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核融合研究開発部門
JAEA-Evaluation 2016-002, 40 Pages, 2016/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成20年10月31日内閣総理大臣決定)及びこの大綱的指針を受けて作成された「文部科学省における研究及び開発に関する評価の指針」(平成21年2月17日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規定」(平成17年10月1日制定、平成21年8月19日改正)等に基づき、「核融合エネルギーを取り出す技術システムの研究開発」に関する事前評価を核融合研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、核融合研究開発・評価委員会は、原子力機構から提出された平成27年4月から平成34年3月までの次期中期計画の概要、核融合研究開発部門の運営ならびに核融合研究開発の実施状況に関する説明資料の検討、及び核融合研究開発部門長による口頭発表と副部門長も交えての質疑応答・意見交換を行った。本報告書は、核融合研究開発・評価委員会より提出された事前評価の内容、並びに、委員会による指摘事項とそれに対する措置を取りまとめたものである。
核融合研究開発部門
JAEA-Evaluation 2016-001, 128 Pages, 2016/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成20年10月31日内閣総理大臣決定)及びこの大綱的指針を受けて作成された「文部科学省における研究及び開発に関する評価の指針」(平成21年2月17日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規定」(平成17年10月1日制定、平成21年8月19日改正)等に基づき、「核融合エネルギーを取り出す技術システムの研究開発」に関する事後評価を核融合研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、核融合研究開発・評価委員会は、原子力機構から提出された平成22年4月から平成26年11月までの核融合研究開発部門の運営ならびに核融合研究開発の実施状況に関する説明資料の検討、及び核融合研究開発部門長による口頭発表と副部門長も交えての質疑応答・意見交換を行った。本報告書は、核融合研究開発・評価委員会より提出された事後評価の内容、並びに、委員会による指摘事項とそれに対する措置を取りまとめたものである。
小島 有志; 花田 磨砂也; 戸張 博之; 錦織 良; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B304_1 - 02B304_5, 2016/02
被引用回数:11 パーセンタイル:49.28(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITERやJT-60SAで利用する中性粒子入射装置の実現に向けて、大面積多孔多段負イオン加速器を開発中であり、1MVや500kVの直流超高電圧を真空中で安定して保持できる耐電圧性能が要求されている。そこで、真空放電の物理理解に基づく耐電圧設計手法を確立することを目的として、今回、これまでの耐電圧試験結果に基づいて、多段の入れ子構造である加速電極支持構造の形状を、耐電圧や境界条件から最適化する手法を開発した。本手法では、ビーム光学から要求される電圧及びギャップ長から、電極平板部の面積、つまり同軸の入れ子構造となる円筒型電極の半径を決定することにより、耐電圧を満たすための同軸間ギャップ長を求める。これにより一段分の対向する陰極・陽極の電極構造が決まるため、本手法を段数分くり返すことにより、耐電圧を満たした加速電極支持構造を境界条件の中で一意に設計することが可能となる。得られた加速器の耐電圧を予測するために、未解明であった多段による耐電圧の劣化を、5段電極を用いて実験的に調べた結果、5段の耐電圧は1段耐電圧の段数倍よりも25%程度耐電圧が減少し、段数の増加による影響が見られた。この効果を考慮した結果、本手法によるJT-60用負イオン加速器の耐電圧解析が10%以下の誤差の範囲で一致し、ITERやJT-60SAの耐電圧設計の精度を向上することができた。
小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06
被引用回数:38 パーセンタイル:89.6(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/mの負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。
梅田 尚孝; 小島 有志; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 平塚 淳一; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 花田 磨砂也
AIP Conference Proceedings 1655, p.050001_1 - 050001_10, 2015/04
ITER中性粒子入射装置では、1MeV, 40A(電流密度200A/m)の大電流の重水素負イオンビームを3600秒間にわたって加速することが要求されている。この負イオンビーム加速を実証するため、原子力機構のMeV級試験装置で長パルスのビーム加速試験を行っている。今回、冷却性能を上げるため磁石と冷却管位置を変更した長パルス用の引出電極を開発した。さらに、負イオンの衝突と2次電子の発生を抑制するため電子抑制電極の孔径を14mmから16mmに大きくし、電極へのビーム衝突を減らすため孔軸変位量も修正した。これにより負イオンの透過率が上がり、電極全体の熱負荷は14%から11%に低下した。そして、加速電圧700kV、ビーム電流密度100A/mの負イオンビームを装置の限界である60秒間安定に加速することができた。
井上 多加志
強化プラスチックス, 60(7), p.269 - 270, 2014/07
国際熱核融合炉(ITER)のNBI加熱装置に用いられる加速器では、1MV, 40Aの大電力でイオンビームを加速するために直径約1.8mの大口径絶縁管が必要である。しかしながらセラミック、冬季などの無機材料でこのような大口径絶縁管を製作した例はなく、大口径セラミック絶縁管の開発を進めるとともに、ガラス繊維強化エポキシ(FRP)製大口径絶縁管を用いて1MeV水素負イオンビームの開発研究を推進してきた。開発当初はFRPからの脱ガスに続く絶縁破壊が頻発したが、真空,金属, FRPの接点である三重点近傍FRPにエポキシ溶融を見出し、大型金属構造物による三重点の電界強度低減を図った結果、1MV高電圧の長時間保持に成功し、ITER要求性能:ビームエネルギー1MeV、負イオン電流密度200A/mのところ、短パルスながら0.98MeV、185A/mの水素負イオン加速を達成している。
梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 井上 多加志; 小島 有志; 花田 磨砂也
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B304_1 - 02B304_3, 2014/02
被引用回数:12 パーセンタイル:48.61(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER中性粒子入射装置用加速器を実現するため、静電5段加速の負イオン加速器の開発を行なっている。これまで目標値のビームエネルギー1MeV、電流密度200A/mの負イオンビーム加速に対して、850keV, 185A/mの加速に成功しているが、高い電極熱負荷によりビームパルス幅は0.4秒に制限されていた。今回、フィルター磁場によるビーム偏向を補正するため、0.5mmの孔軸変位を採用した新たな引出部を開発した。これにより、フィルター磁場によるビーム偏向を6mradから1mradに低減し、負イオンの衝突による電極熱負荷を23%から15%に低減した。この結果、高パワーでの長時間加速が可能となり、ビームエネルギー881keV, 電流密度130A/mの負イオンビームを8.7秒間加速することができ、100MW/mを越えるパワー密度でパルス幅を1桁上げることに成功した。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 戸張 博之; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 井上 多加志; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.227 - 236, 2013/02
被引用回数:12 パーセンタイル:96.16ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40Aの重水素(D)負イオンビームを1時間に渡り生成する。しかし、電子抑制用の磁場やビーム間に働く反発力でビームが大きく偏向して電極に衝突し、高い熱負荷を生じて運転を妨げることが問題となっていた。そこで3次元のビーム軌道解析を用いて、孔軸をずらしたり金属突起を付けることで、ビーム偏向と逆方向にビームを曲げる電界の歪みを形成してビーム偏向を補正する方法を検討した。磁場によるビーム偏向については、引出し部の直径17mmの孔をわずか0.6mm変位させて電界の歪みを形成することでビーム発散角を維持したまま補正できることを明らかにした。またビーム間の反発による偏向に対しては、引出部裏の多孔領域周辺に取り付けた金属板の厚みを3mmまで増やし、孔位置から徐々に遠ざけて30mmの位置に設置したとき、弱い電界の歪みで緩やかにビーム軌道を曲げて、発散角を維持したままビーム偏向を補正できることを示し、これらの結果をITERの設計に反映させた。
柴田 崇統; 寺崎 良*; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.177 - 186, 2013/02
被引用回数:8 パーセンタイル:93JT-60SA用中性粒子入射装置では、大面積(0.90.45m)引出し面上の負イオン生成が偏っており、引き出された負イオンが電極に衝突して失われることが問題となっている。これまでの研究で、フィラメント陰極から放出される高速電子がドリフトによって長手方向一方向へ移動すること、その電子温度の空間分布に負イオン一様性が強く関連することがわかっている。本研究では、電子温度の空間分布を一様にする負イオン源の磁場配位の改良を目的として、負イオン源内の電子温度分布を再現・予測するため、衝突素過程を考慮した3次元電子輸送解析コードを開発し、原子力機構の10アンペア負イオン源モデルで電子温度空間分布に偏りが発現する機構を調べた。その結果、解析結果はプローブ測定結果を良く再現できること、さらに高速電子が高いエネルギー(=25-60eV)を保持したまま長手方向端部の壁付近まで到達してプラズマ粒子と頻繁に衝突し、電子温度の空間分布に偏りを生じる過程を明らかにした。
田中 政信*; Hemsworth, R. S.*; 栗山 正明*; Svensson, L.*; Boilson, D.*; 井上 多加志; 戸張 博之; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 39(6), p.1379 - 1385, 2011/06
被引用回数:6 パーセンタイル:27.31(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのプラズマ加熱・電流駆動用中性粒子入射装置(NBI)では、1MeV, 40Aの重水素負イオンを5段の静電加速器で加速する。この加速器は真空中に設置されるため、真空中で-1MVを絶縁することが重要な課題の1つである。-1MV電位の加速器と接地電位の真空容器間での絶縁破壊を抑制するために十分な絶縁距離が必要であり、これまでの実験結果を整理して絶縁距離を900mm以上とする設計にした。また、ビーム源に電力や冷却水等を供給するための高電圧ブッシングは加速器構造に対応し5段の絶縁体で構成され、1段で-200kVを絶縁する設計となっている。この高電圧ブッシング1段分の実機サイズの試験体を製作して耐電圧試験を実施したところ、定格を上回る-203kVを5時間安定保持することができ、絶縁設計の妥当性が確認された。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 小島 有志; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; Hemsworth, R. S.*; 水野 貴敏*; 武本 純平; 田中 政信*; 田中 豊*; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
原子力機構の多孔多段加速器では、ITERの中性粒子入射装置に必要な1MeV, 200A/mの負イオンビーム加速を目指している。耐電圧試験では、加速器の耐電圧は理想的な電極の耐電圧の半分程度であることがわかった。複雑な構造を有する電極や電極支持部の局所的な電界集中が問題であると考え、電極間ギャップを延長し、電極支持部の端部の曲率を大きくして電界集中を抑えた。その結果、真空耐電圧が改善し、1MVで4000秒の電圧保持を達成した。ビーム加速でも、従来の796keV, 0.32A (140A/m)から879keV, 0.36A (157A/m)に大きく進展した。一方、ビーム加速試験では、磁場とビーム間の空間電荷反発によりビームが曲げられて電極に衝突し、ビームエネルギー・電流減少の原因となっていた。3次元ビーム解析において、このビームの偏向量を明らかにして孔ずれと電界補正板を用いたビーム偏向補正方法を設計し、加速器試験でこの補正法が有効に機能することを確認した。
井上 多加志
プラズマ・核融合学会誌, 87(Suppl.), p.179 - 185, 2011/02
本稿は、トカマク型核融合原型炉を構想することを目的とした教科書のうち、加熱電流駆動装置の一つである中性粒子入射装置(NBI)に関する部分である。まず、原型炉で要求されるNBI性能を議論し、大型プラズマの加熱・電流駆動のためには、これまで以上の高効率,高エネルギー,高信頼性・長寿命化が要求されるとし、その技術課題を検討した。放射線環境での運転を考慮すると真空絶縁が不可欠であり、実加速器の真空絶縁特性から、ビームエネルギーは1-1.5MeV程度とするのが現実的であることを示した。負イオン源の信頼性向上,長寿命化のためには、従来の大電流・高電流密度負イオン生成技術に立脚した、フィラメントレス・セシウムフリー負イオン源の開発が必要である。さらに、NBIシステムの効率を決める中性化方式には、従来のガス中性化(効率60%)では要求性能を満足し得ず、中性化効率80%以上のプラズマ中性化等が必要となる。最近、高効率・連続運転の可能な高出力半導体レーザーが製品化されており、これを用いて中性化効率90%以上を実現するレーザー中性化セルの概念を提案する。
秋場 真人; 榎枝 幹男; 田中 知*
Fusion Engineering and Design, 85(10-12), p.1766 - 1771, 2010/12
被引用回数:16 パーセンタイル:72.46(Nuclear Science & Technology)日本が計画しているITERテストブランケット(TBM)の第一候補として、水冷却固体増殖方式のテストブランケットの開発を、原子力機構を中心として進めている。また、液体増殖ブランケットに関しては、大学,核融合科学研究所が中心となって、先進的なデモブランケットを目標として開発研究を進めている。固体増殖方式のTBMお開発に関しては、ITER運転の初日までにTBMの製作を完了し組み込むために、これまで開発してきた製作技術を適用して実規模の第一壁のプロトタイプの製作に成功し、さらに、実機と同条件の表面熱負荷試験を実施し、熱耐久性を実証した。また、増殖材増倍材の開発,中性子工学的に関する研究など、必要な項目を網羅して開発を進めている。液体増殖ブランケットに関しては、実際に液体増殖材を使った試験ループによる、腐食防止膜の試験や熱交換器の開発試験まで、実用的な開発を実施するところまで発展している。本報告は、これらのTBMの開発の現状について報告をする。
鶴 大悟; 榎枝 幹男; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 大楽 正幸; 関 洋治; 鈴木 哲; 毛利 憲介*; et al.
Fusion Science and Technology, 56(2), p.875 - 882, 2009/08
被引用回数:7 パーセンタイル:45.39(Nuclear Science & Technology)日本が計画しているITERテストブランケット(TBM)の第一候補として、水冷却固体増殖方式のテストブランケットの開発を、原子力機構を中心として進めている。設計研究としては、TBMのITERへの組み込みを実現するために、TBMの構造設計を進めるだけでなく、ITER本体との構造上の整合性が得られるように、TBMのテストポートとの取り合い部の構造設計を進めた。さらに、構造設計やシステム設計に基づいた安全解析を実施し、予備的な安全評価を明らかにした。また、ITER運転の初日までにTBMの製作を完了し組み込むために、これまで開発してきた製作技術を適用して実規模の第一壁のプロトタイプの製作に成功し、さらに、実機と同条件の表面熱負荷試験を実施し、熱耐久性を実証した。本報告は、これらの水冷却固体増殖TBMの設計と開発の現状について報告をする。
Hemsworth, R. S.*; Decamps, H.*; Graceffa, J.*; Schunke, B.*; 田中 政信*; Dremel, M.*; Tanga, A.*; DeEsch, H. P. L.*; Geli, F.*; Milnes, J.*; et al.
Nuclear Fusion, 49(4), p.045006_1 - 045006_15, 2009/04
被引用回数:381 パーセンタイル:99.75(Physics, Fluids & Plasmas)ITER中性粒子ビーム入射(NB)装置は、過酷な放射線環境中で運転され、かつITERからの中性子によって放射化する、核融合炉と同様の条件と制約のもとで稼動する最初のNB装置となる。ITER NB装置は単一の大型イオン源と加速器を用いて、1MeV, 40AのDイオンを3600秒間にわたり加速する。最近4年間で以下の設計変更がなされた。(1)天井クレーンによってビームライン機器の保守と交換を可能とした。(2)フィラメントを用いたイオン源に代えてRF駆動イオン源を参照設計に採用した。(3)イオン生成電源と引出し電源を、従来NB装置の上階に設置したSF6ガス絶縁HVデッキから、トカマク建屋外の大気絶縁HVデッキに移した。本論文は以上の設計変更を含む2008年12月時点での設計の現状を報告する。
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 大楽 正幸; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1097 - 1101, 2008/12
被引用回数:14 パーセンタイル:66.83(Nuclear Science & Technology)核融合炉用プラズマ対向機器(PFC)開発の一環として、原子力機構では加圧水冷却による高性能冷却管の開発を進めている。その中で冷却管内面にネジ状フィンにより除熱性能を高めた冷却管を核融合原型炉DEMOへの適用を提案している。この冷却管のフィンは単純なネジ切り加工により形成するため、スクリュウ管と呼んでいる。原子力機構におけるDEMO設計ではダイバータ冷却条件は、プラントの発電効率向上に寄与するため、圧力4MPaで出口温度200Cを想定している。本研究ではスクリュウ管の限界熱流束(CHF)に対するサブクール度の影響をDEMO冷却条件に相当する実験条件において実験的に調べた結果を報告する。冷却管はDEMOダイバータでの構造材候補のF82Hの代わりに純銅製を使用した。入口温度を室温(出口サブクール度200K)から180C(出口サブクール度60K)まで上昇させることによりスクリュウ管のCHFは半減するものの、入口温度180C(出口サブクール度60K)でも以前として、平滑円管の2倍以上の限界熱流束を有していることを明らかにした。
江里 幸一郎; 秋場 真人; 榎枝 幹男; 鈴木 哲; 関 洋治; 谷川 尚; 鶴 大悟; 森 英夫*; 岡 芳明*
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
現在、東京大学を中心として設計・開発が進められている軽水冷却スーパー高速炉では超臨界圧水を用いて炉心を冷却する。燃料棒被覆管表面温度の高精度予測は燃料棒健全性と主蒸気温度評価にとって重要であるが、超臨界圧水の伝熱実験は管内流において実施されたものであり、燃料棒周りのような狭隘流路の管外流における伝熱流動データはこれまでほとんど取得されていない。本報では、上記のような超臨界圧水の伝熱流動データを取得するために原子力機構に整備した伝熱流動ループの概要と、単一模擬燃料棒ヒータ周りの熱伝達実験結果を報告する。本報告は、旧電源開発促進対策特別会計法に基づく文部科学省からの受託事業として、東京大学が実施した平成18年度「軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発」の成果である。
鈴木 哲; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 大楽 正幸; 榎枝 幹男; 谷川 尚; 鶴 大悟; 関 洋治; 毛利 憲介*; 西 宏; et al.
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
原子力機構におけるITER及び核融合DEMO炉用プラズマ対向機器の研究開発状況を報告する。ダイバータや第一壁といったプラズマ対向機器はプラズマからの高熱負荷及び高粒子負荷にさらされる。プラズマ対向機器はこれらの負荷に対して十分な除熱性能と構造強度を備えなければならない。原子力機構では、銅合金を構造材とし、熱伝導率の高い炭素複合材やタングステンを表面保護材としたITER用プラズマ対抗機器の開発を進めており、ITER参加各極との緊密な協力の下、プラズマ対向機器の熱機械性能の実証を行ってきた。現在、ITER建設のためのプラズマ対向機器の大量製作に向けたクォリフィケーションを行っている。一方、核融合DEMO炉用プラズマ対向機器の開発もITERの開発と平行して行っており、これらの研究開発状況について、高熱負荷実験を中心に報告する。
高戸 直之; 戸張 博之; 井上 多加志; 花田 磨砂也; 関 孝義*; 加藤 恭平*; 畑山 明聖*; 坂本 慶司
JAEA-Research 2008-031, 44 Pages, 2008/03
セシウム添加型負イオン源から引き出された大電流密度負イオンビーム強度が空間的に非一様となるメカニズムを解明するため、JAEA10アンペア負イオン源内でのプローブ測定及び負イオンビーム強度測定を行った。実験結果を考察するため、レート方程式及び粒子(電子・原子・負イオン)軌道追跡を用いた数値解析を行った。その結果、(1)セシウムを導入して負イオンの表面生成反応を促進した状態では、体積生成時とは逆に高い電子温度の領域で高い負イオンビーム強度が得られることを明らかにした。レート方程式を用いた数値解析から、表面生成された負イオンは高速電子によって破壊される前に引き出されることが推定された。(2)1次電子はBBドリフトによってイオン源内で局在化することを確認し、フィラメントの配置を改良して1次電子のドリフトを抑制することにより、負イオンビーム強度の空間的非一様性が改善されることを示した。
井上 多加志; 戸張 博之; 高戸 直之*; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 畑山 明聖*; 和田 元*; 坂本 慶司
Review of Scientific Instruments, 79(2), p.02C112_1 - 02C112_4, 2008/02
被引用回数:2 パーセンタイル:14.61(Instruments & Instrumentation)大型負イオン源の一様性改善の実験研究において、負イオンビームと電子温度の空間分布には急峻な勾配が観察されている。Cs添加前後で、電子温度分布に変化はなかったが、負イオンビームの空間分布における勾配は、Cs添加前後で反転した。これは、Cs添加時に高電子温度プラズマ領域で負イオン生成が促進されていることを示している。本論文では簡単な解析から、負イオンの親粒子である原子状水素や陽子の生成に高電子温度プラズマが有効であり、このため負イオン生成が促進されることを明らかにした。