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佐藤 真一郎; 小野田 忍; 牧野 高紘; 藤田 奈津子; 大島 武; 横関 貴史*; 田中 量也*; 土方 泰斗*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
no journal, ,
さまざまな炭化ケイ素半導体(SiC)トランジスタの線照射によるしきい値電圧の変化を調べ、従来のシリコン半導体(Si)トランジスタと比較した。10GyまではSiCトランジスタでは変化がないのに対し、Siトランジスタでは顕著な劣化が観察されたことから、SiCトランジスタの方がはるかに高い耐放射線性を持つことが明らかとなった。また、SiC-MOSFET(金属・酸化膜・半導体トランジスタ)の酸化膜作製方法を変えてみたところ、パイロジェニック酸化の方がドライ酸化よりも耐性が高いことが判明した。加えて、酸化膜をもたないトランジスタは更に高い耐性を示すことが分かった。以上のことから、更なる耐放射線性の向上には、酸化膜の最適化が必要であると結論できる。
三友 啓*; 松田 拓磨*; 村田 航一*; 横関 貴史; 牧野 高紘; 阿部 浩之; 小野田 忍; 大島 武; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; et al.
no journal, ,
SiC MOSFETのゲート酸化膜形成時、通常のドライ酸化で現れた高い界面準位密度Dが、ドライ酸化後の窒化処理によって大幅に低減化されており、窒化処理は高品質なSiC MOSFETの作製には不可欠なものとなっている。本研究では、異なる窒素濃度で処理を行い作製したSiC MOSFETに線照射を行い、特性劣化に及ぼす影響を調べた。実験には耐圧1.2kV、定格電流20A、オン抵抗100m、ゲート定格電圧20Vのサンケン電気製の4H-SiC MOSFETを用い、NO 100%ガスによって処理した試料と、NOを10%希釈したガスによって処理した試料の2種類を用意した。これら試料に線を800kGy(SiO)まで照射し、電流電圧特性からしきい値電圧(Vth)を算出した。その結果、NO 100%では、総線量100kGy以降大きな負電圧方向へのシフトを示し800kGyの照射でノーマリーオンに陥った。一方、NO 10%のサンプルは照射によって緩やかにVthが低下するが、NO 100%のような大きな変化は見られず、線耐性に対する優位性が認められた。このことから、窒化濃度は、耐放射線性の向上に関与する重要なパラメータと考えられる。
武山 昭憲; 松田 拓磨*; 横関 貴史*; 三友 啓*; 村田 航一*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の収束作業用ロボットへの応用が期待される炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の実環境での耐放射線性を検証するため、高温・加湿雰囲気下でSiC MOSFETへ線を照射し、酸化膜中に発生する固定電荷と、酸化膜-SiC界面に生ずる界面準位密度の線量依存を調べた。耐圧1.2kV、定格電流20A、ゲート酸化膜厚45nmのnチャネル4H-SiC MOSFETを、温度150C、湿度100%に保ち線照射を行った。線量率3.61kGy(SiO)/hで総線量1800kGyまで照射を行い、途中、試料を取り出してドレイン電流(I)-ゲート電圧(V)を測定・解析することで酸化膜中の固定電荷及び界面準位密度を求めた。比較のため、加湿せずに高温照射(乾燥窒素中150C)のみの条件での照射試験も行った。その結果、高温・高湿度での照射の場合、高温のみでの照射と比べて、酸化膜中の固定電荷および界面準位の生成が抑制され、電気特性の劣化が少ないことが判明した。
武山 昭憲; 三友 啓*; 松田 拓磨*; 村田 航一*; 横関 貴史*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 大島 武; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の収束作業用ロボットへの応用が期待される炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の放射線耐性強化研究の一環として、SiC MOSFETのゲート酸化膜厚と線照射劣化の関係を調べた。耐圧1.2kV、定格電流20A、ゲート酸化膜厚35nmまたは60nmのnチャネル六方晶(4H)SiC MOSFETに、乾燥窒素雰囲気下、線量率3.61kGy(SiO)/hで総線量6.8MGyまで線を照射した。途中、試料を取り出してドレイン電流(I)-ゲート電圧(V)を測定・解析することでしきい値電圧の線量依存性を調べた。その結果、酸化膜厚60nmのMOSFETは高線量側でしきい値電圧が大きく低下するが35nmのものは大きな劣化が見られなかった。このことより、酸化膜を薄くすることでSiC MOSFETの放射線耐性強化が可能であることが判明した。
武山 昭憲; 村田 航一*; 三友 啓*; 松田 拓磨*; 横関 貴史*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 大久保 秀一*; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; et al.
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炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を回路に接続しスイッチング動作させながら線照射を行うと、SiCMOSFET単体で照射した場合に比べ電気特性の劣化が抑制されることを見出しているが、その原因は明らかとなっていない。そこでSiCMOSFETのゲートに電圧を正バイアス(+4.5V)から無バイアス(0V)にスイッチさせながら線照射を行い、電気特性の変化を調べた。その結果、照射中に正バイアスから無バイアスに印加電圧を変化させると、しきい値電圧Vの負電圧シフトが大幅に抑制される現象が観察された。これより、無バイアスでの照射により、正バイアス印加での照射により大きく劣化していた特性が回復するため、スイッチング動作させて照射したSiCMOSFETの電気特性の劣化が抑制されているということが結論できた。