幌延深地層研究計画における低アルカリ性セメントを用いた吹付けコンクリートの施工性に関する研究
Study on applicability of low alkaline shotcrete in Horonobe URL project
小西 一寛; 中山 雅
; 三原 守弘
; 吉田 泰*; 入矢 桂史郎*; 秋好 賢治*; 納多 勝*
Konishi, Kazuhiro; Nakayama, Masashi; Mihara, Morihiro; Yoshida, Yasushi*; Iriya, Keishiro*; Akiyoshi, Kenji*; Noda, Masaru*
本研究では、支保工の施工方法として吹付コンクリートを対象にHFSCを用いたコンクリートの配合を検討するとともにその施工性について評価を行った。幌延深地層研究施設における支保工の設計基準強度は28日材齢で36N/mm
が求められており、この強度を満足するコンクリートの配合を検討した。急結剤添加前のベースコンクリートとして、普通セメントを用いる場合には水セメント比を0.4、早強セメントを用いる場合には水セメント比を0.45とすることにより、設計基準強度を満足する可能性のある2配合を選定し、模擬トンネルにおいて急結剤を用いた吹付施工試験を行った。従来、水セメント比は吹付コンクリートの施工性の観点から0.5程度が限界であったが、HFSCにおいては0.45及び0.4でも良好であった。吹付けコンクリートの表層部では空隙が多く認められたが、内部ではほぼ一定の単位体積質量であった。吹付けコンクリートのコアの28日材齢の平均強度は48N/mm
程度あり、支保工の設計基準強度を上回る高強度となった。したがって、28日材齢のセメントペースト硬化体の浸漬液のpHは12.4程度であり、シリカフュームやフライアッシュのポゾラン反応はまだ十分ではないと考えられるものの、施工性は良好なことが明らかとなった。今後は、幌延で調達できる材料を用いて吹付けコンクリートの配合を確認するとともに、浸漬液のpHの長期的な低下挙動について評価を行っていく必要がある。
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