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放射線抵抗性菌と食品照射

Padioresistant microorganisms and food irradiation

伊藤 均

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一般に微生物の放射線抵抗性は細胞が休眠状態にある胞子で強く、細胞が活発に活動している栄養細胞の状態では弱い。しかし栄養細胞の状態でも著しい放射線抵抗性を有するものが例外的に見出されており、これらを放射線抵抗性菌と呼んでいる。その代表的なものとしてはマイクロコッカスラジオジュランスが有名であり、東大の矢野らが発見したアルスロバクター・ラジオトレランスは現在知られている中で最も強く500万ラドでも生存することができる。筆者らが分離したシュウドモナス・ラジオラは細菌胞子と同程度の抵抗性を有しているが、グラム陰性菌である点が他の放射線抵抗性菌と異なった特徴である。これらの菌の放射線抵抗性の原因はDNAの修復能が他の微生物類より異常に強いためと考えられているがはっきりしたことはわかっていない。放射線抵抗性菌の存在は貯蔵期間の延長を目的とする食品の放射線殺菌においては問題になっていないが、今後検討すべき課題の一つであろう。(解説)

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