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神島 吉郎*; 横井 忍*
JNC TJ9410 2005-002, 113 Pages, 2004/11
本研究では、上下免震要素の周期変更に伴う影響(要素設計の柔軟性、設計合理化の可能性)に関する調査を行うとともに、機器上下免震システムの成立性検討及び機器上下免震方式のプラント建屋配置検討を行った。
貝瀬 興一郎*; 長田 博夫*
JNC TJ9400 2003-009, 183 Pages, 2003/03
サイクル機構では実機解析における予測精度向上や解析システムの精度検証等に資するため、臨界実験データベースの整備を実施している。その一環として英国のZEBRA臨界集合体で実施された高速増殖原型炉もんじゅのモックアップ臨界実験(MOZART実験)について最新の知見を反映して再評価を実施した。 主な成果は以下のとおりである。 (1)中性子スペクトル測定データの整理 これまで未整理であった炉心中心における中性子スペクトルの測定データを分析し、解析に必要なエネルギー構造や体系モデルの条件を明確にした。 (2)原子数密度データの改訂 従来の解析で無視していた不純物を考慮に加えるとともにJNCの標準解析手法を反映して原子数密度データを改訂した。その結果、臨界性についてC/E値の炉心形状への依存性が約0.4%kから約0.1%kに改善した。 (3)JFS-3-J3.2Rによる解析 70群炉定数JFS-3-J3.2Rを用いて基準計算値及び補正計算値を再評価しJFS-3-J3.2を用いた従来結果からの変化を分析した。 臨界性については従来の結果に比べ0.1%k小さくなった。これはJUPITER臨界実験に対する炉定数の改訂効果と整合している。 制御棒価値についてはB-10濃縮度への依存性が7%から1%に低減し、Naボイド反応度についてはC/E値が約10%改善した。これらについては炉定数の改訂効果以外に解析モデルの変更が寄与している。 補正値に対する炉定数改訂の寄与は無視できることを確認した。
神島 吉郎*
JNC TJ9410 2001-004, 291 Pages, 2002/04
機器上下免震構造概念(コモンデツキ方式)を実現するための研究開発の一環として、免震要素及びコモンデッキの設計手法に関する検討、及び試設計の結果について報告する。ます皿ばねの設計手法について、既往の規格類の比較調査を行った。調査結果に基づき、技術指針(案)の骨子を整理した。また、皿ばねの候補材であるSUP10及びSUP13を対象に、板厚及び外径の製作限界について調査した。免震要素として用いる大型皿ばねのための研究課題として、実大製作性の確認、設計式の適合性の検討、摩擦に関する検討、及び減衰要素の開発等を摘出した。機器上下免震装置の開発目標は、機器振動数 1.0Hz程度、減衰定数 20%40%となっている。 コモンデッキ総重量が 10,000tのプラントを対象として、皿ばねの試設計を行った。材料SUP10を用いる場合(板厚27mm,外径1.0m)、及びSUP13を用いる場合(板厚47mm,外径1.5m)について、免震要素の構造図とプラント配置図を作成した。 3次元免震装置開発用地震波に対する応答解析をした結果、適切な減衰と組み合わせることで、皿ばねを用いた免震装置によって、開発目標を達成する(設計が成立する)見通しを得た。コモンデッキ構造の振動特性について検討した結果、上下方向の応答は低減するとともにロッキング動を抑制するためには、デッキ自身の剛性確保と皿ばねの配置が重要であることが分った。また、コモンデッキ方式を採用することで安全設計や系統設計に影響が生じるが、現実的な範囲で対応が可能との見通しが得られた。
多田 恵子*; 白木 貴子*
JNC TJ9520 2001-002, 336 Pages, 2001/03
本研究は今後の遮蔽解析作業に備え、現状不足している入出力の処理コードやインタフェイスコードの整備を行い、ワークステーション(SUN,DEC)上に遮蔽設計のシステムを確立することを目的とする。遮蔽設計解析は1次元及び2次元Sn輸送計算コードを主体として、その入出力データを作成・編集する周辺コードを使用して行う。このうち、主要な輸送計算コードは原研のコードセンター等から容易に入手できる。ここでは現状不足している周辺コードに着目し、断面積やSn分点作成コード、計算結果の編集・作図コード等を整備した。また、原子炉本体まわり遮蔽解析では、炉心から原子炉容器周辺の生体遮蔽体を含む大体系を取り扱うため分割接続計算法が用いられる。複雑な遮蔽欠損部に対しては局所的に3次元コードの適用が試みられ、2次元計算と3次元計算の接続計算になることが多い。このような接続計算用として境界角度束変換コードも整備した。その他、使用頻度の高いSn分点セット、線量率換算係数、反応断面積等をデータベース化するとともに、代表的な問題をサンプル入力デ一夕としたコードの使用説明書を作成し、遮蔽設計の初心者にも使用しやすいシステムを整備した。
吉岡 直樹*; 岸田 雅子*; 山田 由美*
JNC TJ9440 2000-013, 80 Pages, 2000/03
本解析作業においては、新SWAT-1(SWAT-1R)での注水試験に対し、試験では計測が困難なナトリウム系内ボイド分布及び流速分布等を把握するため、SWAT-1R試験体系におけるCHAMPAGNEによる反応温度解析を実施すると共に、水ブロー解析における2相流モデル等の高度化を図るため、実機SG向けRELAP5/Mod2高度化検討を行った。これら作業の主要な結果は以下の通りである。(1)新SWAT-1試験体系におけるCHAMPAGNEによる反応温度解析i)水リーク率を600g/sとした場合の注水試験に対し、圧力損失係数、相間摩擦係数及び反応速度定数をパラメータとした解析を実施することにより、各解析パラメータが反応領域の拡がりに与える影響及びそのメカニズムを把握できた。ii)最適パラメータによる実験解析によりナトリウム系内ボイド分布及び流速分布等を予測した。これらは今後の実験計画の立案、結果の評価に役立つものと期待される。(2)実機SG向けRELAP5/Mod2高度化検討i)軽水炉のLOCA解析等で使用されているRELAP5/Mod2コードは、2流体2相流モデルを採用する等、熱流動モデルが精緻化されている。このコードを実機SGの水ブロー解析に適用するために必要なモデル改良項目を明らかにした。ii)これらの内、胴(ナトリウム)側モデルの設計とRELAP5/Mod2コードヘの組み込み作業を実施すると共に、改良コードによる試解析を行うことにより、追加モデルの基本機能を確認した。
小山 和也*; 菱田 正彦*
JNC TJ9440 2000-002, 90 Pages, 2000/03
動的信頼性評価プログラムDYANAの開発に資するため、プラント動特性解析コードSuper-COPDを用いて、緊急時に想定される事故シーケンスの解析を行った。本作業では、昨年度作成の解析モデル及び入力データを使用して、DYANA整備に必要な事故シーケンスのうち昨年度未実施のPLOHS(Protected Loss of Heat Sink)シーケンス9ケースについて、入力データ作成及び解析を行い、その結果を整理した。
大山 一弘*; 渡辺 収*; 小山 和也*
JNC TJ9410 2001-002, 93 Pages, 2000/03
FBRサイクル開発戦略調査研究では、従来から開発が進んでいる MOX燃料-ナトリウム冷却の高速増殖炉のみではなく、燃料については金属、窒化物等、冷却材についてはガス、水、鉛冷却等を組み合わせた種々の増殖炉概念についての比較検討が行われている。本作業では、技術的には考えられないが、影響の大きさの点で重要な事象である炉心崩壊事故を炉容器内で終息させるための事故後崩壊熱除去能力の解析を、開発戦略調査研究で候補として挙げられている種々の概念について行い、種々の増殖炉概念についての比較検討を安全面から行うことを目的としている。本作業では予備的評価として、燃料及び冷却材の違いが事故崩壊熱除去に与える影響の大きさを把握するため、実用化炉心候補と考えられる燃料/冷却材の概念(3種類の燃料(MOX,金属、窒化物)と4種類の冷却材(ナトリウム、鉛、水、炭酸ガス)の組み合わせについて、損傷炉心が体積した常態を想定し、継続して徐熱、保持の可能な堆積厚さを評価して比較検討を行った。なお評価には、DEBRIS-MDコードを1次元モジュール化したコードを使用した。 DEBRIS-MDコードは、ナトリウム冷却材向けに開発されたものであり、鉛冷却材、水冷却材及び炭酸ガス冷却材も解析対象とするため、別途、物性値データ及び熱伝導モデル式の修正を行い、解析に使用した。また、デブリ冷却用の流路構成を自由に選べる1次元フローネットワークコードを開発し、上記の1次元モジュール化したコードと結合することによって、炉容器内に堆積したデブリの状態を炉容器及び冷却系内の熱輸送とともに解析するコード「DEBNET」を整備した。さらに、DEBNETの基本的な解析機能を確認する目的で600MWe級の大型FBRを対象とした試計算を行い、妥当性を確認した。
関 雄次*; 田中 洋司*
JNC TJ9440 99-022, 67 Pages, 1999/03
FBR実証炉あるいは今後の高速炉の実用化においては、核燃料サイクルコスト低減に向けた高燃焼度化が指向されている。現在のPu需給状況から判断するに、当面、増殖性向上のニーズは小さいといえるが、2030年頃と想定されている高速炉実用化時代以降にはPu需給の変化により、増殖性への要求高まる可能性もある。このため、「高燃焼度、長期運転サイクル」を目指した実用化炉心のレファレンス炉心仕様に対して、運転開始以降に倍増時間短縮の要求があった場合に、燃料集合体仕様のみを変更することにより、この要求に対応できる見通しを得るための検討を行ったものである。レファレンス炉心(原子炉熱出力3800Mwtの富化度2領域均質炉心)において、取出平均燃焼度150GWd/t一定の条件で、倍増時間を短縮するための設計方策(炉心・燃料集合体仕様の変更案)について検討した。倍増時間短縮に有効な方策は、炉心インベントリを低減することと、軸方向ブランケット厚を増して増殖比を上げることであり、このために炉心高さを減じ、ガスプレナムも短縮して軸方向ブランケット厚を増し、炉心平均線出力を維持するように燃料ピン数/集合体を増加(ピン細径化)した。また、取出燃料平均燃焼度を一定に保つよう運転サイクル長を短かくした。サーベイ結果に基づき、倍増時間短縮に好適な炉心(倍増時間短縮炉心)として上記の397本ピン炉心を選定した。Pu富化度の微調整を行った上で、倍増時間短縮炉心の炉心特性を評価した。また、この倍増時間短縮炉心ベースに、炉心高さを変えずに軸方向非均質炉心にした場合の倍増時間を評価し、均質炉心とほぼ同じ倍増時間を得た。以上の検討から、運転開始以降に倍増時間短縮の要求があった場合に燃料集合体仕様のみを変更することにより、複合インベントリ倍増時間を30年程度に短縮できる見通しが得られた。
小山 和也*; 島川 佳郎*; 菱田 正彦*
JNC TJ9440 99-021, 276 Pages, 1999/03
動的信頼性評価プログラムDYANAの開発に資するため、プラント動特性解析コードSuper-COPDを用いて、緊急時に想定される事故シーケンスの解析を行った。本作業では、まず、緊急時特有の事故シーケンスを評価する上で必要になるガードベッセル、メンテナンス冷却系、オーバフロー系等の解析モデルを作成した。また、緊急時事故シーケンスを解析するための、プラント過渡応答解析の入力データを作成した。これらのモデル及び入力データを用いて、以下に示す事故シーケンスのプラント過渡応答解析を約70ケース行い、その結果を整理して、ニューラルネットワーク函数式作成のための入力ファイルを作成した。(1)PLOHS(Protected Loss of Heat Sink)シーケンス(2)LORL(Loss of Reactor Level)-Jシーケンス(1次ナトリウムオーバフロー系ナトリウム汲み上げ失敗)(3)LORL-Gシーケンス(1次主循環ポンプ主モータトリップ失敗)(4)LORL-Iシーケンス(1次アルゴンガス系隔離失敗)(5)1次主冷却系室換気装置による冷却
横堀 仁*; 長田 博夫*; 鈴木 勝男*
JNC TJ9440 99-014, 73 Pages, 1999/03
軽水炉プルサーマルの最近の動向を的確に把握し、FBR導入戦略の検討評価に適切に反映してゆく目的で、プルサーマルに関するMOX燃料装荷計画を調査した。MOX燃料部分装荷計画については、高浜3,4号における安全審査関連の情報を基に現状を整理した。MOX燃料全炉心装荷計画については、APWR、ABWRに関する関連委員会等での情報を基に整理した。これらの調査結果を基に、原電敦賀3,4号で計画しているAPWR及びAPWRプルサーマルに関してSRAC、ORIGEN等の公開コードを用いて炉心特性データを評価した。これら、調査検討結果は炉型シナリオ評価に反映される計画である。主な結果は下記の通りである。(1)既設プラントへの部分装荷計画及び新設プラントへの全炉心装荷計画の両者について国内外公開文献等の記載事項を調査・整理した。(2)APWRのウラン炉心並びに全MOX装荷炉心の2ケースについて燃料データを評価し燃料サイクルシナリオ検討用データとしてまとめた。
吉岡 直樹*; 岸田 雅子*; 長田 博夫*
JNC TJ9440 99-006, 340 Pages, 1999/03
高速炉蒸気発生器(SG)の設計基準リーク(DBL)の妥当性を確認するためには、実機SG条件でのナトリウム-水反応現象をより現実的に評価する必要がある。本作業においては、実機SGで想定されるナトリウム-水反応域の温度条件の検討を行うことを目的に、SWAT-3試験のナトリウム-水反応温度データの分析、及び、ナトリウムと水の化学反応を考慮した多成分-混相流モデルに基づく計算コード(CHAMPAGNE)の検証を実施した。主な結果は以下の通りである。(1)温度データの分析反応域の等温分布図を作成した。また、この結果に基づき反応域温度分布データの分析を行った。その結果、注水率/方向、水蒸気状態等各種パラメータが温度分布に及ぼす影響を概略把握できた。なお、作成した反応域温度分布データは貴重であり、今後も試験計画立案、モデルのチェック等に広く活用されることが期待される。(2)解析コードの検証水平方向リークを模擬したRUN1-13を試験解析することにより下記が判った。・水平方向リークに対しても、上方リークと同程度の精度で、温度の絶対値を評価できる。・リーク規模に応じて解析体系の奥行きを調整することにより高温領域の広さを模擬することが出来る。・高温領域の水平方向への拡がりの解析結果は、試験結果に比べて半分程度であった。注水状態の条件化が妥当でない可能性もあるが、基本的には2次元モデルであることに起因する。今後次元の影響がより小さくできる円筒座標等の適用を考える必要がある。また、水蒸気ジェットへのナトリウムの混入モデルについて検討が必要である。(3)反応域温度条件の検討主に試験データの分析結果を基に実機での反応域温度条件について検討した。この結果は以下のとおりである。・反応温度は、定格出力運転時、蒸気出口(管束上部)で最も高くなることが考えられる。蒸発器ではRUN19の蒸気及びナトリウム温度条件に近いことから約1170程度と予想される。・10%給水運転時の管内水はサブクール状態であり、RUN17の条件と近いことから約1100以下となることが予想される。・ただし、カバーガス圧の影響及び試験では模擬できなかったナトリウム流動の影響については現状断定はできないため、今後も試験による確認或いは理論・解析面からの検討が必要である。
小山 和也*; 千歳 敬子*; 島川 佳郎*; 竹内 恵子*
PNC TJ9678 98-009, 61 Pages, 1998/03
「常陽」MK-III炉心においてSASS炉内試験を実施することを想定し、試験時に何らかの異常事象(「運転時の異常な過渡変化」或いは「事故」)が発生した場合の炉心安全解析を行った。主な成果は下記のとおりである。(1)何らかの異常事象が生じた際にSASS試験体が炉内に落下することを想定した場合の解析結果より、次の2点が明らかとなった。(a)SASS試験体の落下するタイミングについては、起因事象発生と同時にSASS試験体の落下を想定する場合が最も厳しい。(b)SASS試験体の落下による投入反応度の上限は、熱設計基準値を判断基準とすると約7¢である。(2)SASS試験体が落下して炉心に正の反応度が投入され、原子炉出力が上昇したままで運転が継続される場合を仮定し、この状態で何らかの異常事象が重なることを想定すると、炉心の燃料、被覆管及び冷却材の最高到達温度が厳しくなることから、SASS試験体の落下による原子炉出力の上昇幅を適切に抑制する必要があることが明らかとなった。
小山 和也*; 島川 佳郎*
PNC TJ9678 98-008, 125 Pages, 1998/03
昨年度実施した「『常陽』安全特性試験のための動特性解析」の成果を踏まえ、「安全特性試験のサーベイ計算」及び「反応度成分同定試験の計算」を実施した。「安全特性試験のサーベイ計算」では、MK-III炉心でULOF事象及びUTOP事象の模擬試験を行うことを想定し、今後、詳細検討を行ってその不確かさを低減して行くべき因子を明らかにすることを主たる目的したサーベイ解析を行った。限られ解析ケース数で、なるべく多くの情報が得られるよう、解析に当たっては実験計画法に基づいて各パラメータの組合せを定め、燃料、被覆管及び冷却材の最高到達温度、フィードバック反応度等に対する各パラメータの影響を定量的に把握した。その結果、ULOF事象、UTOP事象いずれにも重要な項目として炉心湾曲反応度量、ULOF事象に重要なものとして被覆管によるペレット拘束の有無、UTOP事象に重要なものとして燃料膨張係数が摘出された。また、ULOF事象のシステマティックな評価より、制御棒と燃料の相対位置変化による反応度の時定数、炉心湾曲反応度時定数等のパラメータについて、それらの影響が定量的に評価された。「反応度成分同定試験の計算」では、論理的に実施可能な静的試験の試験方法を網羅的に摘出し、摘出した8通りの試験と「常陽」運転特性試験(出力係数、等温係数及び流量係数の測定試験)、フィードバック反応度特性試験等との対応関係を明らかにした。また、これらの静的試験で群分離された反応度成分をさらに少数群に絞り込むためのデータ処理方法として、「繰り込み法」並びに「相互比較法」について検討した。さらに、炉心湾曲反応度、燃料膨張反応度計算における被覆管によるペレット拘束の有無の2点に関する情報を得ることを目的とした静的試験を想定し、「繰り込み法」の考え方に基づいてその有効性を検討した。その結果、静的試験により、これら2点に関する有用な情報を得ることが可能との見通しを得た。また、MK-II炉心における静的試験のデータに基づいて「相互比較法」の考え方に基づく分析を試みた。その結果、フィードバック反応度特性試験データに基づく回帰係数と出力係数、温度係数、流量係数との間には、それぞれの試験条件の違いに相当する差が生じている解釈できる分析結果が得られていることから、反応度成分同定に資する情報を得る手段としての「相互比較法」の有効性を確認でき
岸田 雅子*; 内田 正治*; 吉岡 直樹*
PNC TJ3678 98-001, 206 Pages, 1998/03
平成4年度からこれまで、システムの簡素化と受動的安全性を重視した先進的なATRプラント概念の構築を目指し、従来のATRをベースに「ATRの特徴を活かす炉心冷却アイデア」を取り入れた要素技術の検討が実施されてきた。本研究ではこれまでの要素技術検討をまとめ、プラント構想、事故シナリオ、主要システム概念、格納容器(配置を含む)について検討し、安全性を向上した、合理的な中小型ATRパッシブ安全炉PS-ATR(以下PS-ATRと称する)のプラント概念を構築した。1要素技術の検討1)1000MWt自然循環型ATR原子炉・冷却系のシステム概念を構築した。2)受動的余熱除去機能を有する重水冷却系のシステム概念を構築した。2プラントシステム概念の構築1)原子炉本体は、上部よりの燃料交換方式として、格納容器の下部に設置したパッシブな安全系により原子炉本体が水づけにできるように、事故後の炉心冷却を確保できるようにした。2)原子炉冷却系は、自然循環型再循環方式とした。ただし、PS-ATRでは2ループとする利点が少ないため、システムが簡素化できる1ループ構成として、環状の蒸気ドラム、下部ヘッダを採用してスペースの有効利用をはかる方式とした。3)安全系の構成は、崩壊熱の除去、炉心への注水がパッシブなシステムで可能なようにして、電源喪失、小漏洩、大漏洩等の事故時のシナリオを検討して容量の設定、システムの成立性を確認した。以下にその構成を示す。ギャップ注水系+静的重水冷却系(崩壊熱除去機能)自動減圧系(減圧機能)蓄圧タンク注水系(注水機能)重力注水系(注水機能)原子炉格納容器冷却系(C/V圧力減圧、崩壊熱除去機能)4)以上の概念の格納容器内配置を検討して配置概念図を作成した。
小山 和也*; 島川 佳郎*
PNC TJ9678 98-010, 146 Pages, 1998/02
SASS単体照射試験時に異常事象が発生し、SASS試験体が落下して炉心に正の反応度が投入されることを想定した安全解析を行い、安全評価の判断基準を満足する投入反応度量の範囲を明らかにした。試験体落下時の投入反応度量の制限は、試験体の設計や試験条件に係わるいくつかの要件(SASSの設定値、温度感知合金の時定数等)の不確かさに大きく依存している。これらの要件に関する不確かさのレベルごとに、投入反応度量の制限値と明らかにすべき事象を整理した。また、安全審査のバックアップとして、第1信号による原子炉スクラムに失敗した場合の事象推移を他のスクラム信号やインタロック動作等を含めて検討し、その結果を踏まえて各事象の安全確保のシナリオを整理した。その結果、TOP型事象に関するスクラム信号の多様性が不足していること、LOHS型事象については余裕が大きいこと、SASSはLOF型事象については有効性であるが、TOP型事象については無効と考えられること等が明らかとなった。さらに、MK-III炉心にSASSを導入した場合の解析を行い、安全特性試験の安全性の向上並びに試験条件の拡大の可能性について概略検討した。その結果、ULOF事象については、試験の安全性を高めて試験条件の範囲を拡げる手段としてSASSの導入は有望と考えられるが、燃料の健全性を維持しつつ試験の継続を図る手段としてSASSの導入を図ることは有効とは考えられないことが示された。また、UTOP事象については、緊急時の炉停止手段としてSASSの導入は有効な手段とはならないことが示された。
長田 博夫*; 河北 孝司*; 池田 一三*
PNC TJ9678 98-003, 65 Pages, 1998/01
本作業では、将来、濃縮ウランの入手が困難となって時の対応策を検討するため、「常陽」MK-III標準炉心を対象として、ウラン濃縮度を低減させた場合の炉心特性を計算した。(1) ウラン濃縮度低減炉心の仕様選定Pu富化度、炉心スタック長及びPu同位体組成比をパラメータとし、濃縮ウランの入手性の観点から、炉心燃料の235U濃縮度を現行の18w/oから10w/o以下、あるいは軽水炉並みの5w/o以下とできる炉心の仕様をサーベイした。その結果、下記のケースにおいて、現行のMK-III標準炉心と同等の核特性を有する炉心を構成できることがわかった。ケース1:外側炉心のウラン濃縮度7.9w/o,Pu富化度35w/oケース2:外側炉心のウラン濃縮度5.0w/o,Pu富化度36.8w/oケース3:兵器級のPu同位体組成比でPu富化度29.8w/o,ウラン濃縮度6.6w/oいずれもスタック長は50cmとした。(2)ウラン濃縮度低減炉心に関する核計算(1)で設定した各ケースの炉心特性を計算し、その結果をMK-III標準炉心と比較した。主な結果を以下に示す。・平衡末期にMK-III標準炉心と同等の臨界性が確保された。内側炉心・外側炉心の最大線出力が同じになるように調整した結果、最大線出力は414W/cmから415W/cmになった。・要素最高燃焼度は、8.910の4乗MWd/t以下となった。・最大高速中性子束は増大し、平衡炉心末期で4.210の15乗/cm2乗sとなった。・中性子束スペクトルはいずれのケースも低エネルギー側にわずかにシフトした。・兵器級Puを使用したケースと他のケースで炉心特性に大差はなかった。取出し時に240Pu及び242Puの同位体組成比が約2倍に増加し、Pu重量が約1415%減少した。
吉岡 直樹*; 長田 博夫*; 岸田 雅子*
PNC TJ9678 98-002, 160 Pages, 1997/12
蒸気発生器(SG)の安全性評価上重要な課題と考えられている伝熱管の過熱型破損事象に関する研究が進められている。この事象では伝熱管内の除熱効果が評価結果に大きな影響を及ぼすことから、通常運転時及び水ブロー中を含めて水蒸気系の挙動を詳細評価して、除熱条件を定めることが重要である。本作業では"その1"作業に引き続き過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることを目的に、主に水蒸気系の設備仕様や運転条件をパラメータにしたBLOOPHコードによる水ブロー解析、及び、反応熱を考慮した水側状態量の補正を行った。また、BLOOPHコードによる解析の妥当性を確認するため、汎用熱流動解析コードRELAP5/Mod.2による水ブロー解析を行った。これら作業により以下の結果が得られた。(1)放出弁容量等を変更した場合のブロー特性の変化を把握できた。(2)過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることが出来た。(3)Na-水反応による加熱伝熱管を考慮したRELAP5による解析結果との比較から、この加熱を考慮しない伝熱管モデルのBLOOPHによる解析は、ブロー時のSG全体の熱流動挙動把握のためには妥当であるが、加熱部でのブロー開始後初期の流量を若干大きめに評価することが判った。(4)放出弁条件を変えても、RELAP5とBLOOPHの解析結果は圧力及び流動挙動に関して、概ね一致することが確認できた。特に、伝熱管内水/蒸気極低流量域が同様に発生することがわかった。(5)今後、実機で予定されているブロー試験の結果により、これら解析結果の妥当性を最終的に確認すると共に、必要なモデル改良による解析精度の向上が必要である。
吉岡 直樹*; 長田 博夫*; 岸田 雅子*
PNC TJ9678 98-001, 294 Pages, 1997/09
蒸気発生器(SG)の安全性評価上重要な課題と考えられている伝熱管の過熱型破損事象に関する研究が進められている。この事象では伝熱管内の除熱効果が評価結果に大きな影響を及ぼすことから、通常運転時及び水ブロー中を含めて水蒸気系の挙動を詳細評価して、除熱条件を定めることが重要である。本作業では過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることを目的に、主に水蒸気系の設備仕様や運転条件をパラメータにしたBLOOPHコードによる水ブロー解析、及び、反応熱を考慮した水側状態量の補正を行った。また、BLOOPHコードによる解析の妥当性を確認するため、汎用熱流動解析コードRELAP5/Mod.2)による水ブロー解析を行った。これら作業により以下の結果が得られた。(1)放出弁容量等を変更した場合のブロー特性の変化を把握できた。また、ブロー途中に伝熱管内で発生する可能性のある極低流量の継続時間を短縮する方法を見い出した。(2)放出系容量の最適設計手法を案出した。(3)過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることが出来た。(4)同じ解析課題に対するBLOOPHとRELAP5/Mod.2の解析結果は、圧力及び流動挙動に関し、概ね一致した。このことによりBLOOPHコードによる解析の妥当性が確認された。(5)BLOOPHコードの解析精度の確認、向上のために必要な開発課題が明かとなった。
町田 秀夫*; 神島 吉郎*
PNC TJ9678 97-010, 184 Pages, 1997/03
経済性の追及、及び設計の標準化を目的に免震プラントの設計が進められている。建屋水平免震を前提とし、大型皿ばねを用いた機器上下免震構造の成立性を確認することを目的に主要な項目に関して検討した。本報告書は、その検討結果をまとめたものである。今年度は、上下の固有振動数が1Hzとなる免震システムを対象として、免震要素、減衰装置の検討を行い、この成果に基づいて非線形応答を評価した。また、免震要素に用いる皿ばねについて、要素特性試験及び材料試験を実施した。 検討の結果を以下にまとめる。 (1)免震要素に用いる皿ばねの構造の見直しを行い、合理化を図った。 (2)地震時の荷重に対する免震要素の支持構造の健全性を確認した。 (3)実機に適用する鉛ダンパとして型ダンパを選定した。 (4)鉛ダンパの非線形特性を考慮すると、応答変位は線形解析結果より低下する。しかし、大きな減衰率を目標として多数の鉛ダンパを使用すると、鉛ダンパの1次剛性の影響で、かえって加速度応答が増加する傾向が見られた。 (5)コモンデッキ上の重量の片寄りが生じた場合でもロッキング変位は小さく、原子炉容器内スロッシング波高も問題とはならない。 (6)皿ばね単体及び要素としての変位-反力特性を確認した。変位の大きい領域で、皿ばねの支持部とのかじりと思われる反力の増加が見られた。このかじりを避けることが設計上重要な課題である。
小山 和也*; 島川 佳郎*
PNC TJ9678 97-005, 96 Pages, 1997/03
「常陽」MK-III炉心を用いた安全特性試験実施に向けて、MK-IIIプラントの全系を模擬する動特性解析モデルを作成した。将来の安全特性試験の試験計画策定や試験後解析・評価への適用を念頭に置いて、本モデルは、特に、反応度フィードバックモデルを中心に詳細化し、整備した。また、プラント動特性解析コード"SUPER-COPD"を用いて、MK-III標準平衡炉心における典型的なATWS(異常な過渡変化時スクラム失敗)の条件を模擬した解析を行い、作成した解析モデル及び入力データの妥当性を確認した。さらに、静的及び動的反応度成分同定試験を模擬した解析を実施し、「常陽」において有効と考えられる反応度成分同定試験の試験項目を摘出した。その結果、静的反応度成分同定試験により燃料軸方向膨張反応度、炉心支持板膨張反応度、制御棒・炉心相対変位反応度等を分離できる可能性があることが分かった。一方、現有設備ではステップ状のプロセス量変化を実現することが困難であることから、動的反応度成分同定試験により全反応度の変化から応答時定数の異なる反応度成分を分離して測定するためには、ステップ状の外乱を与えるという試験の手法を見直す必要があることが分かった。