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小澤 隆之
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 8 Pages, 2017/07
廃棄物減容・有害度低減に向けたマイナーアクチニド(MA)リサイクルシステムにおいて、再処理で分離されたMAはプルトニウム(Pu)やウラン(U)とともに混合酸化物(MOX)として高速炉で照射される。このような将来のリサイクルシステムでのMA含有率は約5wt.%となることが想定され、MAがMA含有MOX燃料の照射挙動に影響を及ぼすことが考えられる。MA含有による主な影響は燃料温度や被覆管応力の増加で、MA含有MOX燃料の照射挙動のうち、燃料組織変化、再分布、He生成及び被覆管腐食が重要であると考えられる。本研究では、常陽で実施した高Am含有MOX照射試験であるB8-HAMの結果を用い、MA含有MOX燃料の照射挙動を評価するために燃料物性や解析モデルを組み込んだCEPTAR.V2で照射挙動を評価した。その結果、Am含有MOX燃料の照射挙動を精度よく解析でき、Am含有による影響が明らかとなった。
杉山 智之; 永瀬 文久; 中村 仁一; 更田 豊志
HPR-362, Vol.2, 12 Pages, 2004/05
軽水炉の安全規制に活用されるデータベースを提供するため、原研では、異常時及び冷却材喪失事故(LOCA)や反応度事故(RIA)等の想定された事故条件下における燃料挙動を明らかにするための研究を行っている。LOCA研究では急冷破断試験及び被覆管の酸化速度や機械特性に関する分離効果実験を行っており、照射被覆管を用いた試験に先立ち、運転中の腐食や水素吸収が及ぼす影響を調べる試験を非照射被覆管により実施してきたが、最近、照射被覆管を用いた試験を開始し、結果を得た。RIA研究では、高燃焼度燃料を対象とした一連のNSRRパルス照射実験を行っている。本論文は、原研のLOCA及びRIA研究で最近得られた結果を報告するものである。
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
石井 徹哉; 根本 潤一*; 浅賀 健男
JNC TN9400 2000-045, 64 Pages, 2000/03
高速炉用ペレット型MOX燃料では、照射により、製造時とは異なるPu濃度分布が形成されるとのPu再分布挙動が生じうる。燃料内にPu濃度分布が形成されることは、燃料の熱的状態を考える上で大きな影響をもたらすものであることから、Pu再分布挙動を適切に評価可能な手法を開発する必要がある。そこで本検討では、1992年時に開発したPu再分布挙動評価用の簡易モデルを高度化することで、照射中の変化履歴も含めて、適切にPu再分布挙動を評価できる手法を構築することを試みた。以下には、その概要を記す。1)92時間に開発したPu再分布挙動評価用簡易モデルの高度化を行い、これをJNCにて開発し、改良を進めている燃料挙動解析コードCEDARに組み込むことで、Pu再分布挙動評価手法を構築した。2)構築したPu再分布挙動評価手法について、照射試験結果を用いた評価結果の較正を行った結果、概ね、3wt.%程度の幅で、照射が終了した時点の燃料中心部のPu濃度を再現できることを確認した。3)構築したPu再分布挙動評価手法により、燃料に生じうるPu再分布挙動の傾向について検討し、照射の初期段階は、ポア移動に伴う気相輸送によりPu濃度が変化し、以降は、燃焼に伴うU,Pu量の変化と固相輸送との競合が状態が継続されながら、Pu濃度が変化するとの考察が得られた。また、製造時の燃料組成のうちのO/M比は、Pu再分布挙動に対する影響が大きく、照射の初期段階のPu再分布挙動は、U-Pu相互拡散係数が有するO/M比依存性に強く支配されるかたちで生じるとの考察も得られた。
吉永 真希夫; 中村 武彦; 山崎 利*
JAERI-Tech 2000-017, p.59 - 0, 2000/03
軽水炉の運転により生成されるプルトニウムの利用及びアメリシウム等の長半減期放射性物質の消滅処理の担い手として期待される高速炉の実用化にあたっては、軽水炉とは大きく異なる事故時燃料挙動等の解明及びこれに基づく安全評価指針類の整備が不可欠である。原研の原子炉安全性研究炉(NSRR)では、高速炉燃料をナトリウム冷却条件でパルス照射して、過渡出力事故時の燃料挙動を解明するためのナトリウム取り扱い整備として、(1)純化・充填及び試験部循環設備、(2)ナトリウム・カプセルの開発と製作・設置を行った。本報告書は、この内(2)ナトリウム・カプセルの試作品の開発及び製作について、その目的、概要、仕様、性能、運転結果等をまとめたものである。
斎藤 裕明*; 入谷 佳一*
JNC TJ8440 99-003, 156 Pages, 1999/03
負荷追従運転時の燃料棒照射挙動を評価するため、設計コード(許認可コード)の改良・整備を実施する。本設計コード「FEMAXI-ATR」燃料サイクル開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)が、日本原子力研究所によって開発された水炉用UO2燃料挙動解析コード「FEMAXI」をベースに、MOX燃料も取り扱えるよう開発したものであり、コードの基本構造は公開コード「FEMAXI」とほぼ同様である。今回の改良・整備にあたっては、負荷追従試験データを用い、負荷追従運転時の出力変化による燃料棒内圧及び燃料棒伸びの挙動を模擬できるように解析モデルの改良を実施した。また、「FEMAXI-ATR」コードを用い、追従運転時における燃料棒照射挙動の詳細について評価・検討を実施した。
笹島 栄夫; 更田 豊志; 石島 清見; 菊池 圭一*; 安部 智之*
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
高燃焼度UO燃料を用いたNSRR実験で、破損しきい値の低下が明らかにされたことから、MOX燃料についても、これらのことを確認する必要がある。我が国では、軽水炉でMOX燃料を燃やすプルサーマル計画や、MOX燃料の高燃焼度化計画が進められている。MOX燃料の軽水炉での利用に関しては、UO燃料と両立することが重要であり、核的及び熱水力的な特性がUO燃料と同等となるよう燃料を設計する必要がある。この計画を円滑に進めるためには、通常運転時及び過渡時の燃焼の進んだ燃料のふるまいを把握することが重要である。これに合わせて、NSRRでは平成7年度から照射済MOX燃料を用いたパルス照射実験を実施している。パルス照射実験に供する試験燃料は、新型転換炉(ATR)原型炉「ふげん」において燃焼度約20GWd/tまでベース照射したMOX燃料をNSRR実験用に短尺化したものを用いている。本報告では、これまでに行われた4回の実験について、破損しきい値、FPガス放出等の反応度事故時の燃料挙動を報告する。
土内 義浩*; 石島 清見; 山原 武
JAERI-Data/Code 98-002, 24 Pages, 1998/02
本報告書は、NSRRでのパルス照射実験の供試燃料棒として、関西電力株式会社より日本原子力研究所に譲渡された照射済燃料棒B15(燃料集合体:NO1G13)に関するもので、大飯1号機における照射試験の後に実施された燃料検査の結果についてとりまとめたものである。当該燃料棒は、軽水炉燃料挙動に対する高燃料度化の影響を評価するため、関西電力株式会社をはじめとするPWR5電力と原子燃料工業株式会社の共同研究として大飯1号機48MWd/kgU先行照射試験において照射された。電力共同研究の一環として、照射試験に引き続き、B15燃料棒に対しては、非破壊試験((1)燃料棒外観検査、(2)燃料棒寸法測定、(3)渦電流探傷試験、(4)酸化膜厚さ測定試験)及び破壊検査((5)パンクチャーテスト)が実施された。高燃焼度燃料の燃料挙動は設計において認められている範囲内であった。
中村 仁一
核燃料, (29), P. 15, 1998/00
本セミナーは、高燃焼度燃料の燃料挙動に重要な影響を与える燃料の熱特性(熱伝導度、熱拡散率、熱容量、ギャップコンダクタンス等)の燃焼度伸長にともなう劣化について討議し、これらの結果をいかにモデルに反映していくかを討議する会議であり、1998年3月3日-6日にフランスのカダラッシュで開催された。会議は次の6つのセッションと3つのパネル討議からなり計25件の報告があった。オープニングセッション、セッション1:熱伝導度データ、セッション2:熱伝導モデリング、パネル1:熱伝導度・解決済みの問題と未解決の問題、セッション3:燃料/被覆管ギャップモデル、パネル2:ギャップの変化と熱伝達、セッション4:実験データベース、セッション5:燃料解析コード開発の動向、パネル3:今後の研究と実験手法について。本報では、会議の概要を紹介している。
片西 昌司; 石島 清見; 小林 晋昇; 菊池 輝男; 落合 政昭
JAERI-Research 94-039, 54 Pages, 1994/11
本報告書は、JMTRにおいて前照射されたステンレス鋼被覆燃料(燃焼度4.0GWd/t)をNSRRにおいて過渡出力照射し、健全性を調べた結果についてまとめたものである。実験では、舶用炉の定格13%から130%出力まで5秒間で出力を上昇させた。この実験により、舶用炉の運転条件を大きく上回る急激な出力上昇を与えたときの燃料挙動を調べた。NSRRにおける過渡照射時のデータ及び照射後検査の結果から、このような急激な出力上昇によっても、DNBの発生や被覆管とペレットとの化学的あるいは機械的相互作用は起きず、燃料の健全性は十分保たれることが明らかになった。
中村 仁一; 池田 弘章*; 古田 照夫; 森 一麻*
JAERI-M 91-027, 36 Pages, 1991/03
PWR版FEMAXI-IIIコードを用いて、ハルデン炉で行った軽水炉燃料出力急昇試験についての検討を行った。照射実験データによるコードの検証を行い、クリープダウン、燃料棒直径変化、リッジ高さについては、計算値は実測値と良い一致を示し、PWR版FEMAXI-IIIコードが、PWR型燃料棒の挙動解析に十分な性能を持つことが示された。また、このコードを用いてペレット形状の効果及び燃焼度の効果を明らかにした。一方、試験炉による出力急昇試験条件の違いについても検討を行い、炉型及び燃料仕様による出力急昇時の燃料挙動への影響を調べた。その結果、商用PWR条件及びハルデン炉条件でそれぞれ出力急昇試験を行った場合、燃料中心温度及び被覆管最大応力は、ハルデン炉軽水炉ループ内で照射した場合より、やや大きくなることが明らかになった。
丹沢 貞光; 佐藤 康士*; 藤城 俊夫; 吉江 伸二*; 岩崎 守弘*
JAERI-M 90-232, 30 Pages, 1991/01
NSRRでは、反応度事故時の燃料挙動を究明するために、試験燃料をカプセルに封入して照射する実験を実施している。実験に使用するカプセルは、実験時に発生する動的な圧力を相当静圧換算係数を用いて静的に圧力に変換し、弾性または弾塑性設計を行い製作している。現在用いている相当静圧換算係数は簡易圧力波伝播計算に基づいて導出された値であるため、非常に保守的な値となっている。カプセルの現実的な設計を行うためには実験により動的及び静的な歪に基づいた相当静圧換算係数を導出し用いる必要がある。このため、耐爆実験用カプセルの静圧歪測定試験を実施し、別途実施した耐爆実験の結果と併せて相当静圧換算係数を試算した。
早田 邦久
シミュレーション, 9(2), p.79 - 86, 1990/00
軽水炉のシビアアクシデント時の事象進展を解析により模擬する試みは、熱水力挙動、燃料挙動、格納容器挙動について実施されている。しかしながら、シビアアクシデント時の誘現象は、複雑かつ、多岐にわたるため、現象のモデル化には困難なところが多い。一方、近年の実験データの蓄積や、解析手法の進展に伴い、従来よりは、事象進展を定量的に評価できるようになってきたことから、今後の成果と進展には期待が寄せられている。本稿は、シミュレーションの見地から現状をまとめたものである。
市川 逵生; 藤城 俊夫; 川崎 了
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(1), p.118 - 125, 1989/01
原研における燃料安全性研究として、RIA、LOCA及び通常運転時における燃料挙動研究のレビューが行われた。RIA条件下での燃料研究は原研のNSRRにおいて実施された。LOCA条件下での燃料研究とは炉外実験により行われたが、この種の研究は終了している。通常運転時の燃料健全性研究ではPCIか主題であり、HBWRにおける照射実験と燃料コード開発についてのべてある。
田辺 文也; 須田 徹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(1), p.12 - 22, 1987/01
被引用回数:1 パーセンタイル:19.33(Nuclear Science & Technology)著者等によって開発され、PBF.SFD実験解析によって検証されてきた燃料損傷挙動解析コードSEFDANを用いてTMI-2号炉の事故時の燃料挙動を解析し、次の結果を得た。炉心中心領域の最上部1/4では燃料温度がUOの融点を越え、溶融落下したものと考えられる。更に2.3m以上の大部分では、高酸化でZrOの融点を越えるか、低酸化でZrの融点を超えるので被覆管が溶融落下したものと考えられる。またかなりの部分にわたって酸化が進行しているので、事故開始後2時間54分での主冷却材ポンプRCP-2Bの再起動により熱衝撃を受けて崩壊した部分も大きいと考えられる。但し最外周部では高温に至らず、酸化もあまり進行しないので健全な形状を保っていると期待される。これらの結果は超音波ソナーによって得られた炉心トポグラフィとよく対応している。
吉田 一雄; 田辺 文也; 平野 雅司; 鴻坂 厚夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(12), p.1107 - 1109, 1986/12
被引用回数:2 パーセンタイル:42.61(Nuclear Science & Technology)チェルノヴィリ事故における出力暴走事象の解析をRETRANコードを用いて行った。解析の結果次の点が明らかになった。(1)タービンバイパス弁が実験開始後も閉じていたとすると、出力暴走は起きないので、弁は開いたと思われる。(2)ボイド反応度係数3.510k/k/%ボイドのケースが、出力ピーク値がソ連解析値(定格出力の10倍)に近い。(3)出力暴走が起きて、燃料棒が溶融破損すると推定される時点での炉心ボイド率は高く(0.8以上)、水蒸気爆発の可能性は小さいと思われる。(4)ボイド係数がたとえ210k/k/%ボイドだったとしても、高出力チャンネルの燃料棒は溶融破損した可能性がある。
天谷 政樹
no journal, ,
原子力機構における燃料安全研究の目的は、軽水炉燃料に関して現在の規制基準や安全裕度の妥当性を評価すること、新材料からなる被覆管やペレットを使用した改良型燃料に係る規制のためのデータを提供すること、及び規制に活用可能な計算コードを提供することである。本発表では、最近の反応度事故(RIA)模擬試験、冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験の進捗に加え、原子力機構における燃料安全研究の概況を報告する。
前田 誠一郎
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の減容、有害度の低減のため、高速炉燃料として、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料にマイナーアクチニド(MA)を数%含有させたMA含有MOX燃料が適用される。MAを含有することによるMOX燃料の物性(融点、熱伝導度等)への影響が体系的に研究され、その影響が軽微であることが判明しつつある。MA含有MOX燃料の原子炉内の照射挙動を把握するため、既に高速実験炉「常陽」において最大5wt%のAmを含むMOX燃料の照射試験が進められ、ペレット組織変化等の貴重な知見が得られている。また、常陽の運転再開後にも様々な照射試験が計画され、これらから得られる照射試験データは燃料挙動解析コードに反映される。また、高速炉の使用済み燃料を起点としてMAリサイクルを実証するため、SmART (Small Amount of Reuse Fuel Test)サイクル計画が進められている。更に、1サイクル当たりのMA変換率向上に貢献するODS鋼を用いた長寿命被覆管材の開発が進んでいる。このように、廃棄物課題を解決する有力な手段して高速炉を用いるための研究開発が着実に進んでいる。
天谷 政樹
no journal, ,
原子力機構における燃料安全研究の目的は、軽水炉燃料に関する現在の規制基準及び安全裕度の妥当性評価、新材料からなる改良型燃料に関する規制のためのデータ及び技術的知見の取得、及び規制に活用可能な燃料挙動解析ツールの提供、等である。本発表では、最近原子力機構で進めている反応度事故(RIA)模擬試験、冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験、及び燃料挙動解析コード改良の進捗等について、概況を報告する。
天谷 政樹
no journal, ,
原子力機構における燃料安全研究の目的は、軽水炉燃料に関する現在の規制基準の妥当性評価、新しい燃料材料からなる改良型燃料に関する規制のための技術的知見の取得整備、及び規制に活用可能な燃料挙動解析技術の開発、等である。本発表では、原子力機構における最近の反応度事故模擬試験、冷却材喪失事故模擬試験、及び燃料挙動解析コード改良の状況について報告する。