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長澤 尚胤; 金澤 進一*; 玉田 正男
バイオプラスチックの高機能化・再資源化技術, p.162 - 169, 2008/04
ポリ乳酸に橋かけ剤であるトリアリルイソシアヌレートを5%濃度添加して電子線で橋かけした。橋かけポリ乳酸を可塑剤に浸漬し、ポリ乳酸の再結晶化温度以上に加熱することにより橋かけしたポリ乳酸の微結晶間に可塑剤を保持させることに成功した。可塑剤を担持させた橋かけポリ乳酸は、室温で柔らかく、変形しても元の形状に戻るような弾力性のある透明な材料であり、破壊強度が20MPaから半分に低下するが、破壊伸度が約2%から約60%と高くなる。このように弾力性を有するポリ乳酸を軟質塩化ビニルの代替材料として吸盤材料を応用例として解説した。
長澤 尚胤; 玉田 正男; 金澤 進一*; 早崎 俊克*
プラスチックス, 58(11), p.45 - 48, 2007/11
ポリ乳酸に橋かけ剤であるトリアリルイソシアヌレートを5phr濃度添加して、電子線で橋かけした。橋かけしたポリ乳酸分子の網目中に可塑剤を保持させることにより、室温で柔らかく、変形しても元の形状に戻る弾力性のある透明なポリ乳酸材料を創り出すことに成功したので、その作製法及び物性について解説した。
長澤 尚胤; 金田 綾子*; 松崎 友章*; 金澤 進一*; 八木 敏明; Tran, M. Q.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 玉田 正男; Quynh, T. M.*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 53, 2007/02
デンプンを原料とする植物由来プラスチックであるポリ乳酸(以下PLAと略記)は、約170Cの高い融点を有し、透明性や機械的特性などが優れていることから、実用化に一番近い材料として有望視されている。しかし、PLAは約60Cを超えると熱変形し、強度が低下するという欠点があるため、耐熱性の向上が必要とされている。ここでPLAの耐熱性改善に対して、放射線照射による橋かけ構造を導入することを試みた。PLAに融点以上の温度(180C)でポリマー重量に対して3重量%濃度の各種多官能性モノマーを添加して線照射したPLAのゲル分率を測定した結果、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)とトリメチルプロパントリアクリレート添加した系のみ、50kGy照射で80%のゲルが生成し、効果的に橋かけ反応が起きた。橋かけ前後の熱機械的分析の結果、未照射PLAでは、約60Cのガラス転移温度以上で急激に変形し、約100Cで測定不可能になる。3%TAIC濃度で50kGy照射したPLAでは、約60Cで変形せず、200Cでも5%しか変形しないことから、橋かけ構造導入により耐熱性が極めて大きく向上することがわかった。放射線照射によって橋かけしたPLAを熱収縮チューブに応用した。橋かけPLAを200Cで2.5倍に膨張させ、室温で冷却固定すると熱収縮チューブにでき、このチューブを160C以上で再加熱すると、元の大きさに収縮して電線などの結束部分の保護材として利用できる。
長澤 尚胤
日本接着学会誌, 41(10), p.420 - 426, 2005/10
植物由来であるポリ乳酸(PLA)は、機械的特性や透明性などが良いことから一番実用化に近い材料であるが、高い融点を有するが約60Cを超える温度域で熱変形し、強度が低下するという欠点がある。放射線橋かけ技術によるPLAの耐熱性改善について検討した。当初、PLAは、放射線照射により分子鎖が切断される放射線分解型の材料であるため、橋かけを助ける助剤を用いた放射線橋かけ法の研究を進めた。1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA),トリメチルプロパントリアクリレート(TMPTA),トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が有効であり、3%TAICを用いて最も橋かけしたPLAが約60Cでも熱変形せず、融点以上でも形状を保持した。耐熱性が改善されたPLAは高温に耐える熱収縮材や透明性を保持した射出成形品に応用開発された。良好な生体適合性を有するPLAを放射線橋かけして再生医療材料に応用するため、照射時の温度を変えることによって、橋かけに必要なTAIC濃度を1%に低減化でき、1/5に低線量化できた。この開発した技術によって、プラスチック廃棄物処理問題を解決し、資源循環型社会を構築するために、生分解性プラスチックの利用が増えることが期待できる。
八木 敏明
第14回放射線利用技術セミナー; 広がる放射線の産業利用講演テキスト, p.67 - 72, 2004/10
生分解性プラスチックは、通常の使用に耐え、使用後は土壌中の微生物によって分解する環境に優しい高分子である。放射線橋かけが難しい生分解性プラスチック(ポリ乳酸など)や天然高分子の多糖類(デンプン,セルロース,キチン・キトサンなど)について、放射線による橋かけ構造を導入する技術開発を行った。ポリ乳酸は放射線橋かけにより、高温(160C以上)にも耐える耐熱性が得られ、熱収縮材への応用が可能である。また、デンプンやセルロースなどは放射線橋かけにより、高吸水性多糖類ゲルが得られ、医療・福祉,農業,衛生用品などへの応用が期待できる。
長澤 尚胤; 八木 敏明
Science & Technology Journal, 13(10), p.20 - 21, 2004/10
ポリ乳酸は、放射線照射により分子鎖が切断される放射線分解型の材料であるため、橋かけ構造の導入が困難であった。そこで、橋かけ助剤を用いた放射線橋かけ法の研究を進め、橋かけ構造を導入することに成功し、耐熱性を改善することができた。いろいろな種類の橋かけ助剤中でトリアリルイソシアヌレート(TAIC)が橋かけに有効であることと、TAIC添加濃度が3%で橋かけが促進することを見いだした。また、耐熱性は橋かけしたポリ乳酸フィルムに一定荷重を掛け、昇温による試料の伸び変化測定より評価した。橋かけしていないポリ乳酸では60C以上で形状が保持できなくなるが、TAIC3%で放射線橋かけしたポリ乳酸は、融点である160C以上でも伸びの変化がほとんどなくなり、ポリ乳酸の耐熱性を著しく改善できることを明らかにした。この技術により高温に耐えるポリ乳酸熱収縮材の開発に進展し、ポリ乳酸の従来品に比べ、収縮性能で約2倍以上、ポリエチレン製熱収縮材に比べ、80Cでの強度が3倍を有する生分解性で透明性に優れた耐熱性高倍率熱収縮材であるといった具体例をもとにポリ乳酸の橋かけ技術及び応用例を紹介した。
長澤 尚胤; 八木 敏明; 金澤 進一*; Quynh, T. M.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 玉田 正男
no journal, ,
デンプンを原料とする植物由来プラスチックであるポリ乳酸(以下、PLAと略記)は、約170Cの高い融点を有し、透明性や機械的特性などが優れていることから、実用化に一番近い材料として有望視されている。しかし、PLAは約60Cを超えると熱変形し、強度が低下するという欠点があるため、耐熱性の向上が必要とされている。ここではPLAの耐熱性改善に対して、放射線照射による橋かけ構造を導入することを試みた。PLAに融点以上の温度(180C)でポリマー重量に対して3重量%濃度の各種多官能性モノマーを添加して線照射したPLAのゲル分率を測定した結果、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)とトリメチルプロパントリアクリレート添加した系のみ、50kGy照射で80%のゲルが生成し、効果的に橋かけ反応が起きた。橋かけ前後の熱機械的分析の結果、未照射PLAでは、約60Cのガラス転移温度以上で急激に変形し、約100Cで測定不可能になる。3%TAIC濃度で50kGy照射したPLAでは、約60Cで変形せず、200Cでも5%しか変形しないことから、橋かけ構造導入により耐熱性が極めて大きく向上することがわかった。放射線照射によって橋かけしたPLAを熱収縮チューブに応用した。橋かけPLAを200Cで2.5倍に膨張させ、室温で冷却固定すると熱収縮チューブにでき、このチューブを160C以上で再加熱すると、元の大きさに収縮して電線などの結束部分の保護材として利用できる。さらに電気製品筐体や飲料カップ等に試作し、生分解性熱収縮材や耐熱型カップ等への応用の見通しを得た。
金澤 進一*; 長澤 尚胤; 八木 敏明*; 玉田 正男
no journal, ,
植物原料由来のポリ乳酸は、耐衝撃性が低いため、実用化の妨げになってきた。橋かけ助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を5質量部添加して500厚のシートを作製し、電子線を90kGy照射して橋かけした後に、120Cの可塑剤液中で2時間浸漬・膨潤させることで、弾性のあるポリ乳酸を作製することができた。ポリ乳酸を橋かけしない場合、可塑剤への浸漬工程で結晶化して白くなり、可塑剤はポリ乳酸へ浸透しない。
長澤 尚胤
no journal, ,
植物由来プラスチックであるポリ乳酸は地球温暖化の誘因とされている二酸化炭素の排出抑制に寄与できることから、実用化研究開発が活発に行われている。ポリ乳酸の用途を拡大するためには、利点である透明性を維持したまま、欠点である耐熱性や柔軟性を改善する必要がある。原子力機構では、橋かけ剤添加法や可塑剤浸漬法を組合せた放射線橋かけ技術によりポリ乳酸の耐熱性や柔軟性を改善し、世界で初めて弾性ポリ乳酸の開発に成功した。開発したポリ乳酸は、パソコンや携帯電話などのデジタル家電の筐体,食器等の日用品から、軟質塩ビの代替材料として防震材,自動車等の内装材部品などに利用価値があり、その実用化の促進は環境負荷低減のみならず産業振興にもつながると考えられる。
長澤 尚胤
no journal, ,
植物由来プラスチックであるポリ乳酸の欠点である耐熱性や柔軟性の改善を図るため、橋かけ剤添加や可塑剤浸漬を組合せた放射線橋かけ技術を考案し適用した結果、透明性を維持したまま耐熱性や柔軟性を付与でき、世界で初めて弾性ポリ乳酸の開発に成功した。開発したポリ乳酸は、パソコンや携帯電話などのデジタル家電の筐体,食器等の日用品から、軟質塩ビの代替材料として防震材,自動車等の内装材部品などへの応用が期待される。
金澤 進一*; 長澤 尚胤; 玉田 正男
no journal, ,
地球温暖化の誘因とされている二酸化炭素の排出抑制に寄与できる植物由来プラスチックであるポリ乳酸の研究開発が活発に行われている。橋かけ剤添加法や可塑剤浸漬法を適用した放射線橋かけ技術により、利点である透明性を維持したまま、欠点であるポリ乳酸の耐熱性や柔軟性を改善できた。開発したポリ乳酸は、90C、水中で透明で、室温,水中で白濁化し、さらに90Cの恒温槽で熱処理すると、透明に戻るような温度応答性を有することを見いだした。この新機能は、センサー基材等などへ利用でき、放射線橋かけポリ乳酸の新たな用途開発につながる手がかりを得た。