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炭素鋼オーバーパックの局部腐食挙動に関する研究

Study on behavior of localized corrosion of carbon steel overpack

松田 文夫*; 和田 隆太郎*; 藤原 和雄*

Matsuda, Fumio*; Wada, Ryutaro*; Fujiwara, Kazuo*

炭素鋼オーバーパックの長期腐食寿命予測に関する研究の一環として、本研究では極低溶存酸素濃度(10ppb以下)の人工海水単独系中での熱水循環式浸漬腐食試験と人工淡水および人工海水系での主としてアルカリ溶液中での電気化学試験を行った。(1)ループ式浸漬腐食試験1)試験条件をモニターしながら実施した腐食試験の条件は試験時間の大部分が試験温度80$$^{circ}C$$、溶存酸素濃度10ppb以下、PH8.2$$pm$$0.2の範囲であり、溶存の酸化還元電位の測定結果などより充分還元性の条件を達成することができた。2)上記の条件下で6ヶ月間までの腐食試験による炭素鋼の腐食速度は平板試験片で約0.049$$sim$$0.018g/m2・hであり、試験時間と共に顕著に低減した。また隙間付試験片で約0.043$$sim$$0.012/g/m2・hであり試験時間と共に顕著に低減したが平板試験片に比べてさらに低い値を示した。3)6ヶ月間までの腐食試験後には平板試験片および隙間付試験片のいずれにも孔食状の局部腐食は全く認められなかった。4)各試験期間毎に腐食試験片の表面皮膜を各種の手法により解析した結果、CaCO3とFe304の2層構造から成ることが判った。(2)電気化学試験1)人工淡水(C--88ppm、HCO3-153ppm、PH8$$sim$$10)および人工海水(Cl-19.840ppm、HCO3-136ppm、PH7$$sim$$11)中での陽分極曲線は人工淡水中では不働態化現象が認められたが、人工海水中では不働態化現象が認められなかった。2)上記の陽分極曲線を参照して、人工海水および人工淡水のそれぞれについて定電位下の腐食試験を行い、試験後の腐食形態に及ぼす溶液のpHおよび印加電位の影響を検討し、炭素鋼に局部腐食の発生する限界条件を求めた。これらの結果より、極低溶存酸素の還元性の人工海水および人工淡水中では炭素鋼は極めて孔食を発生し難いことが確認された。また、人工淡水中において隙間付試験片を用いた定電位下腐食試験ではpH10の溶液中である特定の電位領域で典型的な隙間腐食を生じることが判った。(3)今後の課題以上の如く、本年度の研究において溶存酸素を実質的に含まない強還元性の条件下では炭素鋼は局部腐食(孔食、隙間腐食)を起こさないことが確認された。今後はやや酸化性の条件下における局部腐食の発生条件と局部腐食進展速度についてさらに定量的な評価が必要と

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