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高野 克敏; 小泉 徳潔; 芹澤 久*; 坪田 秀峰*; 牧野 吉延*
溶接学会論文集(インターネット), 33(2), p.126 - 132, 2015/06
TFコイル巻線部で使用するラジアル・プレート(RP)は、高さ13m, 幅9m, 厚さ10cmのステンレス鋼製の大型構造物であるにも拘らず、高精度な製作公差が要求されている。また、TFコイルの製作では、ITER計画における製作工程を満足するために、3週間毎に1枚のRPを製作する必要があり、RPの製作は、効率的手法を採用する必要がある。そこで、RPの製作では、組立時の溶接変形を十分に小さく抑える必要があること、及び溶接時間の短縮を図る必要があることから、レーザ溶接を採用することとした。ただし、RPに使用する材料は、機械特性の要求から、高窒素を含有した完全オーステナイト・ステンレス鋼を用いるため、溶接による割れ感受性が高く、欠陥の無い健全な溶接品質を確保するためには、高度なレーザ溶接技術の開発が必要となる。そこで、著者らは、RPへのレーザ溶接の適用を目指し、完全オーステナイト・ステンレス鋼におけるレーザ溶接の試作試験を実施した。その結果、溶接ヘッドの傾斜角を最適化することにより、溶接割れに対し有効であることが分かった。また、RPに使用する材料の化学成分を最適化することにより、溶接割れの感受性を低減できた。これらの結果により、RPへのレーザ溶接の適用性を実証し、高効率な製作方法を確立することができた。
Knaster, J.*; Arbeiter, F.*; Cara, P.*; Favuzza, P.*; 古川 智弘; Groeschel, F.*; Heidinger, R.*; Ibarra, A.*; 松本 宏*; Mosnier, A.*; et al.
Nuclear Fusion, 53(11), p.116001_1 - 116001_18, 2013/11
被引用回数:63 パーセンタイル:94.05(Physics, Fluids & Plasmas)日欧協力による幅広いアプローチ活動の下、IFMIF/EVEDA事業は、次の段階のIFMIF建設を目途としている。主要施設である(1)加速器、(2)標的、(3)試験設備の実証活動では、フルスケールのプロトタイプ、もしくは、直接、IFMIFへ外挿可能なスケールダウンモデルを製作している。1.125MW(125mA, 9MeV)の重陽子ライナックの据付が2013年3月に日本の六ヶ所で始まる。日本の大洗で稼動中の世界最大の液体リチウム試験ループは、今後、意欲的な実験が計画されている。フルスケールの高中性子束試験モジュールには日欧の協力で開発された小型試験片が約千個詰め込まれ、ヘリウムガスループとともにドイツで製作された。フルスケールのクリープ試験用中間中性子束試験モジュールがスイスで製作された。
芹澤 弘幸; 松永 純治*; 白数 訓子; 中島 邦久; 樫部 信司*; 加治 芳行
Journal of Asian Ceramic Societies (Internet), 1(3), p.289 - 295, 2013/09
焼結過程で粉末中に溶解したヘリウムが拡散して粒界にガスバブルを形成すると、焼結が抑制されて密度が上がらないために問題である。本研究では、HIPを用いてUO多結晶粉末にヘリウムを溶解させ、その後高温で加熱してヘリウムを放出させた試料の表面状態をBET及びFE-SEMによって観察した。ヘリウム放出後の試料の表面には、ふちが六角形をした浅いくぼみが多数見られた。これは、ヘリウムにより形成されたブリスタが破裂したために形成されたものと考えられる。この結果は、ヘリウムの析出に伴い、粒界領域にネガティブクリスタルが形成された可能性を示唆している。
芹澤 弘幸; 松永 純治*; 芳賀 芳範; 中島 邦久; 赤堀 光雄; 都留 智仁; 加治 芳行; 樫部 信司*; 大石 佑治*; 山中 伸介*
Crystal Growth & Design, 13(7), p.2815 - 2823, 2013/07
被引用回数:5 パーセンタイル:42.57(Chemistry, Multidisciplinary)負結晶の形状は、結晶成長の基本形状とも関連しているため、その形成及び成長メカニズムは物理学的に興味ある研究対象である。また一方で、塊状単結晶中に発生したネガティブクリスタルは、そのミステリアスな外観と希少性から宝石として珍重されている。しかしながら、その形状を任意にコントロールすることはできない。本論文で、最近発見したネガティブクリスタルの成長過程について報告する。われわれはUO中に析出したヘリウムが負結晶を形成する媒体になることを発見した。本論文では、形状コントロールが可能なネガティブクリスタルをイメージクリスタルの命名し、その変形メカニズムについて論ずる。研究成果は、ヘリウムの析出条件をコントロールすることによって、任意の形状の負結晶を形成せしめる可能性を示唆している。
若井 栄一; 近藤 浩夫; 杉本 昌義; 深田 智*; 八木 重郎*; 井田 瑞穂; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; 渡辺 一慶; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 88(12), p.691 - 705, 2012/12
核融合エネルギーの早期実現を目指す幅広いアプローチ活動のもと、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)を2007年より実施している。この活動の中で実機のリチウムターゲットを実証する目的で世界最大流量率(3000リットル/分)を有し、幅100mmで厚さ25mmの形状で最速20メートル/秒までの範囲で安定したリチウム流を実証試験を行うために液体リチウム流動試験装置を原子力機構大洗研究開発センターに建設し、その実証試験を開始したところである。本試験装置の各種機器の機能性試験及びそれに続く、ターゲット部でリチウム自由表面を持つ15m/sの流動試験までに関する第一段階確証試験を成功させた所である。また、これ関係する工学実証試験及び工学設計の活動状況を示すとともに、その成果内容について併せて解説したものである。
中島 邦久; 芹澤 弘幸; 白数 訓子; 芳賀 芳範; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Materials, 419(1-3), p.272 - 280, 2011/12
被引用回数:24 パーセンタイル:85.52(Materials Science, Multidisciplinary)クヌーセンセルを用いた高温質量分析法により単結晶UO中のヘリウムの溶解度と拡散係数を測定した。その結果、溶解度については、これまでに報告されている値の散らばりの範囲内にあることがわかったが、多結晶試料の場合の溶解度よりも非常に低くなることがわかった。拡散係数については、単純なフィックの法則を用いた等価球モデルで解析を行った。すなわち、測定で得られたヘリウムの放出割合に合うように拡散係数の前指数因子と活性化エネルギーをフィッティングさせ、拡散係数を決定した。最適化された拡散係数は、過去に報告されている核反応を利用して求められた拡散係数とよく一致した。さらに、得られた拡散係数の前指数因子は、単純な格子間拡散機構を仮定して解析された値よりも非常に小さくなることがわかった。
荒井 康夫; 芹澤 弘幸; 中島 邦久; 高野 公秀; 佐藤 勇; 勝山 幸三; 秋江 拓志; 鈴木 元衛; 白数 訓子; 芳賀 芳範; et al.
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/12
U燃料やU-Pu燃料に比較して照射中や保管中に多量のHeが生成する点は、MA含有燃料の特徴の一つである。本研究ではMA含有酸化物燃料中のHe挙動を理解するために、実験室規模の炉外試験,照射後試験並びにモデリング計算を実施した。炉外試験では、単結晶二酸化ウランを用いたHeの拡散係数の導出やキュリウム244のアルファ崩壊を利用した酸化物中へのHe蓄積の影響把握を行い、照射後試験では高速実験炉JOYOで照射した約0.5%のアメリシウムを含むMOX燃料中のHe挙動を調べた。モデリング計算では、燃料中でのHe生成,拡散,気相との平衡及び気相への放出などの素過程に基づくHe挙動モデルを作成し、これを既存の燃料挙動解析コードのサブルーチンに組込み、高速炉用MA含有MOX燃料中のHe挙動をシミュレートした。
芹澤 弘幸; 松永 純治*; 芳賀 芳範; 中島 邦久; 樫部 信司*; 岩井 孝
JAEA-Research 2011-025, 32 Pages, 2011/11
単結晶及び多結晶UO試料中に固溶しているヘリウムの析出に伴う組織変化を、FIB, FE-STEM及びFE-TEMを用いて調べた。ヘリウム放出後のマトリックスの微細組織は、放出温度によって変化することがわかった。1300Cで放出試験を実施した試料では、結晶粒内に体欠陥は見られるものの、結晶粒界は閉じていた。これに対して1700Cで放出試験を実施した試料では、結晶粒界にガスバブルが形成されており、一部の粒界は開いていることが確認された。これは、照射済み燃料の照射後加熱試験で観察されるFPガスの放出挙動と酷似している。結晶粒内に形成された体欠陥は、壁面がUOの格子面で囲まれた負結晶であり、その構造は、温度履歴とその試料が多結晶であるか単結晶であるかによって異なることがわかった。本研究では、負結晶を構成している格子面の指数を特定して、内圧と構造との関係について定性的に議論した。
谷川 博康; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 幸野 豊*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1471 - 1476, 2008/12
被引用回数:78 パーセンタイル:97.68(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は、核融合ブランケットシステムに用いられる構造材料の第一候補材として知られている。日本で開発が進められている低放射化フェライト鋼F82Hは、高温強度と溶接性を重視して成分調整が計られた鋼である。そのデータベースは、存在する低放射化フェライト鋼のうちで最も充実している。本論文は、F82Hの開発状況をレビューし、近年の日本における研究開発から示されたITER-TBM製作に向けた技術的課題を整理し示すことを目的とする。
芹澤 弘幸; 福原 幹夫*; 中島 邦久; 岩井 孝; 荒井 康夫
Proceedings of 8th Asian Thermophysical Properties Conference (ATPC '07) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/08
多結晶マグネシア試料の高温音速測定を298Kから1764Kの温度範囲で実施し、5つの弾性率及びデバイ温度及びグリューナイゼン定数の温度依存性を求めた。ヤング率,剪断係数,体積弾性率,ポワソン比,圧縮率は、温度の上昇とともに単調に減少又は増加することが判明した。この結果は、温度の上昇に伴い、マグネシウムと酸素の間のイオン結合が弱くなっているためであることを示している。これに対して、ラメパラメータは、ほぼ温度依存性が認められなかった。これは、マグネシウムと酸素の短い結合組織が連動しているためであると推測される。
逢坂 正彦; 芹澤 弘幸; 加藤 正人; 中島 邦久; 舘 義昭; 北村 了一; 三輪 周平; 岩井 孝; 田中 健哉; 井上 賢紀; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(3), p.309 - 316, 2007/03
被引用回数:30 パーセンタイル:87.1(Nuclear Science & Technology)高速炉及び加速器駆動未臨界システムを含む将来の統合された閉サイクルシステムにおけるマイナーアクチニド含有燃料及びターゲット、(Pu,Am)O-MgO, (Pu,Np)O-MgO, (U,Pu,Np)O, (U,Pu,Np)N, (Pu,Np,Zr)Nの研究開発が進行中である。本論文では、試料作製試験及び特性測定に関しての現状を報告する。母材の選択を含む酸化物ターゲットの設計コンセプトについて述べる。燃料-被覆管機械的相互作用の評価に資することを目的として高温機械的特性測定装置が新たに導入された。Npを含有する2種類の高速炉用燃料については、その開発の歴史と将来展望について述べる。加速器駆動未臨界システム用の新しい窒化物ターゲットの予備試験結果を紹介する。最後に、高速実験炉常陽における照射試験について簡潔に紹介する。
逢坂 正彦; 芹澤 弘幸*; 加藤 正人; 井上 賢紀; 中島 邦久*; 舘 義昭; 北村 了一; 大木 繁夫; 三輪 周平; 岩井 孝*; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
将来の高速炉および加速器駆動システムが組み合わされたサイクルにおけるマイナーアクチニド含有燃料/ターゲット、(Pu,Am)O-MgO, (Pu,Np)O-MgO, (U,Pu,Np)O, (U,Pu,Np)N and (Pu,Np,Zr)Nの開発が、核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所の間で行われている。本論文では、各ターゲットについての製造および特性評価の現状を報告する。加えて、高速実験炉「常陽」における照射試験計画についても述べる。
中島 邦久; 岩井 孝; 菊地 啓修; 芹澤 弘幸; 荒井 康夫
JAERI-Research 2005-027, 42 Pages, 2005/09
マイナーアクチノイド核変換用窒化物燃料の照射挙動把握に資するため、ZrNやTiNのようなイナート(不活性)マトリックスを含有し、マイナーアクチノイドをプルトニウムで模擬したJMTR照射試験用燃料ピンを製作した。本報告書では、燃料ペレットの製造と確性試験結果並びに燃料ピンの製作について記述する。イナートマトリックス含有窒化物燃料ピンの照射は、2002年5月から2004年11月まで計11サイクル行われ、無事に終了した。
芹澤 弘幸; 中島 邦久; 荒井 康夫; 山下 利之; 蔵本 賢一; 木下 肇*; 山中 伸介*; 宇埜 正美*; 黒崎 建*
Progress in Nuclear Energy, 38(3-4), p.237 - 240, 2001/02
被引用回数:5 パーセンタイル:38.96(Nuclear Science & Technology)高温X線回折法によって、ZrO-PuO系固溶体の高温相を組成領域3.1~11.2mol%PuO、温度領域1000~1200において調べ、同系の状態図を提案した。今回調べた組成範囲では、すべての試料が同様高温挙動を示した。1000では、単斜晶と立方晶の2相であった。1100では、これらの2相加えて正方晶が検出された。1200では、低温相である単斜晶が消失し、再び2相共存状態であることが判明した。さらに詳細な測定を行った結果、低温相の消失温度は組成に依存せず、約1190であることが明らかにされた。この結果は、ZrO-PuO系状態図に共折線が存在する可能性を示唆している。共折点の正確な組成については不明であるが、PuO含有量にして、3.1mol%以下であることがわかった。
荒井 康夫; 中島 邦久; 芹澤 弘幸; 菊地 啓修; 鈴木 康文; 井上 正*
JAERI-Tech 98-022, 21 Pages, 1998/06
超ウラン元素化合物や合金の高温物性や相状態に関する研究を行う目的で製作した高温X線回折装置について記述したものである。高温X線回折装置は、X線発生装置、ゴニオメーター、X線計数装置、試料高温装置、冷却水送水装置、真空排気系、ガス供給系、ワークステーション及び格納用グローブボックスから構成される。また、装置の据え付け終了後に行った各種性能試験の結果についても述べた。
谷川 博康; 荻原 寛之; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 田中 学*; 片山 聖二*; 森 裕章*; 西本 和俊*
no journal, ,
低放射化フェライト鋼F82H(Fe-8Cr-2W-V-Ta)は、核融合炉の第一候補構造材料として、高温用構造鋼であるフェライト/マルテンサイト鋼(Fe-9Cr-1Mo V, Nb)をベースに、高温特性,靱性、及び溶接性のバランスをとりつつ、減衰が比較的速くなるように成分調整して開発された鋼である。原子力機構が主体となって大学等の協力の下で開発を進める水冷却固体増殖TBMにおいては、このF82Hを構造材として製作する方針で開発が進められている。本報告では、F82HのTBM製作に向けた溶接技術の検討状況と課題について紹介する。
廣瀬 貴規; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 川人 洋介*; 芹澤 久*; 片山 聖二*
no journal, ,
ITER-テストブランケットモジュール(TBM)試験では、我が国は水冷却固体増殖方式を主案とし、構造体の開発を進めている。増殖機能部はTBMの内部にあって、増殖したトリチウムを周囲から隔離し、かつ増殖材・増倍材の核発熱を冷却する機能を有する部分である。本研究では、増殖機能部の製作性を検討するために、実機大の低放射化フェライト鋼製トリチウム増殖機能部を試作し、性能検査を実施した。今回、構造材の接合に高出力ファイバーレーザを採用したことで、溶接による構造材の強度低下を抑制することに成功した。この結果、優れた気密性を保持し、かつ冷却水流路は18MPaの耐圧性能を有する構造体の製作に成功した。
中島 邦久; 白数 訓子; 芳賀 芳範; 芹澤 弘幸; 荒井 康夫
no journal, ,
本研究では、1200C, 300900atm, 10100hrの範囲でHeを吸蔵させた単結晶及び多結晶UO試料のほか、崩壊によりHeが蓄積したPuを約70%含有したMOX試料を用いて、酸化物中におけるHeの放出挙動を調べるため高温質量分析測定を実施した。その結果、Heを吸蔵させたUOの高温質量分析では900C付近からHeが検出され、MOXについては400C付近から検出された。UOのHe放出量については、吸蔵時の圧力の増大とともに上昇し、単結晶UOについては、900atm下でHe吸蔵時間が50hrと100hrとで放出量に違いが見られなかった。よって、He溶解については飽和したと判断し、測定された放出量から1200Cにおける単結晶UOのHe溶解度を評価した。
中島 邦久; 白数 訓子; 芳賀 芳範; 芹澤 弘幸; 荒井 康夫
no journal, ,
MA含有燃料中では生成量が増加し、燃料ピンの内圧上昇の要因となるHeの挙動を明らかにすることは重要であるが、これまでに報告されているUO中のHeの溶解度や拡散係数については、二桁以上の差異がある。高温高圧下でHeを吸蔵させた単結晶UO試料及びPuの崩壊によりHeを蓄積させたMOX試料の高温質量分析測定から、UO及び(U,Pu)O中のHe拡散係数を評価した。その結果、単結晶UO中のHe拡散係数は、これまでに報告されている低温での文献値からの外挿範囲内にあった。一方(U,Pu)Oでは、約1400K付近でHeの拡散係数が変化すると仮定することにより実験結果をよく再現できた。この拡散係数の変化については、自己照射損傷による格子膨張の熱処理回復温度と一致したため、格子欠陥の回復に起因するものと示唆された。
芹澤 弘幸; 芳賀 芳範; 白数 訓子; 中島 邦久; 荒井 康夫
no journal, ,
MA-MOX燃料に含まれているエミッターによって放出されたヘリウムは、マトリックス中に蓄積され、燃料挙動に影響をおよぼす。本研究では、ヘリウムの挙動を調べるため、多結晶及び単結晶UOを用いたヘリウム吸蔵及び放出試験を実施し、試料の組織観察を実施した。吸蔵後及び放出後の試料をFE-SEMによって調べた。観察されたNegative crystalは、基本的に{111}及び{100}面群にかこまれた切頂八面体及び立方八面体であったが、その形状が、多結晶試料であるか又は単結晶試料であるかによって変化し、また、処理温度によっても異なることが判明した。このことから、形成された多Negative crystalの形状が、析出したヘリウム圧力に依存して変化するものと考え、定性的に考察した。内圧が高くなれば、表面エネルギーの高い面群が現われ、内面全体としての表面自由エネルギーが増加することによって、ガスバブルとしてのつり合いが保たれていると考えられる。