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迫田 晃弘; 河野 恭彦; 片岡 憲昭*; Andresz, S.*
保健物理(インターネット), 54(3), p.181 - 187, 2019/10
2018年、国際放射線防護学会(IRPA: International Radiation Protection Association)の枠組みにおいて、放射線防護や関連分野の研究および技術的業務に従事する若手を対象にした国際的ネットワーク(IRPA YGN: IRPA Young Generation Network)が創設された。本稿では、この取り組みを紹介する。
中川 清子*; 田口 光正; 木村 敦; 長澤 尚胤; 廣木 章博
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 334, p.64 - 68, 2014/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.31(Instruments & Instrumentation)重粒子線治療に利用可能な3次元ポリマーゲル線量計の開発の一環として、マレイミド-スチレン溶液で膨潤した、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ゲルへの重イオン照射によるLET効果について調べた。TIARA施設において、透明なHPCゲル試料に20MeV Hイオン(LET=2.2eV/nm)、107MeV Heイオン(7.1eV/nm)、50MeV Heイオン(13eV/nm)、320MeV Cイオン(75eV/nm)を照射したところ、白濁化が観測された。この白濁化の感度(単位線量当りの吸光度の増加率)はLET値の増加に伴い減少した。白濁成分についてGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)分析したところ、数平均分子量40,000から45,000の高分子の生成が確認され、分子量は照射イオンのLET値にはほとんど影響を受けなかった。以上の結果から、白濁化のLET依存性は、LETの増加に伴い照射初期に生成した活性種の密度が高くなり、ラジカル再結合により消滅したことが原因と考えられる。また、再結合反応を逃れた活性種は一定回数重合し、白濁成分を生成すると考えられる。
中川 清子*; 田口 光正; 木村 敦
Radiation Physics and Chemistry, 91, p.143 - 147, 2013/10
被引用回数:3 パーセンタイル:25.83(Chemistry, Physical)マレイミドとスチレンの共重合体の生成メカニズムと、その溶媒効果を明らかにすることを目的に、窒素飽和したマレイミド及びスチレンを含むメタノール,エタノール、及び2-プロパノール溶液に、電子線及び炭素イオンを照射し、生成する共重合体の収率に与える影響について調べた。その結果、溶媒のラジカルを起点とした重合によりマレイミド-スチレン共重合体が生成し、その共重合体の生成収率は、1MeV電子線及び320MeV炭素イオン照射において、メタノール(2.45及び1.85mg/mL/kGy), エタノール(4.41及び3.16mg/mL/kGy), 2-プロパノール(4.77及び3.67mg/mL/kGy)の順に増加した。これは、マレイミド-スチレン共重合開始反応に寄与する溶媒ラジカルの反応性が、メタノール,エタノール,2-プロパノールの順に増加するためと考えられる。また、LET値の高い炭素イオン(600eV/nm)の共重合体の生成収率は、LET値の低い電子線(0.2eV/nm)より低くなることがわかった。
中川 清子*; 田口 光正; 木村 敦
Radiation Physics and Chemistry, 80(11), p.1199 - 1202, 2011/11
被引用回数:6 パーセンタイル:44.45(Chemistry, Physical)マレイミドとスチレンの共重合体の生成メカニズムと、その線質効果を明らかにすることを目的に、窒素飽和したマレイミド及びスチレンを含む2-プロパノール溶液に、異なるLET値(0.2600eV/nm)を持つ電子線、プロトン,ヘリウムイオン、及び炭素イオンを照射し、生成する共重合体の収率及び分子量に与える影響について調べた。その結果、溶媒のラジカルを起点とした重合によりマレイミド-スチレン共重合体が生成し、その共重合体の生成収率は、イオンビームの照射電流値を一定とした場合には、LET値の増加に伴い3.7g/L/kGy(プロトン)から0.7g/L/kGy(炭素イオン)に減少することがわかった。さらに、その共重合体の分子量も同様にLETの増加に伴い57100から44500に減少した。また、いずれのイオン種においても照射線量率を下げた場合には、生成収率,分子量ともに増加することがわかった。以上の結果より、共重合体の生成収率及び分子量が、放射線照射によって生成するラジカルの空間分布や生成速度に影響を受けることを明らかにした。
中川 清子*; 田口 光正; 広田 耕一; 村上 健*
Radiation Physics and Chemistry, 79(8), p.890 - 893, 2010/08
被引用回数:3 パーセンタイル:24.16(Chemistry, Physical)重イオンの線質・線量率効果を解明することを目的に、窒素飽和により脱酸素したヒドロキシマレイミドの2-プロパノール溶液試料に、2から400eV/nmのLET値を有するHe, C及びNeイオン照射を行った。ヒドロキシマレイミドの分解G値(収率)は、LET値が8eV/nmより小さい場合には線で得られている値(0.78)ものよりもやや低い値(0.65)を示すものの、LETが増加するに伴い0.02程度にまで減少した。さらに、同じLET値で比較した場合ではイオン種が重くなるほど小さくなった。また、5.010ions/cm/s程度のフルエンス率でイオン照射した場合と比べ、フルエンス率を一桁下げると分解G値は約1.5倍大きくなり、線量率依存性が観測された。以上、重イオン照射によって生成する活性種の空間及び時間分布が反応収率に大きく関与することを明らかにした。
中川 清子*; 太田 信昭*; 田口 光正
no journal, ,
ヒドロキシマレイミドを2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、線あるいは重イオン照射し生成物収量を調べた。線照射でのヒドロキシスクシンイミド(HSI)生成のG値は0.3であった。エネルギーの異なるHe及びCイオンを照射したところ、LETの増加に伴いHSI生成の微分G値が減少することがわかった。一方、溶媒にメタノールを使用した場合には、HSI生成の微分G値は0.02程度で、ほとんどLET依存性を示さなかった。このことから上記2種類のアルコール溶媒中でのヒドロキシマレイミドの分解機構が異なることが推測される。
中川 清子*; 田口 光正; 太田 信昭*; 広田 耕一
no journal, ,
ヒドロキシマレイミド(HMI)を2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、大気圧条件で50MeV又は、100MeV Heイオン,220MeV Cイオン及び350MeV Neイオンを照射した。試料への入射エネルギーはセルの上部に150-1000mのアルミ箔を置くことで任意に減衰させた。照射後の試料はHPLCにより定性・定量分析を行った。HMIの分解率から見かけ上の分解収率を求めた。分解収率は入射エネルギーが増加するに従い増加した。この分解収率から分解の微分G値を求めたところ、微分G値はいずれのイオン種においてもLETの増加に伴い減少した。また、Heイオンで見られる微分G値のLET依存性カーブとCやNeイオンのカーブは重ならなかった。これは照射イオンの核種による効果が観測されたものである。
中川 清子*; 太田 信昭*; 広田 耕一; 田口 光正
no journal, ,
ヒドロキシマレイミドを2-プロパノール中で線及びイオン照射(Ne-350MeV, C-220MeV, He-100MeV, He-50MeV)した。試料へのイオンの入射エネルギーはセルの上部に150-1000mのアルミ箔を置くことで任意に変化させた。生成物を質量分析したところ、溶媒分子のラジカルが付加した化合物が生成することがわかった。また、分解のG値のLET依存性を調べたところ、いずれのイオン種においてもLETの増加に伴い減少したものの、Heイオンでは、CイオンやNeイオンなどの重イオンとは減少率が異なり、イオン種効果があるものと考えられる。
中川 清子*; 田口 光正; 太田 信昭*; 広田 耕一
no journal, ,
窒素飽和したプロパノール中ヒドロキシマレイミドに50あるいは100MeV Heイオンを照射した。試料への入射エネルギーはセルの上部にアルミ箔を置くことで任意に減衰させた。照射後の試料はHPLCにより定性・定量分析を行った。空気飽和した場合と比べて窒素飽和条件ではヒドロキシマレイミドの見かけ上の分解率は3-5倍大きかった。これは溶存酸素が溶媒ラジカルのヒドロキシマレイミドへの付加反応を邪魔しているためと考えられる。また、重イオン照射した場合の分解収率は線照射したときに得られる分解収率よりも小さかった。
中川 清子*; 太田 信昭*; 田口 光正; 広田 耕一
no journal, ,
窒素飽和したプロパノール中ヒドロキシマレイミド(HMI)に線照射した場合、溶媒分子のラジカルがHMIに付加した化合物やダイマーが生成することが知られている。そこで、この溶液に50あるいは100MeV Heイオンを照射し、LET効果について調べた。試料溶液への入射エネルギーはセルの上部にアルミ箔を置くことで任意に減衰させた。照射後の試料は液体クロマトグラフにより定性・定量分析を行った。空気飽和した場合と比べて窒素飽和条件ではHMIの見かけ上の分解率は35倍大きかった。これは溶存酸素が溶媒ラジカルのHMIへの付加反応を邪魔しているためと考えられる。また、重イオン照射した場合の分解収率は線照射したときに得られる分解収率よりも小さかった。
榎本 一郎*; 添田 心*; 池田 重利*; 工藤 久明*; 勝村 庸介
no journal, ,
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は軽量で耐衝撃性等に優れているため、産業資材として多方面で利用されているが、各種材料との接着性が悪く表面改質が必要となる。放射線グラフト重合は、UHMWPE等の表面改質に効果的であるが、照射による分子鎖の切断やラジカル生成に伴う酸化によって材料の特性が低下する場合がある。照射の影響はおもに非結晶領域で生じ、結晶領域での影響は少ないと考えられているが、DSCやXRD等を利用した研究で、結晶構造への照射影響が報告されている。結晶構造の変化は特に物性への影響が大きいが、モノマーが非結晶領域に取り込まれて成長するグラフト重合においても影響が生じる。本研究では、グラフト重合に影響を及ぼす表面領域(100m程度)を対象として、照射によるUHMWPEの微細構造の変化について検討した。FT-IRやDSC, XRD, ESRによる分析から評価を行った。
榎本 一郎*; 添田 心*; 勝村 庸介; 工藤 久明*
no journal, ,
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は化学的に不活性であり、耐衝撃性や耐摩耗性に優れているため、工業資材や生体材料として広く用いられてきた。しかし、ポリエチレン鎖に反応基がなく、表面エネルギーが低いため、UHMWPEは疎水性で粘着性の低い表面を有し、染色性も低い。そこでこれらの特性を改善するために表面の改質が利用されてきた。特に放射線グラフト重合は改質した表面を長期間維持できる点で優れている。本研究ではUHMWPEへのアクリル酸(AA),メチルメタクリル酸(MMA),スチレン(St)の放射線グラフト重合による表面改質やその反応機構について調べた。
榎本 一郎*; 勝村 庸介; 工藤 久明*; 添田 心*
no journal, ,
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は化学的に不活性であり、耐衝撃性や耐摩耗性に優れているため、工業資材や生体材料として広く用いられてきた。しかし、ポリエチレン鎖に反応基がなく、表面エネルギーが低いため、UHMWPEは疎水性で粘着性の低い表面を有し、染色性も低い。そこでこれらの特性を改善するために表面の改質が利用されてきた。特に放射線グラフト重合は改質した表面を長期間維持できる点で優れている。本研究ではUHMWPEへのアクリル酸(AA),メチルメタクリル酸(MMA),スチレン(St)の放射線グラフト重合による表面改質やその反応機構について調べた。特に、ヒドロペルオキシド(ROOH)の放射線グラフト重合における前駆体としての働きについて検討した。
榎本 一郎*; 勝村 庸介; 添田 心*; 藤代 敏*
no journal, ,
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は軽量で強度が非常に強いことから、釣り糸やロープなどの繊維材料としての需要が高くなっている。しかし表面エネルギーが低く疎水性のため接着性や染色性に欠ける。このため表面処理による改質が広く行われている。放射線グラフト重合法は表面処理の効果を長期間維持する点において非常に優れている。放射線によるグラフト重合では、照射によって生成したラジカルを開始剤として利用するが、一般にラジカルの寿命が短く、設備等の条件がかかわってくる。一方、酸化生成物からの分解によって生成するラジカルを開始剤としたグラフト重合法は、取り扱いが容易で実用的である。本研究では放射線照射によって種々のラジカルが混在するUHMWPE試料に対して、グラフト重合に最も影響を与えるラジカル種を特定するとともにそのメカニズムについて検討した。ラジカルや酸化物の分析にはESRやFT-IRを使い、グラフト重合の効果は染色によって評価した。