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中野 智志*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 町田 真一*; 小松 一生*; 藤久 裕司*; 山脇 浩*; 後藤 義人*; 亀卦川 卓美*
Inorganic Chemistry, 60(5), p.3065 - 3073, 2021/03
被引用回数:10 パーセンタイル:76.75(Chemistry, Inorganic & Nuclear)アンモニアボランのX線および中性子回折実験を常圧及び高圧下で行った。常圧下で二水素結合中のH-H距離は、ファンデルワールス半径の2倍(2.4)よりも短い。約1.2GPaでの常圧相から第一高圧相への相転移で、半分の水素は原子間距離が延び、二水素結合が壊れた。さらに加圧すると、すべての原子間距離は2.4よりも短くなり、二水素結合が再び形成された。さらに、約11GPaで、空間群(Z=2)を持つ第二高圧相(HP2)へ転移した。この時、分子軸はより傾き、二水素結合の種類は6から11へと増えた。第3の相転移の直前(18.9GPa)で、最短の二水素結合は1.65になった。本研究は、高圧下の構造相転移によりアンモニアボラン中の二水素結合が破壊、再形成するのを実験的に初めて観測したものである。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
後藤 実; 奥村 啓介; 中川 繁昭; 稲葉 良知; 松浦 秀明*; 中屋 裕行*; 片山 一成*
Fusion Engineering and Design, 136(Part A), p.357 - 361, 2018/11
被引用回数:6 パーセンタイル:52.24(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉にリチウム化合物を装荷し、Li(n,)反応を用いて核融合炉用燃料であるトリチウムを製造する方法が提案されている。一般的な高温ガス炉の設計においては、過剰反応度を抑制するために、可燃性毒物としてホウ素が炉心に装荷される。本研究では、熱エネルギーとトリチウムの生産を両立するために、リチウムをホウ素の代わりに炉心に装荷することとした。リチウムを装荷した高温ガス炉の成立性を確認するために、核特性値及び燃料温度を計算した。これらの計算結果は設計要求を満たし、熱エネルギーとトリチウムの生産を両立するリチウム装荷高温ガス炉の成立性を確認した。
後藤 実; 深谷 裕司; 水田 直紀; 稲葉 良知; 大橋 弘史; Yan, X.
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10
HTTRはJAEA大洗に建設された出力30MWのブロック型高温ガス炉である。1998年に初臨界を達成し、将来のHTGR設計に有用なデータが取得されている。HTTRは日本初の高温ガス炉のため、その設計においては大きな保守性が設定されたが、将来の高温ガス炉の設計においてはHTTRで取得されたデータを利用することで、保守性をより合理的に設定することが可能である。また、設計の改良や新しい技術の導入による炉心の高性能化も期待できる。本報では、核設計における保守性の合理化、設計の改良及び新しい技術の導入によりHTTRに比べて性能が向上した高温ガス試験炉の概念について述べる。
後藤 実; 相原 純; 稲葉 良知; 植田 祥平; 深谷 裕司; 岡本 孝司*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10
日本原子力研究開発機構はプルトニウム燃焼高温ガス炉の設計研究を行っている。プルトニウム燃焼高温ガス炉は核分裂によりプルトニウムを削減するため、効率的な削減には高燃焼度が必要とされる。燃料設計においては、高燃焼度での被覆燃料粒子の破損を防ぐために、酸素ゲッターとして機能し内圧を抑制する薄いZrC層を燃料核に被覆することとした。被覆燃料粒子の圧力容器としての機能を持つSiC層の応力解析をZrC層による内圧抑制効果を考慮して行い、500GWd/tの高燃焼度における被覆燃料粒子の破損割合は目標値を満たした。炉心設計においては、高燃焼度を達成するために軸方向燃料シャッフリングを採用することとした。全炉心燃焼計算及び燃料温度計算を行い、炉停止余裕及び反応度温度係数といった核特性値、及び燃料温度は目標値を満たした。
西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受; 大橋 弘史; 久保 真治; 稲葉 良知; 中川 繁昭; 後藤 実; 植田 祥平; et al.
JAEA-Technology 2018-004, 182 Pages, 2018/07
日本における高温ガス炉の研究開発は1960年代後半に開始した。原子力機構は国内メーカーと協力して、システム設計, 燃料, 黒鉛, 金属材料, 原子炉技術, 高温機器, 燃料・黒鉛の照射試験、高温熱利用技術等の研究開発を実施してきた。1990年に日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉HTTRの建設を開始し、1998年に初臨界に達し、その後、様々な試験運転を行い、日本の高温ガス炉技術を確立するとともに、高温ガス炉が有する固有の安全性を実証してきた。本報告書では、高温ガス炉システムの設計例、日本が有する世界最高の高温ガス炉技術及びHTTRの建設、運転保守を通じて得られた知見、熱利用技術について紹介する。
相原 純; 植田 祥平; 後藤 実; 稲葉 良知; 柴田 大受; 大橋 弘史
JAEA-Technology 2018-002, 70 Pages, 2018/06
HTFPコードは、高温ガス炉(HTGR)の核分裂停止後の核分裂生成物(FP)の燃料棒からの追加放出量を計算するコードである。軽微な変更を施したFORNAX-AコードもHTFPコードと同様の計算が可能である。そこで、本報告において軽微な変更を施したFORNAX-Aコードを用い、HTFPコードとのCsの放出挙動に関する結果の比較を行った。軽微な変更を施したFORNAX-Aコードによる計算結果から評価した被覆燃料粒子(CFP)からのCs-134の放出定数は、HTFPコードにおけるデフォルト値とはかなり異なることがわかった。
後藤 実; 植田 祥平; 相原 純; 稲葉 良知; 深谷 裕司; 橘 幸男; 岡本 孝司*
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 6 Pages, 2017/07
PuO-YSZ燃料核にZrC被覆を施して3S(核不拡散、安全、核セキュリティ)を向上させた3S-TRISO燃料をプルトニウム燃焼高温ガス炉に導入することが提案されている。本研究では、ZrC被覆の遊離酸素ゲッターとしての有効性を熱化学平衡計算に基づき評価するとともに、3S-TRISO燃料の成立性の予備検討を、燃料内圧に着目して行った。また、炉心燃焼計算を行い炉心成立性について予備検討を行った。熱科学平衡計算の結果は、1600C以下の温度条件で、発生する遊離酸素の全量を薄いZrC層で捕獲されることを示し、燃料核へのZrC被覆は内圧抑制に非常に有効と考えられる。燃焼度500GWd/tでの3S-TRISO燃料の内圧計算結果は、既に概念設計が行われた炉心の同じサイズのUO燃料の内圧より低いことから、3S-TRISO燃料の成立性は十分見込まれる。また、炉心燃焼計算の結果は、軸方向燃料シャッフリングの採用により約500GWd/tの高燃焼度の達成が可能なこと及び反応度温度係数を燃焼期間にわたり負を維持できることを示しており、炉心の核的な成立性も十分見込まれる。
相原 純; 後藤 実; 稲葉 良知; 植田 祥平; 角田 淳弥; 橘 幸男
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.814 - 822, 2016/11
原子力機構(JAEA)は、耐酸化性向上のため高温ガス炉(HTGR)の燃料要素へのSiC/C混合母材の適用に関するR&Dを開始している。このR&Dの一部として、SiC/C混合母材燃料コンパクトを使ったHTGRの核熱設計を行った。核熱設計は、途上国用の小型HTGRであるHTR50Sをベースに行った。日本における製造実績を考慮し、ウランの濃縮度の上限は10wt%とし、濃縮度と可燃性毒物(BP)の種類はベースとしたHTR50Sと等しい(各々3及び2種類)とした。以上の制限内で、我々は本来のHTR50Sと同等の性能を持つ炉心の核熱設計に成功した。この核熱設計に基づき、通常運転時の被覆燃料粒子の内圧に対する健全性は保たれると評価された。
後藤 実; 出町 和之*; 植田 祥平; 中野 正明*; 本田 真樹*; 橘 幸男; 稲葉 良知; 相原 純; 深谷 裕司; 辻 延昌*; et al.
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.507 - 513, 2015/09
高い核拡散抵抗性を有するプルトニウム燃焼高温ガス炉(クリーンバーン炉)の概念が日本原子力研究開発機構から提案されている。高い核拡散抵抗性に加え、更なる安全性向上を目的とし、ZrC被覆を施したPuO-YSZ TRISO燃料を導入したクリーンバーン炉の概念検討を行う。本研究では、ZrC被覆を施したPuO-YSZ TRISO燃料の製造に関する基盤技術を確立するために製造試験を行う。また、クリーンバーン炉の成立性を確認するためにセキュリティの定量評価、燃料と炉心の設計、及び原子炉の安全評価を行う。本研究は、東京大学,日本原子力研究開発機構,富士電機、及び原子燃料工業により、2014年度から2017年度まで行われる。本発表では、全体計画、及び2014年度に得られた成果について報告する。
相原 純; 後藤 実; 稲葉 良知; 井坂 和義; 大橋 弘史; 橘 幸男
JAEA-Technology 2014-009, 29 Pages, 2014/05
日本原子力研究開発機構は50MWtの小型高温ガス炉(HTGR)であるHTR50Sの概念設計を行っている。本稿においては、既存の核熱計算結果を用い、HTR50Sの第I期第1段階の炉心(第1次炉心)の被覆燃料粒子(CFP)の通常運転時の健全性を評価した。高温ガス炉用被覆燃料粒子の通常運転時において起こる現象のうち、破損の原因になり得るものは、CFP内での温度勾配による燃料核の移動、核分裂生成物(FP)であるPdとSiCとの反応によるSiC層の腐食(Pd腐食)、及び被覆燃料粒子内での内圧上昇であると考えられている。本稿においては、これらの現象に対して各々評価を行ったところ、CFPの健全性は維持されると判定された。
大橋 弘史; 佐藤 博之; 後藤 実; Yan, X.; 角田 淳弥; 田澤 勇次郎*; 野本 恭信; 相原 純; 稲葉 良知; 深谷 裕司; et al.
International Journal of Nuclear Energy, 2013, p.918567_1 - 918567_18, 2013/00
原子力機構は、開発途上国等による2020年代の実証的高温ガス炉システムの建設を目指して、送電網が整備されていない中小都市向けの熱出力50MWの小型高温ガス炉(原子炉出口温度750C及び900C)の概念設計を実施した。設計思想は、地域暖房,プロセス熱供給,ガスタービン発電及び熱化学法による水素製造の実証試験等の多目的熱利用に係るユーザーの要請に応えることが可能なこと、HTTRの設計を基に特段の研究開発なしでHTTRより性能を向上させること、高温ガス炉の固有の特性及び受動的崩壊熱除去系を用いて安全性をより向上させることである。設計目標に対する設計結果及び代表的な事象に対する安全予備評価の結果、設計した小型高温ガス炉の技術的成立性を示すことができた。
後藤 実; 関 靖圭; 深谷 裕司; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 橘 幸男
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2012/10
日本原子力研究開発機構は、2020年頃の開発途上国への導入を目指し、小型高温ガス炉(HTR50S)の概念設計を開始した。HTR50Sの設計はHTTRの設計技術を改良して用いる。HTTRでは12種類の出力分布の最適化のために濃縮度が用いられたが、これまでに行ったHTR50Sの設計研究では、燃料濃縮度を3種類まで低減することに成功した。核設計にかかわる本研究では、ウラン燃料の有効利用の観点から、高燃焼度燃料と軸方向の燃料シャッフリングを適用する。燃料シャッフリングでは、2年ごとに炉心の半分の燃料を取り出し、残りは炉心に再装荷する。炉心燃焼計算を行って核特性値を解析し、それらが設計要求を満たすことを確認した。
稲葉 良知; 佐藤 博之; 後藤 実; 大橋 弘史; 橘 幸男
JAEA-Technology 2012-019, 142 Pages, 2012/06
原子力機構は、開発途上国等への2030年代の世界展開を目指し、蒸気タービンによる発電、工業プロセスへの高温蒸気や地域暖房への低温蒸気供給を行う小型高温ガス炉システムの概念設計を進めている。その第1段階における概念設計の一つとして、商用1号機あるいは実証炉と位置付けられるリファレンス原子炉システムとなる原子炉熱出力50MWの発電・蒸気供給小型高温ガス炉システム(HTR50S)の炉心熱流動設計(HTTRと同じ被覆粒子燃料を用いた場合)を実施した。炉心熱流動設計の目標は、通常運転時における燃料最高温度が、燃料の健全性が維持される制限値以下となるようにすることである。また炉心熱流動設計に続き、減圧事故を想定した安全解析を実施した。通常運転時における燃料温度及び減圧事故時における燃料温度と原子炉圧力容器温度を評価した結果、燃料及び原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性は損なわれないことを明らかにした。
後藤 実; 関 靖圭; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 深谷 裕司; 橘 幸男
JAEA-Technology 2012-017, 29 Pages, 2012/06
日本原子力研究開発機構は、2030年頃の開発途上国への導入を目指し、商用もしくは実証炉の初号機となる小型高温ガス炉(HTR50S)の概念設計を開始した。HTR50Sの設計は、建設コストの抑制と2030年頃の建設を可能とするために、実証試験を必要とする新たな技術はできるだけ用いず、HTTRの設計技術を改良して用いることを方針とした。その中で核設計については、出力密度の向上、及び燃料濃縮度数の低減を改良項目として設計を行った。その結果、出力密度をHTTRの約1.5倍にするとともに、燃料最高温度を制限値以下に抑えるために必要な出力分布の最適化に用いる濃縮度数を、HTTRの12種類から3種類に大幅に削減することに成功した。
後藤 実; 関 靖圭; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 深谷 裕司; 橘 幸男
Proceedings of 2012 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '12) (CD-ROM), p.341 - 348, 2012/06
日本原子力研究開発機構は、2030年頃の開発途上国への導入を目指し、商用もしくは実証炉の初号機となる小型高温ガス炉(HTR50S)の概念設計を開始した。HTR50Sの設計は、建設コストの抑制と2030年頃の建設を可能とするために、実証試験を必要とする新たな技術はできるだけ用いず、HTTRの設計技術を改良して用いることを方針とした。その中で核設計については、出力密度の向上及び燃料濃縮度数の低減を改良項目として設計を行った。その結果、出力密度をHTTRの約1.5倍にするとともに、燃料最高温度を制限値以下に抑えるために必要な出力分布の最適化に用いる濃縮度数を、HTTRの12種類から3種類に大幅に削減することに成功した。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:184 パーセンタイル:99.45(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:9 パーセンタイル:49.6(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 栃尾 大輔; 稲葉 良知; 後藤 実
JAEA-Technology 2007-056, 51 Pages, 2007/09
高温工学試験研究炉(HTTR)において、高温ガス炉の優れた固有の安全性を実証するために安全性実証試験として計画されている循環機3台停止試験は、1次冷却材であるヘリウムガスを循環させている循環機を停止して原子炉の強制冷却を喪失させるものである。同様に炉容器冷却設備停止試験は、強制冷却の喪失に引き続き、原子炉圧力容器の外側から炉心の残留熱を除去する炉容器冷却設備を停止するものである。試験時及び試験時に想定される異常事象時の原子炉の挙動を解析し、試験がHTTRの通常運転の範囲内で安全に実施できること、及び、万一、異常事象が発生しても原子炉施設の安全が確保されることを確認した。
後藤 実; 関 靖圭; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 深谷 裕司; 橘 幸男
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、2030年代の開発途上国等への導入を目指し、実証もしくは商用炉初号機と位置付けられる小型高温ガス炉システムHTR50Sの概念設計を開始した。HTR50Sの設計は、建設コストの抑制と2030年代の導入を可能とするために、実証試験を必要とする新たな技術はできるだけ用いず、実証されたHTTRの設計技術を改良して用いることを方針とした。その中で、核設計については、出力密度の向上及び燃料濃縮度数の削減を主な改良項目として検討を進めた。その結果、HTR50Sの核設計では、出力密度をHTTRの1.4倍に向上させるとともに、燃料濃縮度数をHTTRの12種類から3種類に大幅に削減させることに成功した。