原子力機構における環境浄化への取り組み; 高分子捕集材等を用いた放射性物質回収・除去技術の開発,2; 放射線グラフト重合技術を用いた除染材料の開発

Environmental clean-up projects of JAEA, developments for recovery and decontamination methods of radioactive materials by the polymer-like compounds, 2; Development of fibrous Cs adsorbent by radiation grafting technique

瀬古 典明; 笠井 昇; 植木 悠二; 佐伯 誠一; 保科 宏行; 岩撫 暁生; 鈴木 伸一; 矢板 毅; 松橋 信平; 伊藤 久義; 河内 哲哉; 中山 真一 

Seko, Noriaki; Kasai, Noboru; Ueki, Yuji; Saiki, Seiichi; Hoshina, Hiroyuki; Iwanade, Akio; Suzuki, Shinichi; Yaita, Tsuyoshi; Matsuhashi, Shimpei; Ito, Hisayoshi; Kawachi, Tetsuya; Nakayama, Shinichi

飛散した放射性物質のうち、特に水中に溶けているセシウムに対して親和性の高い高分子除染材料の開発を試みた。セシウム用捕集材として、線や電子線を用いた放射線グラフト重合法を適合して、リンモリブデン酸型の捕集材を合成し、得られた捕集材の性能は、1mg/Lの安定セシウム溶液を用いたバッチ吸着試験及びカラム吸着試験により評価を行った。バッチ吸着試験では、50mlの溶液に、50mg(1cm角)のセシウム捕集材を入れ、24時間攪拌した場合、ほぼ100%のセシウム捕集する性能を確認した。また、カラム吸着試験では、内径7mmのカラムに47mgのセシウム捕集材を充填することにより、捕集材体積の3,000倍量の安定セシウム溶液0.57Lからセシウムを除去できることが確認できた。福島県飯舘村内の溜池におけるフィールド試験では、可溶性の放射性セシウムが10Bq/L程度溶存している溜め水100Lを連続的に検出限界以下まで除去することに成功した。

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