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横山 薫; 大橋 裕介
Annals of Nuclear Energy, 141, p.107299_1 - 107299_5, 2020/06
被引用回数:6 パーセンタイル:60.71(Nuclear Science & Technology)原子力施設の廃止措置および解体中に、大量の一般鋼廃棄物が発生する。解体プロセスで発生する放射能がクリアランスレベルを下回る非常に汚染度の低い放射性廃棄物は、一般的な用途に再利用できる。ウラン廃棄物でのクリアランス測定システムの実現可能性を検討した。鋼材(アングル, チャンネル, 配管, 角管, 切断した配管)を測定する場合、ウラン1gで実施したウラン量定量での相対誤差は30%以内であった。
相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義
Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.509 - 521, 2018/00
高温高圧水中におけるステンレス鋼のすき間内環境を調べるために、電気化学的手法によるその場観察を行った。小型(250m)のセンサーをすき間内に設置し、すき間内の局部的導電率、、分極抵抗、および腐食電位の測定を行った。これにより、バルク水導電率、バルク水溶存酸素濃度などの外部環境を変動させた際のすき間内環境の応答挙動をリアルタイムに分析した。その結果、すき間内の場所に依存してが1桁以上変動すること、はバルク水の溶存酸素濃度を脱気状態から30ppb程度までに上昇させただけで敏感に応答して増加すること、溶存酸素濃度32000ppbでははバルク水の100倍以上の値となること、並びにそれらの挙動はすき間形状に大きく依存することを明らかとした。
上田 稔*; 橋詰 正広*
JNC TJ6430 2005-001, 36 Pages, 2005/03
中部電力株式会社電力技術研究所では,管内に分布している亜炭坑採掘による地下空洞を効率的に探査する目的で,常時微動を利用した空洞探査手法を開発しているが、山岳部での適用実績が乏しいことから,人形峠環境技術センター夜次露天採掘場における空洞探査への適用性を検証するために現地調査を実施した。また,二次元モデルを用いた数値解析を用いて,当地点で得られた常時微動計測結果の再現を試みた。 調査結果から,埋め戻されている可能性の高い測線では,常時微動の速度スペクトルに変化傾向が見受けられなかったのに対して,埋め戻されていないと推定される測線においては,速度スペクトルに空洞上部(推定)を中心とした対称形の顕著な変動が確認され,数値解析結果とも調和的であった。以上の結果から,当地点における坑道の崩落状況を、常時微動計測により判別可能であることを確認することができた。
相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義; 青木 聡; 稲垣 博光*
no journal, ,
高温純水中におけるステンレス鋼すき間内環境に及ぼすすき間幅gと奥行きdの影響を分析するため、微小電極を設置した各種形状のすき間試験片を製作し、288C水中に浸漬した。表面酸化膜とすき間内溶液導電率を調べ、g-d平面上で整理した結果、本研究の範囲内では、すき間内の局部腐食の発生は確認されなかったが、一定のg-d領域に酸素ポテンシャルが低下し、かつ溶液導電率の高い環境条件が形成されることが分かった。
相馬 康孝
no journal, ,
浜岡原子力発電所5号機で発生した原子炉等への海水混入事象における炉内設備のすき間腐食健全性評価に、すき間の幅(g)と奥行き(d)の大きさからすき間腐食の発生しやすさを表示する図(g-d腐食図)が有効に利用されている。本研究では、実機構造に多い一方で、既存のデータの少ない0.1mm以下の狭小なすき間において腐食挙動を調べるとともに、これまで不明であった、すき間内環境を分析することで、より高度なすき間腐食の発生しやすさの判断基準(クライテリア)の実現を目指した。
相馬 康孝; 上野 文義; 稲垣 博光*
no journal, ,
沸騰水型軽水炉環境に代表される溶存酸素を含む高温高圧高純度水中においては、低炭素ステンレス鋼に局部腐食が発生する。これまでに、すき間腐食に及ぼすすき間形状因子の研究は行われてきたが、すき間内環境因子に関しては不明な点が多い。本研究ではすき間内の酸化皮膜と導電率を測定し、すき間形状因子で整理することにより、すき間内環境と形状因子との関係把握を行った。
相馬 康孝; 小松 篤史; 上野 文義; 稲垣 博光*
no journal, ,
高温水中におけるステンレス鋼すき間内の溶液環境を知ることは、応力腐食割れ(SCC)のメカニズムを解明する上で重要である。われわれはこれまでに、溶存酸素を含む高温水中に浸漬したステンレス鋼のすき間内においては、すき間外(バルク水)が高純度水であっても、すき間内溶液の導電率(crev)がバルク水のそれよりも最大で2桁以上大きい値を示すことを報告した。すき間内溶液導電率が大きく上昇することは、き裂先端部のアノード溶解挙動を、外界とのガルバニックカップリングの観点から理解する上で重要である。しかしながら、高純度水中においてcrevが上昇するメカニズムは明らかではない。そこで本研究では、外部環境因子として、バルク水の導電率と溶存酸素濃度を変化させ、crevの応答挙動を分析することによりcrevの上昇メカニズムを考察した。温度288Cの高温高圧水中におけるSUS316Lステンレス鋼のすき間内溶液導電率(crev)のDO濃度変動に対する応答挙動を、バルク水が純水および薬液添加状態で分析した結果、以下の結論が得られた。(1)crevは低DO濃度域(300ppb程度以下)では電位と共に上昇し、電位がcrev上昇の駆動力と考えられた。一方、それ以上の高DO域では電位に対して単調増加とはならなかった。(2)crevの最大値はバルク水の導電率に関わらず、ほぼ一定値を示したことから、すき間内環境は何らかの平衡反応で決定されていると推測された。(3)バルク水が高純度の場合、DO濃度の上昇によりcrevはすき間の奥行きに依存せずほぼ同時に上昇した。このことから、鋼材そのものがアニオン源として寄与する可能性が推測された。
村松 壽晴*; 亀井 直光*; 青柳 裕治*; 北川 義大; 菖蒲 敬久; 大薗 伸司*
no journal, ,
異材レーザー溶接試験片を製作し、凝固過程における温度変化をレーザー溶融・凝固プロセス解析コードによって解析した。また、X線を利用した溶接部の鋼材成分とひずみの分布特性を明らかにした。これらの解析・分析による評価は、今後、溶接部の健全性を確保するための残留応力発生メカニズムを解明するデータとして活用することができる。
中山 浩成; 佐藤 大樹; 門脇 正尚
no journal, ,
原子力施設から放射性物質が大気放出された場合の放出源近傍における環境への影響評価においては、個々の建物や局所的な地形起伏の影響により引き起こされる複雑な気流場を考慮した高分解能大気拡散計算とその計算結果に基づく線量評価が必要となる。日本国内の原子力施設の多くは複雑な地形を伴って立地する。このため、急峻な地形起伏上においては流れの剥離、後方では逆流が生じることにより、非一様性の強い濃度分布の形成が予見される。そこで、本研究では、原子力機構が開発したLHADDASを用いて、原子力施設が周辺の複雑地形をモデル化した単純地形模型を対象に高分解能大気拡散・線量計算を行う。起伏地形後方での剥離流れによる強い非定常性を持つ乱流特性の観点から大気拡散挙動に与える影響を調べ、大気中濃度と空間線量率分布の形成過程について明らかにする。