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永井 崇之; 刀根 雅也; 勝岡 菜々子; 岡本 芳浩; 馬場 祐治*; 秋山 大輔*
Photon Factory Activity Report 2022 (インターネット), 3 Pages, 2023/00
単純組成ガラス原料に測定元素のみを添加したガラスを作製し、B同位体組成による影響を確認した。その結果、複数の原子価が存在するCeやUはその影響がほとんど認められず、ガラス原料であるSiも僅かな差に留まった。これらのことから、B同位体組成による含有元素の局所構造への影響はかなり小さいと判断する。
山本 真吾*; 藤井 拓斗*; Luther, S.*; 安岡 弘志*; 酒井 宏典; Brtl, F.*; Ranjith, K. M.*; Rosner, H.*; Wosnitza, J.*; Strydom, A. M.*; et al.
Physical Review B, 106(11), p.115125_1 - 115125_5, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)Ga核四重極共鳴法によって、CeRhGaにおける130Kの構造相転移と基底状態について調べた。構造相転移点で、NQR共鳴線の分裂を観測し、構造相転移転移点以下ではGaサイトが結晶学的に2つになることがわかった。NQR周波数は、電子状態計算による予測値を一致した。低温0.3Kまで、磁気秩序が起こらないことを明らかにした。また、構造相転移点以下2Kまでは、NQR緩和率は一定であるが、2K以下でコリンハ則の振る舞いにクロスオーバーする。2Kという特徴温度に加えて、は、0.8Kという特徴温度も示しており、2つのCeサイトによる異なる近藤温度の可能性について議論した。
Li, Z.*; Piankova, D.*; Yang, Y.*; 熊谷 友多; Zschiesche, H.*; Jonsson, M.*; Tarakina, N. V.*; Soroka, I. L.*
Angewandte Chemie; International Edition, 61(6), p.e202112204_1 - e202112204_9, 2022/02
被引用回数:5 パーセンタイル:35.86(Chemistry, Multidisciplinary)Ce(III)水溶液の放射線誘起酸化反応によるCeO形成過程を研究した。Ce(III)はガンマ線照射による水の放射線分解で生じるOHラジカルによりCe(IV)に酸化され、水に対する溶解度が減少するため析出し、最終的にはCeOが生成する。この反応過程を透過型電子顕微鏡観察とX線結晶構造解析を用いて調べた。その結果、ガンマ線照射によって生成するCeOは、いくつかの中間的な状態を経てメソ結晶体を形成することを明らかにした。水溶液中でCe(III)が酸化されると、CeO析出の前駆体としてアモルファスなCe(IV)水酸化物が生成する。その後、Ce(IV)水酸化物中でCeOのナノ粒子が成長する。このCeOナノ粒子はアモルファス組織の中でゆっくりと配向性を有するようになり、ナノ粒子間の相互作用により規則的な構造を形成したメソ結晶体となる。さらに、このメソ結晶体を徐々に乾燥させることでメソ結晶体がさらに構造化した超結晶(supracrystal)となり、複雑な階層化アーキテクチャが形成されることを明らかにした。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 馬場 祐治*; 秋山 大輔*; 有馬 立身*
Photon Factory Activity Report 2021 (インターネット), 2 Pages, 2022/00
ホウ素同位体組成によるホウケイ酸ガラス中の含有元素の化学状態や局所構造等への影響把握を目的として、BとBの組成ガラスを作製し、Si, Cr, Fe, Mo-K端, Ce-L端をXAFS測定した。評価の結果、ホウ素同位体組成によるスペクトルの差は小さく、含有元素の化学状態や局所構造等への影響もほとんど認められなかった。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2020-009, 48 Pages, 2020/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その廃棄物ガラスの化学組成によって変化する。本研究では原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を作製し、軟X線領域のXAFS測定によりホウ素(B),酸素(O)及び廃棄物成分のセリウム(Ce)やセシウム(Cs)等の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態等が異なるガラス試料を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度が高くなるとB-Oの4配位sp構造(BO)の存在比が高まる傾向を確認した。また、OのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、OのK吸収端スペクトルで観察されるプリエッジの高さは、試料中のFe濃度に依存することを確認した。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、浸出試験後に試料表面のB-Oの4配位sp構造(BO)の存在比が高まる傾向を確認した。また、CeやCsのM吸収端等のXANESスペクトルを測定した結果、表層に存在するCeは浸出試験により酸化され、表層のCsの多くが浸出試験後に失われていることを確認した。また、XAFS測定に供したガラス試料の状態をラマン分光測定で確認した結果、原料ガラス形態や作製方法によって同様な化学組成であってもラマンスペクトルが異なることを確認した。
永井 崇之; 下山 巖; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 有馬 立身*
Photon Factory Activity Report 2019 (インターネット), 3 Pages, 2020/00
模擬HAWやガラス原料にU化合物を添加してU含有模擬廃棄物ガラスを作製し、U等の化学状態を硬X線領域のXAFS測定により評価した。その結果、U含有ガラスとU添加無ガラスのXAFS測定結果を比較し、廃棄物成分のCeの原子価がU共存により酸化する傾向を確認した。また、ラマン分光測定でガラス組成や作製条件によってSi-O構造が異なることから、軟X線領域のSiのK吸収端XAFS測定を試みた結果、Siの局所構造が組成によって僅かながら変化することを確認した。
永井 崇之; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2019-003, 94 Pages, 2019/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体の化学組成によって変化する。本研究は、リン又はバナジウムを添加したホウケイ酸ガラスと模擬廃液から模擬廃棄物ガラス試料を作製し、廃棄物濃度によるガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造をXAFS測定により評価した。
永井 崇之; 小林 秀和; 嶋村 圭介; 大山 孝一; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*
JAEA-Research 2018-005, 72 Pages, 2018/09
ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中の原料ガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、リン添加ホウケイ酸ガラスを原料ガラスに用いて模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によりガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造を評価した。
永井 崇之; 小林 秀和; 捧 賢一; 菖蒲 康夫; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*
JAEA-Research 2017-005, 54 Pages, 2017/06
ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中のホウ素(B)や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によるガラス試料中のB及び廃棄物成分の局所構造を評価した。BのK吸収端XAFS測定において、薄板状の試料を用いて良好なXANESスペクトルが得られることを確認し、原料ガラスに廃棄物成分を添加するとB-Oの3配位sp構造(BO)割合が減少して4配位sp構造(BO)割合が増加することを明らかにした。また、組成のSiO/BO比の低下又は(SiO+BO)/AlO比の上昇によって、BO割合が増加しBO割合が減少すること、POの添加によって、BO割合が減少しBO割合が増加することを明らかにした。廃棄物成分のXAFS測定において、BO含有率が高い組成ほどセリウム(Ce)原子価が還元されること、原料ガラスへPOを添加するとCe原子価が還元されることを確認した。またイメージング測定により、ガラス中に析出するRu化合物の状況は組成のBO含有率を変えても変わらなかった。本研究は、資源エネルギー庁より日本原子力研究開発機構が受託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業の実施項目「高レベル廃液ガラス固化の高度化」の一つとして実施した。
府金 慶介*; 森 利之*; Yan, P.*; 増田 卓也*; 山本 春也; Ye, F.*; 吉川 英樹*; Auchterlonie, G.*; Drennan, J.*
ACS Applied Materials & Interfaces, 7(4), p.2698 - 2707, 2015/02
被引用回数:30 パーセンタイル:66.63(Nanoscience & Nanotechnology)白金-酸化セリウム(Pt-CeO(1.52))は、Ptカソードよりも高い酸素還元反応活性を示すことから、固体高分子形燃料電池のカソード極に使用する電極材料として有望視されている。本研究では、Pt-CeOの高い酸素還元活性の発現に関係しているとして考えられているPt-CeOヘテロ界面の微細構造を明らかにすることを目的に、パルスレーザー蒸着法により導電性を有するNb:SrTiO単結晶基板上にCeOのエピタキシャル膜を形成し、さらにCeO膜上に含浸法によりPt粒子を形成してPtとCeO界面構造が単純化されたPt-CeO薄膜カソードを作製した。透過型電子顕微鏡によるPt-CeO界面の構造評価及び電気化学測定による酸素還元反応活性評価、さらに格子動力学計算結果との比較により界面構造を調べた結果、Pt-CeO界面に形成されるPt-O-酸素欠陥-セリウム欠陥構造が高い酸素還元活性の発現に関係していることが示唆された。
廣岡 瞬; 村上 龍敏; Nelson, A. T.*; McClellan, K. J.*
INL/EXT-14-33515, p.34 - 36, 2014/10
平成25年度から引き続き、日本との共同研究として核燃料物質の物性評価を行い、平成26年度は(U,Ce)Oの酸素ポテンシャル測定を行った。平成26年度の共同研究は民生用原子力研究ワーキンググループの下での活動としている。測定は気相平衡法で行い、加湿したAr/Hによって酸素ポテンシャルを調整したガスを用いた。試料は(U,Pu)O燃料の組成比に近いCe=20%及び30%とした。温度は1200C, 1400C, 1600Cの三種類とし、酸素/金属比(O/M)1.9452.000の範囲で、100点以上のデータポイントが取得された。実験結果は欠陥化学によって解析され、O/Mを温度と雰囲気の酸素ポテンシャルで表す式を得ることに成功した。(U,Pu)Oとの比較では、同様の欠陥構造で解析が可能なことや、同様のS字型の曲線形状などの共通点が確認できた。また、同じO/Mに対応する酸素ポテンシャルは(U,Ce)Oの方がかなり高いことが明らかとなった。
中川 庸雄; 岩本 修; 長谷川 明
JAERI-Research 2002-035, 94 Pages, 2002/12
重要マイナーアクチニド核種であるAm及びAmと核分裂生成物核種Tc及びCeについて、JENDL-3.2に与えられている評価済核データを最近の測定データや評価済みデータと比較・検討を行った。その結果、データの問題点を抽出し、その改善を行った。AmとAmについてはMaslov et al.による最近の評価値が優れていることがわかり、それをさらに改善して再評価値とした。TcとCeについては、共鳴パラメータや計算に使用する光学模型パラメータの改善などを行い、連続領域の断面積も再計算し、JENDL-3.2のデータを改善した。データは10eVから20MeVで与え、ENDF-6フォーマットで編集した。今回の結果は、JENDL-3.3に採用された。
阿部 英樹*; 吉井 賢資; 北澤 英明*
Physica B; Condensed Matter, 312-313, p.253 - 255, 2002/03
被引用回数:4 パーセンタイル:26.06(Physics, Condensed Matter)希土類金属間化合物CeRhGe単結晶に対する磁化測定から、外部磁場がc軸に平行である場合、低温で多段階メタ磁性転移を起こすことがわかった。このメタ磁性の温度依存性を詳細に調べ、この系の磁気相図を明らかにした。すなわち、温度と磁場をパラメータにし、8つの異なる相が存在することが見出された。
実方 秀*; 新津 好伸*; 久野 剛彦; 佐藤 宗一; 黒沢 明
JNC TN8410 2001-002, 66 Pages, 2000/12
再処理施設から発生する高放射性廃液(High Active Liquid Waste:以下HALWと略記)中の微量プルトニウム分析法として、従来の吸光光度法よりも低濃度域における測定に優れ、査察側検認分析法としての応用が期待される高感度吸光光度法(High Performance Spectrophotometry:以下HPSPと略記)を検討した。コールド試験では、プルトニウム代替物質としてプルトニウム(VI)の吸収波長近傍に吸収ピークを示すネオジムを用いてピーク強度算出方法の検討を行ったところ、3波長法が本法において有効であった。硝酸プルトニウム溶液の測定では、011mgPu/Lにおいて信号強度との間に良好な直線関係を有することがわかった。さらに実際のHALWの組成を模擬してマトリクスを複雑にした溶液(模擬HALW)にプルトニウムを添加した試料の測定を行ったところ、同様に011mgPu/Lについて良好な直線関係が得られた。また、HALWにプルトニウムを標準添加した場合も同様に良好な直線関係が得られた。本法は、サンプル中の硝酸濃度、スラッジ及び共存元素による影響を受けることから、それぞれの依存性について調査したところ、硝酸濃度24mol/Lで測定値が約14%変動することがわかった。またスラッジについては、ろ過による除去が必要であり、共存元素については光学調節によるベーススペクトルのバランス調整によって影響を排除することができた。低濃度プルトニウム試料を測定する場合については、ピーク強度とノイズ成分の比(S/N比)が相対的に小さくなることから、積算平均化法、単純移動平均法、フーリエ解析法によるスペクトルのS/N比向上を検討した。検討結果から、積算平均化法と単純移動平均法を組み合わせて用いることが本法の特性上最適であり、硝酸プルトニウム溶液測定時における検出限界値は0.07mgPu/Lとなった。また、プルトニウム含有模擬HALW溶液を測定した時の検出限界値は0.2mgPu/Lであった。さらに、実際のHALWを用いた場合についても、検出限界値は0.2mgPu/Lであることが予想される。
宮部 賢次郎; 高崎 浩司; 安中 秀雄*; 泉 雄一*
JNC TN8420 2000-007, 100 Pages, 2000/08
本調査報告書は、核燃料サイクル開発機構が(株)日本環境調査研究所に委託した平成11年度の「市販洗浄剤の放射性汚染に対する除染効果比較試験(その3)」の成果をまとめたものである。管理区域内における放射線作業では、トラブルにより身体・皮膚の放射性汚染を生じる場合がある。放射性物質による身体汚染(皮膚汚染)をできるだけ速やかに除去できるように放射線管理上の措置を講じる必要がある。現在配備してある除染剤の酸化チタンペーストは、実際の使用実績を有する信頼性の高い身体除染剤であるが、使用できる状態の保存期間が数ヶ月と短いために、交換・補給整備に難点がある。このことから、平成10年度のCs-137及びRu-106での試験に引き続き、22種類の各種市販洗浄剤について、今回はCo-60の身体・皮膚除染剤に関する調査・試験を実施した。除染試験は、豚皮の試料にCo-60の放射性溶液を滴下し、5分及び40分放置した後、各種洗浄剤にて洗浄し、洗浄前後の試料の放射能比を求めた。試験の結果、Co-60の除染効果については、Cs-137及びCe-144の除染効果とほぼ同様の傾向が見られた。また、これまでの試験結果より、酸化チタンペーストの除去率と同等以上の除去率を示す洗浄剤が11種選ばれ、その中で製造中止や入手困難なものを除いた7種の洗浄剤が最終的に選定された。
大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 2000-032, 17 Pages, 2000/08
電子ビーム加熱で生成した原子ビームは変動する。原子法レーザー同位体分離や原子衝突実験に原子ビームを用いる時、原子ビーム密度はできるだけ安定していることが望ましい。原子ビーム変動の要因を調べるため、CCDカメラを用いた三角測量法で、ガドリニウム,セリウム及び銅蒸発面のくぼみ深さを測定した。蒸気圧と液面の静水圧との釣り合いから推定したくぼみ深さは測定値と一致した。また、3~4mmのくぼみが形成されると、原子ビームの周期的な変動が始まることがわかった。
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
齋藤 勇一; Yotsombat, B.*; 水橋 清; 田島 訓
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.955 - 957, 2000/02
被引用回数:9 パーセンタイル:52.75(Instruments & Instrumentation)Csスパッタ負イオン源を用いて安定に酸化セリウムを生成することに成功した。セリウムを含むランタノイド系元素は蒸気圧が低く仕事関数が小さいため、Cs1次イオンを生成するアイオナイザーに付着し、そのイオン化性能を低下させる。われわれはスパッタカソードを2重構造にすることでこれを解決した。カソードに酸化セリウムを詰め、その上をタングステンで覆いそこに2mm程の穴をあけた。これにより、スパッタされるセリウムの立体角が小さくなり、アイオナイザーへの付着が少なくなった。また、タングステンによりアイオナイザー(タングステン製)の修復も同時に行われる。これにより200mA以上の負イオン電流が安定に得られた。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(5A), p.2973 - 2977, 1999/05
被引用回数:6 パーセンタイル:32.49(Physics, Applied)ディスプロシウム(Dy)とセリウム(Ce)について基底状態のイオンと中性原子との対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eVから2000eVの範囲について測定した。断面積測定はレーザーイオン源から生成した主イオンビームのイオン量と、原子ビームとの衝突により生成したイオン量との比により決定した。原子ビーム速度は真空天秤法で求め、イオンエネルギーの高い領域では検出イオン信号の2次電子放出による補正を行った。得られた断面積はこのエネルギー範囲でほぼ一定で、Dyで1.810cm、Ceで0.910cmとなった。これは電子配置を考慮した予想と一致する結果である。
大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(7A), p.4258 - 4259, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)水冷銅るつぼを用いた電子ビーム蒸発では、熱損失が大きく蒸発の熱効率が低いこと、液体金属対流による不安定現象で原子ビームが変動することが知られている。安定な原子ビームを生成させるため、多孔質タングステン製円柱をるつぼ内に置いてハースライナーと組合せて蒸発を試みた。ガドリニウムまたはセリウムを多孔質体に含浸させて蒸発させた。多孔質体を用いると、加熱面形状が変化しないので蒸発面が一定である。また、液体金属は毛管現象によって加熱面に吸い上げられるだけなので対流の影響がほとんどない。これらのことから、少ない投入電力で多くの原子ビームが生成できるだけでなく、安定な原子ビームが生成できた。また、多孔質体材料に汚染されないことも確認した。