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報告書

不要元素除去による高速炉リサイクル概念「ORIENTサイクル」の炉心への影響評価

大木 繁夫; 大木 繁夫

JNC TN9400 2003-041, 34 Pages, 2003/05

JNC-TN9400-2003-041.pdf:0.39MB

不要元素除去による高速炉リサイクル概念であるORIENTサイクル(平成13年度検討概念)について、再処理後の新燃料に随伴する核分裂生成物(FP:Zr,Mo,Pd,Cs,Ce,Nd,Sm等)による炉心特性への影響を評価した。ナトリウム冷却酸化物燃料大型高速炉における1回リサイクル後の燃焼反応度(燃料サイクル過剰反応度)の増加量は、湿式再処理ベースのORIENTサイクルでは約0.7%⊿k/kk'、乾式再処理(金属電解法)ベースのORIENTサイクルでは約0.3%⊿k/kk'である。増殖比は湿式ベース概念で約0.05、乾式ベース概念で約0.02減少する。なお、Naボイド反応度やドップラー係数も悪化するが、燃焼反応度や増殖比に比べ影響は小さい。 多重リサイクルを行った場合、随伴FPの蓄積により炉心特性への影響はさらに悪化する。燃焼反応度の増加量は、湿式ベース概念では最大2%⊿k/kk'、乾式ベース概念では最大1%⊿k/kk'程度となる。炉心特性への影響は大きく、FP除去率の向上等のさらなる検討を必要とする。

報告書

マイナーアクチニド添加炉心の核特性評価; BFS-67臨界実験の解析

羽様 平; 佐藤 若英*; 石川 真; 庄野 彰

JNC TN9400 2003-035, 44 Pages, 2003/05

JNC-TN9400-2003-035.pdf:1.07MB

「多量のNpを種々の臨界集合体に添加したときの炉物理特性の変化に関する研究」としてロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)と共同研究を実施している。その第1報としてBSF-67体系に関する実験情報とサイクル機構(JNC)の解析結果をまとめた。BFS-67体系ではNpの装荷量や装荷位置を変えた4種類の炉心について臨界性、Naボイド反応度、制御棒価値、反応率比などの核特性が測定されている。BFS-62臨界実験解析で実績のあるサイクル機構の標準解析手法で解析し、以下の結果を得た。(1)Naボイド反応度、制御棒反応度のNpの捕獲断面積に対する感度係数がU-238やPu-239と同程度に大きいことを確認した。本実験データはNp装荷炉心の核設計精度の向上に活用できるものであるといえる。(2)臨界性の解析では炉心の種類によらず同程度のC/E値 0.995が得られ、JNCの解析システムで本実験を高精度で解析できることを確認した。(3)Naボイド反応度の解析値は1cent以内で実験値と一致しており、Npを装荷した場合でも高精度で解析できることを確認した。(4)制御棒反応度の解析値は、濃縮B$$_{4}$$Cの制御棒については実験誤差内で一致した。天然B$$_{4}$$Cの制御棒については若干過大評価している。Npの装荷による影響は確認できない。(5)炉心中心反応率比の解析値は、核分裂反応率比について実験値と5%以内で一致した。捕獲反応率比については実験値との差異が10%近く、測定に用いられた放射化箔の位置を正確に反映させる必要がある。

報告書

高速炉核特性解析における炉定数高度化の効果に関する検討

千葉 豪

JNC TN9400 2002-076, 32 Pages, 2002/12

JNC-TN9400-2002-076.pdf:1.45MB

高速炉核特性解析において、従来の炉定数セットを次世代炉定数システムに高度化したことによる核特性への影響(以下、次世代炉定数効果)の評価を行った。対象とした炉心はJUPITER臨界実験および実用化戦略調査研究で設計された実機炉心である。 JUPITER臨界実験体系では、Naボイド反応度、サンプルドップラー反応度に10%程度の次世代炉定数効果が見られている。その分析を行ったところ、Naボイド反応度における効果はさまざまな要因が重なり合った結果であること、サンプルドップラー反応度における効果はサンプルと炉心燃料の共鳴干渉効果を正確に取り扱ったことによる効果が主要因であることが分かった。 また、以前に評価された実機炉心における次世代炉定数効果はJFS-3-J3.2を使用して得られており、JFS-3-J3.2作成時の重みスペクトルに関する誤りを訂正する効果が含まれていた。今回、その誤りを訂正した炉定数JFS-3-J3.2Rを用いた評価を行い、実機炉心における次世代炉定数効果が臨界実験体系と比べて大きいものではないことを示した。

報告書

高速炉用統合炉定数ADJ2000Rの作成

羽様 平; 千葉 豪; 沼田 一幸*; 佐藤 若英*

JNC TN9400 2002-064, 315 Pages, 2002/11

JNC-TN9400-2002-064.pdf:11.61MB

統合炉定数ADJ2000の修正版ADJ2000Rを作成した。ADJ2000RはADJ2000における基本炉定数JFS-3-J3.2の誤りを修正したものである。ADJ2000Rでは、炉定数調整過程において、 調整前C/E値からJFS-3-J3.2の誤りの影響を除去するとともに解析上の誤差を個別の核特性毎に設定した。 そのためADJ2000と比較すると炉定数の調整量は一部で異なっているが、 調整によるC/E値の変化量は等しい。ADJ2000Rの実機設計への適用例として、60万kWe級Na冷却MOX炉の核特性設計値及びその精度を評価した。ADJ2000ではJFS-3-J3.2の誤りを引き継いでいるためドツプラー反応度を10%近く過小評価していたが、ADJ2000Rでは解消されている。基本炉定数JFS-3-J3.2Rを用いた場合との差は燃焼欠損反応度が約6%低下する以外は数%以内である。設計誤差はADJ2000と同程度であり、基本炉定数を使用する場合やバイアス補正法を適用する場合に比べて大幅に低減される。ADJ2000Rは、大型から超小型まで、臨界実験から実機FBRまでの多様な炉心について、燃焼・温度核特性を含む多種の核特性を優れた精度で評価できる性能を有している。ADJ2000Rは一般に公開されており、実用化戦略研究(F/S)でも活用される予定である。

報告書

Effects of Exciting Evaluated Nuclear Date Files on Nuclear Parameters of the BFS-62-3A Assembly Benchmark Model

Mikhail

JNC TN9400 2002-063, 53 Pages, 2002/11

JNC-TN9400-2002-063.pdf:0.33MB

本報告書は、ロシアの臨界実験施設BFS-2で実施されたBFS-62-3A体系に関する検討結果の続報である。目的は、ロシアの高速発電所BN-600のハイブリッド炉心に関係する核特性に対して、断面積に基づく不確かさを評価することである。BFS-62-3A体系の2次元ベンチマーク用モデルを作成するとともに、本モデルに対する実験値を算出した。評価した核特性は、臨界性,炉中心核分裂反応率比(スペクトルインデックス)及び鋼製反射体領域の核分裂反応率分布である。核データライブラリによる差異を、ENDF/B-V,ENDF/B-VI, ENDF/B-VI-PT, JENDL-3.2及びABBN-93を適用した解析値を比較することにより調べた。解析はすべて連続エネルギーモンテカルロ手法で行った。ENDF/B-Vは高速炉の臨界性を2%$$Delta$$k過小評価すること、ENDF/B-V以外のライブラリが臨界性に及ぼす差異は約0.6%$$Delta$$kであることがわかった。しかし、鋼製反射体付き体系を含む他の高速炉ベンチマーク体系の解析結果も考慮し、臨界性に関するライブラリ間の差は1%$$Delta$$k程度であると結論した。この値は、BN-600ハイブリッド炉心の断面積に基づく不確かさ($$pm$$0.6%$$Delta$$k)と良く一致している。なお、本研究は、ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力のために実施しているロシア物理エネルギー研究所(IPPE)のBFS-2臨界実験装置を利用したJNC-IPPE共同研究に関連して実施したものである。

報告書

統合炉定数ADJ2000の使用に係る炉定数効果の評価

庄野 彰; 千葉 豪; 沼田 一幸*

JNC TN9400 2002-062, 39 Pages, 2002/11

JNC-TN9400-2002-062.pdf:1.07MB

平成13年度の高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究(以下、「実用化戦略調査研究」と記す)の炉心核特性の検討においては、JENDL-3.2ベースの高速炉用70群炉定数JFS-3-J3.2を種々の臨界実験解析結果によって調整した統合炉定数ADJ2000(70群構造、2001年6月に公開)が使用された。ADJ2000を使用して得られる核特性計算値には、JFS-3-J3.2作成時に使用された重み関数(中性子スペクトル)が検討対象炉心の真の値と異なることによる影響(以下、「炉定数効果」と記す)が含まれているので、より確度の高い設計検討を行うためには炉心概念や核特性によって異なる炉定数効果を考慮する必要がある。本報告書には、実用化戦略調査研究で検討されている下記8種類の高速炉炉心概念について炉定数効果を評価した結果を示す。評価対象とした核特性は、臨界性、燃焼欠損反応度、冷却材ボイド反応度(ガス冷却炉の場合は冷却材減圧反応度)、ドップラー反応度、増殖比である。[炉定数効果を評価した炉心概念](1)ナトリウム冷却酸化物燃料炉心(大型及び中型)、(2)ナトリウム冷却金属燃料炉心(中型)、(3)鉛ビスマス冷却窒化物燃料炉心(中型)、(4)炭酸ガス冷却酸化物燃料炉心(大型)、(5)ヘリウム冷却被覆粒子型燃料炉心(大型)、(6)ヘリウム冷却密封ピン型燃料炉心(大型、2種類)

報告書

高速炉格子計算手法の比較研究

千葉 豪

JNC TN9400 2002-057, 88 Pages, 2002/10

JNC-TN9400-2002-057.pdf:3.8MB

決定論的核計算手法では、実効断面積を格子計算で求め、これを炉心計算に用いるため、どれだけ高い精度で実効断面積を計算するかが重要であり、そのための計算手法がこれまでいくつか提案されている。本研究はそれら手法を整理し、その計算精度について連続エネルギーモンテカルロ法をリファレンスとして比較評価を行ったものである。その結果、これまで核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)で標準としてきた自己遮蔽因子内挿法では実効ミクロ断面積に10%を超える誤差が生じるケースがあり、サブグループ法に精度面で劣ることが定量的に示された。それらの課題はサイクル機構で現在開発している、超微細群炉定数を用いた次世代炉定数システムにより克服することが可能であることを確認した。更に、次世代炉定数システムはこれまで提案されてきた手法では取り扱うことのできない核種間の共鳴干渉効果までも取り扱うことができることも確認した。また、計算モデルの単純化を行わない限り次世代炉定数システムを直接適用できない実機燃料集合体に対して、高精度に実効断面積を計算することができる手法を新たに提案した。この手法はサブグループ法と超微細群衝突確率法を併用したものである。この手法を用いることで、実効ミクロ断面積は参照解と5%以内で一致することを示した。

報告書

低除染燃料中の残留FPの炉心影響評価

大木 繁夫

JNC TN9400 2002-066, 110 Pages, 2002/07

JNC-TN9400-2002-066.pdf:14.26MB

FBRサイクル実用化戦略調査研究(F/S)では、燃料中に不純物の混入を許容した「低除染燃料」を用いた炉心、燃料、及び燃料サイクルシステムの設計検討を行っている。本報告書は、F/SフェーズIの再処理候補概念について、低除染燃料中に残留する核分裂生成物(FP)による炉心特性への影響評価についてまとめたものである。炉心計算における簡易な残留FPの取扱い方法として、FP等価係数とFP体積割合をパラメータとした代表核種による模擬方法を構築し、効率的に炉心特性影響を評価できるようにした。平成11年度Na-MOXレファレンス炉心の炉心特性への影響を評価した結果、最も影響の大きかった再処理方式は酸化物電解法(RIAR)であり、無限回リサイクルを仮定した場合、燃焼反応度0.5%$$Delta$$k/kk'増加、増殖比0.04減少、Naボイド反応度0.1$$times$$10の-2乗$$Delta$$k/KK'増加、 ドップラー定数(絶対値) 0.7$$times$$10の-3$$times$$Tdk/dT減少程度の影響であることを明らかにした。

報告書

Analysis Results on BFS-62-3A Experiment Using IPPE Standard System

Semenov, M.

JNC TN9400 2002-037, 58 Pages, 2002/06

JNC-TN9400-2002-037.pdf:2.51MB

本報告書には、ロシアの臨界実験施設BFS-2で実施されたBFS-62-3A炉心の実験解析結果を示す。本研究の目的は、ロシアの高速発電所BN-600のハイブリッド炉心に関する核特性解析コードTRIGEXの精度を検証することである。実験体系の解析モデル及び解析結果と実験結果の比較を示した。解析には主として拡散計算コードTRIGEXコードを使用した。実験体系の非均質性を考慮するためにFFCPコードを使用してセル平均のマクロ及びミクロ断面積を作成し、TRIGEXコードで使用した。また、厳密な体系モデルにMMKKENOコードを適用したモンテカルロ計算結果も示した。モンテカルロ計算結果は、臨界性の基準解析値及び決定論で得られる各種補正値の検証に用いた。いずれの解析も、断面積データはABBN-93システムをベースとしCONSYSTコードで処理したものを使用した。解析対象としたパラメータは、臨界性、制御棒価値(CRW)、ナトリウムボイド反応度効果(SVRE)、核分裂反応率分布及び中心反応率比(スペクトルインデックス)である。TRIGEXコードによる解析結果と実験結果の差は、概ね下記の値以内であった。臨界性;0.1%=K/K、制御棒価値;6%、燃料領域の核分裂反応率分布;4%、SVRE;0.2pcm/kg・Na。なお、本研究は、ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力のために実施しているロシア物理エネルギー研究所(IPPE)のBFS-2 臨界実験装置を利用したJNC-IPPE共同研究に関連して実施したものである。

報告書

BFS臨界実験解析-BFS-62-3A及び62-4炉心の解析

羽様 平; 庄野 彰; 岩井 武彦*; 佐藤 若英*

JNC TN9400 2002-036, 113 Pages, 2002/06

JNC-TN9400-2002-036.pdf:4.44MB

ロシア解体核処分支援を目的に、核燃料サイクル開発機構ではロシアの物理エネルギー研究所との共同研究により、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いてBN-600を模擬した実験の解析を実施している。本報告は、BN-600に部分的にMOX燃料を装荷し、ブランケットをステンレス鋼に置換した炉心(BN-600ハイブリッド炉心)の模擬炉心(BFS-62-3A炉心)、及びBFS-62-3A炉心のステンレス鋼をブランケットに戻したBFS-62-4炉心の解析に関するものである。解析はJUPITER実験解析で培われた標準解析手法に基づいて実施した。その結果、臨界性と反応率比については十分な精度で実験値と一致することを確認した。制御棒価値や反応率分布については、BFS-62-4炉心では特に問題は見られなかったが、BFS-62-3Aについてはステンレス鋼領域での反応率分布を約20%過大に、制御棒価値の一部を約10%過小に評価することを確認した。Naボイド反応度については20%以上の過小評価となったが、炉定数の高度化により改善を図った結果、実験値とほぼ一致することを確認した。また、これまでのBFS-62シリーズ間の解析精度を比較することにより、MOX燃料の部分的な装荷は解析精度に有意な影響を与えないことを確認した。本解析では、精度評価に加えてBFS-62-3A炉心によるBN-600ハイブリッド炉心の模擬性が重要であり、両炉心の核特性解析値を比較評価した。その結果、中性子スペクトル、核分裂反応率比、核分裂反応率分布及び制御棒価値については模擬性を有しているが、MOX燃料装荷に伴い重要となるNaボイド反応度については、非漏洩項に大きな差異があることが分かった。

報告書

LLFP核変換解析手法の検討

神 智之*; 大木 繁夫

JNC TN9400 2002-015, 41 Pages, 2002/04

JNC-TN9400-2002-015.pdf:1.06MB

FBRサイクル実用化戦略調査研究では、高速炉における長寿命核分裂生成物(Long-Lived Fission Product,LLFP)の核変換が検討されている。LLFP核変換効率向上のため中性子減速材が使用されるが、減速材付きLLFP集合体においては中性子束の空間分布およびエネルギー分布が大きく変化する。現状の解析ではモンテカルロ計算コードによりこれらを詳細に取り扱っているが、LLFP核変換炉心の設計計算や炉物理的な分析を行う上で、決定論による計算コードを用いた解析手法が必要である。本研究では、LLFP集合体とその周辺領域についてのスーパーセルモデルを、汎用核計算コードシステム「SRAC95」を用いて構築することを目的としている。平成13年度はLLFP集合体領域を均質に限定し、周辺領域からの中性子の流れ込みをうまく扱うスーパーセルモデルを見出した。

報告書

BFS臨界実験解析 BFS-62-1及び62-2炉心の解析

杉野 和輝; 庄野 彰; 岩井 武彦*; 沼田 一幸*

JNC TN9400 2002-008, 241 Pages, 2002/04

JNC-TN9400-2002-008.pdf:6.84MB

ロシア解体核処分支援を目的として、核燃料サイクル開発機構(以下、サイククル機構)とロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)との共同研究が開始され、その一環として、サイクル機構において、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いて構成された体系であるBFS-62シリーズの実験解析を実シミュレータしている。本報告書は、現行BN-600の模擬体系であるブランケット付き濃縮UO2燃料炉心BFS-62-1炉心及びブランケットをステンレス遮蔽体で置換したBFS-62-2炉心の実験解析に関するものである。解析においては、輸送計算も含めて3次元HexZまたはXYZ炉心体系モデルを用いて、高精度な核特性評価を達成している。 また、核設計基本データベースとしてのBFS実験解析データの有効利用の観点から、炉定数調整計算によりJUPITER臨界実験解析との整合性評価を行った。 実験解析及び炉定数調整計算の結果、臨界性、炉中心反射率比、BFS-62-1炉心の反応率分布については特に問題は見られず、実験値と良い一致が見られた。BFS-62-2炉心の径方向反応率分布については、炉定数調整前では炉心領域内の径方向依存性と遮蔽体領域における大幅な過大評価が見られたが、炉定数調整計算により改善できる見通しが得られた。ただし、改善の主要因であるFeの断面積調整の量が断面積誤差にまで及ぶため、今後、更なる検討が必要であると考えられる。BFS-62-1炉心における制御棒価値については、炉定数調整の有無に係らずC/E値の径方向依存性が見られたことから、今後行われる予定の他のBFS-62炉心の解析結果との比較が必要である。 BFS-62-2炉心のNaボイド反応度については、計算機記憶容量の観点から最善評価とはなっておらず、現状では核設計基本データベースへの反映は妥当ではないが、その課題克服と共に炉定数の高度化により、解析結果の改善が見られるとの見通しが得られた。また、 3次元炉心計算に特徴づけられる本報の解析手法は、BFS-62炉心シリーズの解析において非常に有効であることが明らかとなり、BFS-62-3炉心以降の実験解析においても、その適用により高精度な核特性解析が期待できる。

報告書

JENDL-3.2に基づく高速炉用炉定数JFS-3-J3.2Rの作成

千葉 豪; 沼田 一幸*

JNC TN9400 2001-124, 44 Pages, 2002/02

JNC-TN9400-2001-124.pdf:1.29MB

最新の評価済み核データライブラリJENDL-3.2に基づく高速炉用炉定数セットJFS-3-J3.2において、作成時の重みスペクトルに誤りがあったことが明らかとなっている。この誤りが核特性へ与える影響が大きいことから、誤りを訂正した炉定数セットJFS-3-J3.2Rを作成した。また、ランプ化FP断面積の整備も併せて行った。JFS-3-J3.2Rを使用することにより、ドップラー反応度、ブランケット領域における反応率などの核特性予測精度がJFS-3-J3.2使用時に比べて向上する。

報告書

JFS-3-J3.2の重み関数訂正による核特性への影響評価

千葉 豪; 沼田 一幸*

JNC TN9400 2001-109, 58 Pages, 2001/12

JNC-TN9400-2001-109.pdf:1.57MB

最新の評価済み核データライブラリJENDL-3.2に基づく高速炉用炉定数セットJFS-3-J3.2の作成時の重み関数には、代表的に高速炉のスペクトルとして 「もんじゅ」の内側炉心の衝突密度スペクトルが用いられている。ところが、JFS-3-J3.2の作成プロセスにおいて、その重み関数の設定に誤りがあったことが判明した。そこで、核燃料サイクル開発機構に導入された汎用炉定数作成システムを用いて重み関数を正しく設定し直し、JENDL-3.2に基づく炉定数を作成し、重み関数の定数が核特性に及ぼす影響を定量的に評価した。本評価の対象とした臨界実験体系はJUPITER実験におけるZPPR炉心、及び原研FCA炉心であり、核特性は臨界性、サンプルドップラー反応度、Naボイド反応度、制御棒価値、反応率分布、反応率比である。評価の結果、JFS-3-J3.2における重み関数の誤りは散乱除去断面積の過小評価につながるため、中性子スペクトルの硬化を招き、種々の核特性に影響を与えることを確認した。また、重み関数の訂正による影響が比較的大きい核特性として、臨界性、サンプルドップラー反応度、Naボイド反応度、ブランケット領域における反応率があげられる。なお、次世代炉定数を用いた解析の報告(杉野、「次世代炉定数システムを用いたJUPITER実験解析」、JNC TN9400 2001-091)における「次世代炉定数効果」を、重み関数の訂正による効果、使用する格子計算コードの違いによる効果及び超微細群計算による効果に分離し、「次世代炉定数効果」に関する検証を行うための詳細な情報を提示した。

報告書

Effects of Nuclear Date Library on BFS and ZPPR Fast Reactor Core Analysis Results, 2; BFS-62 Analysis Results

Mantourov, G.

JNC TN9400 2001-106, 67 Pages, 2001/11

JNC-TN9400-2001-106.pdf:3.23MB

本研究は、ロシアの高速発電所BN-600における解体核余剰Pu処分のために、ロシア物理エネルギー研究所(IPPE)のBFS-2臨界実験装置を利用するJNC-IPPE共同研究の一環として実施したものである。本報告書は、BS炉心及びZPPR炉心の実験解析結果に及ぼす核データライブラリの影響を調査した結果を示す2冊目のものである。臨界実験解析には、ロシアで使用されているABBN-93核データライブラリに基づく実効定数計算システムCONSYST/ABBNと核燃料サイクル開発機構(JNC)の拡散計算コードCITATION-FBRを用いた。セル内の空間非均質性と共鳴干渉効果の評価は、衝突確率法とサブグループ法が適用可能な格子計算コードFFCPにより行った。FFCPにより計算した実効断面積を、専用の変換プログラムにより、JNCで使用されているPDSファイル形式に変換した。次に、CITATION-FBRコードを用いて、BFS-62炉心及びZPPRにおけるJUPITER臨界実験シリーズ炉心の3次元Hex-Z体系計算を行った。実験解析結果に及ぼす核データライブラリの影響は、上記のようにして求めた解析値を、日本の核データライブラリJENDL-3.2に基づく実効断面積とCITATION-FBRコードを用いて得た解析値と比較して評価した。臨界性については、BFS-62炉心における4種類の実験体系(BFS-62-1$$sim$$4)、及びZPPR炉心における3種類の実験体系(ZPPR-9, 13A, 及び17A)に関する結果を示した。反応率分布については、BFS-62炉心における2種類のU0$$_{2}$$燃料炉心(BFS-62-1及びBFS-62-2)に関する結果を示した。種々の計算手法による補正項の大きさは、すべての解析ケースにおいて1.0%以下であった。解析誤差として見込むべき不確かさは、ZPPR炉心の場合約0.3%、BFS-62炉心の場合約0.2%と評価できる。JNCの解析手法においてABBN-93核データライブラリを適用することによる臨界性への影響は、ZPPR炉心及びBFS-62炉心のうち燃料領域にPuを含む炉心(BFS-62-3及びBFS-62-4)の場合約0.3%であった。BFS-62炉心のうちU0$$_{2}$$燃料炉心(BFS-62-1及びBFS-62-2)においては、核データライブラリによる影響は約0.1%であった。引き続いて実施した感度解析により、この差異を引き起こす主要因子はウランと鉄の断面積であることがわかった。

報告書

高速炉におけるLLFPの核変換の検討

大木 繁夫; 神 智之*; 青柳 成美*

JNC TN9400 2001-098, 154 Pages, 2001/10

JNC-TN9400-2001-098.pdf:4.33MB

FBRサイクル実用化戦略調査研究の一環として、高速炉における長寿命核分裂生成物 (Long-Lived Fission Product,LLFP)の核変換について、実用化像を描くための検討わ開始した。ヨウ素-129、テクネチウム-135を暫定的な対象核種とし(元素分離を仮定)、減速材付きターゲット集合体により発電用大型高速炉へ装荷することを考え、LLFP核変換特性、炉心特性への影響を解析した。ヨウ素-129とテクネチウム-99については、減速材割合を高めることにより、高い核変換率を達成できる見通しを得たが、セシウム-135については、同位体からの新たな生成のため、有意な核変換を行うことが難しい結果となった。さらに、工学的成立性のあるLLFP装荷炉心概念を構築するための検討課題を抽出した。特に、融点および熱伝導率が低いヨウ素とセシウムについては、ターゲット設計を熱的に成立させるための工夫が必要となる可能性がある。

報告書

次世代炉定数システムを用いたJUPITER臨界実験解析

杉野 和輝

JNC TN9400 2001-091, 75 Pages, 2001/08

JNC-TN9400-2001-091.pdf:2.21MB

1998年に核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)を中心に FBRサイクル実用化戦略調査研究が開始され、候補として挙げられる種々の冷却材、燃料形態、炉心配置を有する高速増殖炉実用化像の構築のための検討が行われている。他方、従来の高速炉核計算用炉定数は、Na冷却MOX燃料炉心の解析を対象としており、それ以外の炉心解析は想定されていなかったため、多様な炉心の解析というニーズに応えるための炉定数システムの高度化が不可欠となった。 このような背景の下、サイクル機構では、NJOYとTIMSを中心とする炉呈す処理システムを整備し、多様な炉心の解析に対応した新しい炉定数概念の構築、いわゆる次世代炉定数システムの開発が行われている。これまでの研究により、次世代炉定数の基本仕様が決定され、今後は、その詳細仕様を決定する必要がある。 そこで、次世代炉定数の詳細設計のための知見を収集することを目的として、炉定数処理システムを用いて新しい炉定数を作成し、Na冷却MOX燃料炉心の模擬臨界実験体系であるJUPITERの臨界実験解析に適用した。その結果、新炉定数の特性として、以下のことが明らかとなった。 ・ブランケット領域におけるU-235及びPu-239核分裂反応率、Naボイド反応度、ドップラー反応度に対し、従来のJFS-3-J3.2を用いた解析結果に対して、改善を図ることが出来た。 ・JFS-3の代わりにVITAMIN-J群構造を採用することにより、炉定数作成時の重み関数の任意性に起因する核特性解析結果の誤差を大幅に低減できることが分かった。また、わずかではあるが分布特性の評価結果を改善することが出来た。 ・欧州の解析システムERANOSを用いた解析結果との比較により、径非均質炉心の核特性解析においては、更なる検討が必要であることが分かった。

報告書

高速炉用統合炉定数ADJ2000の作成

石川 真; 沼田 一幸*; 佐藤 若英*; 杉野 和輝

JNC TN9400 2001-071, 357 Pages, 2001/06

JNC-TN9400-2001-071.pdf:10.97MB

高速増殖炉の開発において、実機炉心設計の核特性予測精度を高めることは、合理的で高性能な炉心を実現してプラントの経済性を向上させ、また信頼性および安全性の裕度をよりいっそう確保するために、極めて重要な研究課題となっている。臨界実験解析などで得られたC/E値(解析/実験値)を実機設計に反映するために最も有力な手段が、核データの誤差(共分散)、積分実験誤差・解析誤差、炉心毎・核特性毎の感度などを総合してベイズの定理により炉定数を調整する手法であり、ここで得られた炉定数を、積分実験解析情報と微分核データを統合したという意味で、「統合炉定数」と呼ぶ。 これまでにサイクル機構(旧、動燃)が作成してきた総合炉定数と比較して、今回作成した高速炉用統合炉定数ADJ2000の特徴を以下にまとめる。1)我が国の最新データライブラリJENDL-3.2をベースとしていること、2)調整対象となる微分核データに自己遮蔽因子を新たに加え、ドップラー反応度の予測精度向上を可能としたこと、3)シグマ委員会が開発し公開した最新の核データ誤差(共分散)データを採用したこと、4)従来のJUPITER実験データに加え、FCA、「常陽」、BFS、MASURCA、Los Alamos超小型炉心など、多種・多様な炉心からの実機データを採用し、適用炉心の汎用性を飛躍的に高めたこと、5)実機で重要な燃焼・温度核特性も調整用積分データとして仕様したこと、6)解析モデル誤差値の設定及び異常データの排除に統計的な$$chi$$2乗値を適用し、データの客観性を高めたことなのである。ADJ2000は、大型から超小型まで、臨界実験から実機FBRまでの多様な炉心の、燃焼・温度核特性を含む多種の核特性を良い精度で評価できる性能を有している。ADJ2000が、今後、高速炉の解析・設計研究で広く使用されることを期待する。

報告書

Effects of Nuclear Data Library on BFS and ZPPR Fast Reactor Core Analysis Results, 1; ZPPR Analysis Results

Mantourov, G.

JNC TN9400 2001-069, 33 Pages, 2001/05

JNC-TN9400-2001-069.pdf:1.16MB

BFS-2臨界実験装置利用によるBN-600における解体核余剰Pu処分のためのJNC-IPPE共同研究の一環として、本研究を実施した。ABBN-93核データライブラリに基づく実効定数計算システムCONSYST/ABBNと核燃料サイクル開発機構(JNC)の炉心研鑚コードCITATIONを組み合わせ、BFS及びZPPR高速臨界実験解析を行った。セル内の空間非均質性と共鳴干渉効果の評価は、衝突確率法とサブグループ法が適用可能な格子計算コードFFCPを用いることにより行った。FFCPにより計算された実効断面積は、専用の変換プログラムにより、JNCで使用されているPDSファイル形式に変換される。次に、CITATIONコードを用いて、BFS及びZPPRにおけるJUPITER臨界実験シリーズ炉心の3次元体系計算を行った。今回得られた結果と以前にJNCにより得られていたJENDL-3.2核データライブラリに基づく結果との比較を行うことにより、核データライブラリ効果の評価を行った。具体的には、ZPPR-9,ZPPR-13A,ZPPR-17Aの臨界性に対して、IPPE及びJNCそれぞれのライブラリを用いることによる解析結果の比較を行った。いずれの炉心に対しても臨界性の解析補正量は1.0%以下であることから、解析値の不確かさは、ZPPR-13A及びZPPR-17Aに対しては0.3%以下、ZPPR-9に対しては更に小さいことが推測される。ナイブラリ効果の評価を行ったところ、非常に顕著に見られることが分かり、ZPPR-9に対しては約0.6%、ZPPR-17Aに対しては約0.5%の差が見られることが明らかとなった。BFS-62-1及びBFS-62-2炉心に対する解析として、FFCPコードよりプレートストレッチモデルを用いた格子計算を実施した。

報告書

Integral Test of JENDL-3.2 Date by Re-analysis of Sample Reactivity Measurements at Fast Critical Facilities

Dietze, K.

JNC TN9400 2001-043, 35 Pages, 2001/02

JNC-TN9400-2001-043.pdf:1.1MB

過去に臨界実験施設で測定された各種同位体の微少サンプル反応度の実験解析を、サイクル機構の核特性解析システム(JENDL-3.2//SLAROM/CITATION/PERKY)を用いて行った。実験データとしては、ドイツで実施されたSEG実験及びオランダのSTEK実験を選定した。SEG実験は、5種類の中性子スペクトル条件下で、重要な安定FP核種及び構造材核種について測定が行われたものである。中性子スペクトル及び随伴中性子スペクトルの設定にあたっては、中性子捕獲反応と散乱反応のバランスに大きな影響を与えるように考慮されている。STEK実験は、低エネルギー成分の割合が異なる5種類の中性子スペクトル条件下で測定が行われており、数多くのFP核種の測定値が得られていることが特徴である。中性子スペクトル及び随伴中性子スペクトルの計算値は、過去にヨーロッパ標準解析システム(JEF2.2//ECCO/ERANOS)によって得られた値(従来解析値)とよく一致した。合計10種類の実験体系における約90核種のサンプル反応度価値に対して解析値と測定値の比(C/E値)を求め、従来解析値との比較結果も活用して、JENDL3.2の積分テストを実施した。従来解析値との間にいくつか存在する不整合点を考察するために、JEF2.2ライブラリとサイクル機構の解析コードを使用した場合の解析値も算出し、評価に活用した。

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