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金属-水素結合の電子分光学的研究; X$$_{alpha}$$法によるScH$$_{2}$$,NiH$$_{2}$$,YH$$_{2}$$,PdH$$_{2}$$の電子状態計算

Electron spectroscopic studies of metal-hydrogen bonding; Calculation of electronic structures of ScH$$_{2}$$,NiH$$_{2}$$,YH$$_{2}$$ and PdH$$_{2}$$ by the X$$alpha$$ method

佐々木 貞吉

Sasaki, Teikichi

DV-X$$alpha$$法により、CaF$$_{2}$$(フルオライト)型の結晶構造をもつ標記の水素化物の電子状態を計算した。クラスターとしては、〔Me$$_{6}$$H$$_{8}$$$$^{4}$$$$^{+}$$および〔Me$$_{4}$$H$$_{8}$$〕(Me:金属原子)を用いた。〔Me$$_{4}$$H$$_{8}$$〕クラスターに対する結果から、Me-H結合準位はE$$_{F}$$レベルより4~7.5eV低くなることがわかった。この値は、Me-H系について観測されたUPSスペクトルと概ね一致する。一方、MeおよびHのcharge stateは、それぞれ、1.2$$pm$$0.4、-0.6$$pm$$0.2となった。H原子上のchargeは同一周期の場合、結合する金属の原子番号とともに小さくなり、Paulingの電気陰性度から予測される傾向と符号する。レベルプロファイルおよびcharge stateを用いて、次に価電子帯のXPSスペクトルを計算した。スペクトルパターンを解析したところ、Me-H結合の光電子ピークは、d電子数の増加とともに強度が減ずる傾向を示した。

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