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村松 康司; 上野 祐子*; 佐々木 貞吉; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Journal of Synchrotron Radiation, 8(2), p.369 - 371, 2002/03
被引用回数:2 パーセンタイル:20.11(Instruments & Instrumentation)新しい分光測定手法の開拓を目指し、モニターするX線の発光過程を識別した蛍光収量X線吸収スペクトル測定を試みた。分光測定はAdvanced Light Sourceの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行い、位置敏感型検出器のウインド幅を各発光過程のX線スペクトル幅にあわせて調整することにより発光過程を識別した吸収スペクトルを得た。具体的には、グラファイトとh-BNにおける共鳴弾性X線と蛍光X線を区別した吸収スペクトルと、NiOのNiL吸収端においてL線とL線を区別した吸収スペクトルを測定した。これにより、発光過程識別X線吸収分光法によって内殻励起における発光励起緩和過程及び電子構造に関する情報が得られることを示した。
佐々木 貞吉; 中岸 信彦*
表面科学, 22(10), p.43 - 50, 2001/10
装置の小型化,検出効率の向上,時分割測定の可能性などを目指し、軟X線用CCD検出器を搭載した装置(ローランド円半径1m,エネルギー分解能500~1500,エネルギー範囲60~1500eV)を製作し、性能を評価した。試料から入射スリットまでの距離が13cmであったにもかかわらず金属,酸化物,グラファイト,Si半導体などからの軟X線発光について、3~30分計測でS/Nの良好なスペクトルを取得できた。Si単結晶については、Ar照射した試料のSi Lスペクトルを測定・解析し、結晶性のキャラクタリゼーションに応用できることを示した。
佐々木 貞吉; 中岸 信彦*; 村松 康司*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part.2), p.1489 - 1492, 2001/07
被引用回数:3 パーセンタイル:28.15(Instruments & Instrumentation)軟X線領域で高い検出効率をもつことが見いだされたCCDを、軟X線発光分光装置に取付け性能試験を行った。装置はローランド半径1m、マイクロスリット幅3.9m、グレーティングライン密度2400/mm、CCD位置分解能~24mであった。発光の励起源として1.5keV電子線を用い、遷移金属単体及び遷移金属酸化物からの発光スペクトルを測定した。スペクトルピークのライン幅を、ALSにおける放射光励起のデータと比較したところ、ほぼ同等のスペクトルであることがわかった。放射光励起と組合わせることにより、従来のMCPを採用した装置と同等もしくはそれ以上の性能が得られると期待される。
魚住 孝幸*; 岡根 哲夫; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉; 小谷 章夫*
Journal of the Physical Society of Japan, 69(4), p.1226 - 1233, 2000/04
被引用回数:9 パーセンタイル:55.10(Physics, Multidisciplinary)4d遷移金属化合物PdOの3d準位のX線光電子スペクトル,L吸収端での共鳴3d X線光電子スペクトル,共鳴LMM オージェスペクトルを測定し、不純物アンダーソンモデルによって解析した。実験とスペクトル解析の結果、4d-2p電荷移動エネルギー,4d電子相関エネルギー等の大きさを定量的に定めた。PdOのエネルギーギャップについては、4d-2p軌道混成の効果が重要であることを明らかにし、PdOが絶縁体としてはモット・ハバード型と電荷移動型の中間的性質を有することを明らかにした。
奥出 進也*; 名越 正泰*; 野呂 寿人*; 馬場 祐治; 山本 博之; 佐々木 貞吉
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 101-103, p.607 - 610, 1999/00
被引用回数:66 パーセンタイル:92.81(Spectroscopy)X線吸収端微細構造(XANES)スペクトルの測定により、3d遷移金属のリン酸塩及び硫酸塩の電子構造を明らかにした。主な結果は、(1)XANESスペクトルにおけるpre-edgeピーク強度は遷移金属の3d電子数の増加に伴い減少する。(2)P 3p及びS 3pから成る非占軌道への励起に起因する主ピークは3d電子数の増加に伴い低エネルギー側にシフトする。以上の結果からP 3p及びS 3p軌道が、遷移金属の3d軌道と強く混成していることが明らかになった。また、遷移金属とP,S原子間に酸素原子が存在するにもかかわらず、P及びS原子のXANES測定が非占軌道の電子構造解析に有効であることを明らかにした。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(9A), p.5008 - 5010, 1998/09
被引用回数:1 パーセンタイル:7.22(Physics, Applied)数eVから数十eVの粒子線と固体表面との相互作用は、このエネルギー領域に化学結合エネルギーやスパッタリングしきい値など種々の重要なパラメータを含むために極めて興味深い。本研究では2~200eVのSF,BFなどの分子イオンをCu(III)表面に照射し、散乱したイオンの質量と運動エネルギーを同時に測定することにより、散乱に伴う分子イオンの解離のしきい値及び散乱過程に関する検討を行った。SFを照射した場合、15eV以上の照射エネルギーでSF,Fのフラグメントイオンが観測され、SFの散乱に伴う解離のしきい値が152eVであることを明らかにした。また50eV以上では解離したSFが観測され、照射エネルギーの増加に伴う解離イオン種の変化を明らかにした。BF照射においても同様の傾向が確認された。
吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 93, p.105 - 108, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:11.09(Spectroscopy)凝縮CSのS-1s共鳴におけるオージェ遷移に付いて調べた。最も遷移確率が大きいのはS-KL,L,スペクテータ・オージェ遷移であった。この遷移を詳しく調べたところ、軌道は互いに異なる性質を持つ事が分かった。また、脱離イオン測定を行ったところ、そのスペクトルはS-1s吸収スペクトルと異なることが観測された。これは非占軌道に留まるスペクテータ電子によるものと解釈される。
奥出 進也*; 野呂 寿人*; 名越 正泰*; 山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 88-91, p.467 - 471, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:40.84(Spectroscopy)鋼板の表面処理に用いられ、その耐食性に影響を与える各種リン酸塩についてX線吸収端微細構造法(XANES)及び共鳴オージェ電子分光法を用いて、電子状態の解析を行った。リン酸亜鉛とリン酸クロムのXANESスペクトル(P,K吸収端)から、リン酸クロムでは、リン酸亜鉛にみられないプリエッジピークが観測された。これは、リン酸イオンの結合相手であるCr及びZnの電子配置がそれぞれ[Ar]3d,[Ar]3dであり、Crには3d軌道に空きが生じているためと考えられる。また、共鳴オージェスペクトルに現れるスペクテーターオージェピークとノーマルオージェピークのエネルギー差が両化合物で異なることも確認された。
尾嶋 正治*; 吉村 裕介*; 小野 寛太*; 藤岡 洋*; 佐藤 芳之*; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 88-91, p.603 - 607, 1998/00
被引用回数:5 パーセンタイル:25.42(Spectroscopy)P-型Si(100)にリンを300keVでイオン注入した後、800Cに加熱することによりSiO/Si界面に析出したリン原子の存在状態を共鳴オージェ電子分光法により調べた。絶縁体における共鳴オージェ電子スペクトルは、ノーマルオージェとスペクテータオージェに分裂するとともに、スペクテータオージェピークのエネルギーシフトが観測される。しかしSiO/Si界面に析出したリンでは、スペクテータオージェピークは観測されなかった。このことからリン原子はSiOサイトではなく、Siサイトに存在していることが明らかとなった。
横谷 明徳; 関口 哲弘; 斎藤 祐児; 岡根 哲夫*; 中谷 健; 島田 太平; 小林 秀樹*; 高雄 勝*; 寺岡 有殿; 林 由紀雄; et al.
Journal of Synchrotron Radiation, 5, p.10 - 16, 1998/00
被引用回数:87 パーセンタイル:96.73(Instruments & Instrumentation)日本原子力研究所は、西播磨地区に完成した大型放射光施設(SPring-8)に、ウラン等のアクチノイド系列物質を含む非密封RI試料も取り扱うことができる、軟X線放射光ビームライン(BL23SU)を建設中である。本ビームラインの特徴のひとつは、ビームラインをSPring-8リング棟に接する形で建てられたRI実験棟まで延長し、このRI棟内に光電子分光装置等を設置してビーム利用実験を行うことである。光源として原研が独自に開発を進めてきた、直線偏光・左右の円偏光を任意に切り替えることが可能な可変偏光アンジュレーター(APPLEII)を、また分光器として不等刻線間隔型回折格子を採用し、またビームラインの各所にRIの飛散を防止・モニターするための機器(RIポートや連断バルブ等)を設けた。さらに通常ホールに化学・生物研究用ステーションも設置し、多面的なビーム利用を行う予定である。
吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Physica Status Solidi (B), 206, p.811 - 822, 1998/00
被引用回数:11 パーセンタイル:53.44(Physics, Condensed Matter)いくつかの分子の凝縮系におけるSi,P,S及びCl1s吸収端で、共鳴オージェスペクトルを測定した。その結果次の現象を見出した。(1)1s励起でもっとも分岐率の大きい崩壊過程は、KLL遷移である。(2)スペクテータ・オージェピークが励起光エネルギーに対し比例したエネルギーシフトとエネルギー巾の減少を示す。(3)Si(CH)3Clにおける非占軌道は、Si3Pは局在的、Cl3Pは非局在的である。(4)SiClにおける非占軌道は、Si3P,Cl3Pとも局在的である。(3)との比較から、-CH基が系に非局在性を与えることが分かった。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉
Surface Science, 402-404, p.115 - 119, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:27.06(Chemistry, Physical)Cu(100)表面に単層及び多層吸着したCCl分子に、Cl1s領域の放射光軟X線を照射した時の脱離フラグメントイオンを測定した。単層吸着では、脱離イオン種はClのみであり、これはCl1s共鳴励起後のスペクテータオージェ遷移に伴う速いC-Cl結合解裂に起因する。一方、多層吸着の場合は、分子イオン(CCl)の脱離も起こり、その脱離強度はX線の吸収量に比例する。このことから、脱離速度が遅い重い分子種の脱離は、オージェ遷移後の二次電子の効果により起こることを明らかにした。
馬場 祐治; 寺岡 有殿; 佐々木 貞吉
Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 92, 1997/11
内殻軌道のエネルギーシフト(化学シフト)を利用して、内殻電子励起により分子内の特定の結合部を選択的に切断できる例を見い出した。チオ硫酸ナトリウム(NaSO)の2つのイオウ原子には、形式電荷が-2の終端イオウ原子と形式電荷が+6の中心イオウ原子があり、これらの1s軌道のエネルギー差は7eVであった。NaSO表面に照射する放射光のエネルギーを掃引し、脱離イオウ種を測定したところ、終端イオウの1s電子を共鳴励起するとSが脱離するのに対し、中心イオウの1s共鳴励起では主にNaが脱離した。このことから、内殻励起状態は励起される原子に局在し、その原子周辺の結合を選択的に切断することが明らかとなった。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
JAERI-Conf 97-003, p.340 - 344, 1997/03
本発表では、分子イオンの散乱に伴う解離のしきい値を求めることを目的とし、5200eVのSiF,SiFイオンをCu(100)表面に照射し、散乱イオンの質量を種々の照射エネルギーで測定した結果を報告する。この結果、ある一定以上のエネルギーで照射イオンのフラグメントが散乱イオンとして観測されることから、SiF,SiFの散乱に伴う解離のしきい値はそれぞれ302eV、402eVであることを明らかとした。さらに、本研究において用いた低エネルギーイオン照射装置試作の経緯およびその性能に関する具体的評価も含めた紹介についても併せて行う。
吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Journal of Physics; Condensed Matter, 9(13), p.2839 - 2847, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:49.43(Physics, Condensed Matter)いくつかの固体リン化合物において、リンK殻共鳴励起によるP-KLLオージェスペクトルを測定し、次の結果を得た。(1)ノーマルオージェピークは励起光エネルギーによらず一定のエネルギーであるのに対し、共鳴励起に由来するスペクテータオージェピークは励起光エネルギーに対しほぼ比例したエネルギー変化をする。(2)スペクテータピークの巾が共鳴吸収最大の励起光エネルギー付近でせまくなる。(3)絶縁体化合物においてのみオージェピークがノーマルとスペクテータの2本に分裂する。(1),(2)は共鳴ラマン散乱における類似現象との関連で、また(3)は絶縁体では伝導電子がいないため、内殻正孔のしゃへいがないことによるとして説明した。
吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Photon Factory Activity Report 1997, P. 421, 1997/00
4d金属(Nb,Mo)及びその酸化物(MoO,YO,ZrO,NbO,MoO)におけるLMM共鳴オージェ過程について調べたところ以下の結果を得た。(1)いずれの物質ともL吸収端付近でオージェピークが光のエネルギーに比例して変化する。(2)絶縁体(YO,ZrO,NbO,MoO)でのみ、オージェピークがスペクテータとノーマルの2本に分裂する。以上、(1)については共鳴ラマン散乱として知られている現象との関連で、また(2)については伝導帯のエネルギー構造と関連において議論する。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉
Surface Science, 376(1-3), p.330 - 338, 1997/00
被引用回数:25 パーセンタイル:78.24(Chemistry, Physical)分子の内殻軌道電子を光励起した時の化学反応機構を調べる目的で、固相の四塩化炭素(CCl)及びテトラクロロシラン(SiCl)にCl1s領域の放射光(2810~2850eV)を照射した時の脱離イオンとオージェ電子スペクトルを測定した。比較的軽い原子イオン(Cl)の脱離は、スペクテータ型のオージェ遷移が起こるCl1s(h~2824eV)共鳴励起によってのみ起こる。これは反結合性軌道に留まった電子(スペクテータ電子)の効果により、速い結合切断が起こるためと考えられる。一方、重い分子イオン(CCl、SiCl)の脱離収率は、オージェ遷移の如何にかかわらず、X線の吸収量に比例する。これは分子種の脱離速度が遅いため、スペクテータ電子がイオンの脱離前に非局在化してしまうことで説明できる。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之; 佐々木 貞吉; W.Wurth*
Surface Science, 377-379(1-3), p.699 - 704, 1997/00
吸着分子に放射光軟X線を照射し、内殻電子励起による脱離過程を調べた。多層吸着したPCl分子のP1s電子を軌道へ共鳴励起すると、主にPイオンが脱離するのに対し、Cl1s共鳴励起ではClイオンのみが脱離した。同様な元素選択的脱離は、SCl吸着分子のS1s、Cl1s励起においても認められた。電子分光測定によれば、脱離が起こる共鳴励起エネルギーでは、ほとんどがスペクテータ型のオージェ遷移を起こすことから、高い元素選択的脱離が起こるのは、反結合性軌道に励起された電子(スペクテータ電子)の存在により励起される速い結合解裂のためであると結論した。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉
Journal of Chemical Physics, 105(19), p.8858 - 8864, 1996/11
被引用回数:32 パーセンタイル:72.58(Chemistry, Physical)内殻電子励起の光化学反応により、分子内の特定の化学結合が選択的に切断される例として、ジメチルジスルフィド(CH-S-S-CH)の低温凝縮層に、S 1s吸収端付近の放射光X線を照射し、表面から脱離するフラグメントイオンを測定した。S 1s電子をS-S結合部の軌道へ共鳴励起すると(h=2472.1eV)、主にS及びCHイオンが脱離するのに対し、S-C結合部の軌道へ共鳴励起すると(h=2473.4eV)、S-C結合が選択的に切断され、CHイオンのみが脱離することがわかった。各エネルギーにおけるオージェ電子スペクトルの測定結果と併せて反応機構を考察し、このような選択的な化学結合の解裂は、反結合性軌道へ励起された電子(スペクテータ電子)の局在性により、それぞれの結合が切れやすくなるためであると結論した。
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之
表面科学, 17(7), p.370 - 374, 1996/07
ストロンチウム化合物のSr2p4d共鳴に伴うSr-LMMオージェ遷移を、放射光により調べた。いずれの物質においても、スペクテータ・オージェ電子エネルギーは励起光エネルギーとともに高エネルギー側へシフトした。また、on-resonanceの近傍ではスペクテータ・オージェ電子ピークのナローイングが起こり、ピーク半値巾は25-40%減少した。これらの現象は、局任化したSr4d軌道に起因するもので、スペクテータ・オージェ電子放出は共鳴ラマン散乱過程であると結論した。