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須貝 宏行; 前田 裕司*; 松本 徳真*; 加藤 輝雄; 春名 勝次*; 左高 正雄; 小野 文久*
Physica Status Solidi (C), 4(8), p.2963 - 2966, 2007/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Engineering, Electrical & Electronic)人工ダイヤモンドは、高温や放射線等の過酷な環境に耐えうる有望な耐環境素子材料の一つである。ここでは、100MeV炭素イオン照射した人工ダイヤモンド単結晶中の格子欠陥をX線による格子定数測定とX線散漫散乱により調べた。イオン照射及びX線測定は、室温で行った。格子定数は照射量に比例して増加した。われわれが従来から行ってきた不純物濃度の異なる天然及び人工ダイヤモンド単結晶に関する結果との比較から、照射によって生成した格子間原子及び原子空孔は、(100)面に転位ループをつくることが明らかとなった。
前田 裕司*; 松本 徳真*; 春名 勝次*; 早乙女 隆雄*; 小野 文久*; 須貝 宏行; 大塚 英男; 大橋 一利*
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.283 - 287, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:17.99(Physics, Condensed Matter)天然及び人工ダイヤモンド単結晶において、主な不純物である窒素の含有量が異なる4種類の試料、Ia型(窒素を約1000ppm含む天然の単結晶),Ib型(窒素を約100ppm含む人工単結晶),IIa型(窒素の量が10ppm以下の高純度人工単結晶),IIb型(含有窒素量は10ppm以下だが、ボロンを100ppm程度含む人工単結晶)について、X線回折によりキャラクタリゼーションを行った。X線ボンド法により求めた格子定数(298K)は、IIb型が最大(0.35670nm)で、Ia型が最小(0.35666nm)となり、その順番は IIbIbIIaIaであった。さらに、格子定数測定とX線散漫散乱の結果を総合すると、IIb型ではボロンは置換型の欠陥として(100)面に存在し、Ia型では窒素は置換型の欠陥集合体として(100)面に存在すると推測される。
前田 裕司*; 松本 徳真; 加藤 輝雄; 須貝 宏行; 大塚 英男*; 左高 正雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.312 - 316, 2005/05
被引用回数:1 パーセンタイル:14.45(Instruments & Instrumentation)本研究は原子力材料での照射効果の機構を理解するために、重要な研究課題の一つであるカスケード損傷の構造を明らかにすることを目的としている。照射欠陥の生成や回復などの過程はこれらを凍結することでその素過程を調べることができるため、極低温での実験が不可欠である。しかし、このような低温での研究の報告例は少ない。また、微小サイズの照射欠陥を調べるには電子顕微鏡でも困難であり、最も有力な測定方法としてX線散漫散乱法がある。X線散漫散乱はブラック角近傍のX線の散乱である。本報告は低温のままで重イオン照射とX線回折ができるクライオスタットを開発し、これを用いてX線散漫散乱の測定による照射欠陥の解析をしたものである。実験はNi単結晶試料にタンデム加速器の127MeVのヨウ素イオン(I)を16Kの温度で照射し、35K以下の温度でX線散漫散乱の測定を行った。その結果、散漫散乱強度はqをブラック角からのずれとして、q乗及びq乗の依存性が観測された。これは、生成された欠陥は点欠陥だけではなく、クラスターも形成していることを示すことから、カスケード損傷の形成を示唆するものである。また、室温までの焼鈍により、クラスターは格子間原子型では成長し、空孔型では変化しないことがわかった。