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世界の食品照射の現状

Present status of food irradiation in the world

伊藤 均

Ito, Hitoshi

1997年の現在、食品照射の許可国は41ヵ国に達している。香辛料等の照射は約30ヵ国で行われており、全世界で年間6万トン以上照射され、その半分は米国で行われている。食品照射を巡る国際的な動きは急激に変化しており、以下のようなことが注目されている。(1)臭化メタルの使用が2004年に禁止されるため(米国は2000年)、代替処理法として食品照射が世界の大勢となりつつある、(2)先進国で食中毒が急増しており、その対策として食品照射が注目されている、(3)10kGy以上の照射食品についても安全宣言がWHOによって行われた、(4)WHOの国際間貿易の協定では食品衛生はFAO・WHO食品規格委員会の勧告に従うことが明記されており、このことは国際間貿易で照射食品の流通を認めることを意味している。米国では食品照射の推進に積極的であり、わが国にも大きな影響が及ぶことが予想される。

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