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報告書

高速炉燃料集合体内詳細熱流動解析手法の開発(2); 乱流モデルの導入

大島 宏之; 大島 宏之; 今井 康友*

JNC TN9400 2003-045, 74 Pages, 2003/06

JNC-TN9400-2003-045.pdf:3.05MB

高燃焼度燃料など高性能化を目指した高速炉燃料集合体の熱流動評価手法として、サブチャンネル解析手法と複雑空間内詳細熱流動解析手法を組み合せた解析評価システムを構築している。これは、実験では解明が困難な熱流力特性を数値実験によって予測可能とし、合理的な安全設計評価に寄与することを目的とするものである。本報告書は、このシステムを構成する詳細熱流動解析コードSPIRAL-IIの開発に関して、新たに導入した乱流モデルとその基本検証解析について記述するものである。 乱流モデルとしては、標準型k-$$epsilon$$2方程式モデルに加えて、より経験定数が少なく且つ低レイノルズ領域で精度が良いとされるRNG型k-$$epsilon$$モデル、および非等方性モデルである代数応力モデル(ASM)の組み込みを行った。いずれのモデルも同型の乱流エネルギーk及び散逸率$$epsilon$$の輸送方程式をGalerkin法で離散化して解くが、ASMにおいては拡散項にDaly-Harlowモデルが適用される。ASMではk及び$$epsilon$$等から代数式によりレイノルズ応力を求めるため、反復法(Newton-Raphson法)を用いた。壁境界条件としては、いずれのモデルを使用する際にも壁関数(Reichardt関数)を適用した。 基本検証解析として、平行平板間流れ、バックステップフロー、矩形ダクト内流れ解析を行った。これらの結果から3つの乱流モデルの予測特性を把握するとともに、その妥当性を確認した。

報告書

設計ウィンドウ評価・表示システムの開発(II); 遺伝的アルゴリズムの基本性能の確認

村上 諭*; 村松 壽晴

JNC TN9400 2003-038, 59 Pages, 2003/05

JNC-TN9400-2003-038.pdf:2.28MB

実用化戦略調査研究の一環として、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化を採用した高速炉が検討されている。しかしながら、こうした革新的設計の採用により原子炉容器上部プレナム内では、冷却材流速の高速化や流況の非対称化(偏流)が顕在化するため、熱流動設計においては自由液面からのガス巻込みや炉内構造物の流力振動、さらには熱過渡による構造物の健全性について十分な注意を払う必要がある。このように原子炉設計では、多くの熱流動課題が複雑に関速しあうことから、効率的な設計を行うためには、熱流動課題相互の関連性を認識した上での多目的意思決定を行うことが不可欠となる。本報では、多目的意思決定処理を行わせるための1手法である遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を典型的な単一目的問題に適用し、その基本性能を確認した。得られた結果は次の通りである。(1)単峯性最適化問題においてGAが十分な解探索精度を有することが分かった。(2)GAは連続性や微分可能性が保証されない関数に対しても適用可能である。(3)GAを組合せ最適化問題に適用する場合には、最大世代数を大きく設定するよりも、初期値を変更してGAの実行回数を増やす方が効率的に解の探索が進められる。(4)GAを多峯性連続量分布の最適化問題に適用する場合には、1)突然変異を積極的に活用することで大域探索能力の促進を図ること、2)優良個体の存命策としてエリート戦略を採用すること、の2点を同時に利用することで解探索精度が向上する。

報告書

多次元ナトリウム-水反応解析コードSERAPHIMの高度化および漏えい初期における感度解析

高田 孝; 山口 彰; 渡部 晃*

JNC TN9400 2003-024, 129 Pages, 2003/04

JNC-TN9400-2003-024.pdf:9.72MB

蒸気発生器内でのナトリウム-水反応現象を詳細に評価することを目的に開発した多次元ナトリウム-水反応解析コードSERAPHIMの高度化として表面反応モデルの改良、気相反応モデルにおける水和物の影響評価ならびに反応生成物組成に関する検討を実施した。また大規模計算体系への適応として、MPI(Massage Passing Interface)を用いた並列化を実施した。領域分割,メモリ分散型の並列化を実施した結果、16CPUで約17倍の加速並びに100万メッシュ以上の計算が可能となった。高度化したSERAPHIMコードを用い、反応初期における表面反応モデルに関する感度解析を実施し、以下の知見を得た。・化学反応の有無に関しては、化学反応がない場合の方が気相領域の成長は早い。また漏えい初期に発生する圧カピークは反応の有無にかかわらず観察される。・初期圧力の違いにより、気相領域の成長や流動場は大きく異なるものの、最高温度に関する相違はそれほど見られなかった。これは、初期圧力の違いにより反応領域の大きさや発熱密度は異なるものの、同時に伝熱流動場も大きく変化したためである。・気相NaOHを考慮することにより、数値解析での最高温度(気相ガス温度)は約1200度Cとなった。液体ナトリウムと水蒸気から気相NaOHを生成する際、基準状態では吸熱反応であり、気相NaOHはナトリウム-水反応評価に重要である。

報告書

高速増殖炉上部プレナムにおける温度成層化現象の長時間解析,1; フローホール領域における温度成層化挙動

須田 一則; 村松 壽晴; 山口 彰

JNC TN9400 2002-078, 108 Pages, 2002/12

JNC-TN9400-2002-078.pdf:7.96MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造物に有意な熱応力を与えることが考えられるため、温度成層化挙動の特徴を評価することは機器の構造健全性及び安全性の観点から重要である。本報は、高速増殖原型炉における定格出力定常状態からのスクラム過渡時の上部プレナム内温度分布を単相多次元コードAQUAにより解析し、長時間温度成層化挙動について評価した結果について報告するものである。また 40%過渡試験結果からの外挿値との比較についても合わせて報告する。得られた結果は、以下の通りである。[長時間温度成層化挙動] ・原子炉スクラムから 300秒以降の全体的な挙動は、低温の冷却材が常時上部プレナム内下部に流入するため、低温冷却材の領域は時間とともに軸方向に拡大するものの、上部プレナム内の軸方向温度分布の形状は概ね相似に保持される。 ・原子炉スクラムから 300秒以降の上部プレナム内温度成層界面の挙動は、低温冷却材が内筒取付台近傍に停留することにより、軸方向に高さの異なる2つの位置で温度成層界面が形成されるが、下側に位置する温度成層界面は冷却材の混合と熱伝導により時間とともに消滅し、上側の温度成層界面は主冷却系流量の増加と上部プレナム内の流状の変化によって、約 720秒後に上部フローホールを越える位置に上昇する。 ・アニュラス部および原子炉出口配管部には、フローホール位置および出口配管位置の軸方向中央位置にそれぞれ温度成層界面が形成され、その軸方向温度勾配は上部プレナム内の温度成層界面の挙動により変化するプレナム内の熱流動特性の影響を大きく受ける。 [40%過渡試験結果からの外挿値との比較] ・温度成層界面の軸方向位置およびその上昇速度は解析結果と外挿値で概ね一致した。

報告書

ガス冷却高速炉の熱流動に関する検討

大島 宏之; 西村 元彦*

JNC TN9400 2002-072, 97 Pages, 2002/08

JNC-TN9400-2002-072.pdf:3.85MB

サイクル機構では、将来の高速炉の実用化像を構築することを目的として、実用化戦略調査研究(FS)を実施している。本報告は、FSで検討中の炉型候補概念のうちガス冷却高速炉を対象とし、ヘリウムガス冷却炉で検討されている被覆粒子型燃料について、また、炭酸ガス炉で検討されている重力落下式崩壊熱除去システムについて、それぞれの設計成立性を解析的に検討したものである。 ヘリウムガス冷却の被覆粒子燃料体に関する熱流力特性解析評価では、平成13年度設計案をベースに3次元解析モデルを構築し、多次元熱流動解析コードAQUAを用いて、定格運転条件、低流量運転条件、事故条件での熱流力特性解析、および被覆粒子燃料層入口面の圧損不均一の影響確認解析を実施した.これらの解析結果より、燃料層入口面の均一性が保たれる限り、いずれの条件においても燃料層内横方向流れは維持され除熱性能は確保できるものと判断される。但し、高圧条件において異常な低流量(O.5%以下)となる場合は、被覆粒子層内に上昇流が発生し温度が上昇することも完全には否定できないため、より正確な物性値・圧力損失相関式を取得し確認解析を行う必要がある。本解析に併せて、局所閉塞事象の考察および今後の設計の進展に伴い解決すべき熱流動的課題の摘出も行った。 炭酸ガス冷却炉の崩壊熱除去特性に関する解析評価では、炭酸ガス冷炉EGCRを対称として、貯水タンクから蒸気発生器(SG)への重力落下注水方式による崩壊熱除去時の熱流動特性を、一次元核-熱流連成ネットワークコードMR-Xにて解析評価した。解析では、自然循環崩壊熱除去時のSG隔離開始時刻、注水開始時刻および注水流量をパラメーターとし、除熱挙動に及ぼす影響を検討した。その結果、現実的想定条件としたSG隔離開始30秒、注水開始20分とした場合には余裕を持って燃料温度制限目安を満足した。また、EGCRでは、SG伝熱管の大きな熱容量が過渡時の除熱源となり、SG隔離開始時刻が60分を超える場合でも一次系内の加熱を防止する役割を担うことが明らかとなった。流動安定性については、流量逸走は生じないものの密度波振動が発生し流量変動が生じる見通しである。この振動周期は10分オーダーと長いため伝熱管の構造健全性への大きな影響は無いものと予想される。

報告書

「もんじゅ」SGカバーガス領域熱流動解析

伊藤 啓; 堺 公明; 山口 彰; 岩崎 隆*

JNC TN9400 2002-042, 51 Pages, 2002/06

JNC-TN9400-2002-042.pdf:2.17MB

蒸気発生器の上部にはアルゴンガスによるカバーガスが充填されており、伝熱管などの構造物及びNa液面と熱交換することによって、温度場・速度場が形成されている。これまで、カバーガス領域の温度分布・速度分布を多次元的に解析評価した例は無く、蒸気発生器内熱流動特性の解析精度を工場する観点から、研究課題の一つとなっている。本研究では、従来、ナトリウム領域に限られていたMSGコードによる円筒2次元計算を、「もんじゅ」蒸気発生器内のカバーガス領域を含む全領域に拡張した解析を実施し、カバーガス領域の温度場・速度場について明らかにした。また、カバーガス領域の実形状を 3次元メッシュにより模擬した解析(FLUENTコード)を行い、円筒2次元計算については、3次元計算との比較によって温度分布の再現性について検証した。さらに、 3次元計算については、熱伝達係数をパラメータとした解析を実施し、ガス温度及び胴温度に対する感度を評価した。その結果、2次元計算と3次元計算は比較的良く一致しており、 2次元計算の妥当性が検証された。また、自然対流熱伝達係数が胴温度に及ぼす影響は小さいことを確認した。

報告書

ナトリウム冷却高速炉の原子炉容器内熱流動の研究(3) 温度成層化現象に関する解析的検討

村松 壽晴; 脇田 順一*; 山口 彰

JNC TN9400 2002-022, 96 Pages, 2002/06

実用化戦略調査研究の一環として検討が進められているナトリウムを冷却材として用いる大型高速炉では、物量を削減して経済性を大幅に向上する観点から、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化設計を指向している。この結果、原子炉容器上部プレナム内では、冷却材流速の高速化や流況の非対象化(偏流)が顕在化するため、熱流動設計においては自由液面からのガス巻込みや炉内構造物の流力振動、さらには熱過渡による構造物の健全性について十分な注意を払う必要がある。本報では、同炉上部プレナム内に発生する温度成層化特性を数値解析により検討し、炉内流動適正化との関連性を評価した。得られた結果は、次の通りである。1)切込み部へのダミープラグの装荷は、定格運転時における流動適正化を達成するための有効なデバイスの一つであるとともに、原子炉トリップ後の過渡時における炉内熱過渡挙動を緩和するための方策としても有効である。2)炉壁へのバッフルリングの設置は、流動適正化を達成するための有効なデバイスの一つであるとともに、温度成層化現象に係る諸特性に及ぼす影響は無視し得る程度に小さい。4)外側ディッププレートー炉壁間ギャップ等へのラビリンス設備の設置は、流動適正化を立つ性するための有効なデバイスの一つであるものの、ディッププレート近傍での過熱度特性を厳しくする可能性を持ち、流動適正化問題と温度成層化問題に関してトレードオフの関係にある。

報告書

鉛-ビスマス冷却自然循環炉の熱流動特性解析

岩崎 隆*; 堺 公明; 江沼 康弘; 水野 朋保

JNC TN9400 2002-013, 62 Pages, 2002/05

JNC-TN9400-2002-013.pdf:1.86MB

サイクル機構では、高速増殖炉の実用化戦略調査研究として、多様な冷却材を対象とした幅広い実用化像に関する設計研究を進めている。 そのフェーズI研究(H11$$sim$$H12)の中で、冷却材の一つの候補として、重金属である鉛-ビスマスの検討が実施された。鉛-ビスマスは比較的自然循環特性にすぐれるとともに水と急激に反応しないことから、自然循環による 2次系を削除したタンク型炉が有望と評価された。本研究では、鉛-ビスマスを冷却材とするタンク型の自然循環炉について、プラント動特性及び炉心再流量配分特性を評価するために、 既存の多次元蒸気発生器解析コード(MSG)とフローネットワーク型のプラント動特性解析コード(Super-COPD)を結合し、統合型プラント動特性解析コード(MSG-COPD)を開発した。プラント動特性解析として、米国アルゴンヌ国立研究所にて設計研究が進められているSTAR-LM炉を対象として、 起動解析及びスクラム失敗時の徐熱源喪失解析を実施した。また、サイクル機構にて概念設計研究が実施された鉛-ビスマス冷却自然循環中型炉を対象として、設計上の重要な課題となっているホットチャンネルの再流量配分係数の定量化を実施した。その結果、プラント動特性解析では、自然循環炉の核特性を考慮した起動から定格定常状態の評価、徐熱源喪失時のスクラム失敗事象の評価に適用できることを確認した。さらに、徐熱源喪失時のスクラム失敗事例では、下部プレナムに鉛-ビスマスが対流することが判明した。また、再流量配分特性解析では、浮力による炉心再流配係数を径方向ピーキング係数及びシステムの圧力損失との関係で整理した評価手法の妥当性について検証した。さらに、炉心再流配係数は、初装荷炉心と末期炉心の出力分布形状の相違による影響は小さく、局所の径方向ピーキング係数値に依存した傾向を示すこと等を確認した。

報告書

高速炉配管合流部におけるサーマルストライピング条件の解析的検討(6)非等温場におけるアーチ渦構造の数値解析的検討

村上 諭*; 村松 壽晴

JNC TN9400 2002-011, 37 Pages, 2002/05

JNC-TN9400-2002-011.pdf:5.36MB

配管合流部における乱流混合特性の定量化を目的とした基礎等温実験が広島大学でこれまで実験され、当該位置での混合パターンが付着流、偏向流および衝突流の 3種類に分類できるとともに、偏向流条件においてはアーチ渦が発生することが報告されている。本報では、アーチ渦と温度分布中の関連性を検討することを目的として、偏向流条件(アーチ渦発生条件)での非等温乱流混合解析を直接シミュレーションコード DINUS-3により実施し、以下の結果を得た。1)流速比とRe数が同じであれば、等温場と非等温場でのアーチ渦の通過周期・渦間距離は両者で概ね一致する。2)アーチ渦の通過周期はReに依存し、流速比を固定した条件でRe数を増加させるとアーチ渦の通過周期が短くなる。この傾向は、等温条件でのものと同じである。3)非等温場におけるアーチ渦支柱部でのCFV(Cross Flow Velocity)ゆらぎ特性では、等温場でのものと比べ振幅が大きく、位相の規則性が崩れる傾向が見られた。これは、枝管からの低温流体の運動が密度差により抑制された結果であると考えられる。4)噴流背後の混合層から分離・放出される渦と、噴流の側面からはく離した後流渦の両者が、アーチ渦の形成に関与していることが確認された。

報告書

ナトリウム冷却高速炉の原子炉容器内熱流動の研究(2) 炉上部プレナム分離評価の妥当性に係る解析的検討

村松 壽晴; 村上 諭*; 山口 彰

JNC TN9400 2001-129, 51 Pages, 2002/03

JNC-TN9400-2001-129.pdf:8.76MB

実用化戦略調査研究の一環して検討が進められているナトリウムを冷却材として用いる大型高速炉では、物量を削減して経済性を大幅に向上させる観点から、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化設計を指向し、この結果、原子炉容器上部プレナム内では、冷却材流速の高速化や流況の非対象化(偏流)が顕在化するため、熱流動設計においては自由液面からのガス巻込みや炉内構造物の流力振動、さらには熱過渡による構造物の健全性について十分な注意を払う必要がある。このため、同炉上部プレナム内の流動流動特性を把握するとともに、自由液面からのガス巻込みを防止する観点から、プレナム流動適正化を実現するための炉内構造を数値解析的に検討している。一方、水を作動流体としたスケールモデル試験の実施も予定され、当該試験での評価上の着眼点を明確にする目的から、ディッププレートを境として上下に分離した自由液面プレナム試験および丈夫プレナム試験が計画されている。本報では、上記スケールモデル水試験計画の検討に資するため、炉上部プレナムをディッププレートを境として上下に分離した上で、炉内熱流動現象を個別に評価することの妥当性を、汎用多次元熱流動解析コードAQUAによる結果に基づいて検討した。得られた結果は、次の通りである。1)自由液面プレナムから上部プレナムに流入する冷却材流量が増減したとしても、この影響を受ける領域はC/L貫通ギャップおよびH/L貫通ギャップの近傍に限定され、上部プレナム内全体の流動特性に及ぼす程度は非常に小さい。2)ディッププレート機器貫通ギャップ幅を変化させた場合の上部プレナム内流速成分の変化は、H/L配管回りに限られる。以上の結果より、炉上部プレナムをディッププレートを境として上下に分離した上で、様々な炉内熱流動現象を個別に評価することは妥当であると考えられるものの、ディッププレートよりも下側の上部プレナムにおける流動特性に着目した部分試験などを計画・実施するにあたっては、H/L吸込み流動に起因したジェット効課による渦集中の影響を確認する必要がある。

報告書

ナトリウム冷却高速炉の原子炉容器内熱流動の研究(1) 炉上部プレナム内流動適正化に関する解析的検討

村松 壽晴; 村上 諭*; 山口 彰

JNC TN9400 2001-117, 60 Pages, 2002/02

JNC-TN9400-2001-117.pdf:7.06MB

実用化戦略調査研究の一環として検討が進められているナトリウムを冷却材として用いる大型高速炉では、物量を削減して経済性を大幅に向上させる観点から、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化設計を指向し、この結果、原子炉容器上部プレナム内では、冷却材流速の高速化や流況の非対称化(偏流)が顕在化するため、熱流動設計においては自由液面からのガス巻込みや炉内構造物の流力振動、さらには熱過渡による構造物の健全性について十分な注意を払う必要がある。 本報では、同炉上部プレナム内の流動特性を把握するとともに、自由液面からのガス巻込みを防止する観点から、プレナム流動適正化を実現するための炉内構造を数値解析的に検討した.得られた結果は、次の通りである。 (1)バッフル板およびホールドダウンプレートの開口率と圧損係数の調整だけでは、炉内全体の流動パターンの変更を通じたプレナム流動の適正化は難しい。 (2)切込み部へのダミープラグの挿入は、切込み部で発生する上昇噴流による偏流を抑制しつつ、上部プレナム内の流動状況を安定化させる上で、有効な方策の一つである。 (3)バッフルリングおよび部分内筒などの整流デバイスは、ディッププレートに衝突する上昇噴流および自由液面における水平方向流速成分を抑制する上で、有効な方策の一つである。 (4)炉壁ギャップ部へのラビリンスの設置は、自由液面プレナムに流入する冷却材流量を抑制し、自由液面での周方向流速を低減する上で極めて有効な手段である。 (5)炉内中継ポットおよびコールドトラップのディッププレート貫通ギャップを閉止することにより、自由液面における水平方向流速値および自由液面高低差を効果的に抑制することが可能である。 なお、ガス巻込み抑制に向けた炉内流動適正化に係る今後の検討では、 (1)ディッププレートを通じた流入流出分布の(空間)平均化方策の検討 (2)自由液面における渦度集中挙動の緩和方策の検討 (3)自由液面から液中に繋がる渦度分布の切断方策の検討 が重要である.

報告書

Pb-Bi自然循環炉における酸素濃度制御解析

伊藤 啓; 堺 公明

JNC TN9400 2001-102, 49 Pages, 2001/12

JNC-TN9400-2001-102.pdf:3.02MB

核燃料サイクル開発機構は、国内外の関係機関と協力し高速増殖炉の実用化戦略調査研究を実施しており、2001年3月にフェーズIを終了した。フェーズIでは、鉛・ビスマスが冷却材の 1つの候補として摘出され、自然循環方式の中型炉について研究が進められた。一方、鉛・ビスマスを冷却材として用いる際には、構造材腐食性が課題の 1つであり、腐食防止のためには酸素濃度の制御が重要である事が明らかになっている。本研究では、鉛・ビスマスの構造材腐食性について、原子炉内の酸素濃度制御解析を行うために濃度拡散解析用コード(COCOA:Concentration control analysis code)を開発した。本コードは、2次元濃度拡散方程式を基礎方程式とし、有限差分法によって離散化したものである。また、酸素と水素の 2成分系の濃度分布を計算し、それらの反応を模擬することが可能である。本稿では、本コードの基本的な検証を行うとともに、概念設計研究が実施されたPb-Bi冷却自然循環中型炉を対象として、 燃料交換後の酸素濃度拡散解析を行い、酸素濃度制御系の制御特性を評価した。その結果、 COCOAコードは濃度拡散をシミュレート可能であることが明らかになった。また、 Pb-Bi冷却自然循環中型炉を対象とした解析においては、適切な濃度計測点を選択することで、 ON-OFF系、PID制御によって酸素濃度制御が可能なこと、酸素放出系や水素放出系の故障時においても制御特性の低下は見られるものの、制御自体は可能であることを明らかにした。

報告書

ヘリウムガス冷却炉被覆粒子燃料層内における詳細熱流動解析

永田 武光; 大島 宏之

JNC TN9400 2001-101, 85 Pages, 2001/06

JNC-TN9400-2001-101.pdf:2.53MB

実用化戦略調査研究では、将来の実用化を見据えた新しい高速炉概念の構築を行っている。そこでは、ナトリウム冷却炉の他にガス冷却炉及び重金属冷却炉等様々な候補概念を検討しているが、ヘリウムガス冷却炉についてはその燃料形態として被覆粒子型燃料が提案されている。燃料体は同心環状管のコンパートメントから構成され、コンパートメント内のアニュラー部には被覆粒子燃料が充填されているが、この被覆粒子燃料層内を流れるヘリウムガスの冷却特性評価及び被覆粒子燃料を構成する材料の健全性評価は重要な課題の一つとなる。本研究では、被覆粒子層内における冷却材挙動及び被覆粒子燃料内の温度分布評価を目的として、被覆粒子燃料層内詳細熱流動解析を汎用流体解析コードFLURENTを用いて実施した。対象とした解析体系は、面心立法格子を流れ方向に5つ連結させたものである。解析の結果、被覆粒子燃料層内冷却材温度分布について、局所的に極端なピーク温度は発生しないことを確認した。被覆粒子燃料に関しては、燃料核以外は総じて上流側から下流側にかけてほぼ直線的に上昇する温度分布となる。一つの被覆粒子燃料表面の温度分布に着目すると、隣接する粒子の接触点にて急激な温度変化が認められ、下流側の接触点にて最高温度に達する。また、燃料体内におけるマクロ解析を実施する上で必要となる被覆粒子燃料層内圧力損失相関式の整備を目的として、FLUENTコードによる解析値と充填層内圧力損失相関式であるErgunの式の比較を実施し、両者が2$$leq$$Re$$leq$$154の範囲にて-11%$$sim$$20%で一致することを確認した。

報告書

高速炉燃料集合体内詳細熱流動解析手法の開発(1)

大島 宏之; 今井 康友*

JNC TN9400 2001-064, 90 Pages, 2001/06

JNC-TN9400-2001-064.pdf:2.06MB

高燃焼度燃料など高性能化を目指した高速炉燃料集合体の熱流動評価手法として、サブチャンネル解析手法と複雑空間内詳細熱流動解析手法を組み合わせた解析評価システムを構築している。これは、実験では解明が困難な熱流力特性を数値実験によって予測可能とし、合理的な安全設計評価に寄与することを目的とする。本報告書は、このシステムを構成する詳細熱流動解析コードSPIRAL-IIについて、その流動解析部の開発および基本検証について記述したものである。SPIRAL-IIコード流動解析部の開発においては、形状模擬性に優れるという観点から有限要素法を採用した。支配方程式の離散化にはBubnov-Galerkin法を用いるとともに、計算安定化のためにStreamline Upwind Petrov Galerkin法、Balanced Tensor Diffusivity法も選択できるようにした。時間積分には半陰解法(Fractional Step法)を用い、圧力方程式の解法には直接法あるいはICCG法を適用した。また、乱流の取り扱いとしてk-$$epsilon$$2方程式モデルを組み込んだ。計算要素については、複雑形状に対応するため流速・圧力ともに六面体1次もしくは2次、五面体1次アイソパラメトリック要素の3種類を用意し、この中から自由に組み合わせて用いることも可能とした。作成した流動解析部の基本性能を確認するため、以下の解析を実施した。層流問題(1)低レイノルズ数領域における矩形ダクト内2次元流れ(2)キャビティフロー(3)バックステップフロー乱流間題(4)高レイノルズ数領域における矩形ダクト内2次元流れ(5)乱流バックステップフローその結果、(1),(2)においては流速分布が理論解/数値実験解と一致し、(2)においも流速分布が実験値とほぼ一致するとともに再付着点位置も高次差分法と同等の予測値を得た。乱流領域においても同様に理論近似解や実験計測値と良好に一致した。以上より、SPIRAL-IIコードは、流動に関して十分な予測精度を有することを確認した。

報告書

MSV:Multi-Scaler Viscosity Model of Turbulence

Kriventsev, V.

JNC TN9400 2001-053, 38 Pages, 2001/04

JNC-TN9400-2001-053.pdf:1.31MB

本研究では、任意形状の壁境界直管流路の完全発達乱流におけるレイノルズ応力を評価できる、多重スケール粘性(MSV)モデルを提案した。"理想的な"流路内部の流れは常に安定すなわち層流であるが、壁の表面粗さなどによる外部擾乱のため乱れが発達している流れを仮定する。実際の流れは、流路の寸法より小さいあらゆるスケールの擾乱により常に影響されていると仮定する。乱れは内部の粘性つまり"乱流"粘性を用いてモデル化できる。MSVモデルの着想は、以下の現象論的規則により表される:軸方向流速の方向が変わることにより乱れを生じるが、その強さは局所乱流レイノルズ数をある限界値以下に維持するレベルである。すると、局所乱流レイノルズ数の二種類の定義が可能である:i) 軸方向流速のあるスケールのひずみとこのスケール長さをそれより小さいスケールに対する層流と乱流粘性の和で割った一般的なスケール長さで割った量の積ii)一様流速プロファイルの全運動エネルギーと摩擦力による仕事の比MSVモデルでは、経験定数は限界レイノルズ数のみであり、それは前者の定義では100程度、後者の定義では約8.33である。MSVモデルを円管や環状管のような直管の完全発達乱流に適用した。MSVにより評価した摩擦係数と速度分布は多くの実験データと良く一致した。MSVモデルは乱流のゼロ次統合モデルと分類される。したがって、単純であり、原子炉燃料集合体などの任意形状管路内部の完全発達乱流の計算に容易に適用できる。本報告書は、MSV乱流モデルの開発状況をまとめたものである。今後さらに検討を重ねた上で、MSVの定式化を完成させる計画である。

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