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片山 寿人*; 北村 治滋*; 森 真理*; 中川 淳也*; 吉田 貴宏*; 河合 敏彦*; 長谷 純宏; 田中 淳
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 94, 2007/02
滋賀県では、窒素による琵琶湖の富栄養化が重大な問題となっており、そのうち16%が農業排水からの流入と見積もられている。本研究では、イオンビーム突然変異技術を利用した少肥栽培向き水稲育種を目指し、水稲玄米に炭素イオンビームを照射した個体における生育への影響を調査した。供試材料は、滋賀県で育成した水稲品種「秋の詩」及び「大育1743」を用いた。イオンビーム照射区では、茎長と穂数に変化が認められたが、大きな形態変異が認められなかったことから、限定的な遺伝子の変異であると考えられた。今後は、穂数を指標にして変異体を選抜し、さらに窒素吸収能や窒素利用率が高い変異体を選抜する予定である。
日野 耕作*; 北村 治滋*; 片山 寿人*; 森 真理*; 川村 容子*; 中川 淳也*; 吉田 貴宏*; 長谷 純宏; 田中 淳
no journal, ,
少肥料(低窒素)栽培で安定した収量が得られる少肥料栽培向きイネ品種を開発することは、琵琶湖の富栄養化防止や持続可能な農業の実現に貢献すると期待される。そこでわれわれは、他の変異原と比較して有用形質を損なわずに変異を誘発できると考えられているイオンビームを滋賀県育成品種「秋の詩」の玄米に照射して窒素利用効率に関する遺伝変異を拡大し、有用変異体を作出することを試みている。これまでに、突然変異体を選抜するための最適線量を発芽率及び稔実率を指標に検討し、40Gyが「秋の詩」の突然変異体作出には適当であることを明らかにした。ここでは2005年から2007年にかけて実施した40Gy照射M1世代の自殖個体(M2)及びその後代(M3・M4)を少肥料施肥条件でほ場栽培試験した結果及び2008年に栽培試験した選抜系統(M5)の特性について報告する。