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前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*; 寺門 正吾; 喜多川 勇; 沼田 正美
廃棄物学会論文誌, 17(4), p.271 - 281, 2006/07
シリコン,カルシウム及びアルミニウムを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント平衡水中における静的浸出試験を90Cで行い、スラグの溶解挙動を調べた。セメント平衡水中では溶液のアルカリ性のため、脱イオン水中に比べてスラグの溶解量が増大することがわかった。また、スラグ表面には溶解に伴いケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)を成分とする二次相の生成が認められ、C-S-Hが生成する期間中は同じpHのアルカリ溶液中に比べてスラグの溶解が抑制される効果がみられた。
中野 純一; 塚田 隆; 辻 宏和; 寺門 正吾; 高野 利夫; 遠藤 慎也
JAERI-Tech 2003-092, 54 Pages, 2004/01
照射誘起応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking, IASCC)は中性子照射,応力及び高温水等の腐食環境が複雑に作用して生じる炉内構造材料の損傷現象であり、軽水炉の高経年化に伴う重要な検討課題となっている。IASCCにおけるき裂の発生・成長のメカニズムを解明するにはき裂成長のプロセスとき裂発生のプロセスを分離して検討することが必要である。そのため、照射材を用いて高温高圧水中での低ひずみ速度試験(Slow Strain Rate Test, SSRT)を無人で長時間連続して行いながら、試験片表面のその場観察が可能な装置を開発した。本装置の性能確証試験として、未照射のSUS304ステンレス鋼試験片を用いて561K, 9MPaの高温高圧水中において、試験片表面のその場観察を実施しながらの引張試験と未観察でのSSRTを行った。それらの結果から以下のことを確認した。(1)ホットセル内での遠隔操作による試験片の取扱・観察,データの記録が可能であること。(2)高温水中でのその場観察が可能であり、試験片形状は平板型が観察に適していること。(3)長期の試験期間において、試験条件を一定に制御可能であるとともに無人で安全にデータ取得が可能であること。
本岡 隆文; 寺門 正吾; 高野 利夫; 木内 清
JAERI-Tech 2001-089, 52 Pages, 2002/01
原研では、使用済燃料再処理施設に設置される燃料溶解槽材料の腐食に対する安全性を、実機規模の構造体を用いた小型モックアップ試験及び小型試験片を用いた実験室規模の比較試験により評価している。本報告書では、燃料溶解槽材料であるジルコニウムの伝熱面腐食に関して、これまでのコールド腐食試験が実再処理環境を模擬しているかを検証するために開発した使用済燃料を溶解した硝酸溶液が取り扱える伝熱面腐食試験装置について、装置の仕様と性能評価試験、比較試験並びにホット試験の結果をまとめた。開発装置は、耐放射性に優れた部品から構成されており放射線照射下での使用に耐えることができ、常圧沸騰条件での使用と試験液漏洩防止を考慮している。性能評価試験より長時間にわたり安全に伝熱面腐食試験が行えること、溶解槽模擬液を用いた比較試験より既設装置と同様の試験結果が得られることを確認した後、燃料溶解液を用いたホット試験を行った。ジルコニウムは燃料溶解液中伝熱状態でも優れた耐食性を示すことが明らかとなった。今後、開発した伝熱面腐食試験装置により、ホット環境での有益な腐食試験データが蓄積されることが期待できる。
本岡 隆文; 寺門 正吾; 高野 利夫; 浜田 省三; 木内 清
JAERI-Tech 2001-023, 29 Pages, 2001/03
ピュレックス法を採用する六ヶ所再処理施設において耐硝酸性が重要となる主要機器の耐食安全性の評価試験として、実機規模の構造体を用いた小型モックアップ試験と小型試験片を用いて捕捉データを取得する実験室規模の比較試験を実施している。溶解槽材料の寿命評価では、高濃度のTRU,RFを含む強放射性の硝酸溶液を試験液として扱うため、燃料溶解液に対するモックアップ試験液の模擬性が重要である。本研究では、伝熱面腐食等の評価に必要なホット試験技術開発を実施した。六ヶ所再処理施設の受入基準最大の高燃焼度の使用済燃料を想定して、使用済燃料の溶解及び腐食試験液の調製等の各プロセスを選定した。選定したプロセスをもとにして、WASTEFのNo.3セルにおいて、使用済燃料の硝酸溶液溶解試験を行い、その溶解液を耐食性評価試験に必要な腐食試験に調製した。
相沢 作衛; 寺門 正吾
JAERI-M 84-233, 167 Pages, 1985/01
燃料試験施設のX-セルは、Pu系燃料の高放射能取扱い施設としての試験研究施設である。遠隔操作のためセルに装備されているマニプレータは、西ドイツ・Hans Walischmiller社製A100型M/SマニプレータおよびA15型トングマニプレータの二種類で、いずれの機種も原研の高放射能取扱い施設における使用経験が全くなかった気密の保持可能な新型機種である。特にA100型は、三分割構造の特徴を有し、在来機種とはその構造うを違いている。本報告は、X-セル、X-鉛セルおよび気密ボックスでのこれらマニプレータの保守取扱い作業を考慮し、保守技術の確立をめざして調査検討された成果をまとめたものである。この保守技術開発によって得られた成果は、保守用図面などの資料整備を含め、(1)マニプレータ保守関連設備の有用性の確認、冶工具類の整備(2)マニプレータの保守における基本的保守技術の確立(3)マニプレータ各操作機能に対する保守技術の確立と技術的設定基準の開発、などである。
田中 俊一; 山路 昭雄*; 坂本 幸夫; 足立 守; 近藤 真; 佐藤 博; 飯田 省三; 内山 順三; 小林 忠義; 広瀬 彰; et al.
JAERI-M 84-020, 46 Pages, 1984/02
照射済燃料取扱施設の遮蔽安全性評価コードシステム、同データライブラィの検証実験計画に基づき、BWR使用済燃料集合体を利用した「線源形状評価のための実験」を行った。この実験は燃料集合体を1つの体積線源と見なして解析を行う場合の線源形状の近似手法を評価、検討するためのもので、照射履歴のほぼ等しい2体の燃料集合体が実験に使用され、水中において集合体周辺のガンマ線、中性子の分布が測定された。本報告書では詳細な測定結果と合せ、これらの解析に必要な実験条件、測定器の特性等が述べられている。
田中 俊一; 坂本 幸夫; 山路 昭雄*; 足立 守; 近藤 真; 内山 順三; 佐藤 博; 飯田 省三; 小林 忠義; 広瀬 彰; et al.
JAERI-M 84-019, 66 Pages, 1984/02
使用済燃料取扱施設の遮蔽安全性評価コードシステム、同データライブラリィの検証実験計画に基づき、BWR使用済燃料集合体とこれを収納した使用済燃料輸送キャスクを用いて「キャスク形状評価のための実験」を実施した。この実験は使用済燃料輸送キャスクの遮蔽解析コード、同データライブラリィを総合的に評価、検討し、必要な改善を計るためのベンチマークデータを取得することを目的とするもので、燃料集合体1体、および2体収納した輸送キャスクについてガンマ線、中性子の測定を行なった。本報告書では、測定値の他、実験の条件・方法、検出器の特性、測定結果のまとめが述べられている。