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Sun, X. H.*; Wang, H.*; 大津 秀暁*; 櫻井 博儀*; Ahn, D. S.*; 合川 正幸*; 福田 直樹*; 磯部 忠昭*; 川上 駿介*; 小山 俊平*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064623_1 - 064623_12, 2020/06
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて逆運動学法を使用し、核子当たり168MeVの陽子, 重陽子, 炭素イオン入射によるXeのスポレーションおよびフラグメンテーション反応からの同位体生成断面積を測定した。炭素イオンの場合は全運動エネルギーが高くなるため、質量数の小さな同位体の生成断面積が大きくなった。また、今回新たに測定されたデータを以前により高い入射エネルギーで測定されたデータと比較することで、同位体生成断面積の入射エネルギー依存性を調査した。さらに、測定データをPHITS, SPACS, EPAX, DEURACSの計算値と比較した。本研究で測定したデータは、理論計算の良いベンチマークになると考えられる。
錦織 良; 小島 有志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 渡邊 和弘; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 平塚 淳一; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 11, p.2401014_1 - 2401014_4, 2016/03
ITERやJT-60SAにおける中性粒子入射装置では、多孔多段(MAMuG)加速器による高エネルギー、大電流ビームの安定供給が要求されている。これらの加速器の設計に向けては、真空放電で決まる耐電圧の予測が重大な課題となっており、原子力機構では、MAMuG加速器をの耐電圧を物理理解に基づいて設計するために、真空放電の物理過程の研究を実施している。これまでの研究成果から、この真空放電は電界放出電子による暗電流が起点となっていると考えている。しかし、F-N理論によれば、暗電流は電界増倍係数によって決まるが、これまで
は実験的にしか求めることができなかった。そこで、今回、
の決定機構を調べるために、MAMuG加速器の大面積電極の電界の異なる3つの領域で独立に暗電流を測定した。その結果、
は電極のコンディショニングと共に低下するが、絶縁破壊電界Eによって表される実効電界
Eが一定で1MV/mmであることが分かった。これは、小型電極から求めた実効電界
Eよりも1桁大きい値であり、面積の依存性を示唆していると考えている。この
Eの値を利用することにより、絶縁破壊電界時における
を求めることができ、暗電流の評価と耐電圧の予測を関連付けることができると考えている。
石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03
幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。
小島 有志; 花田 磨砂也; 戸張 博之; 錦織 良; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B304_1 - 02B304_5, 2016/02
被引用回数:5 パーセンタイル:59.87(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITERやJT-60SAで利用する中性粒子入射装置の実現に向けて、大面積多孔多段負イオン加速器を開発中であり、1MVや500kVの直流超高電圧を真空中で安定して保持できる耐電圧性能が要求されている。そこで、真空放電の物理理解に基づく耐電圧設計手法を確立することを目的として、今回、これまでの耐電圧試験結果に基づいて、多段の入れ子構造である加速電極支持構造の形状を、耐電圧や境界条件から最適化する手法を開発した。本手法では、ビーム光学から要求される電圧及びギャップ長から、電極平板部の面積、つまり同軸の入れ子構造となる円筒型電極の半径を決定することにより、耐電圧を満たすための同軸間ギャップ長を求める。これにより一段分の対向する陰極・陽極の電極構造が決まるため、本手法を段数分くり返すことにより、耐電圧を満たした加速電極支持構造を境界条件の中で一意に設計することが可能となる。得られた加速器の耐電圧を予測するために、未解明であった多段による耐電圧の劣化を、5段電極を用いて実験的に調べた結果、5段の耐電圧は1段耐電圧の段数倍よりも25%程度耐電圧が減少し、段数の増加による影響が見られた。この効果を考慮した結果、本手法によるJT-60用負イオン加速器の耐電圧解析が10%以下の誤差の範囲で一致し、ITERやJT-60SAの耐電圧設計の精度を向上することができた。
花田 磨砂也; 小島 有志; 戸張 博之; 錦織 良; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B322_1 - 02B322_4, 2016/02
被引用回数:9 パーセンタイル:39.82(Instruments & Instrumentation)本論文は原子力機構(JAEA)で開発中の負イオンビームに関する最新結果を報告するものである。JAEAでは、国際熱核融合実験炉(ITER)およびJT-60SAの実現に向けて、それぞれ1MeV, 40A,3600秒および22A, 500keV, 100秒の重水素負イオンビームの開発を行っている。これらの負イオンビームを開発するために、ITERやJT-60SAの設計と同様、多段静電加速器とセシウム添加型負イオン源を開発している。静電加速器の開発においては、長時間加速をした開発を指向しており、その課題である加速電極の熱負荷を、イオンビームの軌道を制御することにより、許容値以下に低減した。その結果、負イオンの加速時間を、従来の1秒未満から試験装置の電源の限界である60秒まで進展させた。また、セシウム添加型負イオン源の開発においては、大電流負イオンビームの長パルス生成を指向しており、これまでに15A、100秒のビーム生成を達成している。今後、長パルス生成時に顕在化した、イオン源内のアーク放電プラズマの放電破壊(アーキング)の問題を解決し、JT-60SAで要求される22Aを超える電流値で100秒以上の負イオンビーム生成を目指す。
吉田 泰*; 中澤 俊之*; 吉川 英樹
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(1), p.147 - 152, 2015/01
被引用回数:1 パーセンタイル:86.4(Chemistry, Analytical)ラジウムの毒重石に対する元素分配係数をフリードリフト法を用いた共沈実験により決定した。元素分配係数は(1.30.7)
10
となった。毒重石の結晶内のバリウムとラジウムのイオン半径は同程度であるので、ラジウムは毒重石に取り込まれやすいと予想され、元素分配係数も大きな値になると考えられていた。しかし、測定された元素分配係数は小さいものであった。炭酸により制限される結晶のサイズが、ラジウムを取り込むには十分に大きくないためであると考えられる。
吉田 泰*; 北村 暁
JAEA-Data/Code 2014-022, 38 Pages, 2014/12
経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の熱化学データベース(Thermochemical Data Base: TDB)プロジェクトでは、放射性廃棄物の地層処分における性能評価上重要な元素の熱力学データベースの開発が行われている。近年では、2008年にトリウム、2012年にスズそして2013年に鉄(第1分冊)の熱力学データベースが公開された。収録されている熱力学データは、レビュー方法やデータ選定、ゼロイオン強度への活量係数補正、誤差の評価、および温度補正などについて示された、OECD/NEA自身のガイドラインに従い厳しい目で選定されており、そのため信頼性が高いとされている。本報告では、OECD/NEAの選定値について、既存のものにトリウム,スズおよび鉄(第1分冊)の選定値を追加し、汎用地球化学計算コードであるPHREEQC, EQ3/6およびGeochemist's Workbenchで読み込み可能なデータベースファイルとして整備した。整備したデータベースファイルは日本原子力研究開発機構の熱力学・収着・拡散データベースのホームページより入手することができる。
Rai, D.*; Felmy, A. R.*; Moore, D. A.*; 北村 暁; 吉川 英樹; 土井 玲祐; 吉田 泰*
Radiochimica Acta, 102(8), p.711 - 721, 2014/08
被引用回数:1 パーセンタイル:88.23(Chemistry, Inorganic & Nuclear)セレン酸バリウムおよび硫酸バリウム混合沈殿物の溶解度について、セレン酸バリウムのモル分率を0.00150.3830に変化させ、最長302日間の測定を行った。実験系は65日以内に平衡(安定)状態に到達した。固液各相の活量係数導出にはピッツァーのイオン相互作用モデルを用いた。熱力学解析の結果、実験結果はギブズ-デュエムの式を満足せず、単一の固液の反応がセレン酸および硫酸濃度を支配しているわけではないことがわかった。得られたバリウム,セレン酸および硫酸の各濃度は、セレン酸バリウムの理想固溶体で説明でき、やや結晶性の低い硫酸バリウム固相が硫酸濃度を支配していると説明できる。これらの実験においては、固溶体中の硫酸バリウムの成分は、液相に対して熱力学的な平衡に到達しない。実験値の熱力学解釈では、本研究における実験条件全体にわたって、セレン酸バリウムの理想固溶体とやや結晶性の低い硫酸バリウム固相の両方が互いに平衡状態となっていることが示される。
北村 暁; 土井 玲祐; 吉田 泰*
JAEA-Data/Code 2014-009, 69 Pages, 2014/06
高レベル放射性廃棄物およびTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベース(JAEA-TDB)で選定されているパラジウムとスズの熱力学データを更新した。パラジウムの加水分解種および塩化物錯体の熱力学データについては最新の原著論文を、スズの熱力学データについては経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)が公開した熱力学データベースを基に、選定値のレビューと内部整合性の確認を行ったうえで採用した。また、プロトアクチニウムの一部の熱力学データを修正し、より現実的な溶解度評価が可能なデータセットに更新した。更新したJAEA-TDBのテキストファイルとして、PHREEQC, EQ3/6, Geochemist's Workbenchといった地球化学計算コード用フォーマットを整備した。この際、PHREEQCについては、SIT活量補正モデルが利用可能なデータベースファイルとした。
Rai, D.*; Felmy, A. R.*; Moore, D. A.*; 北村 暁; 吉川 英樹; 土井 玲祐; 吉田 泰*
Radiochimica Acta, 102(9), p.817 - 830, 2014/04
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Chemistry, Inorganic & Nuclear)セレン酸ナトリウム水溶液(濃度0.0014.1mol.kg
)中におけるセレン酸バリウムの溶解度を、室温(296
2K)および窒素ガス雰囲気において研究した。本溶解度測定は過飽和および不飽和の両側から実施し、実験期間を3
596日とした。得られた実験結果を解釈するためにSITおよびピッツァーのイオン相互作用モデルを使用し、両モデルによる予想値が実験値によく一致していることを確認した。
脇本 秀一; 石井 賢司; 木村 宏之*; 池内 和彦*; 吉田 雅洋*; 足立 匡*; Casa, D.*; 藤田 全基*; 福永 靖*; Gog, T.*; et al.
Physical Review B, 87(10), p.104511_1 - 104511_7, 2013/03
被引用回数:8 パーセンタイル:60.02(Materials Science, Multidisciplinary)We have performed resonant inelastic X-ray scattering (RIXS) near the Cu- edge on various cuprate superconductors, covering underdoped to heavily overdoped regimes and focusing on charge excitations inside the charge-transfer gap. RIXS measurements with
= 9.003 keV on metallic La
Sr
CuO
and Bi
Pb
Sr
CuO
exhibit a dispersive intraband excitation below 4 eV, similar to that observed in the electron-doped Nd
Ce
CuO
. This is the first observation of a dispersive intraband excitation in a hole-doped system, evidencing that both electron- and hole-doped systems have a similar dynamical charge correlation function.
吉田 英一; 平川 康; 谷田部 敏男
JAEA-Technology 2012-033, 177 Pages, 2012/11
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、これまでにナトリウム冷却型高速炉の研究開発に向けて、ナトリウム機器や装置の開発、ナトリウム環境評価法の開発、構造健全性評価及びナトリウム取扱技術の開発等のためにナトリウムを使用した試験装置等を設計・製作して種々の研究開発試験が行われてきた。これまでに所期の目的を達成された多くのナトリウム設備や機器は順次解体・撤去され、ナトリウム洗浄処理技術に関する多くの経験・知見が蓄積されてきた。これらを今後のナトリウム試験設備の保守・補修、改修等の計画策定や安全な作業実施及び次世代炉の研究開発に活用していくために、これまでに実施されてきたナトリウム洗浄処理技術に関する経験や知見を横断的に整理・評価するとともに、技術ポイントの提言をまとめた。
高柳 佑太郎*; 大内 啓邦*; Duan, Z.*; 奥川 孝紀*; 柳 雄一郎*; 吉田 哲*; 田口 光正; 平尾 敏雄; 西岡 泰城*
Journal of Photopolymer Science and Technology, 25(4), p.493 - 496, 2012/08
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Polymer Science)有機薄膜トランジスタは軽量でフレキシブルなため、宇宙船や人工衛星への利用が期待されている。そこで、シリコン/ポリイミド/パーフルオロペンタセン/金構造を有するN型トランジスタを作製し、その耐放射線性を評価した。宇宙船に4年間積載した線量に相当する1200Gyの線を照射したところ、ドレイン電流値は徐々に増加した。スレショルド電圧は400Gyの照射で33V程度から25V程度まで減少するものの、600Gy以上の照射で一時的に回復する傾向が見られた。一方、キャリアのモビリティは1200Gyまでほぼ一定であった。以上のことは、ポリイミド界面に蓄積した正孔の影響を考慮することにより説明できた。
北村 暁; 藤原 健壮; 土井 玲祐; 吉田 泰*
JAEA-Data/Code 2012-006, 65 Pages, 2012/07
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベース(JAEA-TDB)について、ニッケル,セレン,ジルコニウム,テクネチウム,トリウム,ウラン,ネプツニウム,プルトニウム及びアメリシウムの固相及び気相に関する熱力学データを追加選定した。選定した熱力学データは、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)による熱化学データベースプロジェクトで採用されたGibbs標準自由エネルギーの加減算によって得られた平衡定数である。併せて、熱力学データベースの信頼性向上のために、ヨウ素の熱力学データの収集及び更新、テクネチウム(IV)の親化学種の変更、及びセレンの熱力学データの追加を行った。このJAEA-TDBのテキストファイルとして、PHREEQC, EQ3/6, Geochemist's Workbenchといった地球化学計算コード用フォーマットを整備した。これらのテキストファイルは、本報告書付属のCD-ROMに収納されるとともに、インターネット(http://migrationdb.jaea.go.jp/)でも公開され利用できるようになる予定である。
北村 暁; 土井 玲祐; 吉田 泰*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2010), Vol.2, p.365 - 373, 2011/00
更新した熱力学データベース(JAEA-TDB)を用いて、我が国における「地層処分研究開発第2次取りまとめ(H12)」で設定した間隙水における25元素の溶解度を評価し、旧データベース(JNC-TDB)の結果と比較した。さらに、すべての目的元素の溶解度制限固相の設定技術の確立を目指した。多くの元素の溶解度評価結果は大幅には変わらなかったものの、幾つかの元素に対する溶解度や支配溶存化学種がJAEA-TDBを用いることで変化した。たとえば、ジルコニウムの多核加水分解種の生成定数の導入やトリウムのヒドロキソ炭酸錯体の生成定数の置換などに起因するものである。JAEA-TDB及びJNC-TDBを用いて評価された溶解度の比較及び議論の詳細を紹介する予定である。
北村 暁; 吉田 泰*
JAEA-Data/Code 2010-011, 37 Pages, 2010/09
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベース(JAEA-TDB)を整備した。このJAEA-TDBのテキストファイルとして、PHREEQC, EQ3/6, Geochemist's Workbenchといった地球化学計算コード用フォーマットを整備した。これらのテキストファイルは、本報告付属のCD-ROMに収納されるとともに、インターネット(http://migrationdb.jaea.go.jp/)でも公開され利用できるようになる予定である。
諫山 明彦; 榊原 悟*; 古川 勝*; 松永 剛; 山崎 耕造*; 渡邊 清政*; 井戸村 泰宏; 坂本 宜照; 田中 謙治*; 田村 直樹*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 86(6), p.374 - 377, 2010/06
この会合報告は、2010年春に開催された国際トカマク物理活動(ITPA)の会合報告を取りまとめたものである。取りまとめたトピカルグループは"MHD安定性","輸送と閉じ込め物理","統合運転シナリオ","ペデスタル物理"及び"高エネルギー粒子物理"の計5グループである。報告内容は、各トピカルグループの国内委員により、各会合で発表されたITER実現に向けた物理課題の解析結果や装置間比較実験報告、また次回会合までに行うべき課題などについてである。
吉田 泰*; 北村 暁
JAEA-Review 2009-080, 23 Pages, 2010/03
地層処分システムの性能評価解析に用いられる熱力学データで整備が必要な元素として、ストロンチウム及びラジウムが挙げられる。ストロンチウムは地層処分相当のTRU廃棄物処分における評価対象元素となっている。一方、ラジウムは、ガラス固化体に豊富に含まれるアクチニド元素の崩壊により供給され、地層処分システムの性能評価における重要元素の1つとされている。これらの元素を含む化学種について、原子力機構の熱力学データの選定基準を満足し、地層処分システムの性能評価解析で想定される化学反応に対応できる網羅性を有する熱力学データの整備が必要である。そのため文献調査を行い、ストロンチウム及びラジウムの液中化学種及び固相種について、加水分解種,硫酸錯体,炭酸塩固相及び硫酸塩固相について熱力学データの選定を行った。
吉田 泰*; 北村 暁
JAEA-Review 2009-065, 30 Pages, 2010/03
地層処分システムにおいて、Pbは4n+2系列の長半減期核種との放射平衡により常に供給される核種である。そのため、鉛は地層処分システムの性能評価における重要元素の1つとされている。核燃料サイクル開発機構では、1999年に公開された熱力学データベース(JNC-TDB)において、鉛の溶液化学種及び固相種の平衡定数を選定している。本報告では、JNC-TDB公開後に報告された単核の加水分解種Pb(OH)
及びPbCl
(n=1-4)についての文献情報を評価し、その信頼性を確認した。さらに、JNC-TDBのデータ選定に用いられた平衡定数値と併せてPb(OH)
及びPbCl
(n=1-3)の熱力学データの再選定を行い、以下の値を得た。本報告により、鉛の熱力学データの信頼性の向上が図られた。
北村 暁; 藤原 健壮; 土井 玲祐; 吉田 泰*; 三原 守弘; 寺島 元基; 油井 三和
JAEA-Data/Code 2009-024, 84 Pages, 2010/03
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベースの整備を行った。整備対象元素としては、両放射性廃棄物の性能評価対象元素である24元素(アクチニド元素,核分裂生成物元素及びそれらの娘核種となる元素)を選定した。熱力学データベース整備の基本方針については、基本的には経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)のガイドラインに従うこととするものの、熱力学データが十分に公開されていない元素については、化学アナログやモデル等を用いて得た推定値を暫定値として採用するなど、一部に独自の熱力学データ選定基準を設けることとした。選定された熱力学データについては、各種地球化学計算コード用フォーマットに対応する形式で編集された。