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佐藤 大樹; 前田 嘉一*; 為重 雄司*; 中島 宏; 柴田 徳思*; 遠藤 章; 津田 修一; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(11), p.1097 - 1109, 2012/11
被引用回数:14 パーセンタイル:70.88(Nuclear Science & Technology)陽子線がん治療施設における放射線安全設計の健全性及び妥当性を検証するため、福井県立病院陽子線がん治療センターにおいて中性子線量測定を実施し、施設の安全設計に用いた解析モデル及びモンテカルロコードPHITSの計算値と比較した。実験では、治療に用いる235MeV陽子ビームを水平照射室に設置した水ファントムに入射し、前方及び直上方向の遮蔽壁後方で中性子モニタDARWIN, Wendi-2及びレムメータを用いて中性子線量を測定した。また、照射室と入り口とをつなぐ迷路に固体飛跡検出器を配置し、迷路中の中性子線量分布を取得した。本研究により、国内の陽子線がん治療施設の設計に広く使われてきた解析モデルとパラメータセットによって、十分な安全裕度を持つ施設設計が可能であることを実験的に明らかにした。また、モンテカルロコードを利用することで、複雑な構造下で複数の線源から飛来する中性子の線量を、適切に評価できることを示した。この成果は、今後建設される陽子線がん治療施設における安全設計の最適化に、大きく寄与すると期待される。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:43.76(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
Das, S. K.*; 福田 共和*; 溝井 浩*; 石山 博恒*; 宮武 宇也*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 田中 雅彦*; 吉川 宣治*; Jeong, S.-C.*; et al.
AIP Conference Proceedings 847, p.374 - 376, 2006/07
軽い中性子過剰核を含む(,n)反応は速い中性子捕獲過程やビッグバン元素合成中で重要な役割を担う。特にLi(,n)B反応は安定核の存在しない質量数8のギャップを越えて重い元素を生成する反応の一つとして注目を集めている。今回、Li(,n)B 反応の重心系で0.45-1.75MeVのエネルギー領域での直接測定を行った。このエネルギー領域は110Kでのガモフピークに相当する。LiビームはBe(Li,Li)反応を用いて生成し、反跳核質量分析器(RMS)を用いて一次ビームや同時に生成される核種とわけた。検出器系はビーム飛行時間測定装置,Multiple-Sampling and Tracking Proportional Chamber(MSTPC)と中性子検出器からなる。ビームの飛行時間でLiビームのエネルギーをイベントごとに決定した後、MSTPCに直接打ち込む。MSTPC内にはHe+CO(10)の混合ガスが140torrの圧力で封入されており、このガスは検出器ガスとターゲットの両方の役割を果たす。反応で放出された中性子はMSTPCの周りを取り囲んだ中性子検出器で検出される。MSTPC内で反応が起こった場合、エネルギー損失シグナルの急激な変化が測定され、反応位置とエネルギーを決定できる。中性子検出器からの情報を加えて、反応の運動学的条件を満たすものを本物のイベントとした。本実験の結果はわれわれのグループが過去に測定した結果とエネルギーの重なる範囲で一致した。本講演では得られた実験結果について報告する。
久保 美和*; 佐々木 忠志*
JNC TJ8430 2005-003, 91 Pages, 2005/02
低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、再処理施設で発生する硝酸ナトリウムを含む低放射性廃液を廃棄体化する方法として、セメント固化処理法を検討している。硝酸塩廃液の固化: 高温での固化は、セメントの急激な水和反応を生じさせ、混練時の急結や流動性低下を引き起こした。しかしながら、流動性を向上させる分散剤の添加およびセメントの硬化に必要な硬化液添加量の変更により、80C程度で固化可能であることを確認した。これにより、想定しているセメント固化方法が硝酸塩廃液に適用できることを確認した。スラリ廃液の固化: スラリ廃液の固化では、流動性の低下および圧縮強度の低下現象が見られた。これは廃液に含まれるリン酸塩の影響によるものと考えられ、リン酸塩濃度を0g/Lとするスラリ修正廃液の場合であれば、廃液温度80C、濃縮度65wt%で、塩充填率50wt%の固化が可能であることを確認した。NaNO、NaHCO、NaSOの含有量増加はそれぞれ、硬化遅延、圧縮強度の低下、流動性の低下を引き起こすことがわかった。なお、リン酸塩を単独で固化する場合は、含水塩(NaPO・8HO)として塩充填率50wt%(無水塩換算の塩充填率: 26.6wt%)の固化が可能であった。
杉本 誠; 礒野 高明; 布谷 嘉彦; 小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 松川 誠; 濱田 一弥; 松井 邦浩; 西島 元; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 10(1), p.564 - 567, 2000/03
被引用回数:22 パーセンタイル:70.97(Engineering, Electrical & Electronic)ITER工学設計活動(EDA)の中心をなす開発計画であるCSモデル・コイル計画の中で、製作が行われていたCSインサート・コイルの製作がこのほど完了した。CSインサート・コイルはCSモデル・コイルの最内層に設置し、ITER実機と同じ磁束密度、電流、温度及びひずみ環境下で、超電導導体の性能試験を行うためのNbSn-ClCC製コイルである。コイルの巻線、熱処理、絶縁施工、素子取付、支持構造物の製作・組付け等CSインサート・コイル製作進捗を報告する。
岡 潔; 多田 栄介; 木村 盛一郎*; 小川 正*; 佐々木 奈美*
High-power Lasers in Manufacturing (Proceedings of SPIE Vol.3888), p.702 - 709, 1999/11
国際熱核融合実験炉(ITER)ではD-T燃焼により炉内機器は放射化されるため、遠隔機器による保守・交換作業が必要となる。これら炉内機器には、冷却配管が付属しているため、配管内からのアクセスによる溶接・切断・検査装置の開発が急務であった。これまでに、ブランケットの冷却配管を対象とし、曲がり部を通過後、枝管を溶接・切断することを可能とした加工ヘッド及び移動機構を製作してきた。今回、この装置を使用して、実際に溶接・切断試験を実施し、配管での最適な加工パラメータの取得を行った。さらに、通常の溶接・切断試験だけでなく、同じ配管試験片を使用した繰り返し溶接・切断試験を実施し、レーザ切断後の繰り返し再溶接が可能であることを確認した。併せて、溶接・切断・観察を1本の光ファイバで兼用可能なシステムを開発し、基礎試験を行うことで、その有効性を確認した。
角田 直己; 片山 博*; 都築 清次*; 佐々木 憲明; 間野 正*; 坂田 弘美*; 永井 均*
PNC TN841 77-09, , 1977/02
この報告書は,動燃再処理工場から発生する高放射性廃液の固化を目標とした試験研究の第1報である。高放射性廃液の最終固化体の形態としては,ガラス固化体,セラミック固化体,その他が世界各国で考えられているが,最終的な結論はまだ出されていないのが現状である。しかし,どの形態の固化体に決められるにしても,その固化体を作製するプロセスの中には,高放射性廃液を高温で処理して酸化物の仮焼体を作るプロセスが入る場合が多い。これは1つには,仮焼体の形態を経ることによって廃液の連続的大量処理が可能なことによるし,また1つには最終固化体の形態が決まっていない現状では,仮焼体の持つflexibilityにもよると考えられる。仮焼プロセスには種々の方法があるが,その中から流動床仮焼法を選択し装置の製作を行なった。本報告書では,装置製作に当っての機器選定に関する考慮,設計基準にとったマテリアルバランスとヒートバランス,計装に対する思想,検査および試運転結果等について述べる。
橋本 尚志; 光岡 真一; 市川 進一; 池添 博; 宮武 宇也; 石山 博恒*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; 田中 雅彦*; et al.
no journal, ,
軽い中性子過剰核を含む(,n)反応は超新星爆発中の早い中性子捕獲反応の前段階で形成されるホットバブルのような中性子過剰な環境において重要な役割を果たす。これらの反応の系統的な測定を日本原子力研究開発機構のタンデム加速器施設を用いて行った。既にLi(,n)B, B(,n)N, N(,n)F反応については測定を終了しており、解析を行っている。不安定核ビームは核子移行反応によって生成し、反跳核生成分離装置を用いて一次ビームと分離する。生成されたビームはMultiple-Sampling and Tracking Proportional Chamber(MSTPC)に直接打ち込まれる。反応によって放出される中性子は周りを取り囲んだ中性子検出器によって検出される。本測定の特徴は一度の測定で広いエネルギー領域を高効率で測定できることである。Li(,n)Bは0.4-1.7MeVと0.7-2.6MeVのエネルギー領域に分けて2回の測定を行っている。本講演では0.7-2.6MeVのエネルギー領域について報告する。B(,n)N, N(,n)F反応については重心系でそれぞれ1.3-3.7MeV, 1.3-4.7MeVのエネルギー領域での測定が終了しており、現在までに得られた結果について報告する。
宮武 宇也; 石山 博恒*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; 田中 雅彦*; 吉川 宣治*; Jeong, S.-C.*; 渕 好秀*; 野村 亨*; et al.
no journal, ,
軽い中性子過剰核を含む核反応は超新星爆発や初期宇宙における元素生成過程に重要な役割を持つと考えられている。われわれは日本原子力研究開発機構(JAEA)のタンデム加速器施設においてこれらの反応の天体核反応率の系統的測定を行っている。当施設では2種の方法で不安定核ビームの生成が可能である。1つは反跳核質量分析器(JAEA-RMS)を飛行型2次ビーム分析器として利用する方法、もう1つはISOLベースの東海短寿命核分離加速実験装置(TRIAC)である。JAEA-RMSを用いて生成された核子あたり1-2MeV/uの軽い中性子過剰核ビームを用いてLi(,n)BとB(,n)Nの反応率の直接測定を行った。実験は多重飛跡検出型比例増幅検出器(MSTPC)とそれを取り囲むように配置された中性子検出器を用い、荷電粒子をMSTPCで、反応によって放出される中性子を中性子検出器で測定した。また、TRIACは2005年の10月にビームの供給を開始し、供給された核子あたり0.175から1.1MeVまでのエネルギー可変なLiビームを用いてLi(d,p),(d,t),(d,),(d,n),(p,)の天体核反応率の測定を行っている。Li(d,t),(d,)については既に固体CDターゲットと大面積位置検出型シリコン検出器を用いて行った。本講演ではLi(d,p),(d,t),(d,)の励起関数についての報告と(,n)反応の測定から得られた反応率を用いたリチウムから窒素までの元素生成の経路について議論する。
伊藤 尚*; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 佐々木 伸雄*; 伊藤 伸彦*
no journal, ,
イヌの自然発生黒色腫由来の株化細胞(CMM2)に対して、TIARAにおいて線質の異なる放射線として、炭素線(線エネルギー付与LET=108keV/m)、陽子線(LET=2.7keV/m)及びX線(LET=1.0keV/m)を照射した。低線量域から高線量域にかけて細胞致死効果をコロニー形成法によって評価した。放射線照射後に適度な細胞を播種し、培養8日後に固定・染色により生存率を算出することによって生存曲線を作成した。X線及び陽子線照射における生存曲線は低線量域において肩を持つのに対して、炭素線照射において肩はなく、著しい生存率の低下が観察された。線質間による放射線感受性の違いを評価するため、10%生存率線量で比較したところ、炭素線,陽子線,X線の順に細胞致死効果が高く、LETが増加するにつれてX線を基準放射線としたRBE(生物学的効果比)も増加することが観察された。これらの結果より放射線のLET依存的に細胞致死効果が高くなることが示唆され、炭素線の口腔内発生黒色腫治療への適用により高い治療効果が期待されると考えられた。
伊藤 尚*; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 佐々木 伸雄*; 伊藤 伸彦*
no journal, ,
イヌの口腔内発生黒色腫は、外科的治療を適用した場合、動物の生活の質の低下や外貌の変化によるオーナーの精神的苦痛が大きく、このため放射線治療が望まれる。また黒色腫はX線治療に抵抗性であり、人のがん治療において線量分布が良好であり生物学的効果が高いことから応用が進んでいる粒子線の適応が期待される。しかしイヌ自然発生黒色腫に関する放射線感受性の報告は不十分である。本研究ではイヌの自然発生黒色腫由来の株化細胞(CMM2)に対して、原子力機構・高崎のTIARAにおいて線質の異なる放射線、炭素線(線エネルギー付与LET=108keV/m)、陽子線(LET=2.7keV/m)及びX線(LET=1.0keV/m)を照射した。低線量域から高線量域にかけて細胞致死効果をコロニー形成法によって評価した。放射線照射後に適度な細胞を播種し、培養8日後に固定・染色により生存率を算出することによって生存曲線を作成した。その結果、LET依存的に細胞致死効果が高くなるとともに、炭素線では生存曲線が肩を持たないことが示され、炭素線の口腔内発生黒色腫治療への適用により高い治療効果が期待されると考えられた。
堀口 賢一; 菅谷 篤志; 田中 憲治; 小林 健太郎; 佐々木 忠志*
no journal, ,
核燃料再処理施設では、大量に発生する硝酸塩を主成分とした低放射性廃液を安全かつ経済的に処理処分する必要がある。東海再処理施設では、低放射性廃液をセメントで廃棄体化するための技術開発を行った。低放射性廃液は処分費用低減の観点からセメント固化前に核種分離を行い放射能濃度の高い廃液の量を低減する。今回の固化試験は、核種分離で発生する放射能濃度が低く硝酸塩を主成分とした廃液(以下硝酸塩廃液)及び放射能濃度が高く数種類の塩を含む廃液(以下スラリ廃液)を模擬し、特殊なスラグセメントを用いて、ビーカースケール及び200リットル容器の実規模で行った。その結果、硝酸塩廃液では、所定の濃度まで蒸発濃縮した塩を50wt%充填して作製した固化体が、廃棄体要求条件を満足することを確認した。スラリ廃液では、含有する炭酸塩濃度が高くなると、強度が低下するなどの問題が見られたが、含有する炭酸塩濃度を約10g/L以下に減量することで、塩充填率50wt%の固化体が要求条件を満足することを確認した。
堀口 賢一; 菅谷 篤志; 田中 憲治; 小林 健太郎; 佐々木 忠志*
no journal, ,
核燃料再処理施設では、大量に発生する硝酸塩を主成分とした低放射性廃液を安全かつ経済的に処理処分する必要がある。東海再処理施設では、低放射性廃液をセメントで廃棄体化するための技術開発を実施している。低放射性廃液は処分費用低減の観点からセメント固化前に核種分離を行い放射能濃度の高い廃液量を低減する。固化試験は、核種分離で発生する放射能濃度が低く硝酸塩を主成分とした廃液(硝酸塩廃液)及び放射能濃度が高く数種類の塩を含む廃液(スラリ廃液)さらに廃溶媒処理技術開発施設から発生するリン酸廃液を模擬し、特殊なスラグセメントを用い実施した。今回は、これまで実施したビーカースケール固化試験,200リットル容器で行った実規模混練試験,セメント固化体危険物判定試験,実廃液固化試験及び浸漬試験の各試験結果を報告する。
堀口 賢一; 菅谷 篤志; 田中 憲治; 小林 健太郎; 佐々木 忠志*
no journal, ,
東海再処理施設では、低放射性廃液をセメントで廃棄体化するための技術開発を実施している。廃溶媒処理技術開発施設から発生するリン酸廃液は、リン酸二水素ナトリウムを主成分とするため、pH4程度の酸性である。セメント固化を行うには、中性からpH14程度に中和する必要があり中和の結果生成する塩の形態によっては、含水塩による混練水不足やカルシウム成分への結合の影響でセメント固化不良の原因となる。今回は、これまで実施したリン酸廃液のビーカースケール固化試験,200リットル容器で行った実規模混練試験の成果を報告する。
菅谷 篤志; 堀口 賢一; 圷 茂; 佐々木 忠志*
no journal, ,
再処理施設から発生する硝酸Naを主成分とした低放射性廃液は、硝酸性窒素の環境基準の観点から廃棄体に含まれる硝酸イオンの低減化が検討されており、廃液中の硝酸イオンを触媒還元法によって分解した後、セメント固化法で廃棄体化する技術の適用を検討している。本件では、硝酸根分解後に発生する炭酸塩廃液を廃棄体化できることを確認するために実施した、200規模での試験結果を報告する。
佐藤 大樹; 中島 宏; 柴田 徳思; 遠藤 章; 津田 修一; 為重 雄司*; 前田 嘉一*; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; et al.
no journal, ,
陽子線がん治療施設の放射線安全設計の健全性及び妥当性を検証するため、福井県立病院陽子線がん治療センターにおいて中性子線量の測定を実施し、施設の安全設計に用いた簡易式による評価値と比較した。測定には、液体有機シンチレータを中性子検出器として採用したDARWIN(原子力機構)、高エネルギー中性子に感度を持つよう改良した減速型中性子モニタWENDI-2(Thermo SCIENTIFIC)と通常の減速型レムモニタ(WEDHOLM MEDICAL)を用いた。陽子ビームのエネルギーは治療で用いられる235MeVであり、ビーム強度10nAで厚さ40cmの水ファントムに照射した。ビーム軸に対して0度方向にある厚さ385cmのコンクリート壁の後方において、簡易式を用いて評価した線量率はDARWINによる実測値の約20倍であった。この結果は、本施設が極めて安全側に設計されていることを示しており、将来的なビーム強度の増強や照射時間の拡張にも十分に対応可能であることを明らかにした。
為重 雄司*; 前田 嘉一*; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; 佐藤 大樹; 中島 宏; 遠藤 章; 柴田 徳思; 津田 修一; et al.
no journal, ,
平成23年3月より運用が開始される福井県立病院陽子線がん治療センターでは、シンクロトロン加速器より供給される最大強度10nA,最大エネルギー235MeVの陽子ビームを利用してがん治療を行う。この際、治療施設周辺における放射線安全を確保するため、適切な遮へい設計に基づく施設の運用が必要となる。当該施設の遮へい設計及び運用条件の評価は、Moyerモデルに基づく簡易式を用いて行われた。本発表では、陽子線がん治療センターの概要,放射線安全設計の方針,具体的な評価手法について報告する。実測に基づく評価値の妥当性検討は、シリーズ発表で行う次の発表で述べる。
野村 健*; 大部 祐一*; 近江 正*; 武部 愼一; 佐々木 利久
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により大気中に放射性物質が放出され、本来汚染のない原子力施設の非管理区域でも放射性物質が検出されている。事故由来のフォールアウトの影響を受けた資材等を原子力施設外に搬出する際、国のガイドラインに従い一般公衆への影響が年間10Sv以下であることを評価する必要があるが、影響評価方法を明確にし、十分にコンセンサスを得ておくことが必要である。本件においては、ガイドライン対象となる原子力施設の資材等を処理・処分する際に、一般公衆に対するフォールアウトの影響という観点から、施設外に搬出するための方法について試算を行った。
阿部 歩*; 下尾崎 寛子*; 近江 正*; 武部 愼一; 佐々木 利久
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により大気中に放射性物質が放出され、本来汚染のない原子力施設の非管理区域でも放射性物質が検出されている。事故由来のフォールアウトの影響を受けた資材等を原子力施設外に搬出する際、国のガイドラインに従い一般公衆への影響が年間10Sv以下であることを評価する必要があるが、影響評価方法を明確にし、十分にコンセンサスを得ておくことが必要である。本件においては、ガイドライン対象となる原子力施設の資材等を処理・処分する際に、一般公衆に対するフォールアウトの影響という観点から、施設外に搬出するための方法について試算を行った。
佐藤 達彦; 古田 琢哉; 佐々木 秀隆*; 渡部 直史*
no journal, ,
核医学用線量評価ソフトウェアとして一般的に用いられるOLINDAやIDACは、個人の体格差を考慮した詳細な臓器線量評価はできない。また、標的核医学治療で重要となる腫瘍への吸収線量は、全くの評価対象外となる。そこで、我々の研究チームは、線を用いた標的核医学治療(TAT)への応用を念頭に、PET-CTもしくはSPECT-CT画像から汎用モンテカルロ放射線挙動解析コードPHITSの入力ファイルを自動作成して体内の吸収専用3次元空間分布を評価するシステムRT-PHITSの開発を進めている。発表では、RT-PHITSの概要や利用方法について説明するとともに、大阪大学で実施した標的核医学治療に対してRT-PHITSを適用した例を紹介する。