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松浦 秀治*; 鏡原 聡*; 伊藤 祐司*; 大島 武; 伊藤 久義
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 14, 2007/02
アルミニウム(Al)添加六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)中の正孔濃度に及ぼす電子線照射の影響を調べた。200keV又は4.6MeVのエネルギーの電子線を室温で照射したAl添加4H-SiCエピタキシャル膜の正孔濃度をホール効果により求めた。正孔濃度の温度依存性よりAlアクセプタ及びAl関連欠陥の活性化エネルギーが、それぞれ200meV, 350meVと求められた。4.6MeV電子線照射によりAlアクセプタ及びAl関連欠陥濃度ともに減少するが、200keV電子線照射ではAlアクセプタ濃度は減少し、Al関連欠陥濃度は増加することが判明した。200keV電子線照射ではSiC中の炭素(C)のみがはじき出されることから、Al関連欠陥はAlとC空孔が関連する複合欠陥であることが示唆される。
松浦 秀治*; 川北 史朗*; 大島 武; 伊藤 久義
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.157 - 160, 2006/10
CZ(Czochralski)法,MCZ(Magnetic Czochralski)法及びFZ(Floating Zone)法で作製したボロン(B)ドープシリコン(Si)基板の正孔濃度と10MeV陽子線及び1MeV電子線の照射量の関係をHall測定により調べた。その結果、CZ法のSi基板は陽子線,電子線照射量の増加とともに正孔濃度は減少し、電子線では110/cmで、陽子線では2.510/cmで伝導型がp型からn型になることが判明した。MCZに関しても、CZに比べ正孔濃度減少率は小さいものの110/cmの電子線照射で正孔濃度が未照射の310から110/cmまで減少することが明らかとなった。一方、FZ法Si基板では正孔濃度の減少率は非常に小さく110/cmの電子線照射においてもほとんど変化がないことが判明した。製造法により基板の酸素含有が異なり、FZ, MCZ, CZの順で酸素濃度が増加することを考えると、キャリア濃度減少の原因は酸素と空孔欠陥の複合欠陥であることが示唆される。以上より宇宙用Si太陽電池基板としてはFZ法が最も適していると帰結できる。
松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 高橋 美雪*; 大島 武; 伊藤 久義
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.181 - 184, 2006/10
電子線照射による炭化ケイ素(SiC)中の正孔濃度の変化をホール測定により調べた。試料はアルミ(Al)添加六方晶(4H)SiCを用い、200keV電子線を室温にて照射した。正孔濃度の温度依存性を測定・解析することでアクセプタ準位,アクセプタ濃度及び補償濃度を見積もったところ、200meV程度の活性化エネルギーを有するAlアクセプタ濃度は電子線照射により減少すること、それに伴い370meV程度の活性化エネルギーを有する深いアクセプタ濃度が増加することが見いだされた。200keVの電子線ではSiC中の炭素(C)のみはじき出されることから、370meVの深いアクセプタ準位はC空孔に関連する欠陥であることが示唆される。
松浦 秀治*; 岩田 裕史*; 鏡原 聡*; 石原 諒平*; 米田 雅彦*; 今井 秀彰*; 菊田 真経*; 井上 裕喜*; 久松 正*; 川北 史朗*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(4A), p.2648 - 2655, 2006/04
被引用回数:15 パーセンタイル:49.28(Physics, Applied)宇宙用Si太陽電池の耐放射線性強化に関する研究の一環として、1MeV電子線又は10MeV陽子線照射がSi基板中の正孔濃度に及ぼす影響をホール効果により調べた。試料は、ボロン(B), アルミニウム(Al), ガリウム(Ga)等の異なる種類のアクセプタを添加したCZ成長Si基板,MCZ法で作製したB添加Si基板及びFZ法で作製したB添加Si基板を用いた。その結果、CZ基板では、陽子線照射量の増加とともに正孔濃度が減少し、添加不純物によらず2.510/cmで伝導キャリアのタイプが正孔から電子へと変化した。また、B添加したCZ, MCZ, FZ基板を比較したところ、いずれの基板も電子線照射量の増加とともに正孔濃度は減少するが、その減少の大きさはCZ, MCZ, FZの順であり、110/cm照射でCZ基板のキャリアタイプが電子に変化したのに対してMCZ, FZは正孔のままであった。CZ基板では添加不純物によらず正孔濃度の減少は同程度であること、CZ, MCZ, FZの順で正孔濃度の減少が少ないこと、CZ, MCZ, FZの順で基板に残留する酸素原子が少なくなることを考慮すると、正孔濃度を減少させる照射誘起欠陥の構造は、添加不純物と空孔の複合欠陥ではなく、基板に残留する酸素原子と空孔型の複合欠陥であることが示唆される。
岩田 裕史*; 鏡原 聡*; 松浦 秀治*; 川北 史朗*; 大島 武; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.143 - 146, 2004/10
宇宙用シリコン(Si)太陽電池の高線量域での特性の急落現象は多数キャリア濃度の減少によることが明らかとなっているが、この現象を詳細に解釈するために、製造方法(CZ法,FZ法),不純物の種類(ボロン(B),アルミ(Al)及びガリウム(Ga))及び濃度の異なるp型Si基板に10MeV陽子線を照射し、多数キャリア濃度の変化を調べた。キャリア濃度はホール計数測定により求めた。その結果、2.510/cmの陽子線照射により、CZ法で製造された全ての基板は、多数キャリアの種類が正孔から電子へと変化することを見いだした。一方、FZ法で製造した基板は同様な陽子線照射を行ってもキャリア濃度は減少するものの多数キャリアは正孔のままであった。FZ法はCZ法に比べ残留する酸素不純物の濃度が少ないことより、酸素関連の欠陥が多数キャリアの逆転に関与していると示唆される。
松浦 秀治*; 柳澤 英樹*; 西野 公三*; 明神 喜子*; 野尻 琢慎*; 松山 雄炯*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
耐放射線性炭化ケイ素(SiC)半導体素子開発の基礎研究の一環として、アルミ(Al)添加p型六方晶(6H)SiCの電子線照射による正孔濃度の変化を調べた。室温での正孔濃度が210/cmのp型6H-SiCに200keV電子線を室温で310/cmまで照射し、ホール測定により正孔濃度の変化を調べた。その結果、電子線照射量の増加とともに正孔濃度は減少し、310/cmでは測定限界を超え、値を見積もることができなくなった。この310/cmまで照射した試料をアルゴン中500Cで2分間熱処理を行ったところ、正孔濃度の回復が見られた。さらに正孔濃度の温度依存性を解析したところ、500CのアニールでAlアクセプタが回復し、欠陥に起因する深い準位が減少することが判明した。200keVの電子線照射では炭素のみがはじき出されることを考えると、熱処理で炭素起因の欠陥が減少し、正孔濃度が回復したと帰結できる。