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報告書

化学反応を含む多成分・多相流数値解析手法の開発 - 多相流数値解析手法の検討 -

高田 孝; 山口 彰

JNC TN9400 2001-018, 78 Pages, 2000/11

JNC-TN9400-2001-018.pdf:1.85MB

ナトリウムを用いた蒸気発生器では、伝熱管内を流れる水が漏えいした場合、周囲のナトリウムと激しく反応する。このナトリウム-水反応による周囲伝熱管や機器へ及ぼす影響の把握は重要である。従来実験により本現象の評価が行われてきたが、伝熱管の配置や運転条件等の変更による影響をこれまでの実験結果から外挿することは難しく、またナトリウムを用いた実験は高コストとなる。したがって、数値シミュレーションを用いた定量化が望まれる。本報では、数値シミュレーションとして要求される化学反応を含む多成分・多相流数値解析手法を開発するために、従来知見の整理により以下に示す多相流数値計算手法を選定した。流体モデル:多流体モデル圧力モデル: 一圧力モデル数値解法: HSMAC (Highly Simplified Marker And Cell)法また、選定手法の妥当性を評価するために、上記モデルを用いた2次元二相流解析手法を構築し、以下に示す検証解析を実施した。2次元正方cavity流れ2次元正方cavity内自然対流圧力容器からの空気放出ダム崩壊問題Edwards pipe blow down問題上記検証解析を行った結果、いずれの解析結果に於いても対象とした事象をよく再現しており、上記モデルを用いた手法が多成分・多相流解析への妥当性を確認した。

報告書

多様な作動流体を用いた場合の重要熱流課題の特性比較

村松 壽晴; 須田 一則; 村上 諭*; 山口 彰

JNC TN9400 2000-109, 96 Pages, 2000/11

JNC-TN9400-2000-109.pdf:9.56MB

高速炉の実用化に向け、多様な作動流体を冷却材として用いた場合の検討に資するため、原子炉基本設計を左右する重要熱流動課題として、(1)自由液面揺動、(2)温度成層化、(3)サーマルストライピングおよび(4)自然対流の4項目を取上げ、作動流体としてNa、Pb-Bi合金、Co2ガスを用いた場合のそれぞれの現象の特性変化を数値解析的に検討・評価した。得られた結果は、以下の通りである。[自由液面揺動](1)Fr数を指標とした内部流動特性および自由液面特性につき、Naを作動流体とした場合とPb-Bi合金を作動流体とした場合で有意な違いは生じない。(2)液面近傍流速を指標としたガス巻込み限界につき、AQUA-VOFコードが実験結果と概ね一致する結果を与え、同コードがガス巻込み限界の1次評価に使用可能であることを確認した。[温度成層化](1)連行現象(上下層剪断渦)の発生位置は、NaあるいはPb-Bi合金を作動流体とした場合Ri数の減少とともに下流側に移動する。一方、CO2ガスの場合には、その発生位置はRi数の減少により上流側に移動する。(2)温度成層界面の解消速度は、流体物性としての熱伝導度に大きく依存した特性を示す。すなわち、CO2ガス中に温度成層界面が発生した場合には、より積極的な界面解消策を講じる必要があることを示唆している。[サーマルストライピング](1)CO2ガスを作動流体とした場合には、大きな粘性係数値と小さな熱伝導度との相乗効果によって、より下流側まで大振幅の温度揺らぎが到達する。(2)作動流体を変更した場合、温度揺らぎ振幅を評価するためにはReを一致させる必要が、温度揺らぎ周期を評価するためには流速値を一致させる必要がある。[自然対流](1)基本的に、浮力噴流挙動に準じる特性を示す。ただし、自然循環力の立ち上がりの特性は、流体の熱容量および熱伝導度の影響を大きく受ける。なお、CO2ガスの場合には、自然循環ヘッドが大きい場合のみ、液体金属の場合と同様な温度過渡特性を示す。(2)各作動流体を用いた場合のピーク温度到達時間は、Ra数一致条件の下で評価が可能である。

報告書

燃料集合体ポーラス状周辺流路閉塞試験解析

永田 武光; 大島 宏之; 山口 彰

JNC TN9400 2001-019, 97 Pages, 2000/10

JNC-TN9400-2001-019.pdf:3.73MB

燃料集合体局所事故の起因事象の一つとして局所流路閉塞事象が知られている。集合体内に何らかの異物が流入し冷却材流路に閉塞領域が形成される場合の事象評価には、様々な閉塞条件及び流路閉塞のあらゆる形成位置に対して、同事象を高い精度でかつ安全評価上保守側に評価することが可能な、汎用性のある解析コードが要求される。本研究では、燃料集合体流路閉塞事象の熱流動現象に関する評価ツールの一つであるASFRE-IVコードの適用性と課題を明らかにすることを目的に、要素技術開発部原子炉工学グループにより実施された燃料集合体ポーラス状周辺流路閉塞試験の試験データを用いた検証解析を実施した。解析の結果、ASFRE-IVコードは全般的に冷却材温度分布を良好に再現するとともに、閉塞サブチャンネルにおける冷却材ピーク温度を保守側に評価することを確認した。

報告書

Discretization of Convection-Diffusion Equations With Finite; Difference Scheme Derived From Simplified Analytical Solutions

Kriventsev, V.

JNC TN9400 2000-094, 35 Pages, 2000/09

JNC-TN9400-2000-094.pdf:1.1MB

原子力分野における伝熱流動現象の多くは、一般的な移流一拡散方程式で記述でき、ほとんどの場合は、有限分差分法によって数値的に解くことができる。本報告では、移流-拡散方程式の差分化に有効なスキームについて述べる。本スキームは、有限差分メッシュの全てのコントロールボリュームに関する一次元の簡略化した方程式の解析解に基づいて導出されている。解析解は、拡散項とソース項を線形化して求めた。こうして導出された実効的差分スキーム(EFD)を用いれば、少ないメッシュ数でも解析精度を大幅に向上させることが可能であり、その結果、計算時間を節約できる。ここで開発したEFDスキームの検証のため、解析解が既知の問題や、詳細な数値解が求められている問題を解析した。EFDスキームと他の一般的に使われている差分スキームとも比較した。例えば、中心差分スキーム、風上差分、Spaldingによる指数差分とハイブリッド差分と比較した。また、比較的最近に提案されたLeonardのQUICKスキーム、WongとRaithbyのLOADスキーム、VaewjagoとPatankarのフラックス=スプラインスキーム、酒井のLENSスキームとの比較も行った。本報告書にはそれらの詳細な比較を述べる。本研究で提案するEFDスキームは、他の方法と比べて多くの問題で数桁ほど解析精度が良いこと、あるいは同じ解析精度を得るために少ないメッシュしか必要としないことが示された。本報告書には、EFDスキームに関して詳細に記述する。基本的な仮定、導出過程、検証手順、検証解析と比較に関して述べた後、結論には結果のまとめと今後の課題を述べる。

報告書

ガス、鉛及び鉛-ビスマス冷却材伝熱流動相関式の調査

永田 武光; 大島 宏之

JNC TN9400 2000-078, 130 Pages, 2000/06

JNC-TN9400-2000-078.pdf:3.19MB

実用化戦略調査研究では、将来の実用化を見据えた新しい高速炉概念の構築を行っている。そこでは、ナトリウム冷却炉の他にガス冷却炉及び重金属冷却炉を候補概念としており、炉心設計段階においては各種冷却材に対する伝熱流動相関式の整備が必要となる。特に、ガス冷却炉及び重金属冷却炉については、ナトリウム冷却炉とは異なる特徴的な燃料形態、および各種冷却材に固有な伝熱流動特性を考慮した圧力損失及び熱伝達性能の評価式が要求される。本報告においては、炭酸ガス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉、鉛及び鉛-ビスマス冷却炉の3タイプを調査対象とし、バンドル型燃料集合体を前提とする各種冷却材の圧力損失相関式および熱伝達相関式について、入手文献をベースとした調査を実施した。ガス冷却材の伝熱流動相関式として燃料ピン平滑面のみならずリブ付き面について、また鉛及び鉛-ビスマス冷却材の伝熱流動相関式として燃料ピン三角配列と四角配列に分類し、各種冷却材の相関式についてETGBR体系(炭酸ガス冷却)、GBR4体系(ヘリウムガス冷却)、BREST300体系(鉛及び鉛-ビスマス冷却)をレファレンスとした比較検討を実施し、層流領域から乱流領域に適用可能な設計用推奨評価式を提案した。

報告書

多次元ナトリウム燃焼解析コードAQUA-SFの開発と検証

高田 孝; 山口 彰

JNC TN9400 2000-065, 152 Pages, 2000/06

JNC-TN9400-2000-065.pdf:6.26MB
JNC-TN9400-2000-065(errata).pdf:0.12MB

液体ナトリウムを冷却材としている高速増殖炉において、ナトリウム漏えい時のナトリウム燃焼が構造物等へ及ぼす影響を評価することは重要である。しかしながら従来の数値解析では、大きな空間を平均化した一点近似モデル(zoneモデル)が主流であり、燃焼現象に於けるガス温度、ガス成分各種の空間的な分布が及ぼす影響についての評価はなされていない。このため、ナトリウム燃焼現象について多次元効果を考慮して機構論的に解析することを目的とし、多次元ナトリウム燃焼解析コードAQUA-SF(Advanced simulation using Quadratic Upstream differencing Algorithm-Sodium Fire version)を開発した。本コードは完全陰解法であるSIMPLEST-ANL法を用いた単相伝熱流動解析コードAQUAをベースとし、スプレイ燃焼、フレームシート燃焼、ガス輻射、多成分ガス移流・拡散、圧縮性等の燃焼に必要な各モデルを組み込んでいる。なお計算スキームとして、空間項についてはBounded QUICK法を、時間項についてはBounded3点陰解法を組み込んでいる。また開発されたAQUA-SFコードを用い、以下に示すナトリウム燃焼実験の検証解析を実施した。・プール燃焼実験(RUN-D1)・スプレイ燃焼実験(RUN-E1)・漏えい燃焼実験(ナトリウム漏えい燃焼実験-II)・小規模漏えい燃焼実験(RUN-F7-1)いずれの検証解析に於いても、実験をほぼ再現しており、AQUA-SFコードの妥当性が確認された。

報告書

多様な作動流体を用いた場合に顕在化する重要熱流動課題の摘出

村松 壽晴; 山口 彰

JNC TN9400 2000-056, 150 Pages, 2000/05

JNC-TN9400-2000-056.pdf:6.67MB

[目的]本研究では、安全系の限定や多重性要求の合理化を行った場合、および多様な作動流体を冷却材として用いた場合に顕在化する熱流動課題を調査するとともに、温度成層化およびサーマルストライピングの両現象につき、作動流体を変化させた場合の特性変化を数値解析により評価することを目的とする。[方法]作動流体の違いから派生するプラント設計上の特徴、及び安全系の局限化に係わる設計概念の調査を行ない、主要な熱流動課題に関する定量的な評価検討を行なった。その結果に基づき、設計上留意すべき事項、さらには温度成層化およびサーマルストライピングに係わる熱流動上の特性を明らかにした。[主要な成果](1)熱流動課題の検討ガス冷却炉、及び重金属冷却炉で顕在化する課題を摘出した。・ガス炉:自然循環、流動振動(高流速に対する配慮)、減圧事故・重金属炉:温度成層化、流力振動(ランダム振動)、地震時のスロッシングさらに安全系の局限化に係わる課題として、原子炉容器のコンパクト化、及びRVACSに着目した課題を摘出した。(2)温度成層化およびサーマルストライピングに係わる熱流動上の特性評価数値解析により得られた各現象についての影響の程度の順列は、以下の通りである。・温度成層化:ガス$$<$$ナトリウム$$<$$鉛・サーマルストライピング:ガス$$<$$$$<$$ナトリウム

報告書

重金属冷却炉の崩壊熱除去特性解析 - 鉛、鉛-ビスマス、ナトリウム冷却炉の比較評価 -

堺 公明; 岩崎 隆*; 大島 宏之; 山口 彰

JNC TN9400 2000-033, 94 Pages, 2000/04

JNC-TN9400-2000-033.pdf:4.36MB

サイクル機構では、高速増殖炉の実用化戦略調査研究として、多様な冷却材を対象とした幅広い実用化像に関する設計研究を進めている。その一環として、本研究では、鉛及び鉛-ビスマス合金を冷却材とする重金属冷却炉を対象として、重要な熱流動評価項目である崩壊熱除去特性について、ナトリウム冷却炉と比較し、冷却材の相違に基づく崩壊熱除去特性を比較整理することを目的としている。鉛及び鉛-ビスマスの重金属冷却材は、空気及び水と化学的に不活性であることから、経済性に優れた2次系削除のプラント概念が多く提案されている。本解析では、2次系削除プラントを等価的な比較対象プラントとして設定し、ナトリウム、鉛及び鉛-ビスマス冷却材についてSuper-COPDコードによる崩壊熱除去特性解析を実施し、それらのプラント動特性の相違について比較した。また、鉛冷却大型ループ型炉として最適化された設計概念を対象として、崩壊熱除去特性解析を実施した。その結果、一般的な特性として、重金属冷却材は伝熱面の酸化膜形成及び腐食等による伝熱への影響について今後確認が必要であるものの、崩壊熱除去特性に関しては、重金属冷却材は冷却性に優れたナトリウムと同等な除熱能力を有し、特に、受動的崩壊熱除去特性である自然循環特性に優れた能力を有することが明らかになった。

報告書

円柱の渦励振回避・抑制条件に関する試験研究

堺 公明; 森下 正樹; 岩田 耕司; 北村 誠司

JNC TN9400 2000-012, 43 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-012.pdf:2.12MB

サイクル機構では、温度計さや管の破損を防止する観点から、渦励振および乱流励振に対する評価方法を整備するとともに、それらの実験的検証を進めている。本試験研究は、配管内水流中の円柱の渦励振に関して、従来ほとんど報告が見当たらない構造減衰の影響を調べた試験データを取得し、設計基準等で採用している渦励振の回避・抑制条件の妥当性の検討に資することを目的としている。流力振動試験は、配管によるループを用いて、配管内に突き出した片持ち支持の円柱試験体について行った。円柱試験体は合計4体で、外観寸法が同一の円柱の内部に質・量の異なる粘性体を充填することにより構造減衰を変化させた。円柱試験体の換算減衰Cnは、それぞれ、0.49,0.96,1.23,2.22であった。無次元流速(Vr)が約0.7$$sim$$約5の範囲(Vr=1におけるレイノルズ数:約8$$times$$10の4乗)で流速を漸増し円柱の変位を測定した。その結果、換算減衰0.49および0.96の試験体は、無次元流速1以上において流れ方向振動が発生したが、換算減衰1.23および2.22の試験体は、振動は、直径の1%以下のレベルに抑制され、有意な渦励振は認められなかった。流れ方向および流れ直交方向渦励振の抑制条件として、ASMEボイラ・圧力容器規格SecIII,Appendix N-1300やサイクル機構の策定した「温度計の流力振動防止のための設計方針」に用いられている判定基準「Vr$$<$$3.3かつCn$$>$$1.2」は、本試験体系(配管内水流片持ち支持円柱)の範囲において概ね適切であった。

報告書

Investigation of in-vessel thermal stratification characteristics for large scale liquid sodium cooled fast breeder reactors with general purpose multi-dimensional code AQUA

Hendro Tjahijono*; 村松 壽晴

JNC TN9400 2001-023, 90 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2001-023.pdf:5.74MB

ナトリウム冷却高速増殖炉のプラント過渡時に発生する温度成層化現象は、原子炉構造物に熱過渡を与える可能性がある観点から、極めて重要な熱流動挙動である。本検討では、原子炉容器径の異なる3条件(9.6m,8.16mおよび6.72m)を対象とし、汎用多次元熱流動解析コードAQUAを用いた温度成層化現象の2次元解析を行い、別途実施した3次元解析結果(原子炉容器径:9.6m)との比較検討を行った。数値計算法では、定常計算にQUICK/FRAMによる高次精度差分法を、過渡解析にはQUICK/FRAMと1次風上差分法を組み合わせて用いた。数値解析による温度成層界面の時間平均上昇速度として、(1)6.84m/h(原子炉容器径9.6m、2次元計算)、(2)8.28m/h(原子炉容器径8.16m、2次元計算)、(3)3.96m/h(原子炉容器径6.72m、2次元計算)、および(4)7.56m/h(原子炉容器径9.6m、3次元計算)が得られた。また、軸方向最大温度勾配として、(1)1,000$$^{circ}C$$/m(原子炉容器径9.6m、2次元計算)、(2)700$$^{circ}C$$/m(原子炉容器径8.16m、2次元計算)、(3)800$$^{circ}C$$/m(原子炉容器径6.72m、2次元計算)、および(4)400$$^{circ}C$$/m(原子炉容器径9.6m、3次元計算)、が評価された。

報告書

サーマルストライピングに関する研究の現状と今後の研究計画

村松 壽晴; 笠原 直人; 菊池 政之; 西村 元彦; 上出 英樹

JNC TN9400 2000-010, 168 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2000-010.pdf:8.78MB

サーマルストライピングは高温と低温の流体が構造材に交互に接することにより、構造材の温度分布が時間的に変動し、結果として構造材に熱応力による高サイクル疲労を生じさせる現象である。ナトリウム冷却高速炉では、ナトリウムの高い熱伝導率により流体側の温度変動が構造に伝わりやすいため特に留意が必要である。本現象は流体と構造の境界分野にある複雑な現象であることから、十分な解明がなされておらず、設計では構造表面での温度変動幅を考えられる最大温度差である流体の混合前温度差とするか、モックアップ試験により温度変動幅等を測定した上で保守的に設計条件を定めることが多い。また、その方法はルール化/基準化されていない。これに対し、著者らは流体と構造の両面からの分析により、流体側の温度変動の発生から構造内への伝達までの過程を現象論的に明らかにしつつあり、熱疲労に対する支配因子として温度ゆらぎ振幅の減衰に着目している。これまでに、流体内、熱伝達、構造材内での変動の減衰を考慮し、疲労損傷、き裂進展まで評価できる解析コードシステムを構築してきており、実機解析を通してその適用性を確認した。今後は、実験検証を継続して一般化していく予定である。さらに、高速炉の経済性向上に寄与するためには、温度変動の減衰を含め熱荷重を合理的に評価し設計に適用できる「サーマルストライピングの評価ルール」を確立する必要がある。その原案を構築し、大きく2つの道筋を立てた。すなわち、現象解明を進めることによって、温度ゆらぎ振幅の減衰機構等の支配メカニズムを忠実にモデル化した詳細解析手法を提示するとともに、安全率を明確にした見通しの良い簡易評価手法を提案し、解析に基づく詳細評価手法と並行して選択できる評価体系を整備する。本報ではこの目標に必要な実験計画を策定し、さらにより一般的な熱荷重の取り扱いについて検討した。

報告書

Numerical Investigation on Thermal Stratification and Striping Phenomena in Various Coolants

Yang Zumao*; 村松 壽晴

JNC TN9400 2000-009, 81 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2000-009.pdf:47.3MB

原子炉構造物に熱疲労を与える温度成層化現象およびサーマルストライピング現象について、その熱流動上の特徴を把握することは、原子炉設計の観点から重要である。本研究では、核燃料サイクル開発機構で開発された多次元熱流動解析コードAQUAを用い、水,ナトリウム,鉛および炭酸ガスを冷却材として用いた場合の熱流動上の特徴を数値解析により抽出する。温度成層化現象については、リチャードソン数Riをパラメータとして合計8ケースを解析し、以下の結果を得た。(1)流体物性および計算初期条件は、同現象を支配する浮力、熱拡散などの効果に大きな影響を与える。(2)炭酸ガスを用いた場合の熱流動上の特徴は、この他の流体を用いた場合のそれらと大きな違いを示し、特に温度成層界面近傍における運動量および熱量の交換特性に関する差異が顕著である。サーマルストライピング現象については、同現象を特徴づける熱流動上の特徴の内、温度ゆらぎ振幅の空間分布特性についての評価を行い、以下の結果を得た。(1)高乱流条件である今回のサーマルストライピング解析結果は、前記の温度成層化現象で抽出された特徴と比較して、違いが認められた。(2)今後の温度ゆらぎ周波数の検討では、炭酸ガスを冷却材に用いた場合に低流速領域での特徴把握に、その他の冷却材を用いた場合に剪断流領域での特徴把握に注意を払う必要がある。

報告書

高速炉配管合流部におけるサーマルストライピング条件の解析的検討(IV); 配管合流部下流領域における乱流2次モーメントに関する検討

村松 壽晴

JNC TN9400 2000-008, 323 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2000-008.pdf:25.2MB

高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒、制御棒上部案内管、炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し、その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に、冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では、大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から、この熱疲労に対する配慮が必要となる。本研究では、上流側に90$$^{circ}$$エルボを持つ主配管と枝管から構成される配管合流部でのサーマルストライピング現象について、直接シミュレーションコードDINUS-3による解析的検討を行った。本研究で着目したパラメータは、当該合流部における(a)口径比、(b)流速比、(c)主配管エルボ-枝管間相対角度および(d)レイノルズ数であり、これらパラメータが配管合流部下流領域での乱流2次モーメントの空間分布特性に与える影響を評価した。得られた結果は、次の通りである。(1)流速比($$beta$$)を1.0に固定した条件においては、口径比($$alpha$$)が小さいほど乱流2次モーメントの主配管内流れ方向の空間分布範囲は広がる。(2)口径比($$alpha$$)を1.0に固定し、流速比($$beta$$)を主配管内流速の増減により模擬した条件においては、流速比が大きいほど乱流2次モーメントの主配管内流れ方向の空間分布範囲は広がる。一方、流速比を枝管内流速の増減により模擬した条件(口径比を3.0に固定)においては、流速比が小さほど乱流2次モーメントの主配管内流れ方向の空間分布範囲は広がる。(3)主配管角($$gamma$$)を変化した場合、乱流2次モーメントの主配管内流れ方向の空間分布は大きく変化しない。しかしながら、それらピーク値は、主配管角が180$$^{circ}$$である場合が最も大きくなる。(4)レイノルズ数(Re)が大きいほど、乱流2次モーメントの主配管内流れ方向の空間分布範囲は広がる。

報告書

多様な冷却系システムの熱流動評価

大島 宏之; 堺 公明; 永田 武光; 山口 彰; 西 義久*; 植田 伸幸*; 木下 泉*

JNC TN9400 2000-077, 223 Pages, 1999/05

JNC-TN9400-2000-077.pdf:6.24MB

実用化戦略調査研究PhaseIの一環として、各種炉型における崩壊熱除去性能評価、炉心・燃料体熱流動評価、および伝熱流動相関式の調査を実施している。本報告書はこれらについて平成11年度の成果をまとめたものである。崩壊熱除去性能評価については電力中央研究所との共同研究として実施し、プラント動特性解析によりナトリウム冷却炉炉壁冷却系(RVACS)の除熱性能に対する各種設計パラメータの影響を把握するとともに、除熱限界の予備評価によりその適用上限を電気出力50万$$sim$$60万kW程度と推定した。また、ガス冷却炉および重金属冷却炉(鉛、鉛-ビスマス)用の動特性解析手法の整備を行うとともに、仮想プラントを対象として予備解析を実施し、定性的な過渡特性を把握した。さらに各プラントの自然循環力比較のための無次元数を導出した。炉心・燃料体熱流動評価においては、重金属冷却炉やガス冷却炉のピン型燃料集合体、ヘリウムガス冷却炉の被覆粒子燃料体、ダクトレス炉心に対応する熱流動解析手法の整備を行った。また、予備解析として、鉛冷却炉とナトリウム冷却炉の燃料集合体内熱流力特性の比較、炭酸ガス・ヘリウムガス冷却炉の燃料体内熱流力特性の把握、およびナトリウム冷却炉における内部ダクト付燃料集合体内熱流力特性の把握を行った。伝熱流動相関式の調査では、ガス冷却炉、重金属冷却炉に対して、主に炉心・燃料体の熱流動評価の際に必要となる圧力損失相関式や熱伝達相関式を、文献をベースに調査、比較検討を実施し、信頼性と利用しやすさの観点から層流領域から乱流領域までをカバーできる相関式群を推奨した。また、同時に詳細設計への適用には信頼性が不十分と思われるものを、今後データを充足すべき課題として摘出した。

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