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佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 鈴木 英哉*
Journal of Nuclear Science and Technology, 11 Pages, 2023/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)アルキルジアミドアミン(ADAAM)を使ったAm/Cm相互分離を行った。ADAAMは硝酸-ドデカン系で非常に高いAm/Cm分離比5.9を示した。1.5M硝酸-0.2M ADAAM条件を用いる多段抽出で抽出後の有機相中にAm 96.5%、Cm 1.06%回収できることを確認した。Am/Cm相互分離後に発生した水相、有機相体積削減のための付加的な多段抽出を行い、Am, Cmを2, 3段の水相に濃縮できることを確認した。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 木下 了磨; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
Analytical Sciences, 39(9), p.1575 - 1583, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)NTAアミドと関連化合物によって塩酸溶液からRhの抽出を行った。我々はここでRh-塩化物アニオンとプロトネートしたNTAアミドによるイオン対抽出を利用した。本抽出系で最大16のRh分配比を得た。調製時のRh錯体の存在割合が異なると、水分子-塩素イオンの交換速度が遅いために、Rh分配比は変化しうる。Rh-Cl錯体のUVスペクトルで504nmの最大吸収波長を持つときに最も高い分配比を示した。DFT計算から、この時水相に存在するRh錯体をRhCl(HO)とRhCl(HO)と推測した。NTAアミド濃度に対する抽出分配比の傾きの解析結果から、1:1反応で抽出されること、及び85mMのRhを有機相に抽出できることを確認した。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*; 金子 政志; 小林 徹; 竹下 健二*; 松宮 正彦*
Analytical Sciences, 5 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)Ru抽出に関して、XANESスペクトルとDFT計算による理論的な検討を行った。各種鉱酸からMIDOA(メチルイミノジオクチルアセトアミド)によるRu分配比はHCl HSO HNO HClOの順になった。XANESスペクトルの結果から、HClから抽出したRuの原子価は低く、有機相中でアニオン性のRuの存在とこれによるイオン対抽出を示唆した。抽出剤相互のRu分配比の比較結果(NTAamide MIDOA IDOA)はDFT計算のHOMO, LUMO間のエネルギー差と一致した。これは抽出能力と反応熱量の間に重要な関連があることを示した。
佐々木 祐二
分離技術, 52(2), p.103 - 107, 2022/03
高レベル廃液中に含まれるAn, FP元素の溶媒抽出法による相互分離を目指している。Cs, Srはクラウン化合物で、Pd, MoはMIDOA(メチルイミノジオキサオクタンジアミド)、An+Ln回収はDGA化合物で抽出する。その後、An/Ln相互分離はDTBA(ジエチレントリアミン3酢酸2アミド)で、Am/Cm分離はDOODAをマスキング剤として用いる。論文中では一連の技術を紹介し、関連する結果をまとめて報告した。
野水 大輝; 佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 勝田 正一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(3), p.1483 - 1493, 2022/03
被引用回数:4 パーセンタイル:76.47(Chemistry, Analytical)我々は水溶性のジグリコールアミド(DGA)とジオキサオクタンジアミド(DOODA)による希土類元素の逐次錯形成を溶媒抽出系で調べた。抽出剤であるTODGAとDOODA(C8)はLnパターン(Ln分配比と原子番号の関係)の逆相関を示し、その組み合わせは相互分離に有効である。水系でDOODAは2分子、DGAは3分子希土類に配位することが分かった。1010段の多段抽出を実施し、La, Pr, Ndは水相に、一方Sm-Dyは有機相に分離することができた。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Separation Science and Technology, 57(16), p.2543 - 2553, 2022/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.16(Chemistry, Multidisciplinary)TALSPEAK法を参考に、DGA抽出剤を用いてマスキング剤にDTPAとその類縁体であるDTBAを用いてLnとAnの相互分離を検討した。この系では、pH緩衝液に乳酸(LA)と、pH調整にエチレンジアミン(ED)を用いた。実験により、TODGA-DTPA-LA-NaOH, TODGA-DTPA-LA-ED, TODGA-DTBA-LAで同じ分配比や分離比を示した。多段抽出によるLn, Anの相互分離により、DGA-DTPA-LA-EDで水相へLnの平均回収率は3.73%でAmは98.1%、DGA-DTPA-LA-NaOH系で3.1(Ln) and 97.0(Am)%、DGA-DTBA-LA系で1.61(Ln) and 98.7(Am)%であった。
佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 40(6), p.620 - 640, 2022/00
被引用回数:1 パーセンタイル:13.58(Chemistry, Multidisciplinary)イオン半径の酷似する3価Ln, An分離は今でも挑戦的な研究である。ここでは、TODGAとDTBA(ジエチレントリアミントリ酢酸ジアミド)を使っての相互分離を検討した。過去の結果から我々はより安定な分離条件設定と高い分離性能を得ることを目的とした。希硝酸、DTBA濃度とpH緩衝液の乳酸を使ってpH条件を安定化した。その結果、有機相には97.1% Ndと1.59% Amを、及び水相には98.4% Amと2.95%のNdを分離回収できることを確認した。
松谷 貴史; 佐々木 祐二; 勝田 正一*
Analytical Sciences, 37(11), p.1603 - 1609, 2021/11
被引用回数:7 パーセンタイル:52.9(Chemistry, Analytical)ジグリコールアミドを使った多段抽出法による希土類元素の化学的挙動を調査した。破過曲線の測定結果から、金属抽出限界は分配比と利用した金属濃度に依存することが分かった。15段の多段抽出を行い、抽出曲線,逆抽出曲線と分離曲線を得た。これらの結果から、ジグリコールアミドの一種である(TDDGA)を使って、99% Smを回収する条件で1%のみNd共存する条件を得て、相互分離できることを確認した。
金子 政志; 佐々木 祐二; 和田 恵梨子*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 50(10), p.1765 - 1769, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)密度汎関数計算を用いて、マイナーアクチノイドとランタノイドの新規分離試薬の分子設計に向けて水溶液中におけるEu及びAm錯体の安定度定数を予想した。実験値の安定度定数の対数と計算した錯生成エンタルピーは、一次の決定係数R 0.98で相関した。さらに、新規キレート配位子の安定度定数の予測を試み、ジエチレントリアミン五酢酸キレート配位子の誘導体が、酸性条件での使用やAm分離性能の観点から有用であることが示唆された。
金子 政志; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.515 - 526, 2021/05
被引用回数:3 パーセンタイル:34.82(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発で重要であるAmとEuの金属イオン選択性を理解することを目的として、密度汎関数計算をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそのビスアミド(DTPABA)キレート配位子との金属錯体の分子構造及び錯生成反応のモデル化に適用した。構造最適化計算により得られたDTPA及びDTPABAの錯体構造は、既に報告されている単結晶構造を再現した。錯生成反応におけるギブズエネルギー解析の結果、どちらのキレート配位子ともEuイオンよりAmイオンと安定な錯体を生成することが示され、実験結果のAm/Eu選択性と一致した。金属イオンと配位子との化学結合解析の結果、Amの5f軌道とDTPA及びDTPABAの窒素ドナー原子との強い共有結合が、高いAm選択性が発現した一因であることが示唆された。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
JOM, 73(4), p.1037 - 1043, 2021/04
被引用回数:4 パーセンタイル:43.25(Materials Science, Multidisciplinary)ジグリコールアミドの一種であるTDdDGAを用いるNdマグネットからのDy分離を試みた。すべての希土類元素はTDdDGAで抽出可能であり、そのDy/Nd分離比は10を超える。本研究で、0.1M TDdDGA/ドデカン(8段), 0.7M硝酸(金属入り10段), 0.7M硝酸(金属無し6段)の多段抽出を行い、99% Dyと1% Ndを有機相に回収されることを確認した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Hydrometallurgy, 199, p.105539_1 - 105539_8, 2021/02
被引用回数:4 パーセンタイル:32.7(Metallurgy & Metallurgical Engineering)D2EHPA(A)とMIDPA(B)を用いる希土類元素のイオン液体中へ協同抽出が検討された。D2EHPAまたはMIDPAを単独で抽出に用いる際には、その抽出種は[LnAHA]か[LnBHB]であった。錯形成定数から、協同抽出錯体である[TbHAB]や[DyHAB]は単独抽出剤による[LnAHA],[LnBHB]等の錯体種より安定であることが確認された。分離係数を考慮すると、協同効果を用いてDyをPrやNdからの分離が可能であることを確認した。
松宮 正彦*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二; 小野 遼真*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(1), p.597 - 607, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:23.63(Chemistry, Analytical)軽,重希土類元素とAmの3分割法を達成するため、有機酸からTODGAを使ったバッチ式多段抽出法が検討された。マロン酸は水への溶解度が高く、水相の主成分として利用された。マロン酸からNd/Am分離比と、マロン酸+硝酸からLa/Am分離比はいずれも30程度であり、これらの水溶液を用いた。La+Ceは1Mマロン酸+0.05M硝酸、Amは3Mマロン酸、中,重希土類元素は0.1M TEDGAの水溶液で分離した。これにより、95%以上のAmを回収でき、希土類元素の共存量は16%以下であることを確認した。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 北辻 章浩; 伊藤 圭祐*; 吉塚 和治*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 28(2), p.121 - 131, 2021/00
被引用回数:2 パーセンタイル:14.19(Chemistry, Multidisciplinary)Csは高レベル廃液中で分離対象元素の一つである。しかし、Csはアルカリ金属に属し分離が難しい元素である。DtBuDB18C6はCs抽出に有効な化合物であるとされる。しかし、プロセスで用いられる希釈剤(ドデカンやオクタノール)への溶解度が低く、利用しづらく、他の希釈剤を検討した。その結果、ケトン,エーテル,エステル系の溶媒中にDtBuDB18C6の溶解度は高く、また、ケトン,アルコールを用いる場合、Cs分配比は比較的高いことが分かった。それぞれの抽出溶媒を用いて、Csの分配挙動,抽出条件,抽出容量などを検討した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(7), p.764 - 784, 2021/00
被引用回数:4 パーセンタイル:22.03(Chemistry, Multidisciplinary)ジケトンの一種である、Htta(テノイルトリフルオロアセトン)又はHbfa(ベンゾイルトリフルオロアセトン)とTOPOを用いてNd-Fe-Bマグネットから4つの希土類元素のイオン液体への抽出を試みた。期待される共同抽出が起こり、7回の連続抽出によって、TbとDyをその他の希土類元素から分離することができた。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 土田 裕介*
Analytical Sciences, 36(11), p.1303 - 1309, 2020/11
被引用回数:6 パーセンタイル:33.87(Chemistry, Analytical)バッチ式多段抽出による希土類元素相互分離を行った。用いた抽出剤はTODGAで、希土類元素に高い抽出性と分離性を示している。多段抽出法は相互分離に有効な方法であるが、基礎データがすくない。計算結果と実測値の一致性を確かめたのち、バッチ式多段抽出法によるDy/Nd分離試験を行った。計算で求めた最良の分離条件を使って、10倍濃度の高いNdからDyを97%回収し、Ndは検出限界以下にすることができた。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*
ペトロテック, 43(11), p.782 - 787, 2020/11
優れた中心骨格を持つDGAの改良であるMIDOA(メチルイミノジアセトアミド)やTDGA(チオジグリコールアミド)を用いて、貴金属抽出についての結果をまとめた。これら抽出剤は全元素の中でもHSAB則に従い貴金属やオキシアニオン抽出に有効であることが分かった。また、高い金属濃度でも抽出できることを確認した。金属の錯体研究は抽出剤の性能や役割についての情報を提供し、今後の新抽出剤開発研究に役立つ。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 49(10), p.1216 - 1219, 2020/10
被引用回数:9 パーセンタイル:44.36(Chemistry, Multidisciplinary)TODGAを使って、有機酸からドデカンへの希土類元素抽出を行った。乳酸,マロン酸,酒石酸,クエン酸の4つの有機酸を用いた。これら有機酸は水相で希土類元素を安定化するが、1以上の分配比が得られた。希土類元素パターンはHoとErで最も高い値を示し、分配比を増大させるには硝酸を添加することが効果的であることが分かった。
佐々木 祐二
化学工学, 84(9), p.425 - 427, 2020/09
原子力研究における分離技術は廃棄物減容と有害度低減の観点が求められる。放射性元素の処理法あるいは一時的な対策として、ガラス固化体での地層処分、長半減期核種を非放射性または短半期核種へ核変換や中間貯蔵がある。このように、それぞれの処分法を適切に運用するための元素分離技術が不可欠になる。ここでは、使用済み燃料からU, Pu元素の分離と高レベル廃液からMA, FP元素の分離手法と新しい溶媒抽出技術について解説する。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*
Radiochimica Acta, 108(9), p.689 - 699, 2020/09
被引用回数:9 パーセンタイル:75.12(Chemistry, Inorganic & Nuclear)AmとCmをNdとSmから分離する技術は原子力分野で重要である。すべてのランタノイド(Ln)と3価のアクチノイド(An)イオンはDGA化合物で抽出される。加えて、TODGAと水溶性のDTPAを組み合わせると比較的高いLn/An分離比を得ることができる。ここでは、DTPAを改良したDTPA-BAを用いてLn/An分離を試み、比較的高い分離比(8)を得ることができた。次に多段抽出を行い、その結果94.7%のNdと4.7%のAm+Cmを有機相に、5.3%のNdと95.3%のAm+Cmを水相に回収することができた。