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野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 296(1), p.423 - 427, 2013/04
被引用回数:5 パーセンタイル:38.75(Chemistry, Analytical)6価のウランに対する選択的吸着剤として利用できるポリビニルポリピロリドン(PVPP)の線照射に対する安定性を硝酸溶液中で調べた。試験の結果、吸着容量は照射により減少することはないこと、6M硝酸溶液で照射した試料ではむしろ増加することを明らかにした。これは、線照射によりPVPPのピロリドン環が開環するが、その生成物もU(VI)に対する吸着性能を有するためと考えられる。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Science China; Chemistry, 55(9), p.1739 - 1745, 2012/09
被引用回数:4 パーセンタイル:19.75(Chemistry, Multidisciplinary)6価及び4価のアクチノイド元素に対して沈殿剤として利用できるN-アルキルピロリドン誘導体について、放射線に対する安定性をCoの線照射により調べた。3M硝酸中での照射試験の結果、1MGyの照射で約20%のN-ブチルピロリドンが分解すること、しかしU(VI)の沈殿率は余り変化しないことを明らかにした。また、分解生成物の分析により、ピロリドン環の開環を含む分解のメカニズムを検討した。
池田 泰久*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 川田 善尚*; Kim, S.-Y.*; 森田 泰治; 近沢 孝弘*; 染谷 浩*; 菊池 俊明*
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 5 Pages, 2011/12
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発の成果を総合的に発表する。U, Puや他の元素の沈殿挙動、沈殿剤の安定性等の観点から、N-n-ブチル-2-ピロリドンとN-ネオペンチル-2-ピロリドンが、U選択的分離の第一沈殿工程及びU-Pu分離の第二沈殿工程にそれぞれ最適な沈殿剤と判断した。工学的規模の装置による沈殿生成、沈殿分離の試験を実施し、プロセスの成立性を確認するとともに沈殿の直接焼成により燃料ペレットを製造できることを明らかにした。以上の結果から、本システムが将来の高速炉燃料再処理法の一つの候補となりうると評価した。
野上 雅伸*; 原田 雅幸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Progress in Nuclear Energy, 53(7), p.948 - 951, 2011/09
被引用回数:3 パーセンタイル:26.09(Nuclear Science & Technology)硝酸溶液系における1,3-ジメチルイミダゾリドン(DMI)のU(VI)及びU(IV)に対する沈殿生成能力を調べた。その結果、3M硝酸においてU(VI)を沈殿させるもののPu(IV)の模擬であるU(IV)に対しては5倍当量を添加しても沈殿を生じさせないことを明らかにした。このようにDMIにはU(VI)に対する選択性が高いという特徴があるが、その化学構造の性質上加水分解が生じやすく化学的に安定でないという欠点を有する。硝酸溶液系における線照射及び加熱による安定性試験の結果、安定性は硝酸濃度に大きく影響されることが明らかとなり、硝酸が2M程度以下の濃度であれば適用の可能性があることが示唆された。
Kim, S.-Y.; 鷹尾 康一朗*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 川田 善尚; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Crystal Growth & Design, 10(5), p.2033 - 2036, 2010/04
被引用回数:15 パーセンタイル:77.66(Chemistry, Multidisciplinary)N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)及びN-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP)の硝酸プルトニル錯体を調製し、単結晶X線回折によりそれらの分子及び結晶構造を決定した。得られた化合物はいずれもPuO(NO)(NRP)(NRP=NCP, NNpP)という同様の組成を有しており、これは先に報告したU(VI)錯体とも共通する。各々のPuO(NO)(NRP)錯体は、エカトリアル面上トランス位に配置された2つのNRP及び2つの硝酸イオンから成る六方両錐型構造といった硝酸アクチニル(VI)錯体に特徴的な構造的性質を示した。PuO(NO)(NCP)とUO(NO)(NCP)の格子定数と分子構造は、UがPuに置換されているだけにもかかわらず、完全に異なる。一方、PuO(NO)(NNpP)とUO(NO)(NNpP)との比較では構造的性質は完全に一致する。以上の知見は、結晶工学の観点からわれわれの提案する使用済核燃料の高選択・制御性沈殿剤による高度化沈殿法再処理システムにおける沈殿剤として適するNRPの選択基準の一つとなり得る。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 川田 善尚; 池田 泰久*; 菊池 俊明*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycle; Sustainable Options & Industrial Perspectives (Global 2009) (CD-ROM), p.1081 - 1085, 2009/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本システムは、Uを選択的に沈殿させる第1沈殿工程,濃縮工程,残りのU及びPuを共沈させる第2沈殿工程から成る。本研究では、高配位性・高疎水性沈殿剤であるN-1,2-ジメチルプロピル-2-ピロリドン(NDMProP), N-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP)及びN-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)の第2沈殿工程への適用性検討のため、U(VI)-Pu(IV)混合溶液を用いて、Pu沈殿挙動を調べた。試験の結果、Pu沈殿率と生成した沈殿の物理的性状の点からNNpPが第2沈殿工程で用いる沈殿剤として最も適当であることがわかった。NNpPによるNp(IV, V, VI)の沈殿挙動の試験では、Np(VI)はU(VI)及びPu(IV)とともに定量的に共沈することが示された。U-Pu-模擬核分裂生成物の溶液による一連の工程の試験では、第1沈殿工程の後の濃縮工程が第2沈殿工程におけるPuの沈殿挙動に影響を与えていることが示唆された。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 川田 善尚; 森田 泰治; 菊池 俊明*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本研究では、沈殿法再処理システムにおけるUを選択的に沈殿させる第1沈殿工程用の低疎水性候補沈殿剤であるN-n-ブチル-2-ピロリドン(NBP)の線照射試験及び加熱試験を種々の条件で行い、その劣化機構について検討した。その結果、多官能性の劣化生成物が複数生成するため、これらがこれ以降の工程に与える影響について詳細に検討する必要があることが明らかとなった。
原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 菊池 俊明*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。沈殿法再処理システムにおいてU(VI)のみを沈殿させる第1沈殿工程におけるPu(IV)共沈抑制のため、種々のマスキング剤の候補沈殿剤N-n-ブチル-2-ピロリドン(NBP)への添加効果を、Pu(IV)を模擬したU(IV)を使用して検討した。その結果、N, N-ジメチルアセトアミド(DMA)等のモノアミド化合物の効果が大きいことが明らかとなった。
川崎 武志*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 菊池 俊明*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本システムにおけるピロリドン系沈殿剤の再利用に関し、U(VI)-ピロリドン系沈殿物からの沈殿剤成分回収法として、加熱による気化分離法について検討した。沈殿剤にはN-ブチル-2-ピロリドン(NBP)及びN-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP)を用いた。その結果、沈殿剤成分のほとんどを劣化させることなく回収でき、繰り返し使用できる見通しが得られた。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本システムにおける沈殿処理後の余剰沈殿剤の分解を、第1沈殿工程用の低疎水性候補沈殿剤であるN-n-ブチル-2-ピロリドン(NBP)を用い、9M硝酸溶液中での線照射により試みた。その結果、NBPが良好に分解すること、また分解生成物であるシュウ酸や酢酸等が残存するため、処理液の完全な無機化には分解条件をさらに最適化する必要があることが明らかとなった。
Kim, S.-Y.*; 森田 泰治; 川田 善尚*; 池田 泰久*; 菊池 俊明*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本システムは、Uの約70%を選択的に沈殿させる第1沈殿工程-濃縮工程-残りのU及びPuを共沈させる第2沈殿工程から構成される。本研究では、第2沈殿工程でのPu沈殿挙動に対する、濃縮工程での加熱,Pu濃度,u原子価等の各種条件の影響を明らかにした。その結果、第1沈殿工程の残留沈殿剤が加熱により分解し、その分解生成物が、第2沈殿工程の特にPu(IV)の沈殿率を低下させることがわかった。
菊池 俊明*; 近沢 孝弘*; 染谷 浩*; 森田 泰治; 池田 泰久*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本システムの工学的検討として、模擬FP入りのU溶液を用い、実機と同タイプの工学試験装置による沈殿及び沈殿洗浄分離試験を第1沈殿及び第2沈殿工程の運転条件にて行い、沈殿反応特性,装置の運転特性などを把握した。また得られた沈殿を用い、沈殿剤の蒸発回収と燃料化工程について基礎試験及び工学試験を行い、燃料加工性などを検討した。その結果、本システムの工学的な成立性に一定の見通しが得られた。
池田 泰久*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 菊池 俊明*
no journal, ,
「高選択・制御性沈澱剤による高度化沈殿法再処理システムの開発」の事業で実施した結果に基づき、高度化沈殿法再処理システムの導入効果を総合的に評価した。その結果、高度化沈殿法プロセスが再処理システムとして成立し得るものであり、FBR再処理システムの候補となり得ると判断された。