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荒井 長利
IAEA-TECDOC-901, 0, p.225 - 237, 1996/00
構造用脆性材料の微視的組織構造と材料強度及び構造健全性を研究する一環として、潜在的なマイクロポアの集合である気孔に着目し、特に黒鉛材料での照射による変化を解析的に検討した。ここでは、照射実験による寸法変化またはバルク体積変化の離散的データを、黒鉛損傷モデル(GDM)を用いて温度、照射量に関し連続的な変化を計算することによって求めること、及び、黒鉛の寸法変化に関するKellyらの結晶光子理論を応用している。検討では種々の製作プロセスによる黒鉛材料について、総合的に気孔率変化の相違を定量的に明らかにした。結論として、各種銘柄の照射効果の複雑な変化は結晶形状変化パラメータによって解釈することが適切であること、及びそのことの故に、気孔率の変化が重要な指標であることが明らかになった。
荒井 長利
JAERI-M 92-009, 123 Pages, 1992/02
黒鉛材料を構造材料として用いる場合、静的強度、特に引張り破壊強度、の統計的性質を構造物の強度設計において如何に考慮すべきかが問題となる。本研究はこの問題について3つの側面から総合的検討を行った。先ず、HTTR用黒鉛IG-110,PGXの強度データ標本を詳細に解析すると共に、他の文献データにより、多くの標本が正規分布で近似できること、その近似の精度は標本数が多い程高くなることを明らかにした。しかし、銘柄によっては標本の性格(試料採取位置や方向)が著しく異なる。また、従来研究の統計モデルや理論を評価し、ワイブルの脆性破壊理論は一般に実用できないこと、現状の実用的方法は標本毎の性質に応じて、正規統計により信頼限界値として設計最小強度の設定に参考することのみであることを示した。更に、より適切な統計的破壊理論を確立するための材料強度学及び設計工学分野での課題を考察した。
宇賀地 弘和; 石山 新太郎; 石原 博弘*; 衛藤 基邦
IMPACT-III (Post-SMiRT 11 Conference), 8 Pages, 1991/08
HTTR用黒鉛IG-11及びPGXの圧縮変形ならびに圧縮強度に与えるひずみ速度の影響を調べた結果、下記の結論が得られた。(1)圧縮強度はひずみ速度が100(1/s)以下ではひずみ速度とともに増加し、その傾向は下記の式で表記できる。=Aここで,は圧縮強度とひずみ速度でありA,Bは定数である。(2)ひずみ速度が100(1/s)以上になると強度は低下した。(3)変形挙動や強度に与える試験片体積の影響は認められなかった。
松尾 秀人
JAERI-M 91-090, 15 Pages, 1991/06
非晶質炭素及び原子炉用黒鉛材料を1128-1483Kで中性子照射した後2573Kまでの各温度で熱処理して寸法、密度、電気比抵抗、ヤング率、熱膨張率の変化を調べた。炭素材料は原子炉用黒鉛材料に比較して照射によってより大きくて、また異方的な寸法収縮挙動を示した。この寸法収縮量は、1773Kから2023Kまでの熱処理温度で減少したが、それ以上の温度では僅かに増加した。これに対して、照射した原子炉用黒鉛材料を熱処理した場合は、寸法、密度、熱膨張率は殆んど変化しなかったが、電気比抵抗やヤング率は熱処理温度が高くなるにしたがって次第に減少した。これらの実験事実から、非晶質炭素材料と原子炉用黒鉛材料の寸法変化挙動には著しい違いがあることがわかった。
荒井 長利
JCOSSAR91論文集, p.619 - 622, 1991/00
黒鉛材料を構造材料として使用するに当っては、金属材料で確立している材料/構造工学を適用することはできない。黒鉛材料のもつ特殊性を考慮し、又、原子力機器構造安全工学としてもライセンサビリティーを満足させなければならない。本発表は、HTTR用黒鉛の関連研究開発に関し、その基本的戦略、材料/構造工学の主要課題及び構造設計方針の確立のために実施した研究成果について概説する。
荒井 長利; H.Cords*; H.Nickel*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.553 - 558, 1991/00
高温ガス炉(HTGR)の黒鉛構造物は高速中性子の照射により損傷し、工学的な物性値が変化する。その変化挙動は照射温度及び照射量に著しく依存する。多数の多結晶黒鉛の等温での照射挙動データを説明するために、黒鉛損傷モデル(Graphite Damage Model,GDM)が以前に考案された。本研究では、このGDMを非等温照射条件にも応用するための改良を行った。ここでは、実験データに基づき、モデル関数に含まれる28ヶのモデルパラメータを非線形最小2乗近計算により決定し、先ず、非等温照射挙動用のモデルを確立した。更に、このGDMに基づいて、非等温照射挙動を予測するための一般的な回帰公式を開発した。その妥当性を実験値との比較により確証した。
奥 達雄; 石山 新太郎; 衛藤 基邦; 後藤 泰男*; 浦島 和浩*; 稲垣 道夫*
日本セラミックス協会学術論文誌, 96(1115), p.773 - 777, 1988/07
原子炉用黒鉛の有効な破壊靱性値を得るための条件を明らかにすることを目標にして、ここでは、弾塑性破壊靱性値に及ぼす試験片形状とサイズの影響を検討した。
松尾 秀人; 藤井 貴美夫; 今井 久
Journal of Nuclear Materials, 152, p.283 - 288, 1988/00
被引用回数:3 パーセンタイル:39.8(Materials Science, Multidisciplinary)照射前に水蒸気酸化した2種類の原子炉用黒鉛材料の寸法、体積、密度、熱伝導度、熱膨張係数、電気比抵抗、及びヤング率などに及ぼす中性子照射の影響について研究した。照射前に酸化した試料及び酸化しない試料を800~1020Cで最高6.610n/m(E29fJ)まで照射し、諸性質の照射による変化を調べた結果、各性質の照射による変化率は照射前に酸化した場合と酸化しない場合では同じであることがわかった。
石山 新太郎; 奥 達雄; 藤崎 勝夫; 衛藤 基邦
日本原子力学会誌, 29(11), p.1014 - 1022, 1987/11
被引用回数:2 パーセンタイル:29.75(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス実験炉炉心構造材としての微粒等方性黒鉛IG-110の形状の異なる三種類のリング状試験片を用いて、未照射材及び照射材の静的強度試験及び疲労試験を行なった。その結果、静的リング圧縮強さは三種類のリング試験片でそれぞれ異なり大きさの順に小中大であった。また、575~650C、1.9210~3.2010n/cmで照射した照射材のリング圧縮強さは未照射材に対して約20%の増加を示した。また、同照射条件下において照射材の疲労寿命曲線(S-N曲線)は未照射材の疲労寿命曲線と照射による静的強度の変化を用いて予測できることが分った。
石山 新太郎; 衛藤 基邦; 奥 達雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(9), p.719 - 723, 1987/09
被引用回数:6 パーセンタイル:55.64(Nuclear Science & Technology)微粒等方性黒鉛IG-11のき裂進展速度da/dNに及ぼす荷重負荷モードの効果(応力比効果)を調べた。試験片の形状をダブルカニチレバービーム(DCB)型とし、繰り返し荷重は251N/secの荷重速度で荷重容量1500Nのサーボ式疲労試験機を用いて負荷した。荷重負荷モードは応力拡大係数範囲の最小値Kminと最大値Kmaxの比R(=Kmin/Kmax)を0から0.8の範囲の5段階で変化させた。実験結果から、き裂進展速度と応力拡大係数範囲の間に次式が得られた。da/dN=C(?K-?Kth) ここでC,nは定数、応力拡大係数範囲?K=Kmax-Kminで、?Kthはしきい値である。?KthはR値に依存し、R=0の応力拡大係数範囲を?Kthoとすると?Kth/?Ktho=(1-R) となる。ここでAは定数でIG-11黒鉛では0.89となった。
角井 日出雄*; 奥 達雄
Journal of Nuclear Materials, 137, p.124 - 129, 1986/00
被引用回数:11 パーセンタイル:74.97(Materials Science, Multidisciplinary)繰り返し荷重条件下での原子炉用黒鉛き裂進展特性を室温、373,673,973°Kで調べた。き裂進展速度は、平均の応力拡大係数が一定の場合と応力拡大係数の最小値が一定の場合について求められた。その結果、応力拡大係数の平均値が一定の場合のき裂進展速度の方が、応力拡大係数の最小値が一定の場合のものより小さかった。き裂成長速度は温度上昇に伴い増加した。又、粗粒コークスから成る黒鉛のき裂進展速度は微粒高強度黒鉛のものより大きくなった。
斎藤 保; 今井 久
炭素, (127), p.178 - 182, 1986/00
多結晶黒鉛の熱膨張係数を単結晶の値と各結晶子の配向性で表わし、前者の格子膨張係数に気孔による緩和を加えたモデルがある。そのモデルを10銘柄の原子炉用黒鉛について検討し、熱膨張係数の近似式を改良した。従来の式では、格子膨張係数が素材の熱膨張に寄与する割合、すなわち「緩和係数」が温度に依存しないと仮定している。しかし、室温から900Cまでの実験結果ではこの仮定はなりたたず、緩和係数は温度とともに増加した。一方、新しく提案した近似式は、格子膨張係数の緩和率ではなく緩和量を一定としたもので、900Cまでの全温度領域で実測値と一致した。
斎藤 保; 今井 久; 大野 英雄; 皆川 宣明
JAERI-M 85-160, 10 Pages, 1985/10
中性子回折法により原子炉用黒鉛の配向関数(I())を測定し、この方法の利点を述べた。また、黒鉛素材の熱膨張の異方性変化を結晶単位格子の膨張係数とI()をもとに検討した。その結果、室温から900Cの範囲でI()の変化は検出されなかった。しかし、黒鉛素材の異方性は温度の増加による格子膨張変化に対応し減少する傾向を示した。
衛藤 基邦; 山口 康市; 佐々木 泰一; 榎本 茂正
炭素, (113), p.60 - 65, 1983/00
クリプトン85を用いたラジオトレーサー法を圧縮予応力を与えた三種類の原子炉用黒鉛、SMI-24,7477PT及びH327に応用し、微視構造変化の検出の可否を検討した。Krを3.410kPaで圧入したのち、室温大気中放置時間の関数としてKr残存量を線及び線の強度を測定することによって求めた。結果は黒鉛の種類によって異なり、SMI-24黒鉛では予応力水準の増加に伴い残存クリプトン量が増加し、残存量半減時間は減少し、微視構造変化を検出できると考えられるのに対し、他の二種類の黒鉛では明瞭な効果を検出できなかった。
松尾 秀人; 佐々木 泰一
Journal of Nuclear Materials, 101, p.232 - 234, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:62.3(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉用黒鉛材料の圧縮応力下の熱膨張率を室温から1473Kまでの温度範囲で測定した。熱膨張率は圧縮応力下では増加し、付加応力が大きいほどその増加量は大きくなることが認められた。また、1473Kまでの温度で熱焼鈍した場合にはその増加した熱膨張率や応力付加によって生じた残留ひずみは完全に回復しないのが認められた。圧縮応力下の高温での熱膨張率の変化は、応力付加効果とともに高温でヤング率が増加する現象とも密接に関連していることが推察された。
今井 久; 藤井 貴美夫; 野村 真三; 黒沢 武; 佐々木 泰一
JAERI-M 9166, 15 Pages, 1980/11
本報告は原子炉用黒鉛材料のガンマー線照射下におけるヘリウム中水蒸気による腐食反応試験に関するものである。4種類の黒鉛材料7477、7477PT、IG-11、及びSM1-24について、1.2510R/hrのガンマー線照射下、30~242C、水蒸気濃度6000~23000vpmで腐食反応速度は2.3~3.710g/g・hrと非常に小さな値であった。放射線によって誘起される反応速度と黒鉛材料の比表面積、気孔率及び含有不純物との間に関連性を見出すことはできなかったが、類似の組織構造をもつ7477と7477PTの反応速度は同じ位の大きさであった。また、放射線誘起反応速度の温度依存性及び水蒸気濃度依存性はともに小さく、反応の活性化エネルギーは約1Kcal/mol、反応次数は0.16であった。以上の実験結果に基づき、放射線誘起反応の影響を推定した。
今井 久; 藤井 貴美夫; 野村 真三; 黒沢 武; 佐々木 泰一
JAERI-M 8848, 21 Pages, 1980/05
4種類の原子炉用黒鉛材料について、Co-60ガンマー線照射下の酸素による酸化反応速度を、25~204Cの温度範囲、3.8~12.510R/hrの線量率範囲で調べた。反応ガスには純粋酸素以外に空気とヘリウムで希釈した酸素も使用した。放射線照射によって誘起される反応速度は黒鉛材料の銘柄によって殆ど変らず、純粋酸素による反応速度は、1.2510R/hr下で6.6~7.510g/g・hrの範囲にあった。放射線によって誘起される反応速度は反応温度の依存せず、高温における全反応速度の増加によってもたらされることが明らかになった。一方、空気による放射線誘起反応速度は純粋酸素の約40%であり、またヘリウム中0.2~1.0v/o酸素による反応速度は約15%の大きさで酸素濃度で変化しなかった。得られた結果に基づき、原子炉内の腐食反応に対する放射線の影響についても考察した。
佐々木 泰一*; 斎藤 保
Carbon, 18, p.407 - 411, 1980/00
被引用回数:4 パーセンタイル:34.88(Chemistry, Physical)5種類の原子炉用黒鉛材料と2種類の熱分解黒鉛を含む14種類の多結晶性人造黒鉛材料について微結晶の結晶格子定数と結晶格子ひずみ()を測定した。原子炉用黒鉛材料と熱分解黒鉛はJMTRで720~1350Cの温度で3.710n/cm(E0.18MeV)まで照射した。照射前試料では、結晶格子定数Coとの間に直線的関係のあることがわかった。しかし高温照射後の試料では、Coは照射量が増加しても殆んど変化せず、だけが異常に著しく増加することがわかった。この現象は高温照射効果を特徴づける現象と考えられる。この現象について従来報告されている放射線損傷モデルの適応性を検討した。以上の実験結果から、C軸方向のtwist boundary間の高さは約70ぐらいになることが推定された。
松尾 秀人
Journal of Nuclear Materials, 92(1), p.39 - 42, 1980/00
被引用回数:1 パーセンタイル:22.79(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉用黒鉛材料の熱伝導度に対する圧縮応力を付加することによって生じた残留ひずみの影響を調べた。カサ密度や窒素置換密度を測定して応力付加による微細構造の変化について調べ、熱伝導度の変化を考察した。残留ひずみが小さい範囲では、これらの両者の密度は増加したが、熱伝導度も増加した。しかし、破壊強度の約90%の圧縮応力を付加した場合には熱伝導度は応力付加前の値まで減少したが、密度は依然として増加した。これらの実験結果は応力付加によるクラックの生成モデルによっても説明できるが、このモデルをすべての実験結果に対して適用することはできないことを明らかにした。
佐々木 泰一
炭素, (101), p.77 - 88, 1980/00
炭素材料学会の「炭素材料入門講座」のテキストとして、原子炉用黒鉛材料に関する一般を概説した。黒鉛材料を多量に使用する原子炉について、その開発・発展の歴史的過程と黒鉛材料とのかかわりを縦糸として原子炉用黒鉛材料に関する実際的問題とその基礎的事項との関係を明らかにするように努めた。