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佐々木 新治; 前田 宏治; 古屋 廣高*
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(3), p.276 - 282, 2018/03
被引用回数:3 パーセンタイル:29.51(Nuclear Science & Technology)The lifetime of control rods is limited by the absorber (BC pellets)-cladding mechanical interaction (ACMI). Therefore, sodium (Na)-bonded control rods were developed for long-life control rods. Na-bonded control rods have been irradiated in the experimental fast breeder reactor, JOYO MK-III, and the diametrical changes of the Na-bonded absorber pins after the irradiation were measured in detail. In this paper, these detailed measurements were compared with the results obtained in helium (He)-bonded control rods with and without the shroud tube in a wide burn-up range. From the comparison, it was concluded that the Na-bonded absorber pins are very effective for achieving long-life control rods.
石見 明洋; 勝山 幸三; 前田 宏治; 古屋 廣高*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(11), p.1274 - 1276, 2017/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.5(Nuclear Science & Technology)X線CTによってMOX燃料とジルカロイ反応生成物の2次元、3次元画像を取得した。また、Cs-137とEu-154のFP核種とCo-60の放射化核種の線強度分布を取得した。2次元画像から、金属層領域において燃料と被覆管の平均密度が得られた。また、3次元画像から、燃料片とポアの状況を明確に把握することができた。線測定より、Cs-137は未反応燃料領域と金属層領域内のポア部分において観察され、Eu-154は全ての領域に観察された。Co-60は金属層領域にのみ観察された。
石見 明洋; 勝山 幸三; 木原 義之; 古屋 廣高*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(7), p.951 - 956, 2016/07
被引用回数:4 パーセンタイル:36.03(Nuclear Science & Technology)常陽MK-II炉心にて照射された中空ペレットについて、X線CT検査等の照射後試験を実施した。X線CT検査の結果、燃料スタック中央部付近において中空径が製造時よりも小さくなることを確認した。また、X線CT検査結果より中空ペレットのスエリング率を評価し、金相写真より評価した結果とほぼ一致していることを確認した。さらに、中実ペレットに比べ高い線出力で照射された中空ペレットのスエリング率及びFPガス放出率は、中実ペレットと同等であることを確認した。
石見 明洋; 勝山 幸三; 中村 博文; 浅賀 健男; 古屋 廣高
Nuclear Technology, 189(3), p.312 - 317, 2015/03
被引用回数:4 パーセンタイル:32.74(Nuclear Science & Technology)高解像度X線CT技術を開発し、照射済燃料集合体の高解像度CT画像を取得することが可能になった。さらに、CT値と密度の関係式を用いることで得られたCT画像によりMOX燃料ペレット中の径方向の密度分布を評価し、破壊試験により得られた組織観察結果と比較を行った。その結果、X線CTによって得られた径方向相対密度分布は、破壊試験にて観察された組織変化とよく一致していた。
石見 明洋; 勝山 幸三; 前田 宏治; 永峯 剛; 浅賀 健男; 古屋 廣高
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(12), p.1144 - 1155, 2012/12
被引用回数:8 パーセンタイル:52.08(Nuclear Science & Technology)照射された燃料ペレット内の状態を把握するため、原子力機構で開発してきたX線CT技術の改良を行った。本技術の改良では、高感度Si半導体検出器の導入、コリメータスリットの微細化及びX線線源形状の最適化を行った。また、画像解析コードについても中心空孔解析手法の改良や密度識別手法を新たに導入した。本改良によって、照射済燃料集合体等の高解像度X線CT画像を取得することに成功した。また、中心空孔の解析精度が向上し、燃料ペレット内の密度識別についても可能になった。
勝山 幸三; 永峯 剛; 古屋 廣高
IEEE Transactions on Nuclear Science, 57(5), p.2714 - 2718, 2010/10
被引用回数:1 パーセンタイル:12.08(Engineering, Electrical & Electronic)高速実験炉「常陽」で照射した炉心燃料集合体のX線CT試験を実施し、得られたCT断面像から燃料集合体内の燃料ピンの配置状況や燃料ペレット内の中心空孔形成状況を定量化した。
勝山 幸三; 前田 宏治; 永峯 剛; 古屋 廣高
Nuclear Technology, 169(1), p.73 - 80, 2010/01
被引用回数:4 パーセンタイル:30.41(Nuclear Science & Technology)高速実験炉「常陽」で照射した燃料集合体の3次元X線CT画像の取得に成功し、あらゆる角度から照射した燃料集合体の内部状況観察が可能となった。また、燃料ペレット内の中心空孔発生状況も観察できることを確認し、3次元X線CT画像から軸方向における中心空孔の形成状況を明らかにした。これにより、これまで破壊試験で実施してきた観察の多くが非破壊試験で実施可能となり、照射後試験の迅速化、効率化、低価格化に貢献した。
朝倉 浩一; 加藤 良幸; 古屋 廣高
Nuclear Technology, 162(3), p.265 - 275, 2008/06
被引用回数:9 パーセンタイル:52.61(Nuclear Science & Technology)マイクロウェーブ加熱脱硝(MH)法,ADU法及びシュウ酸沈殿法により各々調整された二酸化ウラン,二酸化プルトニウム及びウラン・プルトニウム混合酸化物を用い、これらの粉末のBET比表面積,空気透過法による平均粒径,かさ密度,タップ密度,安息角,スパチュラー角及び凝集度を測定した。BET比表面積と平均粒径から算出した表面積の比から表面粗さの程度を評価し、カーの理論に基づき粉末流動性を評価した。異なる粉末や調整条件の異なる粉末に関するこれらの評価結果について、焙焼温度をパラメータとした比較を行った。MH-MOX粉末の表面粗さについては、ADU-UO粉末のそれよりも大きく、シュウ酸沈殿法によるPuOのそれよりも小さな結果となった。これらの結果については、セラミックス物質においては一般に用いられているヒューティグ・タンマン温度の概念を用いることにより理解できる。既に、一般の論文でも報告されているように、MH-MOX及びADU-UO粉末の流動性は圧縮度の増加とともに減少した。しかし、その値は50以下であった。カーの理論によると、流動性の良い粉末と悪い粉末の境界は、流動性指数が60から69である。それゆえ、MOXペレット製造工程の成型機へ流動性の良い原料粉を供給するには、原料であるMH-MOX粉末,ADU-UO粉末及び乾式回収MOX粉末の混合粉末を造粒する必要がある。
勝山 幸三; 永峯 剛; 中村 保雄; 浅賀 健男; 古屋 廣高
Transactions of the American Nuclear Society, 97(1), p.620 - 621, 2007/11
高速炉で照射した燃料集合体の横断面CT画像を合成することにより、三次元画像を取得することに成功した。この技術を利用することにより燃料集合体内の変形状況等が容易に把握できるようになった。また、取得した三次元画像から軸方向の中心空孔の形成状況を連続的に観察することが可能となった。
勝山 幸三; 永峯 剛; 中村 保雄; 松元 愼一郎; 浅賀 健男; 古屋 廣高
Transactions of the American Nuclear Society, 94(1), p.771 - 772, 2006/06
高速実験炉「常陽」で照射した炉心燃料集合体のX線コンピュータトモグラフィ試験(以下CT試験)を実施し、得られたCT断面像から燃料集合体内の燃料ピンの配置状況を定量化した。その結果、これまで確認できなかった軸方向における燃料ピンの変位挙動を非破壊試験にて把握することが可能となるとともに、「常陽」炉心燃料集合体における最外周燃料ピンのラッパ管側への変位挙動を定量的に明らかにした。
吉田 昌弘*; 遠藤 章; 佐藤 滋朗*; 大畑 勉*; 渡邊 正敏*; 大山 柳太郎*; 古屋 廣高*
日本原子力学会和文論文誌, 4(3), p.213 - 218, 2005/09
天然起源の放射性核種を有意な量を含む物質はNORM(Naturally Occurring Radioactive Materials)と呼ばれ、NORMを含むさまざまな消費財は日常生活において広く利用されている。NORMの一つである天然のウラン,トリウムを含む消費財には、研磨剤,陶器の釉薬,タングステンアーク溶接電極棒等の工業製品のみならず、家庭用温泉器,寝具,肌着,装飾品等の家庭用品も数多くある。したがって、日常生活で身近に存在するこれらの製品中の放射能濃度と、その製品を利用することによる被ばく線量を評価することは、人体への影響,放射線防護と規制のあり方を考えるうえで重要である。本研究では、天然のウラン,トリウムを含有する市販の消費財を収集し、それらの濃度を測定するとともに、代表的な消費財に対して、典型的な使用形態を想定し被ばく線量を評価した。
勝山 幸三; 永峯 剛; 松元 愼一郎; 浅賀 健男; 伊藤 正彦; 古屋 廣高
2004 ANS Winter Meeting, 91, 0 Pages, 2004/00
本研究では、X線CT技術を照射済燃料集合体の非破壊試験に適用し、新しい非破壊検査技術を確立した。照射済燃料集合体からの線放出の影響を低減するため、パルス状に高エネルギーX線を発生させ、それと同期した検出システムを採用した。これによって鮮明な画像を得るとともに、断層画像、3次元画像を得ることにも成功した。この画像により、これまで破壊試験でしか得られなかったデータをも非破壊試験で取得できることになり、作業効率の向上、放射性廃棄物の発生の低減化にも貢献できる。
佐藤 勇; 滑川 卓志; 古屋 廣高*; 出光 一哉*; 百田 正隆*; 稲垣 八穂広*
Journal of Nuclear Materials, (304), p.21 - 28, 2002/00
被引用回数:15 パーセンタイル:67.64(Materials Science, Multidisciplinary)酸素分圧10(-31乗)10(-22乗)atm、温度600800における高速炉被覆管材料PNC316の酸化挙動についてSUS316とともに定量・定性的に評価した。これらの材料における反応酸素量は時間とともに放物線則にしたがって増加し、また、その反応速度定数は温度と酸素分圧に依存していることが分かった。反応速度定数の半実験式はPNC316では、2.710(4乗)・exp(-109/RT)・Po2(0.279乗)、SUS316では9.2310(4乗)・exp(-98/RT)・Po2(0.313乗)であった。低酸素分圧下で生成する反応層は内層がCr2O3、FeCr2O4で構成されており、外層は酸化されていない-Feが含まれていた。高燃焼度燃料中における被覆管内面腐食を評価する上で、燃焼初期の低酸素分圧下で生成した酸化層若しくは酸化されていない-Feの析出の事実は重要と考えられる。
朽山 修*; 高須 亜紀*; 池田 孝夫*; 木村 英雄; 佐藤 正知*; 長崎 晋也*; 中山 真一; 新堀 雄一*; 古屋 廣高*; 三頭 聰明*; et al.
原子力バックエンド研究, 5(1), p.3 - 19, 1998/08
放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、現在用いられている核種移行モデルは主として、固体物質による遅延効果を収着分配係数Kを用いて評価している。しかしながら、収着はその機構が未だ十分解明されていない現象であるため、移行モデルKを用いるにあたっては、いくつかの注意が必要となる。この問題は、収着が固体と水の界面あるいはその近傍で起こる不均一系の反応であることと、核種の移行媒体である地質媒体の物理的性質や化学的性質が一様でないことに起因している。本論文はKを用いて記述できる収着現象の範囲について考え、さらに原位置での核種移行の評価に対するKによる記述の妥当性と適用性について考察した。
佐藤 勇*; 古屋 廣高*; 今野 廣一; 有馬 立身*; 山本 一也
PNC TY9606 98-003, 99 Pages, 1998/06
高速炉燃料の高燃焼度化で燃料内への多量の核分裂生成物(FP)の蓄積、余剰酸素の生成による酸素分圧の上昇等の現象が予想される。特に高収率で生成されるMo、Cs、Zr等のFPはその化学的性質から燃料内の諸現象において重要な役割をすることが知られている。本研究は、このような高燃焼度燃料内のFPの分布状態及び移動挙動とこれらの挙動に影響を及ぼすと考えられる酸素ポテンシャルに注目し、Mo、Cs、Zr等のFP挙動を総合的に評価することを目的として、平成8年度より九州大学と動燃事業団との3年間の共同研究として実施している。平成9年度は下記のような2部構成で、固体FPの挙動、酸素ポテンシャルに対する被覆管の酸化及び腐食挙動について測定、評価を実施し、次のような結果を得た。第1部:SXMA及び画像解析による固体FPの挙動評価・照射後燃料中の白色金属析出物構成元素の濃度分布を測定し、Pd,Moにおける燃料径方向移動の燃焼度依存性を評価したところ、Pdは10at%程度の燃焼度において燃料外周部への移動が確認され、さらに低い燃焼度でも移動している可能性があり、Moは13at%の燃焼度に達した燃料でのみ外周部への移動が確認された。また、Zr-Ba系析出物について組成を測定したところ析出物の組成はおおよそ、O:U:Pu:Ba:Zr:Mo=3:0.118:0.063:1.039:0.811:0.011であった。第2部:改良型SUS316の酸化・腐食挙動・平成8年度から実施している酸化実験を継続実施し、さらに極低酸素分圧下での酸化実験を行い、酸化挙動の酸素分圧依存性を観察した。また、FPによる腐食の効果を評価するために腐食試験装置を作成し、腐食量評価方法を確立した。
佐藤 勇*; 古屋 廣高*; 今野 廣一; 有馬 立身*; 山本 一也; 梶谷 幹男
PNC TY9606 97-001, 117 Pages, 1997/07
高速炉燃料の高燃焼度化で燃料内への多量の核分裂生成物(FP)の蓄積、余剰酸素の生成による酸素分圧の上昇等の現象が予想される。特に高収率で生成されるMo、Cs、Zr等のFPはその化学的性質から燃料内の諸現象において重要な役割をすることが知られている。本研究は、このような高燃焼度燃料内のFPの分布状態及び移動挙動とこれらの挙動に影響を及ぼすと考えられる酸素ポテンシャルに注目し、Mo、Cs、Zr等のFP挙動を総合的に評価することを目的として、九州大学と動燃事業団との3年間の共同研究として実施している。平成8年度は共同研究の初年度として下記のような3部構成で研究を実施し、Moの移動メカニズム解明のため1、2部を、酸素ポテンシャルに対する被覆管酸化の影響評価のために3部を実施し次のような結果を得た。第1部:Moの気相移動化学形の計算による評価・熱力学解析プログラムSOLGASMIX-PVを用いて、高燃焼度燃料内のMoの移動化学形を推測したところ、MoO3がもっとも安定に存在しうることがわかった。第2部:画像解析を用いた白色金属相の分布評価・金相写真から確認される白色金属析出物断面の面積を測定し、統計的手法を用いて析出物サイズの分布状態を把握する手法を検討した。第3部:改良型SUS316の酸化挙動・比較的高酸素ポテンシャルを制御した系で改良型SUS316の酸化試験を行った。その結果、酸化速度は放物線則を示すことが分かった。低酸素ポテンシャル下の酸化、腐食試験のデータが必要であることが分かった。次年度以降は、MoO3による気相移動モデルの構築、照射後試験による白色金属相分布データの評価、第3部で課題になった酸素ポテンシャル中の腐食試験を実施する予定である。
前田 敏克; 稲垣 八穂広*; 馬場 恒孝; 古屋 廣高*
JAERI-Research 95-019, 18 Pages, 1995/03
高レベル放射性廃棄物の処分場である深地層は還元雰囲気であり、ガラス固化体の性能評価のためには雰囲気による影響も考慮せねばならない。本実験では雰囲気制御下における模擬ガラス固化体の浸出試験を行った。また大気雰囲気においても同様の試験を行い、ガラス固化体の浸出挙動に及ぼす酸化還元雰囲気の影響について調べたところガラス中の主要元素については還元雰囲気における浸出量が酸化雰囲気の約1/2になった。この結果をもとに、マトリクス溶解とガラス中における元素の拡散を考慮した浸出モデルを考案し、実験結果の解析を行った。その結果、酸化還元雰囲気においてはシリカの析出形態に差が生じ、この析出形態の違いにより変質層中での可溶性元素の拡散による浸出量が異なってくることが推察できた。
古屋 廣高*; 鵜飼 重治; 鹿倉 栄; Tsuchiuchi, Y.*; 出光 一哉*
Journal of Nuclear Materials, 201, p.46 - 53, 1993/05
被引用回数:8 パーセンタイル:63.65(Materials Science, Multidisciplinary)「常陽」において実施した軸非均質燃料ピンの照射試験結果に基づき、セシウムの燃料ピン内の移動挙動を評価した。照射後試験においては、CS-137のスキャンとEPMAIによる元素分析を行い、内部ブランケットへのセシウムの移動、蓄積は顕著には生じていないことを確認した。一方、燃料ピン内のセシウムの径方向及び軸方向移動挙動を解析するために開発したMINERVAコードを用いて、軸非均質燃料ピン内におけるセシウムの移動挙動並びにセシウムの化学形態に基づくペレットスエリング量を評価した。その結果、セシウムの軸方向移動はペレットのクラックを介したセシウムの蒸発、凝縮過程に支配されているとともに、被覆管の内面腐食がセシウムの軸方向移動に影響していることが判明した。
稲垣 八穂広*; 馬場 恒孝; 松本 征一郎; 森川 公私*; 村岡 進; 田代 晋吾; 古屋 廣高*
JAERI-M 90-225, 14 Pages, 1990/12
アクチニド核種をドープし、内部の線照射した廃棄物ガラス固化体について、200~500Cの温度範囲で照射後焼鈍を行い焼鈍による固化体の密度変化挙動を調べた。等時焼鈍の結果、450C以下の温度では密度は焼鈍温度と共に増加した(最大0.25%)。一方、450C以上ではガラス転移温度域に近づいたことにより焼鈍前に比べて密度は大きく減少した。また、等温焼鈍の結果、450C以下のどの温度においても焼鈍初期の5時間以内で密度が急激に増加し、その後各温度に対応した平衡密度に近づく傾向が観察された。これらの実験結果を解釈するために固化体中でのヘリウムバブルの形成、成長及び照射によるガラスネットワークの歪の回復を基にしたモデルを考案し、その計算結果と実験結果を比較検討した。
古屋 廣高*; 佐藤 正知*
PNC TJ168 81-01, 60 Pages, 1981/03
高レベル放射性廃液固化体内での原子核崩壊によって生じる固化体の照射効果については70年代半ばになって欧米各国で研究が開始され,現在,急速にデータが蓄積されつつある現況である。本報告では,最新の文献を含めこれらを調査し検討した。照射効果については次の7点が検討の対象とされている,1)照射による体積変化,2)蓄積エネルギーとその放出挙動,3)浸出率への影響,4)結晶相の非晶質化と割れの問題,5)崩壊によるヘリウム蓄積と応力発生,6)機械的性質への影響,7)崩壊による原子価変化と化学的特性への影響。各種崩壊による照射効果への寄与については,崩壊からの損傷形成による効果がその大半を占めることが明らかになった。そこで各国とも,短半減期崩壊核種を固化体に溶解させ内部照射する,所謂,加速試験を最も信頼できる方法として採用している。この方法は,強い線と線を放出する為,代替法も検討され重イオン照射,中性子照射,核分裂破片による方法など検討されている。加速試験による上記7点について各国で実験的に検討した結果につき以下に示す。1)については最大1%程度,2)についてはデータに差もあるが蓄積エネルギーの放出は,ゆるやかで温度の急上昇などの問題はない,3)浸出率のデータは誤差をともなうが,照射試料と非照射試料で特に差は認められないが,最大2倍程度のデータもある,4)結晶化させた固化体については析出結晶相によって割れが生じた,この点については今後とも検討の必要があると思われる,5)については生成ヘリウムは拡散係数も小さく,ほぼ固化体内に蓄積される,固化体内での圧力や,万一の温度上昇などでプレナム内にヘリウムが放出したときの圧力等計算された。6)破壊後の粒度分布測定がなされ,照射,非照射試料について差は認められなかった。7)現在までほとんど研究されていないが,問題となり得ることはないと考えられている。以上が現在までの結果の要約であるが,照射効果の研究はまだ開始されたばかりであり,今後の研究の進展が期待される。特に我が国においては固化体の照射効果についての実験的検討は皆無である。加速試験を行なう場合,集積線量が飽和値に達するまで照射開始後2年程度は必要であり,この方面での早急な対策が望まれる。(2000.12.15 Z -- T)