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高速増殖炉の技術産業波及効果に関する調査研究(I)

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我が国の場合,高速炉開発の必要性はエネルギー安全保障等の観点から揺るぎないものと考えられるが,世界の原子力開発の情勢の変化を受けて,高速炉開発の緊要性の認識が一部において薄れ,高速増殖炉開発の遂行に不透明感がでつつある。従って,現時点において高速増殖炉開発の意義づけについて多方面から再検討しておくことが重要となる。このような課題のひとつとして高速炉開発の他産業への技術波及効果の検討がある。高速炉開発は,21世紀に実用化を屈指した未来技術であり,他の産業技術にも大きなインパクトを与えるポテンシャルを秘めている。すなわち,高速炉技術は,大型技術かつシステム技術であり,このため,耐振等の設計技術,コンピュータ利用や大型機器の高信頼度化,メカトロニスク化,新機能素材の開発等幅広い産業に影響を与える。また,資本集約的技術であるため,他の発電技術以上に,国内の産業技術に与えるインパクトが大きくなる。高速炉開発の技術波及効果を考える場合にまず重要なことは,高速炉技術の先端性を明確に把握することである。高速炉技術全体は,既存技術と先端技術を組み合わせたものであり,全てが先端技術というわけではない。従って先端技術の開発と既存技術の応用を区別する必要がある。また,高速炉の先端技術の中にも,比較的,高速炉独自のものと,他の産業技術と共通的性格をもつものとがあると考えられる。本調査研究では,後者の共通的性格をもつ先端技術の応用の可能性に重点を置いた検討を行う必要がある。本来,技術波及における波及の形について考える場合,直接的(一次的)波及と,間接的(二次的)波及,および新規の応用分野の発生まで含めて考える必要がある。しかし,間接的および新規の応用分野については方法論的な困難が大きいため,直接波及効果を中心に検討せざるをえない。一方,技術波及の内容については,できるだけ,個別,具体的レベルに下りて分析し,それを総合化することが,高速炉開発の技術波及効果の全体像を明らかにする上で不可欠であるといえよう。本調査研究は,高速炉開発によって達成される新技術,性能,知識,ノウハウ等が,他の分野の技術の向上や新しい分野の発展にどのように寄与しうるか,そのポテンシャルを把握することにより,高速炉開発の政策的意義づけに資することを目的するものである。

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