム照射による突然変異誘発の特徴解析が進められた。その結果、モデル材料であるシロイヌナズナに炭素イオンビームを照射した場合、誘発突然変異率は$$gamma$$線などに比べて平均17倍誘発率が高く、誘発される変異は逆位や転座などの大きな構造変化が生じやすいという特徴を見いだした。また、キクやカーネーションなどへの照射では、$$gamma$$線などでは得られなかったような新しい花色や花型の変異が高頻度で誘発され、イオンビームは誘発する変異スペクトルも広いことがわかった。特に、キリンビール植物開発研究所の岡村らは、「ビタル」の葉片培養系に炭素イオンビームを照射したのち、その再分化したカーネーションの花色を調査した。対照実験として、変異原として最もよく用いられるエチルメタンスルフォン酸(EMS)や$$gamma$$線などが用いられた。チェリー色から異なった単一色への変異では、EMSや$$gamma$$線では、薄桃, 桃や赤色への変異を誘発するのに対して、炭素イオンではサーモンや黄, クリームなど、さまざまの花色変異が誘発された。一方、花形については、$$gamma$$線で花弁が剣弁から丸弁状になったものがわずかに得られたが、多くは炭素イオンで丸弁やナデシコ形花弁などの変異が誘発された。またその変異も、例えば、剣弁, やや剣弁, やや丸弁, 丸弁、などと連続した変異が得られた。さらに、非常に珍しい「バラ咲き」様の花形などの作出にも成功し、文字通り、色とりどり、形とりどりのカーネーション品種が育成された。その他、トランスポゾンによる花の育種に関する研究事例も紹介する。

論文

Crystallization of a 2:2 complex of Granulocyte-Colony Stimulating Factor (GCSF) with the ligand-binding region of the GCSF receptor

本庄 栄二郎; 玉田 太郎; 前田 宜丈*; 小柴 琢己*; 松倉 康子*; 岡本 智之*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

Acta Crystallographica Section F, 61(8), p.788 - 790, 2005/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:55.29(Biochemical Research Methods)

顆粒球刺激因子(GCSF)受容体は顆粒球前駆体の分化や増殖を調節する刺激を細胞内へ伝える。その受容体のリガンド結合部位とGCSFの2:2複合体の結晶化を行った。結晶は1.0Mギ酸ナトリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.6)の条件で結晶化した。空間群は${it P}$4$$_{1}$$2$$_{1}$$2(もしくは${it P}$4$$_{3}$$2$$_{1}$$2)で、セル長は${it a}$=${it b}$=110.1$AA , {it c}$=331.8$AA $であった。しかしながら5$AA $以上の回折データが収集できなかったことから、受容体を陰イオン交換クロマトグラフィーで精製し、再度結晶化を試みた。その結果、3$AA $以上の回折データが収集可能な新たな晶形の結晶が得られた。その結晶の空間群は${it P}$3$$_{1}$$21(or its enantiomorph ${it P}$3$$_{2}$$21)で、セル長は${it a}$=${it b}$=134.8, ${it c}$=105.7$AA $であった。

論文

Wide variety of flower-color and -shape mutants regenerated from leaf cultures irradiated with ion beams

岡村 正愛*; 安野 紀子*; 大塚 雅子*; 田中 淳; 鹿園 直哉; 長谷 純宏

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.574 - 578, 2003/05

 被引用回数:90 パーセンタイル:97.71(Instruments & Instrumentation)

近年、イオンビームの突然変異率が$$gamma$$線等に比べて高いことが植物でも報告されているが、変異のスペクトルについては不明である。本研究ではイオン照射と組織培養を組み合わせる方法を使って、花色及び花弁の形態変異を誘発する効率について調査した。カーネーション(品種ビタル,チェリーピンク,フリル花弁)から採取した葉にカーボンイオンもしくはX線を照射し、シュートが再生されるまで培地上で培養した。カーボンイオン照射では、705個体の再生植物体から16個体の変異体が得られた。これらの変異体は非常にバラエティーに富んでおり、ピンク,濃ピンク,淡ピンク,サーモン,レッドの花色に加え、複色やストライプの花色,丸弁やダイアンサスタイプの花弁を持つ個体が得られた。それに対して$$gamma$$線では、556個体の再生植物体から7個体の変異体が得られたが、それらはピンク,濃ピンク,淡ピンクの3種類だけであった。これらの結果は、イオンビームがX線に比べて花色及び花弁の形態変異において広い変異スペクトルを有すること、ならびに、イオン照射と組織培養を組み合わせた方法によって短期間で実用品種を育成できることを示している。

口頭

リガンド・受容体複合体の立体構造解析

玉田 太郎

no journal, , 

生体内の受容体蛋白質はその細胞外領域においてリガンド分子と相互作用することによりシグナル伝達をつかさどり、その結果、さまざまな機能を発現する。そのほとんどが生理的・病理的機能に深く関与することから、受容体とリガンドの相互作用を理解することは基礎科学的に重要であるのみならずさまざまな疾患の解明・治療に対して多大な知見をもたらす。われわれはこれまでにおもに構造生物学的手法を用いることにより、その理解に努めてきた。本発表では受容体蛋白質(細胞外領域)とリガンド(蛋白質)複合体の立体構造解析についての現状、及びそれに対するわれわれの取り組みについて、実際の成功例(顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)及びその受容体(GCSF-R)複合体構造解析)を交えて紹介する。また、これまでおもにX線構造解析によりなされてきた受容体・リガンド複合体の構造解析研究に対して、中性子構造解析が新たな解析手法になりうるか、その可能性についても展望を述べる。

口頭

抗体を用いたタンパク質結晶化

玉田 太郎

no journal, , 

X線結晶解析による蛋白質の構造決定において解決しなければならない技術的なハードルとして、結晶化と位相決定の2つが挙げられる。われわれは蛋白質の構造解析におけるボトルネックとなっているこれらの問題を解決する手法として、抗体を用いた結晶化に取り組んでいる。結晶化に用いる抗体としては、断片化して得られるFabフラグメントや一本鎖化Fvが使用されているが、われわれは分子置換法による構造解析の際の分子量的な側面と、結晶化パッキングに関する寄与を考慮してFabフラグメントを用いている。また、Fabフラグメントの存在は、結晶化が困難な蛋白質の結晶化促進のみならず、既知のFab構造を用いた分子置換法による解析を可能にする点においても有効であることも実証した。これまでにこの手法を用いて幾つかの構造未知蛋白質の結晶化及び構造解析に成功した。本発表では、成功例とともにわれわれがこれまで蓄積した知見から、抗体を用いた結晶化及び構造解析において見いだされた共通性や特徴について紹介する。

口頭

薬物標的分子である受容体蛋白質の計測

黒木 良太; 玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 前田 宜丈*

no journal, , 

生体内において、ある種のリガンドは受容体と呼ばれる蛋白質と結合することによって、細胞内で生ずるさまざまな反応の引き金になることが知られている。したがってリガンドはそれ自身が医薬品となる可能性があり、受容体はさまざまな薬物の標的分子として創薬研究の対象となる。受容体に関するさまざまな計測例として、ここでは顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)によるその受容体(GCSF-R)活性化機構の研究について紹介する。GCSFはすでに上市され医薬品として用いられている分子であるが、GCSF-Rとの会合様式にはさまざまな説があった。そこでGCSFとGCSFRの会合様式を明らかにするために、水溶液中でリガンドと受容体の相互作用を計測した。まずGCSFとGCSFRの相互作用を滴定型熱量計で分析すると見かけ上1つの平衡反応(KD 10-9)しか検出されなかった。これはGCSFとGCSFRが1:1の複合体を形成することを示唆する。さらにこの複合体の水溶液中での平均分子量を光散乱分析によって測定すると約13万となった。この分子量はGCSFとGCSFRが2:2で会合した複合体を形成することを示唆する。ここで観測された複合体をX線結晶構造解析した結果、GCSFとGCSFRが2:2の複合体を形成することが確認でき、さらに複合体形成に関与する領域を特定することができた。受容体などの会合様式を少量で簡便に計測できる方法があれば、人工的なリガンド(医薬品)の開発に一層弾みがつくと期待できる。

口頭

抗体を用いた分泌タンパク質の結晶化と構造解析

玉田 太郎

no journal, , 

X線結晶解析による蛋白質の構造決定において解決しなければならない技術的なハードルとして、結晶化と位相決定の2つが挙げられる。われわれは蛋白質の構造解析におけるボトルネックとなっているこれらの問題を解決する手法として、抗体を用いた結晶化に取り組んでいる。結晶化に用いる抗体としては、断片化して得られるFabや一本鎖化Fvが使用されているが、われわれは分子置換法による構造解析の際の分子量的な側面と、結晶化パッキングに関する寄与を考慮してFabを用いている。またFabの存在は、結晶化が困難な蛋白質の結晶化促進のみならず、既知のFab構造を用いた分子置換法による解析を可能にする点においても有効であることも実証した。これまでにこの手法を用いて幾つかの構造未知の分泌蛋白質の結晶化及び構造解析に成功した。本発表では、成功例とともにわれわれがこれまで蓄積した知見から、抗体を用いた結晶化及び構造解析において見いだされた共通性や特徴について紹介する。

口頭

Structural and thermodynamic change of the Fab upon binding of human thrombopoietin

新井 栄揮; 玉田 太郎; 前田 宜丈*; 黒木 良太

no journal, , 

マウス抗体TN1は、巨核球系細胞の増殖・分化及び血小板産生を促進するサイトカインであるヒト・トロンボポエチン(hTPO)を認識する。TN1抗体のTPO中和活性は、TPOによるTPO受容体の二量体化が阻害されるからであると考えられている。本研究では、抗原との結合によるTN1の構造変化を調べるために、TN1由来FabのX線結晶構造解析を2.1${AA}$分解能で決定し、TN1-Fab/hTPO複合体(PDB id 1V7M)のFabと比較を行った。その結果、TN1由来Fabを構成している各構造ドメインは、抗原認識部位である超可変領域(CDR領域)を含め、抗原結合時・非結合時においてほとんど変化が見られなかった(rms deviation $$<$$ 0.6${AA}$)。抗原結合時と比較して、非結合時は可変領域・一定構造領域の相対位置がわずかにずれるが、これは結晶中の分子のパッキングの差によるものと思われる。これらの結果は、TN1由来Fabが抗原との結合の際に構造変化を必要としないことを示唆する。

口頭

タンパク質を結晶化するナノマシン

玉田 太郎

no journal, , 

結晶回折法によるタンパク質の構造決定において解決しなければならない技術的なハードルとして、結晶化と位相決定の2つが挙げられる。われわれはタンパク質の構造解析におけるボトルネックとなっているこれらの問題を解決する手法として、抗体を用いた結晶化に取り組んでいる。結晶化に用いる抗体としては、断片化して得られるFabや一本鎖化Fvが使用されているが、われわれは分子置換法による構造解析の際の分子量的な側面と、結晶化パッキングに関する寄与を考慮してFabを用いている。これまでにこの手法を用いて幾つかの構造未知タンパク質の結晶化及び構造解析に成功しているが、本発表では成功例とともにわれわれがこれまで蓄積した知見から、抗体を用いた結晶化及び構造解析において見いだされた共通性や特徴について紹介する。

口頭

Flower breeding by quantum beam technology and their commercialization

岡村 正愛*; 百瀬 眞幸*; 梅基 直行*; 戸栗 敏博*; 田中 淳; 長谷 純宏; 山口 博康*; 森下 敏和*

no journal, , 

本発表では、量子ビーム技術を利用した花卉園芸品種の作出について紹介する。われわれはこれまで、イオンビームをカーネーション等の花卉育種へ利用し、イオンビーム照射が$$gamma$$線に比べて変異スペクトルが広く、新しい花色や花形のカーネーションを作出できることを明らかにした。また、ガクの形状,茎表面のワックス並びに脇芽の数といった栽培上有用な形質を付与できることも明らかになった。この技術を利用して世界的競争力のある新品種を作り出すことに成功し、ヨーロッパを中心に既に販売が開始されている。加えて、これまで明確なデータがなかった$$gamma$$線の緩照射について調査した結果、$$gamma$$線の急照射に比べて変異スペクトルが広がることがわかった。緩照射は照射に時間がかかるものの新しい変異を得る有効な方法の1つであると言える。さらに、花色がオレンジ色から黄色に変化した変異体では、DFR(dihydroflavanol 4-reductase)遺伝子へのトランスポゾンの挿入が関与していることが明らかになり、放射線によってトランスポゾンが活性化され変異を生み出す可能性が示唆された。

口頭

受容体タンパク質の会合様式

玉田 太郎

no journal, , 

生体内の受容体蛋白質はその細胞外領域においてリガンド分子と相互作用することによりシグナル伝達をつかさどり、その結果、さまざまな機能を発現する。そのほとんどが生理的・病理的機能に深く関与することから、受容体とリガンドの相互作用を理解することは基礎科学的に重要であるのみならずさまざまな疾患の解明・治療に対して多大な知見をもたらす。われわれはこれまでにおもに構造生物学的手法を用いることにより、その理解に努めてきた。本発表では受容体蛋白質(細胞外領域)とリガンド(蛋白質)複合体の立体構造解析についての現状、及びそれに対するわれわれの取り組みについて、実際の成功例(顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)及びその受容体(GCSF-R)複合体構造解析)を交えて紹介する。

口頭

最近の新しい結晶化技術; 遺伝子組換えや抗体を利用したタンパク質結晶育成

玉田 太郎

no journal, , 

結晶回折法によるタンパク質の構造決定において解決しなければならない最大の技術的なハードルとして結晶化が挙げられる。われわれはタンパク質の構造解析におけるボトルネックとなっているこの問題を解決する手法として、「抗体(Fab)と複合体化することによる結晶化促進」及び「結晶中の分子接触面へのパッキング促進変異導入」に取り組んでおり、これまでにこれらの手法を用いて幾つかの構造未知タンパク質の結晶化及び構造解析に成功している。本発表では成功例を交えながらわれわれの取り組みについて紹介する。

口頭

トロンボポエチンの結合によるTN1-Fab断片の結晶構造変化

新井 栄揮; 玉田 太郎; 前田 宜丈*; 黒木 良太

no journal, , 

マウス抗体TN1は、巨核球系細胞の増殖・分化及び血小板産生を促進するサイトカインであるヒト・トロンボポエチン(hTPO)を認識する。われわれは、TN1抗体によるhTPO中和活性の発現機構の解明のために、TN1由来Fab単体のX線結晶構造を2.1オングストローム分解能で決定し、TN1由来Fab-hTPO複合体中のFabの構造と比較した。その結果、TN1抗体によるhTPO認識は、超可変領域(CDR領域)の主鎖構造がほとんど変化せず、ごくわずかに生じた側鎖レベルでのInduced-fitに基づくことが明らかになった。一方、抗原結合時と比較して、非結合時はFabのFv領域$$cdot$$C1領域の相対位置が大きくずれることも明らかになった。(抗原結合・非結合時のFab全体のC$$alpha$$を比較すると、RMSDは2.4オングストロームである。)本発表では、Fabの構造解析結果を詳細に報告するとともに、抗原結合・非結合時におけるFabの構造変化について、結晶内分子のパッキングの影響などに着目して議論する。

口頭

Homodimeric crossover structure of the human granulocyte colony stimulating factor receptor signaling complex

黒木 良太; 本庄 栄二郎; 前田 宜丈*; 玉田 太郎

no journal, , 

われわれは、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)受容体において、イムノグロブリン様ドメインとサイトカイン相同性領域からなるリガンド結合領域の立体構造をGCSFとの複合体として、2.8A分解能のX線結晶構造解析に成功した。GCSF受容体リガンド複合体の立体構造は、2分子のGCSFが2分子の受容体分子を橋渡しするように結晶学的な2回対称軸を形成していた。この構造は先に解析されたマウス受容体とヒトリガンドの複合体とは異なる構造であった。われわれが解析に成功した立体構造は、これまでに実施された受容体へのアミノ酸置換の結果をうまく説明できるとともに、近年解析されたヒトインターロイキン-6(IL-6)リガンド・受容体複合体の立体構造の一部とよく一致していた。これらの結果からわれわれが観測した構造は、GCSF受容体の活性型構造であると結論できる。

口頭

抗体を用いた分泌性タンパク質の機能及び構造解析

玉田 太郎; 新井 栄揮; 正山 祥生; 本庄 栄二郎; 黒木 良太

no journal, , 

タンパク質の立体構造情報が集積される一方で、受容体のような膜タンパク質の構造情報は遅れがちである。細胞の表層に発現する受容体は、創薬における重要な標的であることが知られるが、その多くは一般的に不安定でプロテアーゼ消化されやすく、付加した糖鎖による不均一性から構造解析の対象となりにくかった。そこでわれわれはこれらのタンパク質を効果的に結晶化させるため、抗体、特にFabフラグメントとの共結晶化研究を行っている。Fabとの共結晶化では、複合体化による目的タンパク質の安定化,Fab分子による目的タンパク質の結晶化促進,既知のFab構造の位相情報を利用した迅速な構造決定などが期待できる。さらに抗体自身は医薬品や診断薬としての重要な用途があるため、抗原のエピトープ決定や抗体の高機能化などにおいて産業応用面においても重要な研究である。本発表ではわれわれの抗体を用いた結晶化研究で得られたさまざまな知見について紹介する。

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