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論文

Origin of dissolved organic matter in deep groundwater of marine deposits and its implication for metal binding

斉藤 拓巳*; 西 柊作*; 天野 由記; 別部 光里*; 宮川 和也

ACS ES&T Water (Internet), 3(12), p.4103 - 4112, 2023/12

Dissolved organic matter (DOM) plays important roles for the fate of contaminants and nutrients in the nature. Nevertheless, our understanding on DOM in deep groundwater is limited. This study tackled this issue by intensive groundwater sampling at various depths of an underground research laboratory. The origin and the binding properties of different fluorescent DOM components against Eu(III) were studied by fluorescence emission-excitation-matrices (EEMs) and parallel factor analysis (PARAFAC). Four components with distinctive fluorescent properties were obtained by PARAFAC: one marine humic-like component, two terrestrial humic-like components, and one protein-like component. It was revealed that Eu(III) strongly bound to the terrestrial humic-like components but less so to the marine humic-like component. The partial least squares (PLS) regression further revealed the origin and distributions of the components. It was suggested that microbial decomposition of the DOM components, the input of marine humic-like component from sedimentary rocks and mixing of fossil meteoric and sea waters determined their spatial distributions and affinities to Eu(III). These results indicated the dynamic nature of DOM in deep groundwater of marine deposits and provided an important insight to discuss their impacts on the migration of contaminants and nutrient in deep underground environments.

論文

Post-deposition early-phase migration and retention behavior of radiocesium in a litter-mineral soil system in a Japanese deciduous forest affected by the Fukushima nuclear accident

小嵐 淳; 西村 周作; 中西 貴宏; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 武藤 琴美

Chemosphere, 165, p.335 - 341, 2016/12

 被引用回数:39 パーセンタイル:77.69(Environmental Sciences)

福島原子力発電所事故の環境・公衆影響を評価するためには、地表面に沈着したセシウムのリター-土壌系における挙動を把握することが重要であるが、特に沈着後初期段階におけるこの挙動に関する知見は少ない。本研究では、事故後すぐに落葉広葉樹林においてライシメーターを設置し、4年間にわたってリター-土壌境界層及び土壌層内におけるセシウムの下方移行量を直接測定した。その結果、セシウムの下方移行量はすべての深さにおいて年々減少し、リター層に沈着したセシウムが速やかに土壌へ移行するとともに、土壌表層5cm以内で急速に移動性を失う様子を捉えることに成功した。この結果により、日本の落葉広葉樹林では、土壌-植生間におけるセシウムの循環は長期にわたって継続しないことが示唆された。

論文

Year-round variations in the fluvial transport load of particulate $$^{137}$$Cs in a forested catchment affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

松永 武; 中西 貴宏; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 武藤 琴美; 都築 克紀; 西村 周作; 小嵐 淳; 乙坂 重嘉; 佐藤 努*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 310(2), p.679 - 693, 2016/11

AA2015-0821.pdf:3.78MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:49.05(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所事故に由来する放射性Csの森林集水域からの流出挙動とその変動要因を解明するために、渓流水中の懸濁態放射性Csの流出量を2012年から2年間連続して測定した。懸濁態$$^{137}$$Csの流出は、流域からの懸濁物質の流出と密接な関係があり、降雨量の多い8-9月に増加した。$$^{137}$$Csは懸濁物質中の粘土鉱物に強く結びついており、流下中に水中に溶存しないことが、鉱物同定及び抽出実験の結果より示唆された。また、単位懸濁物質量あたりの$$^{137}$$Cs濃度は、2012年から徐々に低下していた。これらの結果より、懸濁態$$^{137}$$Csの流出量は、降雨量に関連した懸濁物質量の変動と、懸濁物質中の$$^{137}$$Cs濃度の経年変化の両方の影響を受けて変化していることが明らかとなった。

論文

懸濁態及び溶存態Csの森林から河川への流出とその変化傾向

武藤 琴美; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 小嵐 淳; 都築 克紀; 中西 貴宏; 松永 武

KEK Proceedings 2015-4, p.252 - 257, 2015/11

福島第一原子力発電所事故により大気中に放出された放射性Csの多くは森林に沈着し、現在も残留している。本研究では森林から河川への放射性Csの流出挙動を評価するために、北茨城市の森林を集水域とする小河川に放射性Csの連続捕集装置を設置し調査を行った。放射性Csは粒径の異なる懸濁態と溶存態Csに分け、それぞれについて流出挙動を評価した。調査期間は2012年12月から2014年11月である。懸濁物はカートリッジフィルターを用いて捕集し、粒径毎に4種類(2000$$mu$$m以上, 500-2000$$mu$$m, 75-500$$mu$$m, 75$$mu$$m以下)に篩別した。溶存態はCs吸着剤を充填したカラムに通水させ捕集した。フィルター及びカラムの交換は約1ヶ月毎に行い、各試料は乾燥させてGe半導体検出器で$$gamma$$線測定を行った。調査の結果、流量の増加が懸濁態・溶存態$$^{137}$$Csの流出量に影響を与えることが明らかになった。粒径別に見ると、懸濁態全体に対する流出量の割合は粒径75$$mu$$m以下のものが最大だったが、流量が特に多い期間に粒径75-2000$$mu$$mの比較的大きな粒子が増加した。流出量全体では懸濁態の割合が多いが、冬期は溶存態の割合が増加する傾向が見られた。

論文

A Passive collection system for whole size fractions in river suspended solids

松永 武; 中西 貴宏; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 都築 克紀; 西村 周作; 小嵐 淳; 乙坂 重嘉; 佐藤 努*; 長尾 誠也*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1291 - 1295, 2015/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.64(Chemistry, Analytical)

河川中の懸濁物に含まれる放射性核種を研究する目的で、従来にない簡便な受動型の捕集方法を開発し、実証した。これは複数のカートリッジフィルターを備えた大型ホルダーを用いるものである。河川水は河床勾配を利用して、上流からホースによりフィルタホルダーに自然に導く。この方法により、長期にわたる無人捕集が可能になる。従来法に比較して大きな量(数十グラム以上)を捕集することになるので、通例の放射性核種濃度分析に加えて、懸濁物の特性分析も行うことができる長所を持つ。この手法は、懸濁物に含まれる化学物質の研究にも利用できるであろう。

論文

Performance test results of mock-up test facility of HTTR hydrogen production system

大橋 弘史; 稲葉 良知; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 片西 昌司; 高田 昌二; 小川 益郎; 塩沢 周策

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(3), p.385 - 392, 2004/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:72.26(Nuclear Science & Technology)

原研では、高温核熱利用の有用性の実証を目的として、HTTRと水素製造システム(メタンの水蒸気改質:CH$$_{4}$$+H$$_{2}$$O=CO+3H$$_{2}$$)との接続技術の開発を進めている。HTTR水素製造システムの製作の前に、システムの特性把握,原子炉に対応した運転・制御技術の確立,HTTR水素製造システムの安全審査・設工認に必要なデータの取得を目的として実規模単一反応管試験を計画し、HTTR水素製造システムの1/30スケールの規模を有する試験装置を完成させた。さらに、今後の試験を行ううえで必要な水素製造能力,制御性等を確認するために、試験装置完成時にHTTR水素製造システムと同条件下で水素製造試験等の機能試験を実施した。この結果、本装置の水素製造能力は設計値110Nm$$^{3}$$/hを満足する120Nm$$^{3}$$/hであった。また、起動時におけるヘリウムガスの熱外乱を蒸気発生器で緩和することにより、原子炉戻りヘリウムガス温度に相当する蒸気発生器出口へリウムガス温度を設計値である$$pm$$10$$^{circ}$$C以内に制御できた。本報では、機能試験の結果について述べる。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の設計研究

國富 一彦; 片西 昌司; 高田 昌二; 滝塚 貴和; 中田 哲夫; Yan, X.; 武井 正信; 小杉山 真一; 塩沢 周策

日本原子力学会和文論文誌, 1(4), p.352 - 360, 2002/12

原研では、独自の高温ガス炉ガスタービン発電システム(GHTHR300)の設計研究を実施してきた。GTHTR300は、その早期導入のために、技術的・経済的な課題を低減すべくできるだけ簡素化した設計としている。GTHTR300では、新たに提案した設計上の工夫、すなわち、2バッチ燃料交換を採用した炉心,既存の鋼製原子炉圧力容器,革新的なプラント構成及び横置きのガスタービンユニットの導入により、2010年代において経済的に競争力があると期待される。本論文は、原子炉, 燃料, 炉内構造物及び圧力容器設計に関する独自の特徴、及びGTHTR300の資本費が目標値である200,000/kWeを満足できる予備評価について述べる。本研究は、文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)発電系の設計

高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 片西 昌司; 小杉山 真一; 塩沢 周策

日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.189 - 192, 2002/00

本論文では、GTHTR300実証プラントの発電系設計により得られた成果について報告する。本プラント設計では、経済性を高めるために、主要機器の物量を低減することと高性能化を目指した。本プラントでは、ターボマシン,発電機及び再生熱交換器,前置冷却器を動力変換容器及び熱交換機収容器内に収納する。これらの機器や容器の寸法を最小化させて物量を低減する必要がある。本プラントでは中間冷却器のないサイクルを採用するとともに、前置冷却器はコンパクトなローフィン質ヘリカルコイル型として物量を低減した。タービンと圧縮機のポリトロープ効率の設計目標値をそれぞれ93%,90%まで高くして、翼形状を3次元化するなどして設計目標値を満足できるようにした。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の安全設計方針

片西 昌司; 國富 一彦; 高田 昌二; 中田 哲夫; 滝塚 貴和; 塩沢 周策

日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.185 - 188, 2002/00

高温ガス炉は、セラミック被覆燃料や黒鉛炉心構造物を使用していること、出力密度が低いことなどにより、高温に耐えることができ、かつ、異常事象の進展が緩慢であるといった安全上の特長を有する。これらの特長により、受動的冷却系のみで炉心の残留熱を除去でき、かつ、設計基準事象を越える事象でも炉心溶融の心配がないなど、高い安全性を有するシステムの設計が可能である。本稿では、現在設計を進めている高温ガス炉ガスタービン発電システムの安全にかかわる機器・系統の設計方針策定と設計の進捗,安全評価の対象事象の選定と判断基準の策定についての検討結果を報告するものである。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の設計研究; 平成13年度研究

國富 一彦; 片西 昌司; 高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 中田 哲夫; 武井 正信; 小杉山 真一; 塩沢 周策

日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.181 - 184, 2002/00

原研が開発を進めている高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の目的,特徴等について報告するとともに、平成13年度に実施した設計研究のうち、炉心設計,熱流動設計,燃料設計,炉内構造物設計,原子炉圧力容器設計を中心に報告する。炉心設計では、新しい燃料交換方法により、2年間の連続運転,平均燃焼度約120GWd/tonを実現した。また、原子炉圧力容器設計では、冷却材流路バスの工夫により、その材料に軽水炉と同材料が使用可能であることを示した。これらの設計結果を基にして、簡易的な経済性評価を実施し、経済性が目的の20万円/kWe以下であることを示した。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム

國富 一彦; 片西 昌司; 塩沢 周策

日本原子力学会誌, 43(11), p.1085 - 1099, 2001/11

高温ガス炉は、高温の熱が取り出せる、固有の安全性が高い、多様な燃料サイクルに対応可能等の既存炉にない特長を有している。これらの特長を生かした高温ガス炉ガスタービン発電システムは、2010年代のエネルギー源として期待されている。本報は、原研が設計研究を行っている高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR-300)の特長及びこれまでの設計検討結果,今後の設計,関連するR&Dの内容とスケジュールを示したものである。GTHTR-300は、炉心設計の工夫により燃料交換期間を2年間として稼働率を向上させる、原子炉圧力容器を1次ヘリウムガスで冷却して原子炉圧力容器材料に軽水炉と同材料を用いるなどの新しい設計により、発電コスト4円/kWhの達成を目標にしている。また、高い安全性を考慮して、安全設備の簡素化を行い、経済性の向上を図っている。

論文

Research and development of hydrogen production systems with HTGR in Japan

宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 片西 昌司; 西原 哲夫; 清水 三郎

Hydrogen Energy Progress 13 (Proceedings of the 13th World Hydrogen Energy Conference), p.297 - 302, 2000/06

高温ガス炉の核熱を発電以外の用途において利用するための研究開発の一環として、高温ガス炉の高温のヘリウムガスの熱により液化天然ガスから水素を製造するシステムの開発を進めている。将来はHTTRに接続して、システムの安全性、安定性、水素製造能力等を実証する予定であるが、現在はそれに先立って1/30規模の炉外試験装置により、諸特性の把握を行うことにしており、装置の製作を進めている。炉外試験では、システムの運転開始及び停止の手法を確立すること、水素製造システムにおけるヘリウム温度等の変化が原子炉に外乱として伝わらないようシステム内で十分抑えられることを確認すること、天然ガスの水蒸気改質反応が起こる水蒸気開発器等の高温機器の諸特性の把握等を目的として、試験を行う予定である。

論文

Research and development of HTTR hydrogen production systems in JAERI

塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 片西 昌司; 武田 哲明; 西原 哲夫; 清水 三郎; 大橋 弘史; 宮本 喜晟

Proceedings of 12th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2000) (CD-ROM), 10 Pages, 2000/01

特会委託研究として進めているHTTR水素製造システムの設計、炉外技術開発試験、要素技術開発試験(水素透過試験,触媒管健全性試験等)、熱化学法ISプロセス閉サイクル試験等の研究開発課題の選択、進め方、現状、今後の計画について報告する。水素の潜在的需要について概観し、核熱による水素製造が重要であることを示す。また、研究開発の効率的推進を図るため、水素製造コストの概算値から、水蒸気改質ではエネルギー費、資本費、原料費がほぼ同じ割合を占め、それぞれ対応する研究課題である高効率化、熱利用施設の非原子力級化、高転化率化に関する研究をほぼ均等に進めること、一方ISプロセスではエネルギー費が水素製造コストの70~80%を占めることから、閉サイクル試験及び高効率化に関する研究課題が材料研究課題に比べ水素製造コストに大きく影響することを示した。

論文

Design innovations in GTHTR 300 gas turbine high temperature reactor

Yan, X.; 塩沢 周策; 國富 一彦; 武藤 康; 宮本 喜晟; 片西 昌司

Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.8 - 0, 2000/00

高温ガス炉によるガスタービン発電は、高い固有の安全性、低コスト、高効率といった特徴により、将来の原子力のニーズに適合したものとなる可能性を有している。原研では、性能及び経済性を維持しつつ可能な限り単純化された設計となることを目的として、独自の概念による高温ガス炉によるガスタービン発電システケの研究を進めている。実証済の鋼材を用いた圧力容器の採用、独立した横置きのガスタービンの採用及びこれらのモジュール化等により設計の単純化をはかり、メンテナンス性向上、低コスト化が期待できるシステムを提案する。

論文

原子炉を利用した燃料,材料の照射技術の現状と将来

榎戸 裕二*; 溝尾 宣辰*; 玉井 忠治*; 大西 信秋; 二村 嘉明; 塩沢 周策

日本原子力学会誌, 31(7), p.742 - 772, 1989/07

本稿は、JRR-3改造炉に関して、施設の概要、原子炉の構造、特性および利用設備について紹介すると共に、照射利用の現状と将来の展望について述べたものである。

口頭

懸濁態及び溶存態放射性Csの森林から河川への流出

竹内 絵里奈; 安藤 麻里子; 西村 周作; 中西 貴宏; 都築 克紀; 小嵐 淳; 松永 武

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性Csは、現在でも森林に多く沈着しており、降雨などによる河川への流出が懸念されている。本研究では、降雨や季節変動と放射性Csの流出挙動の相関を調べるために、放射性Csを連続的に捕集する装置を設置し、森林から河川への放射性Csの流出量を溶存態と粒径の異なる懸濁態に分けて評価した。観測は北茨城市の小河川を対象とし、2012年11月から2013年12月にかけて行った。カートリッジフィルターに河川水を通水させて懸濁物を捕集し、4つのサイズ(F1: 2000$$mu$$m以上、F2: 500-2000$$mu$$m、F3: 75-500$$mu$$m、F4: 75$$mu$$m以下)に篩別した。溶存態CsはCs吸着剤を充填した2本の塩ビ製カラムに通水させて捕集した。カートリッジフィルター及びカラムは、1ヵ月毎に交換し各試料はGe半導体検出器で$$gamma$$線測定を行った。その結果、夏季(5$$sim$$10月)は降雨量が多く土砂が増えることから懸濁態Csの流出割合が多く、冬季(12$$sim$$4月)になると溶存態Csの流出割合が増加する傾向が見られた。懸濁態の粒径別では、ほとんどが75$$mu$$m以下のサイズで流出していることを示した。

口頭

Radiocesium in a mountainous forested catchment; Inventory, distribution, and fluvial discharge

竹内 絵里奈; 安藤 麻里子; 西村 周作; 中西 貴宏; 都築 克紀; 小嵐 淳; 松永 武

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性Csの多くは山間部の森林に沈着している。しかし、山間部での放射性Csの沈着量分布やその河川流出挙動に関する報告は少ない。我々は北茨城市内にある落葉広葉樹林の小河川集水域(0.6km$$^2$$)を対象として、空間線量率分布の詳細な調査と、集水域内で一定間隔毎に行った放射性Cs沈着量の測定結果をもとに、集水域全体の放射性Cs沈着量を評価した。また、放射性Csの河川流出量の季節変化を、独自に開発した河川水中Cs捕集システムを用いて、懸濁態と溶存態それぞれについて測定した。土壌表層(土壌及びリター)の放射性Cs沈着量と同じ地点の空間線量率の測定結果は直線関係を示し、対象集水域では、空間線量率分布から地表面の放射性Cs沈着量を推定可能であることが確認できた。この結果をもとに計算した全集水域の$$^{137}$$Cs沈着量は19$$pm$$7GBqであった。$$^{137}$$Csの河川流出における各形態の割合は、懸濁態が多雨期に、溶存態が積雪期に増加した。2013年の$$^{137}$$Cs年間流出量は5.9$$pm$$0.2MBqであり、対象とした集水域から河川への$$^{137}$$Csの流出率は0.03%と評価された。

口頭

森林土壌における放射性Csの下方浸透量の経年変化

西村 周作; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 中西 貴宏; 松永 武

no journal, , 

森林土壌表面を覆う落葉層に沈着した福島第一原子力発電所事故由来の放射性Csは、落葉の分解および雨水によって土壌に移行した。本研究では、森林土壌圏の放射性Csの下方浸透量の変化について事故後3年間にわたり調査した結果を報告する。調査は北茨城市の落葉広葉樹林内にて行った。この森林内に設置したライシメーターにより、落葉層と土壌5$$sim$$20cmを通過する土壌浸透水を定期的に回収・処理し、$$^{137}$$Csを測定した。事故後3年目の落葉層の$$^{137}$$Cs下方浸透量は、2年目とほぼ同じであった。一方、土壌中の$$^{137}$$Cs下方浸透量は、土壌5cmのみで観測され、事故後年々減少していった。事故後2年目および3年目の落葉層の$$^{137}$$Cs下方浸透量と土壌浸透水量との間および$$^{137}$$Cs放射能濃度と森林内の気温との間には正の相関関係がみられた。以上のことから、事故後3年目においても、雨量の増加と温度の上昇に伴った落葉層から土壌への$$^{137}$$Csの供給が継続していることが明らかになった。また、落葉層から溶出した$$^{137}$$Csが土壌中を下方移行する量は年々減少しており、土壌粒子への$$^{137}$$Csの固定が進んでいることが示唆された。

口頭

森林渓流における有機炭素の流出特性

竹内 絵里奈; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 西村 周作; 武藤 琴美; 都築 克紀; 中西 貴宏; 松永 武

no journal, , 

森林から河川を通じた有機炭素の流出過程を解明することは、森林集水域内の炭素循環における炭素消失を理解する上で重要である。本研究では、北茨城市の森林集水域内の渓流水を対象として、溶存態有機炭素(DOC)濃度の連続測定を行うとともに、懸濁物質を捕集して粒子状有機炭素(POC)の量及び同位体測定を行い、2013年から2014年にかけてその流出特性を評価した。POCは、2つの孔径のカートリッジフィルターに通水させて捕集し、粒径毎に篩分けを行い、炭素量及び炭素:窒素同位体比の測定を行った。DOC濃度は、フィルターを通過した渓流水の紫外線吸光度を連続的に測定した。DOC濃度は、降水イベントとそれに伴う河川流量の増加に応じて上昇したが、その濃度変化は降水量や先行降雨の状況により大きく異なった。台風シーズン等の高流量期には、DOC濃度の増加が頭打ちになり、一方で小さな降雨イベントではDOC濃度が急激に上昇した。これらの結果は、降水の河川への流入経路の違いを反映していると示唆された。

口頭

蛍光分光測定と多変量解析を用いた深部地下天然有機物の分類

西 柊作*; 斉藤 拓巳*; 渡辺 勇輔; 宮川 和也

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、天然バリアには放射性核種の移行を遅延し、濃度を希釈する機能が求められる。地下水中に存在する天然有機物(NOM)は、核種と錯生成することで、その移行挙動を大きく変えることが知られている。表層環境のNOMについては、金属イオンとの錯生成を表すための機構論的なモデルが提案され、多様な環境条件の下で検証されてきたが、そうしたモデルを処分の安全評価で使用するためには、深部地下環境のNOMを類型化し、表層環境のNOMと比較することが必要である。本報告では、瑞浪超深地層研究所及び幌延深地層研究センターの両地下施設を用いて得られた深部地下環境のNOMについて、三次元蛍光測定から得られる励起蛍光マトリクスと多変量解析法の一つであるParallel Factor Analysisを用いて整理・類型化し、深度や地質条件、地下水の化学的性質との相関から、その多様性の起源を報告する。

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