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ガラスの防曇性コーティング

Anti-fogging coating for glass materials

嘉悦 勲

Kaetsu, Isao

防曇性コーティングについて現状と展望の解説を行ったものである。これまで、界面活性剤や撥水剤タイプの液体皮膜を作る方法が知られていたが効果の持続性がなかった。樹脂皮膜の形成がこれに代わって研究されたが、ハイドロンなどの例にみられるように実用化の域に達していない。防曇コーティングで最大の問題点は、防曇性を与えることでなく、防曇性と他の性質たとえば特に耐摩耗性を両立させることである。防曇性自体は容易に付与することができるが、親水性によって防曇機能を出す場合、防曇性が大きくなるほど耐摩耗性特に吸水時のそれは低下する。原研の開発したコーティングはこの点に関して現存するものの中で最善のバランスを有するものであるが、実用化には尚一歩の改良が要求されている。防曇コーティングへの潜在的なニーズは非常に大きいとみられ、原研の発表を機に顕在化しつつある。

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