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高速増殖炉安全研究の現状

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相澤 清人*

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1980年11月原子力安全委員会が提示した「高速増殖炉安全性の評価の考え方について」は,高速増殖炉(FBR)特有の問題を論じた唯一の公的資料であり,これに基づき,高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の安全審査が行なわれて来た。本小冊では第一章で,上記「考え方」を具体的に整理し,第二章で米国流の安全性評価手法を解説した。過去数年間に亘る原型炉安全審査に係わる安全性研究業務を分析してみると,米独両国の例と同じく,災害が大きくなりそうな仮想的炉心崩壊事故(HCDA)の評価にかなりの精力を費やしてきた。またFBR特有のナトリウム燃焼及びエアロゾル挙動の評価も重点的に行なわれてきた。第三章では動燃事業団FBR開発本部が高速増殖炉原型炉安全審査迄に実施した安全性研究・評価を纏めて述べる。原型炉の設計基準外事象解析用を中心とした各種コード類は,大洗工学センターに於いて殆ど整備され,使用経験も蓄積されたが,実験データとの照合による計算コードの検証並びにコードの標準化の観点から云えば,未だ充分とは云い難く,今後も地道な努力が必要と考えている。一方次期高速増殖実証炉建設への気運が高まりつつあるが,(1)FBRの建設・運転経験が僅少であること,また(2)元来安全設計は各種事故事象の発生頻度とその災害度の両者から,最適化されるべきことを考慮すると,将来炉に関する方針は各種の安全性研究の綜合化をはかりつつ慎重に対処すべきであろう。上記の視点から,高速増殖炉原型炉「もんじゅ」を対象に,動燃事業団FBR開発本部では確率論的リスク評価(PRA)を開始しているので,その概要を第四章に述べる。この作業の為には,先ずナトリウム機器の信頼性データ・ベースの確立が肝要であり,大洗工学センターの高速実験炉,各種ナトリウム・ループの運転・故障データを蒐集し,これを米国エネルギー省(DOE)の同種データ・ベースCREDOと結合する計画である。併行して,原型炉プラントのシステム解析を実施しつつあり,データの集積と相俟って,各種事象の発生頻度,事象推移,並びに重要度分類の同定が可能となろう。既に整備され使用経験のある事故解析コードを駆使し,原型炉の本格的なPRAを完成させるべく,鋭意努力中である。これらの成果は,可能な限り原型炉実機システムの設計,建設,運転の計画にも適宜,フィードバックされてゆくこととなろう。第五章では

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