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口頭

DNA薄膜の軟X線分光研究

藤井 健太郎; 小林 英一*; 菅谷 雄基; 横谷 明徳; 岡島 敏浩*

no journal, , 

DNA分子には、真空中においてもわずかな水分子がDNAに吸着していることが知られている。しかし、DNAの水和状態変化に関する詳細についてはあまり報告されていない。本研究は、DNAに強固に吸着した水和水分子がDNAの電子状態変化にどのように寄与しているかを明らかにすることを狙った。熱処理($$sim$$450K)あるいは低温($$sim$$80K)に冷却したDNAに対して、DNA薄膜の表面敏感な全電子収量スペクトル及びバルク敏感な全蛍光スペクトルの同時測定を行った。表面敏感な全電子収量スペクトル上では、窒素K殻領域において水和により、核酸塩基の環外のC=OやC-NH$$_{2}$$基に由来すると帰属されている402eV付近のピークが401.4eVにシフトした。核酸塩基のプリンあるいはピリミジン環中に存在するこれらの官能基付近への水分子の吸着により、DNA中の核酸塩基の電子状態変化が変化してピークがシフトしたものと推測される。

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