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山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦
Parallel Computing; On the Road to Exascale, p.361 - 369, 2016/00
被引用回数:1 パーセンタイル:43.34(Computer Science, Hardware & Architecture)本発表では簡単な演算を高速に実行できるアクセラレータ(補助演算装置)の1つであるGPUを用いてハバードモデルの計算に現れる固有値問題を高速に計算する手法について発表する。特筆すべき成果は、ハバードモデルの物理的性質、およびGPUの構造を考慮してデータの格納形式や計算方法を考案したところ、GPUで一般的に利用されている計算方法よりも約2倍高速に計算できることを実際のGPUを利用した計算から示したことである。さらに、6コアのCPUを用いた並列計算と比較しても、23倍高速に計算できることを確認した。この成果は、今後高性能計算において主流になると考えられているアクセラレータを利用した計算機の有効利用に資する成果である。
中村 博樹; 町田 昌彦
Physica C, 484, p.39 - 42, 2013/01
被引用回数:10 パーセンタイル:43.41(Physics, Applied)最近、発見されたCa-Fe-Pt-Asからなる超伝導体は30K以上の高い転移温度を示している。しかし、この物質の詳しい電子状態や格子振動については、いまだよくわかっていない。本発表ではこの物質に対する、第一原理計算による電子状態等の詳細な調査を報告する。結果としては、Ptの電子の影響が見られるものの、Feの電子状態や格子振動は他の鉄系超伝導体と変わらないものであることがわかった。このことから、この物質も他の鉄系超伝導と同じ超伝導発現機構を持っていることが推測できる。この得られた知見は、鉄系超伝導体の超伝導発現機構の解明に一つのヒントを与える一方、本研究のような高精度な電子状態予測研究は、広く原子力分野の機能材料研究に貢献することができる。
町田 昌彦; 中村 博樹
Physica C, 484, p.43 - 45, 2013/01
被引用回数:1 パーセンタイル:4.97(Physics, Applied)現在、エネルギー機能材料として超伝導体が注目されているが、本講演では、2008年に発見された新しい高温超伝導体である鉄系超伝導体の母物質の基底状態について、第一原理計算を行った結果について報告する。鉄系超伝導体では、母物質の磁性を計算により、十分に再現できないことが問題となってきたが、本研究の成果として、この再現が可能となったこと、そして、その可能となった状態をより詳細に調べた結果、鉄の持つ軌道が秩序化すること、そして、電荷プロファイルが大きな4重局モーメントを持つことなどが判明し、これまで、実験において謎とされたきた事実さえも、説明できることがわかってきた。講演では、これらの結果を発表すると同時に、この結果から考えられる超伝導機構について議論したい。なお、本研究はCREST(科学技術振興機構)受託研究の枠組みの下、超伝導機構解明のための成果であるが、広く原子力構造材料、特に鉄の持つ磁性を基礎とした材料物性の理解を深化させる知見とも位置づけられる。
永井 佑紀; 田中 佳織*; 林 伸彦*
Physical Review B, 86(9), p.094526_1 - 094526_9, 2012/09
被引用回数:17 パーセンタイル:57.55(Materials Science, Multidisciplinary)超伝導体を用いたマイクロデバイスは、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されている。高機能なデバイスの設計には、メゾスコピックスケールの超伝導体の挙動を理論的に明らかにする必要がある。本論文では、上記課題に対し、メゾスコピック超伝導体に適用できる新しい数値計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、準古典理論と呼ばれる従来理論を拡張することで、任意の形状そして任意の材質の物質を取り扱えるように定式化することに成功した。これらの成果は、メゾスコピック超伝導体の基礎特性を明らかにする手法であるのみならず、第一原理計算と組合せることで、任意の物質特性を取り入れることが可能な手法でもあり、さまざまな物質からなるさまざまな系に対しても適用可能である等、波及効果が大きく、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤研究に資する成果である。
永井 佑紀; 黒木 和彦*
Physical Review B, 85(13), p.134521_1 - 134521_7, 2012/04
被引用回数:6 パーセンタイル:28.32(Materials Science, Multidisciplinary)鉄系高温超伝導体の超伝導発現機構は、未だに謎が多く未解明であるが、臨界温度や臨界磁場が高く、産業や原子力分野での応用を念頭においた場合、極めて有力な材料の一つである。したがって、超伝導発現機構を理解することは、重要であり、超伝導を担っている電子のペアがどのようにペアを形成しているのかを明らかにすることが求められている。本論文では、上記課題に対し、J-PARC等で実施される中性子非弾性散乱実験に着目し、その実験結果からペア形成状態を判断できる新しい手法を提案した。なお、課題解決にあたっては、幅広い物質群での現実的なパラメータでの結果を得るために、スーパーコンピュータBX900により、今までにない高精度シミュレーションを実施した。以上、本成果は、計算機シミュレーションとJ-PARCによる中性子散乱実験を組合せることで超伝導発現機構等の物質機能解明の糸口をつかむ一つのアプローチとして、今後の原子力機構での材料研究のモデルとなりうる成果である。
永井 佑紀; 中井 宣之*; 町田 昌彦
Physical Review B, 85(9), p.092505_1 - 092505_4, 2012/03
被引用回数:11 パーセンタイル:44.07(Materials Science, Multidisciplinary)銅酸化物高温超伝導体等の非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されている。しかし、最も重要な超伝導発現機構は解明されておらず、超伝導を担う電子ペアがどのような対称性であるのかを明らかにすることが大きな課題の一つとして残されている。本論文では、上記課題に対し、走査型トンネル顕微鏡で観測される準粒子干渉効果を詳細に解析することにより、その対称性が決定可能であるという報告を行う。なお、上記課題の解決にあたっては、超大規模並列計算可能な自己無撞着計算手法の開発を行い、従来試みることすら不可能であった巨大な系を極めて効率の高い並列計算を用いて取り扱えたことが課題解決につながった。本論文では、計算量の低減が実現可能なロジックについても報告し、実際の計算時間等の比較結果も示す。以上、これらの結果は、超伝導機構解明手法の理論的提案のみならず、実空間第一原理計算等の広大な系を量子的レベルで取り扱える手法の一つとして有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発に資する成果と位置付けられる。
永井 佑紀; 太田 幸宏*; 町田 昌彦
Journal of the Physical Society of Japan, 81(2), p.024710_1 - 024710_6, 2012/02
被引用回数:32 パーセンタイル:79.62(Physics, Multidisciplinary)銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されているが、これらの超伝導体を利用したマイクロデバイスを設計するためには量子力学的挙動も含めて正確に取り扱うことが必要である。本研究では、上記課題に対し、スペクトル直交多項式展開を利用した並列性の極めて高い数値計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、その並列計算性能を示すために、スーパーコンピュータBX900に最適化した超大規模並列計算コードを開発することに成功した。これらの結果は、超伝導体のシミュレーションのみならず、実空間第一原理計算等の広大な系を扱える手法の一つとしても有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
永井 佑紀; 太田 幸宏*; 町田 昌彦
Physics Procedia, 27, p.72 - 75, 2012/00
被引用回数:4 パーセンタイル:80.16(Physics, Applied)銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されている。この超伝導体の超伝導発現機構を解明するためには、光学伝導度や核磁気緩和率などの各種実験手法の結果の解析が必須である。本発表では、上記課題に対し、並列性の高い手法である多項式展開ソルバを用いた光学伝導度や核磁気緩和率の計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、われわれの開発した超大規模並列計算可能な手法を拡張し、その基礎理論を定式化することに成功した。これらの結果は、超伝導発現機構解明手法の理論的提案のみならず、実空間第一原理計算等の広大な系を扱える手法の一つとしても有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦
Proceedings of International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis (SC '11) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2011/11
本発表はCREST及び科学研究費補助金の研究計画に従い実施した量子多体系問題の高精度数値計算手法の並列化・高速化に関するものである。発表内容は、高精度に量子状態を計算できる密度行列繰り込み群(DMRG)法を次世代計算機「京」のような超大規模な並列計算機上で並列化した際の通信手法の最適化に関する研究成果である。特筆すべき成果は、問題の物理的性質を利用した大規模並列計算機向きの通信方法、及び通信の競合の発生を抑える通信と演算の適切なスケジューリング方法の二つを提案したことである。さらに、実際に提案した方法を用いることで原子力機構のBX900及び東京大学のT2Kスパコンの両計算機で1000を超える並列数でも効率的な並列計算が可能であることを確認した。なお、この成果は科学技術振興機構・受託研究「超伝導新奇応用のためのマルチスケールマルチフィジックスシミュレーションの基盤の構築」の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション手法の研究開発にも資する成果である。
佐々 成正; 町田 昌彦
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.609 - 612, 2011/10
本論文は、液体ヘリウムを利用した高精度放射線検出装置開発に資することを目的とし、放射線により誘起される超流動乱流の動力学的性質や統計的性質を大規模数値シミュレーションした結果とその理論的考察により得られた結果を発表するものである。実施した大規模シミュレーション対象は、等方的な乱流状態であり、低波数にエネルギーを初期値として与え、その緩和をおもに観察した。その結果、発生し発達する量子渦の大規模乱流構造は、低波数領域では、通常流体乱流の渦構造と類似性を持つことが判明した一方、コルモゴロフ則が成立する慣性領域は、エネルギーカスケードの遅延によるボトルネック効果により通常乱流のものより狭くなることが確認された。これらの事実は、最近提唱され始めた超流動乱流の散逸ボトルネック効果を明らかに支持する結果であり、高精度に超流動乱流の特徴を明らかにした結果と位置付けられる。
佐々 成正; 叶野 琢磨*; 町田 昌彦; L'vov, V. S.*; Rudenko, O.*; 坪田 誠*
Physical Review B, 84(5), p.054525_1 - 054525_6, 2011/08
被引用回数:46 パーセンタイル:84.35(Materials Science, Multidisciplinary)本論文は、超流動における乱流現象を捉えた大規模シミュレーション結果とその理論的解釈を主題とした論文である。大規模シミュレーションは、超流動乱流の動力学的性質や統計的性質を解明するため、最大規模で2048メッシュというサイズで実施され、おもに地球シミュレータを利用し実行されている。その結果、さまざまなサイズで測定されたスペクトルを比較することで、高波数側で超流動特有のエネルギー散逸が現れることを高精度に捉えることに成功し、2008年に提案されていたL'vov-Nazarenko-Rudenkoによる慣性領域に続いて現れるボトルネック効果を例証した。なお、本成果は、超流動乱流の理解という基礎研究上の一つの成果ではあるが、液体ヘリウムを利用した高精度な放射線検出器開発に対しても有用な知見を与える成果でもある。
今井 良宗*; 高橋 英幸*; 北川 健太郎*; 松林 和幸*; 中井 宣之*; 永井 佑紀; 上床 美也*; 町田 昌彦; 前田 京剛*
Journal of the Physical Society of Japan, 80(1), p.013704_1 - 013704_4, 2011/01
被引用回数:36 パーセンタイル:81.82(Physics, Multidisciplinary)鉄系高温超伝導体の超伝導発現機構は、未だ謎が多く未解明であるが、臨界温度や臨界磁場が高く、産業や原子力分野での応用を念頭に置いた場合、極めて有力な材料の一つである。したがって、その超伝導発現機構を理解し、さらに高温や高磁場でも安定な超伝導を得ることが可能となれば、応用上の大きな発展が期待できる。超伝導発現においては、電子の対が超伝導を担うことが知られていることから、二つの電子がどのようなペアリングをしているのかを明らかにすることが、超伝導発現機構を理解するための第一歩である。本論文では、この第一歩を進めるため、一つの鉄系高温超伝導体であるLiFeAs単結晶に対し、マイクロ波表面インピーダンス測定を行い、低温での磁場侵入長を測定し、その結果を数値計算結果と比較することで、この物質がマルチバンド由来の超伝導ギャップを持っていることを明らかにした。本成果は、バラエティ豊かな鉄系高温超伝導体の普遍的性質を捉えたものであり、高温超伝導のメカニズム解明に対し、一つの知見を与えうる成果である。
中村 博樹; 林 伸彦; 中井 宣之; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
Physica C, 469(15-20), p.908 - 911, 2009/10
被引用回数:25 パーセンタイル:68.57(Physics, Applied)鉄系超伝導体における鉄原子の磁気モーメントの実験と理論での食い違いを解明するために、LaFeAsOF(及び)に対してLSDA+法による第一原理計算により電子状態を求めた。結果として、母物質及びドープされた物質の両方においてを負にすることによって実験をよく再現することを確認した。が負になる理由としてはLSDAで期待される以上に鉄原子の電子軌道においてはクーロン相互作用が遮蔽されていることが考えられる。どのような状態の場合にを負にするのが有効であるかについても議論した。
奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 坂井 徹
Physical Review A, 79(6), p.061602_1 - 061602_4, 2009/06
被引用回数:2 パーセンタイル:14.72(Optics)近年発達著しいフェルミ原子気体光学格子系では、温度,粒子数密度のほかに、格子形状,相互作用まで制御可能である。この系におけるフェルミ原子は固体中の電子と同様に振る舞うことが知られている。この系の制御性の高さを活かして、相互作用をパラメータとする系統的な実験を行い、固体系における難問題の解決を目指す研究が活発に行われている。その中で、量子揺らぎと幾何学的フラストレーションが競合する系における基底状態の決定も未解決問題の一つである。両者が競合する固体系では矛盾する実験結果が得られるなど、より詳細な実験が望まれている。この問題に対しても光学格子系における解決が望まれるが、それには光学格子系特有の閉じ込めポテンシャルが量子揺らぎと幾何学的フラストレーションの競合に対してどのような影響を及ぼすかを評価する必要がある。そこでわれわれは、閉じ込めポテンシャルを取り入れた三角光学格子系を並列化密度行列繰り込み群法により評価し、両者の競合による特徴的なスピン状態が現れることを示した。このことにより、三角光学格子系は上記の問題解決に理想的な系であることが示され、今後実験が行われることが期待される。
野際 公宏; 西村 昭彦; 大場 弘則; 横山 淳; 大久保 忠勝*; 宝野 和博*
まてりあ, 47(12), P. 626, 2008/12
次世代原子炉及び核融合炉構造材として開発研究が進められている酸化物分散強化型(ODS)鋼の優れた高温強度特性はナノスケールの酸化物粒子の分散状態に大きく依存する。そのため、その組織解析には3次元アトムプローブ(3DAP)の応用が有効であると期待されていたが、従来の3DAPでは電圧パルスによる試料破壊が頻発し、その解析が困難であった。われわれのグループでは、新たに超短パルスレーザーにより電界蒸発をアシストする3DAPを整備した。レーザー補助により分析途中の試料破壊を著しく低減することに成功し、効率の良い分析評価が可能となった。また、リフレクトロンによるエネルギー補償により優れたSN比が得られるため、バックグラウンドが低減し、識別に高い質量分解能を必要とするクラスターイオンの検出にも成功した。
松本 淳; 鎌田 徹治*; 高木 淳一*; 岩崎 憲治*; 由良 敬
Biophysical Journal, 95(6), p.2895 - 2908, 2008/09
被引用回数:19 パーセンタイル:44.72(Biophysics)インテグリンは、多細胞生物において、細胞間の接着にかかわるタンパク質グループの総称である。インテグリンのなかには、活性化の際に、大きく構造を変化させるものがあることがわかっているが、その構造変化のメカニズムに関しては、よくわかっていなかった。われわれは、折りたたまれた構造をとっているインテグリンに対し、エラスティックネットワークモデルによる基準振動解析法を適用し、インテグリンの分子振動にとって重要な部位を発見した。さらなる計算の結果、その部位が、インテグリンの大規模な構造変化にとって重要であることを発見した。この重要性は、実験によっても確認した。さらに、さまざまな種類のインテグリンを調査し、重要な部位を構成するアミノ酸がどの程度保存されているかを調べたところ、限られたグループのインテグリンにおいてのみ、よく保存されていることを発見した。これは、大規模構造変化のメカニズムが、インテグリンの種類によって違うことを示している。
岡安 悟; 片桐 政樹; 北條 喜一; 森井 幸生; 三木 重信*; 島影 久志*; Wang, Z.*; 石田 武和*
Physica C, 468(15-20), p.1998 - 2000, 2008/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)MgB超伝導体の超伝導転移端(TES)を利用した中性子センサーの開発を行っている。この目的のため低ノイズの測定系を開発してきた。この測定系の有用性を検証するためAmを用いた線検出を試みた。感度をかせぐため試料は1m幅で35mの長さの短いミアンダパターンを用いた。定電流モードで測定を行ったところ線の検出に成功した。バイアス電流は6Aであった。
奥村 雅彦; 山田 進; 谷口 伸彦*; 町田 昌彦
Physical Review Letters, 101(1), p.016407_1 - 016407_4, 2008/07
被引用回数:7 パーセンタイル:46.87(Physics, Multidisciplinary)現実の固体を考える際、電子の強相関効果と不純物効果は電子の振る舞いを決定するうえで本質的な役割を果たす。例えば、モット絶縁体は強相関効果の代表例の一つであり、一方、アンダーソン局在は不純物効果の代表例である。しかし、これまで両者を近似なしに同等に扱った解析はなかった。また、高温超伝導で重要なハーフフィリングにホールをドープした領域で、強相関・ランダムネスが電子の振る舞いにどのように影響を及ぼすかを解析した例はあまりなかった。そこで、われわれは密度行列繰り込み群法を用いて、電子管相互作用とランダムポテンシャルを近似なく取り扱い、それらをパラメータとしてホールをドープした1次元アンダーソン・ハバード模型を解析した。その結果、強相関・強ランダムネス領域でホールの局在という現象を発見した。これは、本質的に強相関・強ランダムネス効果が共同して作り出すこれまでに知られていなかった現象である。また、この現象を冷却原子気体実験で実現する方法も議論した。
中村 祐介*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
Physical Review A, 77(4), p.043601_1 - 043601_6, 2008/04
被引用回数:19 パーセンタイル:65.79(Optics)本研究では、ボース・アインシュタイン凝縮体の励起状態を記述するボゴリウボフ・ドジャン方程式の複素固有値の出現条件を、原子間相互作用の強さによらず、厳密に求めた。この複素固有値は実験で観測されている「動的不安定性」を引き起こす原因とされており、これまでに高次量子渦を持つ凝縮体の系や動いている光学格子中の凝縮体の系における凝縮体の崩壊として観測されている。先行研究では、それぞれの対象系について個別に考察されていたが、本研究は方程式の一般論を展開したため、対象系によらない議論である点が特長である。また、解析計算であるにもかかわらず、相互作用の強さによらない議論である点も特長である。
松本 淳
no journal, ,
巨大な細胞外部分を持つ膜タンパク質であるインテグリンは、多細胞生物の細胞間接着に関与している。多くの種類のあるインテグリンのうち、活性化の際、大規模な構造変化を起こすものがあるが、その構造変化のメカニズムについては、ほとんどわかっていない。インテグリンのエラスティックネットワークモデルに対して、基準振動解析を行った結果、分子の内部運動に大きな影響のある相互作用を発見した。その相互作用に関与する部位の重要性は、実験でも確認された。