石狩湾堆積物中の高いC/N比の有機物と重金属

Organic material of high C/N ratio and heavy metals recorded in Ishikari bay sediment

濱原 和弘*; 重光 雅仁*; 乗木 新一郎*; 福山 龍次*; 荒巻 能史; 乙坂 重嘉  

Hamahara, Kazuhiro*; Shigemitsu, Masahito*; Noriki, Shinichiro*; Fukuyama, Ryuji*; Aramaki, Takafumi; Otosaka, Shigeyoshi

北海道石狩湾の北緯43度30分、東経141度20分の地点で重力式採泥器を用いて約40cmの柱状試料を採取した。Cs-137法によって堆積速度を0.56cm/yrと求めた。1945年から1981年の間に有機炭素/有機窒素比が20という大きな比を持つ有機物が堆積していた。放射性炭素によれば、当該試料が周辺に対して200-300パーミル低い値を示し、石炭等の放射性炭素を含まない物質の混入をうかがわせた。また、この有機物部分には、鉄,銅,亜鉛そしてクロムが濃縮されていた。1981年以降の堆積物は、有機炭素/有機窒素比は約10-15に減少した。また、微量金属の濃縮も顕著ではなかった。石狩湾の化学環境は1930年以前にもどりつつある。

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