堀削による緩み領域の計測・評価手法の研究開発(II)

A Study on the technique to measure and evaluate loosened zone due to tunnel excavation (II)

伊藤 克夫*; 亀村 勝美*; 本間 直樹*; 三上 哲司*; 青木 謙治*; 石井 卓*

Ito, K.*; Kamemura, Katsumi*; Homma, N.*; Mikami, Tetsuji*; Aoki, Kenji*; Ishi, S.*

高レベル放射性廃棄物処分場の建設・閉鎖技術の開発において、掘削による岩盤への影響を正確に把握し評価することは非常に重要である。本研究の目的は、既存の掘削技術、評価技術および計測技術を用いて、空洞掘削時の周辺岩盤挙動の計測・評価を行い、それらの精度や有効性を探り、これらの技術の実際の処分場の建設・閉鎖への適用可能性と、今後の技術関発項目の検討を行うことにある。このような目的のもとに、昨年度は「掘削による緩み領域の計測及び評価手法の研究開発(I)」として、動力炉核燃料開発事業団中部事業所、東濃鉱山北延べ240m坑道先端より長さ30mの試験坑道(2.52.5m)を NATM工法により掘削し、岩盤の変形(コンバージェンス、岩盤変位)、ロックボルト軸力、透水係数(坑道内から削孔したボーリング内での透水試験)および間隙水圧の計測を実施した。今年度は、この試験坑道に平行して3.03.0mの試験坑道を支保工としてロックボルトのみを用いて掘削した。そして初期値を探ることに力点を置いて、岩盤変位、弾性波速度、透水係数、初期応力について原位置計測を実施した。これらの試験・計測結果は、事前に行った予測結果と比較されると共に、昨年度の研究成果や、地質観察データに基づき評価され、トンネル掘削時の坑道周辺岩盤の挙動と緩みの関係について考察した。

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