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浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
DMFC用電解質膜では、メタノールに対する膨潤抑制や透過抑制を膜に付与することは電池特性の長期安定性を確保するうえで重要な課題である。本研究では、メタノール透過性の抑制を目的に、ゾル-ゲル法を利用し、電解質膜中にSiOナノ粒子を導入した新規な電解質膜を合成し、その特性について検討した。放射線グラフト重合反応を利用してETFE膜を基材としたMeSt, tBuSt, BVPE, DVBからなる4元系電解質膜を作製した。この電解質膜中にテトラエトキシシラン溶液を含浸後、ゾル-ゲル反応によりハイブリッド型電解質膜を合成した。7%のSiOナノ粒子が導入された電解質膜のメタノール透過特性を80Cの温度下,30vol%メタノール濃度で検討したところ、メタノール透過係数はナフィオンに比べ、ハイブリット電解質膜では、1/14まで抑制することができた。
吉田 勝; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素系高分子の場合、紫外線によってフッ素原子が引き抜かれ、グラフト重合の開始に必要な炭素ラジカルを形成するだけのエネルギーを持たないため、光グラフト重合は不可能とされていた。しかし、水と溶媒の混合系に疎水性のビニルモノマーを懸濁させ、得られたモノマー溶液中にフィルムを浸漬した状態で紫外線を照射したところ、光グラフト重合が起こることがわかった。グラフト鎖が膜表面から膜断面を貫通したかどうかを確かめるため、グラフト膜をスルホン化し、電解質膜とした。この電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度を測定したところ、低グラフト率にもかかわらずナフィオンを凌駕するプロトン伝導性能を発現したことから、効率的にグラフト鎖が膜を貫通したことが確認できた。この結果は、膜内に分布しているスルホン酸基中の硫黄元素のX線マイクロアナライザーによる観察からも示唆された。さらに、比較のため、部分フッ素系高分子であるエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)やフッ化ビニリデン(PVDF)についても検討した。
木村 祥亮*; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 片貝 良一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
イオンビームにより形成される潜在飛跡領域と基材表面層に選択的にグラフト鎖を導入することを目的に、基材表面にのみラジカル生成が可能な光グラフト(UV法)と基材内部にまでラジカル生成が可能な線グラフト(法)を利用することで、寸法変化を抑制した高プロトン伝導性電解質膜の作製を目指した。ETFE膜に129Xeイオン(3.5MeV/n)を照射した膜に、UV法と法によりStを後グラフト重合した後、スルホン化し電解質膜を作製した。同程度のを持つ電解質膜の含水率を尺度とした寸法変化に及ぼす影響を検討したところ、UV法に比べて法の含水率は約1/2にまで抑制された。法における電解質膜の含水抑制は、アルコール系溶媒が基材内部にまでラジカルが存在するにもかかわらず、表面化学修飾にのみ作用したためと結論した。一方、UV法の場合、グラフト鎖は基材全体に導入されるため高い含水率を示したと考えた。