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論文

Atomistic modeling of hardening in spinodally-decomposed Fe-Cr binary alloys

鈴土 知明; 高見澤 悠; 西山 裕孝; Caro, A.*; 外山 健*; 永井 康介*

Journal of Nuclear Materials, 540, p.152306_1 - 152306_10, 2020/11

熱時効したFe-Cr合金はスピノーダル分解によって硬化を引き起こし、これはいわゆる475C脆性の直接的な原因である。スピノーダル分解が原子的相互作用によってどのように硬化を引き起こすのかを示すため、数値シミュレーションと実験を実施した。数値的な結果では、硬さが短距離秩序(SRO)パラメーターと比例することを示され、実験でもこの関係を統計誤差内で再現した。どちらの結果も、隣接するCr-Cr原子ペアが本質的に硬化を引き起こすことを示唆した。なぜなら、SROがそのようなペアの出現確率に一意的に依存しているからである。硬化の主な原因がそのようなCr-Crペア付近を通過する転位のピン止め効果であることが示唆されたが、このアイデアはさらなるモデリング研究により裏付けられた。

論文

Density stratification breakup by a vertical jet; Experimental and numerical investigation on the effect of dynamic change of turbulent Schmidt number

安部 諭; Studer, E.*; 石垣 将宏; 柴本 泰照; 与能本 泰介

Nuclear Engineering and Design, 368, p.110785_1 - 110785_14, 2020/11

The hydrogen behavior in a nuclear containment vessel is one of the significant issues raised when discussing the potential of hydrogen combustion during a severe accident. Computational Fluid Dynamics (CFD) is a powerful tool for better understanding the turbulence transport behavior of a gas mixture, including hydrogen. Reynolds-averaged Navier-Stokes (RANS) is a practical-use approach for simulating the averaged gaseous behavior in a large and complicated geometry, such as a nuclear containment vessel; however, some improvements are required. We implemented the dynamic modeling for $$Sc_{t}$$ based on the previous studies into the OpenFOAM ver 2.3.1 package. The experimental data obtained by using a small scale test apparatus at Japan Atomic Energy Agency (JAEA) was used to validate the RANS methodology. Moreover, Large-Eddy Simulation (LES) was performed to phenomenologically discuss the interaction behavior. The comparison study indicated that the turbulence production ratio by shear stress and buoyancy force predicted by the RANS with the dynamic modeling for $$Sc_{t}$$ was a better agreement with the LES result, and the gradual decay of the turbulence fluctuation in the stratification was predicted accurately. The time transient of the helium molar fraction in the case with the dynamic modeling was very closed to the VIMES experimental data. The improvement on the RANS accuracy was produced by the accurate prediction of the turbulent mixing region, which was explained with the turbulent helium mass flux in the interaction region. Moreover, the parametric study on the jet velocity indicates the good performance of the RANS with the dynamic modeling for $$Sc_{t}$$ on the slower erosive process. This study concludes that the dynamic modeling for $$Sc_{t}$$ is a useful and practical approach to improve the prediction accuracy.

論文

Development and validation of the eutectic reaction model in JUPITER code

Chai, P.; 山下 晋; 吉田 啓之

Annals of Nuclear Energy, 145, p.107606_1 - 107606_13, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

JUPITERコードの共晶反応モデルを改良し、一連の検証の研究が行われた。ジルカロイとステンレス鋼の間のバイナリ共晶反応も、BWRの制御棒ブレードとチャネルボックス間のマルチコンポーネントも、それぞれの分析解は以前の実験とよく一致している。偏差を完全になくすことはできなかったが、実験における反応性能は合理的に再現された。JUPITERコードは、シビアアクシデントにおける共晶反応の挙動を予測することが可能であると結論付けることができた。

論文

Seven-year temporal variation of caesium-137 discharge inventory from the port of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant; Continuous monthly estimation of caesium-137 discharge in the period from April 2011 to June 2018

町田 昌彦; 山田 進; 岩田 亜矢子; 乙坂 重嘉; 小林 卓也; 渡辺 将久; 船坂 英之; 森田 貴己*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(8), p.939 - 950, 2020/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

2011年4$$sim$$5月にかけて発生した東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所2号機及び3号機からの汚染水の海洋への直接流出以後、神田は相対的に小さいが連続的な放射性物質の流出が引き続き起こっていることを指摘している。しかし、その期間は2012年9月までであり、その後の流出量の推定についての報告はない。そこで、本論文では、その後を含めて2011年4月から2018年6月までの7年間に渡り$$^{137}$$Csの流出量を推定した結果を報告する。報告のない時期、国・東京電力ホールディングスは、流出を抑制するための努力を続け、港湾内海水の放射性核種濃度は徐々に減少している。われわれは、一月単位で$$^{137}$$Csの流出量を二つの手法、一つは神田の提案した手法だがわれわれの改良を加えた手法とボロノイ分割によるインベントリー評価法を使い評価した。それらの結果から、前者の手法は常に後者の手法と比べて保守的だが、前者の後者に対する比は1桁の範囲内であることが分かった。また、それらの推定量から簡単に沿岸域に対するインパクトを評価し、特に魚食による内部被ばく量を推定したところ、福島第一原子力発電所(1F)の海洋流出量に基づく内部被ばく分は極めて小さいことが分かった。

論文

${it In situ}$ WB-STEM observation of dislocation loop behavior in reactor pressure vessel steel during post-irradiation annealing

Du, Y.*; 吉田 健太*; 嶋田 雄介*; 外山 健*; 井上 耕治*; 荒河 一渡*; 鈴土 知明; Milan, K. J.*; Gerard, R.*; 大貫 惣明*; et al.

Materialia, 12, p.100778_1 - 100778_10, 2020/08

長期に原子炉圧力容器の健全性を確保するためには、照射が材料に及ぼす影響を理解する必要がある。本研究では我々が新規開発したWB-STEMを用いて、中性子照射された原子炉圧力容器試験片を焼鈍中、照射誘起転位ループの観察を行った。焼鈍温度を上げると$$<100>$$ループの割合が増加していることが確認された。また、2つの$$frac{1}{2}$$$$<111>$$ループが衝突して$$<100>$$ループになる現象の観察に初めて成功した。転位に転位ループがデコレートする現象も観察され、分子動力学シミュレーションによってそのメカニズムが説明することができた。

論文

Self-organization of zonal flows and isotropic eddies in toroidal electron temperature gradient driven turbulence

河合 智賀*; 井戸村 泰宏; 小川 雄一*; 山田 弘司*

Physics of Plasmas, 27(8), p.082302_1 - 082302_11, 2020/08

 被引用回数:0

弱磁気シアにおける大域的ジャイロ運動論モデルに基づいてトロイダル電子温度勾配駆動(ETG)乱流を調べた。大域的分布効果のために高トロイダルモード数nのトロイダルETGモードは外側の磁気面で励起され、強い線形分散をもたらす。この結果得られる非等方な波-乱流境界とエネルギー逆カスケードが帯状流の自己組織化を生成する。これは大域的ジャイロ運動論モデル特有の機構である。この自己組織化はランダムノイズによって初期化した減衰乱流とトロイダルETG乱流の両方で確認された。また、イオン電子温度比と乱流強度が決める臨界パラメータによってこの自己組織化過程が帯状流と等方的渦を生成することも示した。

論文

Sparse modeling approach to obtaining the shear viscosity from smeared correlation functions

伊藤 悦子*; 永井 佑紀

Journal of High Energy Physics (Internet), 2020(7), p.7_1 - 7_31, 2020/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

格子量子色力学(格子QCD)を用いることで、原子核内部のクォークの振る舞いを記述することができる。格子QCDは現代において最も精緻な計算手法であり、分子動力学シミュレーションで用いられるハイブリッドモンテカルロ法など、様々な計算技術が格子QCDの研究を通じて生まれている。本論文発表では、格子QCDの中でも最も困難な課題の一つと考えられている有限温度での振る舞いについて、機械学習手法の一つであるスパースモデリングを用いて有用な情報を引き出すことに成功したことを報告する。その際、固体物理学分野において開発されたスパースモデリング数値解析接続を利用し、有限温度の相関関数から実周波数スペクトルの情報を引き出すことに成功した。本研究により、モンテカルロ法において収集サンプル数が少ない場合においても、有用な情報を引き出すことが可能であることを示し、スパースモデリングが格子QCDにおいても有効であることを示すことができた。

論文

Self-learning hybrid Monte Carlo; A First-principles approach

永井 佑紀; 奥村 雅彦; 小林 恵太*; 志賀 基之

Physical Review B, 102(4), p.041124_1 - 041124_6, 2020/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

第一原理計算で得られたポテンシャルを再現するようなニューラルネットワーク(ANN)を構築して分子動力学を実行するのが機械学習分子動力学法である。ANNを構築する際の最適なトレーニングデータは、元々の第一原理分子動力学法で生成される原子配置とそのポテンシャルである。通常は、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に作成することで、目的の機械学習分子動力学法と同じようなポテンシャルを生成するANNを構築している。しかしながら、構築されたANNが元々の第一原理計算のポテンシャルを再現するという保証はない。さらに、4元素以上で構成されるような系の場合には、長時間の機械学習分子動力学法では計算が不安定になることがあり、機械学習分子動力学法の計算の精度や妥当性については常に慎重な議論が必要であった。本論文発表では、自己学習モンテカルロ法のアイディアを用いることで、得られた結果が統計的に厳密にオリジナルの第一原理計算分子動力学法の計算結果と等しい手法を開発したことを報告する。

論文

First- and second-order topological superconductivity and temperature-driven topological phase transitions in the extended Hubbard model with spin-orbit coupling

Kheirkhah, M.*; Yan, Z.*; 永井 佑紀; Marsiglio, F.*

Physical Review Letters, 125(1), p.017001_1 - 017001_8, 2020/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)

近年、高次トポロジカル物質と言われる、今までにない新しいタイプのトポロジカル物質が注目を集めている。特に、超伝導体と半導体を接合させた場合、高次トポロジカル超伝導状態が現れると期待され、そしてトポロジカル量子コンピューティングが可能な新しいマヨラナ状態が出現するということで盛んに研究が行われている。本研究では、固体物理における基本的な模型である拡張ハバード模型にスピン軌道相互作用が存在するとき、温度とキャリアドープ量によって1次トポロジカル超伝導と2次トポロジカル超伝導および通常の超伝導の複数の相が現れることを明らかにした。本研究では、高次トポロジカル超伝導状態が容易に実現する方法を提案したことになる。

論文

局所細分化格子ボルツマン法を用いたアンサンブル風況解析

長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏

第25回計算工学講演会論文集(CD-ROM), 4 Pages, 2020/06

都市部における風況と汚染物質拡散のアンサンブル計算を行うため、局所細分化格子ボルツマン法を用いたGPUペースのCFDコードを開発した。本コードはPascalまたはVolta世代のGPUアーキテクチャ向けに最適化されており、数km四方の計算領域・数m解像度の格子において実時間で風況解析を行うことができる。開発したコードを用いて、オクラホマシティで行われたフィールド実験JU(Joint Urban)2003の再現計算を行った。計算では、風況は実験値とよく一致し、また、トレーサ濃度のアンサンブルの平均値および最大値がFactor2(計算値と実験値の比が1/2倍$$sim$$2倍)の条件を満たすことを確認した。

論文

ブロック型適合細分化格子でのPoisson解法のGPU高速化

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; Ali, Y.*; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

第25回計算工学講演会論文集(CD-ROM), 4 Pages, 2020/06

原子力機構では3次元多相流体解析手法としてJUPITERを開発している。本研究では、JUPITERの圧力Poisson方程式解法として、適合細分化格子(AMR)を用いたマルチグリッド前提条件付き共役勾配法(P-CG)を開発した。計算の高速化として、全ての計算カーネルはCUDAを用いて実装すると共に、GPUスーパーコンピュータ上にて高い性能を発揮する様に最適化した。開発したマルチグリッド圧力Poisson解法は、オリジナルのP-CG法と比較して約1/7の反復回数で収束することが確認された。また、TSUBAME3.0上で8から216GPUまでの強スケーリング性能測定により、更なる3倍の高速化が達成された。

論文

Locally mesh-refined lattice Boltzmann method for fuel debris air cooling analysis on GPU supercomputer

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 上澤 伸一郎; 山下 晋; 吉田 啓之

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00531_1 - 19-00531_10, 2020/06

福島第一原子力発電所の廃炉の方法の一つとして、空気のみで冷却する乾式法が挙げられる。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、空冷性能のCFD評価手法としてJUPITERコードを開発している。しかしながら、JUPITERコードにおいて、複雑な原子炉内構造物を捉えた解析を実施するためには、非常の多くの計算資源が必要となる。このような問題に対して、本研究ではGPUスーパーコンピュータおよび適合格子細分化(AMR)法を適用した格子ボルツマン法に基づくCityLBMコードを開発している。CityLBMにて乾式法を模擬したJAEAの実験に対して検証計算を行なった結果、AMR格子の一様格子への収束性、および、実験値の再現を確認した。同じ解像度および同数の並列数にて計算速度の比較を行った結果、4台のGPU(NVIDIA Tesla V100)を用いたCityLBM法は、36台のCPU(Intel Xeon E5-2680v3)を用いたJUPITERの6.7倍の速度にて解析が可能であることが示された。

論文

Numerical simulation of two-phase flow in 4$$times$$4 simulated bundle

小野 綾子; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00583_1 - 19-00583_12, 2020/06

原子力機構では、過渡事象における詳細な炉内出力分布の予測を行うことにより燃料設計最適化や安全性向上を図ることを目的とし、3次元詳細核熱カップリングコードの開発に着手している。その中で、熱流動評価を行うコードの候補の一つとしてVOF法に基づいた詳細熱流動解析コードJUPITERを炉内二相流挙動解析のために適用することを検討している。本研究では、軽水炉燃料集合体を模した4$$times$$4バンドル体系において、機構論的流動解析手法であるJUPITERを用いて二相流動の解析を実施し、既存に報告されているバンドル内気液二相流の可視化研究やボイド率計測結果をもとに、解析手法の妥当性の検討、および課題の抽出を行った。

論文

Majorana corner flat bands in two-dimensional second-order topological superconductors

Kheirkhah, M.*; 永井 佑紀; Chen, C.*; Marsiglio, F.*

Physical Review B, 101(10), p.104502_1 - 104502_9, 2020/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.88(Materials Science, Multidisciplinary)

近年、高次トポロジカル物質と言われる、今までにない新しいタイプのトポロジカル物質が注目を集めている。特に、超伝導体と半導体を接合させた場合、高次トポロジカル超伝導状態が現れると期待され、そしてトポロジカル量子コンピューティングが可能な新しいマヨラナ状態が出現するということで盛んに研究が行われている。本研究では、この高次トポロジカル超伝導体に対して電場を印加した場合についての挙動を理論的に調べた。その結果、なだらかに変化をする電場を印加すると、マヨラナコーナーフラットバンドという新しい状態が出現することを理論的に明らかにした。これは、電場印加という外的要因による新しい量子状態の出現を意味している。

論文

Monte Carlo radiation transport modelling of the current-biased kinetic inductance detector

Malins, A.; 町田 昌彦; Vu, TheDang; 相澤 一也; 石田 武和*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 953, p.163130_1 - 163130_7, 2020/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:6.04(Instruments & Instrumentation)

Radiation transport simulations were used to analyse neutron imaging with the current-biased kinetic inductance detector (CB-KID). The PHITS Monte Carlo code was applied for simulating neutron, $$^{4}$$He, $$^{7}$$Li, photon and electron transport, $$^{10}$$B(n,$$alpha$$)$$^{7}$$Li reactions, and energy deposition by particles within CB-KID. Slight blurring in simulated CB-KID images originated $$^{4}$$He and $$^{7}$$Li ions spreading out in random directions from the $$^{10}$$B conversion layer in the detector prior to causing signals in the $$X$$ and $$Y$$ superconducting Nb nanowire meander lines. 478 keV prompt gamma rays emitted by $$^{7}$$Li nuclei from neutron-$$^{10}$$B reactions had negligible contribution to the simulated CB-KID images. Simulated neutron images of $$^{10}$$B dot arrays indicate that sub 10 $$mu$$m resolution imaging should be feasible with the current CB-KID design. The effect of the geometrical structure of CB-KID on the intrinsic detection efficiency was calculated from the simulations. An analytical equation was then developed to approximate this contribution to the detection efficiency. Detection efficiencies calculated in this study are upper bounds for the reality as the effects of detector temperature, the bias current, signal processing and dead-time losses were not taken into account. The modelling strategies employed in this study could be used to evaluate modifications to the CB-KID design prior to actual fabrication and testing, conveying a time and cost saving.

論文

Molecular dynamics simulations of phosphorus migration in a grain boundary of $$alpha$$-iron

海老原 健一; 鈴土 知明

TMS 2020; 149th Annual Meeting & Exhibition Supplemental Proceedings, p.995 - 1002, 2020/02

リンは鉄鋼材料において粒界脆化を引き起こす元素として知られている。さらに、照射による空孔や格子間原子の増加によってリン原子の粒界偏析が促進される。このことから、照射量や温度に対する粒界リン偏析量を評価するため、原子レベルの素過程に基づく拡散レート理論モデルを開発している。しかし、このモデルでは、粒界でのリンのトラップ及びデトラップモデルが適切に取り込まれていないため、実験結果と直接比較できる量を計算できない。本研究では、粒界からのデトラップを考察するため、鉄中の$$Sigma$$3対称傾角粒界内におけるリンの移動を分子動力学でシミュレーションした。また、移動するリン原子を追跡し、その拡散障壁エネルギーを評価した。その結果、拡散障壁エネルギーは粒界の鉄原子の隙間の偏析サイトの偏析エネルギーと同程度であり、粒界中の鉄原子の間を移動することが分かった。これは、デトラップ過程をモデル化するための1つの知見を与えると考えられる。

報告書

平成30年度大型計算機システム利用による研究成果報告集

高性能計算技術利用推進室*

JAEA-Review 2019-017, 182 Pages, 2020/01

JAEA-Review-2019-017.pdf:11.11MB

日本原子力研究開発機構では、原子力の総合的研究開発機関として原子力に係わるさまざまな分野の研究開発を行っており、これらの研究開発の多くにおいて計算科学技術が活用されている。計算科学技術活用の高まりは著しく、日本原子力研究開発機構における計算科学技術を活用した研究開発の成果は、全体の約2割を占めている。大型計算機システムはこの計算科学技術を支える重要なインフラとなっている。大型計算機システムは、優先課題として位置付けられた福島復興(環境の回復・原子炉施設の廃止措置)に向けた研究開発や、高速炉サイクル技術に関する研究開発、原子力の安全性向上のための研究、原子力基礎基盤研究等といった主要事業に利用された。本報告は、平成30年度における大型計算機システムを利用した研究開発の成果を中心に、それを支える利用支援、利用実績、システムの概要等をまとめたものである。

論文

Lattice dynamics in FeSe via inelastic X-ray scattering and first-principles calculations

村井 直樹; 福田 竜生; 中島 正道*; 河村 光晶*; 石川 大介*; 田島 節子*; Baron, A. Q. R.*

Physical Review B, 101(3), p.035126_1 - 035126_6, 2020/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

非弾性X線散乱を用いたFeSe超伝導体のフォノン研究について報告する。実験的に決定したフォノン分散と非磁性相の密度汎関数理論(DFT)とを比較を行うと、両所の間には顕著な不一致が見られた。FeSeは磁気秩序を示さないにもかかわらず、スピン偏極DFTを用いることによって初めて実験結果は再現される。この解析は、強いスピン揺らぎを内在した常時性状態における近似を与える。

論文

High performance eigenvalue solver for Hubbard model; Tuning strategies for LOBPCG method on CUDA GPU

山田 進; 町田 昌彦; 今村 俊幸*

Parallel Computing; Technology Trends, p.105 - 113, 2020/00

本発表は科学研究費補助金(科研費)に従い実施した強相関ハバードモデル計算に現れる固有値問題に対する高性能計算に関するものである。具体的には、ハバードモデルの計算に現れる固有値計算に固有値計算ソルバの1つであるLOBPCG法を適用した際の高速化についての発表である。特筆すべき成果は、現在主流のプロセッサの1つであるGPUのアーキテクチャに合わせたデータの格納方法を提案し、実際に行列計算を高速化したことである。さらに、複数の線形計算をまとめて実行することで、データへのアクセス回数を減らすことができ、さらなる高速化も実現した。これらの高速化により、これまでの方法と比較し全体で約1.4倍の高速化を実現した。なお、この成果は科研費研究「エクサスケール計算機を想定した量子モデルシミュレーションに対する並列化・高速化」の研究成果である一方、GPUを利用した高性能計算にも資する成果である。

論文

Inner and outer-layer similarity of the turbulence intensity profile over a realistic urban geometry

稲垣 厚至*; Wangsaputra, Y.*; 神田 学*; Y$"u$cel, M.*; 小野寺 直幸; 青木 尊之*

SOLA (Scientific Online Letters on the Atmosphere) (Internet), 16, p.120 - 124, 2020/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Meteorology & Atmospheric Sciences)

都市境界層を対象とした風況解析により、内層および外層のスケーリングと乱流強度分布の類似性を検討した。計算条件として、現実的な建物形状の上に発達する中立条件を仮定すると共に、計算領域19.2km$$times$$4.8km$$times$$高さ1kmに対して2m格子を設定した。乱流強度分布は計算領域内で局所的に定義できる。内層と外層に対してスケーリング則を当てはめることで、表面形状に関係なく、内層と外層内の乱流強度予測のばらつきを減らすことが可能となる。スケーリングされたプロファイル間のばらつきは、各層のスケーリングパラメーターの不一致に起因するが、長さまたは速度の比率からなる無次元パラメーターを導入することで、それらの類似性を示した。

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